※ストーリーのネタバレに触れています。
スター・トレック:スターフリート・アカデミー シーズン1 第9話 “300th Night” 「三百夜」について、海外インタビュー記事の紹介です。
ジョナサン・フレイクス:演出の核心と視覚的スタイル
・監督のジョナサン・フレイクス(新スタートレック、ライカー役)にとって、ケイレブと母アニーシャの再会はこのエピソードの感情的な核心そのものです。15年ぶりに親子が対面する、複雑で密度の濃い、混乱に満ちた瞬間をいかに共鳴させるかが演出上の最大の目標だったとのこと。撮影中、フレイクス自身も俳優たちの演技や脚本、映像の美しさに心を打たれ、思わず涙をこぼしたと振り返っています。ケイレブ役のサンドロ・ロスタとアニーシャ役のタチアナ・マスラニーが目元だけで感情を伝え合う難しいシーンを見事に演じきり、物語に豊かな深みをもたらしました。「もしあのシーンがうまくいかなければ、あとの3幕で二人を思いやることも、何が起こるかを見守ることもできなかったでしょう」(Space、TV Guide)
・本作の視覚的スタイルについて、フレイクスはショーランナーのアレックス・カーツマンが確立した (第1話・第2話を監督) モチーフを受け継いだと説明しています。撮影には新しいアナモルフィック球面レンズが用いられ、俳優の顔に極限まで寄ったタイトなクローズアップが随所に登場します。「クローズアップを多用するこの手法は、感情的なシーンが満載の私のエピソードには非常に効果的でした」と、その手応えを自ら語っています。この手法が生み出す映像表現は、感情が渦巻く「三百夜」の物語と見事にマッチしました。(Space、TrekMovie、TV Guide)
ホリー・ハンター:恐れを知らない「裸足の学長」
・ナーラ・アーケ学長を演じるホリー・ハンターについて、フレイクスはその類まれなる才能とプロ意識を絶賛しています。非常に知性的で、シーンの中での自分の立ち位置を感覚的につかみとる自然なアプローチを好み、撮影前には日曜日を使ってフレイクスや撮影監督らと何時間もリハーサルを重ね、カメラの配置や動きを徹底的に詰めていたとのこと。「彼女は面白くて、非常に賢く、タフで、仕事中は裸足なんですよ!」(Den of Geek、TrekMovie、TV Guide)
制作の舞台裏:「ボリューム」の魔術と視覚的インパクト
・惑星ウケックの市場シーンでは、「ボリューム」と呼ばれる最新のLEDビデオウォール技術が駆使されました。物理的なセットとデジタル背景をリアルタイムで同期させるこのシステムの圧倒的な没入感に、フレイクスも驚きを隠せなかったといいます。背景に奥行きや飛び交う物体をデジタルで加えることで、スタジオとは思えないほど広大な世界を創り出すことに成功したと述べています。「昔はテープの跡がついたグリーンスクリーンを見つめながら、棒の先のテニスボールを目で追ってました」と、かつての撮影環境を振り返るフレイクス。この技術革新は、表現の幅を大きく広げるものとなりました。(Space、TrekMovie、IGN)
・「三百夜」のラストシーンには、スタートレックでも最大級のワイドなフレームが登場します。ヌース・ブラッカが仕掛けたオメガ47機雷(字幕では地雷)が連邦領全体を包囲する様子を映し出した場面です。グラフィック、アート、VFXの各部門が総力を結集し、銀河系の広大なスケールをひとつのショットに収めました。制作陣の忍耐と惜しみなく投じられたリソースの結晶だとフレイクスは称えており、「これ以上大きなスケールはありえないでしょう」とその充実感を口にしています。(Screen Rant、Screen Rant)
トリビア:過去シリーズへのオマージュ
・ヌース・ブラッカが盗んで用いた「オメガ47」は、スタートレック/ヴォイジャーで語られた極めて危険なオメガ分子1の合成変異体という設定です。ジェイ・デンが行うクリンゴンの儀式ルスタイ2は、新スタートレックから。冒頭のパーティーシーンで一瞬映る、エキストラのフェレンギ候補生が披露するダンスは、ディープ・スペース・ナインでのノーグの踊り3の再現です。(Screen Rant)
Threadsで見る
- ヴォイジャー シーズン4「戦慄! オメガ破壊指令」より。第5話「シリーズ・アクリメーション・ミル」でも、アカデミーの「説明不能なものへの挑戦」講座の中に、「オメガ分子の起源」の画面がありました。オメガ47について字幕では「純粋なオメガ合成変異体」となっていましたが、「純粋なオメガ (分子) の合成変異体」という意味です。 ↩︎
- 新スタートレック シーズン3「悲しみの幻影」 ↩︎
- DS9シーズン6「花嫁の試練」。故エイロン・アイゼンバーグの即興だったとか。 ↩︎