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ヴォイジャー 簡易エピソードガイド
第103話「水の惑星に消えた夢」
Thirty Days

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・イントロダクション
※1作戦室。保安部員の前で、ジェインウェイがパリスに話す。「トーマス・ユージン・パリス中尉。今日をもってあなたを少尉に降格し、拘束室にて30日間の禁固に処する。パリス少尉を拘束室へ。」
ジェインウェイはパリスの階級章を一つ外した。保安部員が腕をつかもうとするが、拒否するパリス。「自分で行ける。」
作戦室を出る。厳しい表情のままのジェインウェイ。

廊下を歩くパリス。途中にはキム、セブン、そしてトレスがいるが、何も言わない。ターボリフトに乗り、行き先を指示するパリス。「拘束室。」

部屋に入ったパリスは、コミュニケーターを外し、独房の中へ入った。フォースフィールドが張られる。出ていく保安部員。パリスはベッドに横になり、ため息をついた。


※1: このエピソードは、1999年度エミー賞 特殊映像効果賞にノミネートされました

・あらすじ
拘束室で、パリスは父親に向けての手紙を作り始めた。回想を始める。ヴォイジャーは宇宙空間に浮かぶ巨大な球体をした水の塊を見つけた。動植物も棲んでおり、近づくと船が現れる。彼らはモニアンという種族で、リーダーのバーカスをヴォイジャーに招き入れる。モニアンは 300年前からその海に船や施設を作って住んでいた。だが近年抑制力が弱まり、水が宇宙へ流出する現象が続いていた。ヴォイジャーからも調査のため、バーカスの部下のリガと共にデルタ・フライヤーで海中に向かった。操縦するのは、幼い頃から海に魅せられていた、パリスだ。
中にはモニアンが造った酸素の供給施設がある。感嘆するパリス。ヴォイジャーでは 5年以内に海が流出してしまうことがわかった。水中奥深くに、リガも知らなかった人工重力を生み出す建造物がある。10万年も経っているものだ。そのリアクターのコンピューターからデータを得る。だが、電気を発生する巨大なウナギに襲われるデルタ・フライヤー。推進力を失う。
海面では流出が始まった。リアクターが自らの構造維持のためにパワーを回し、そのため人工重力が低下しているのだ。一時的な処置としてリアクターにパワーを送り、流出は収まった。浮上するデルタ・フライヤー。データを分析した結果、この海の塊は、ある惑星上からリアクターを軌道に打ち上げ、その海を動植物ごと引き寄せてできたものだとわかる。そしてリアクターに影響を及ぼしていたのは、モニアンの酸素生成工場だったのだ。
このまま酸素を作り続ければ海が失われてしまうため、バーカスに現状と対応策を話したが、彼は何もする気がないようだ。モニアン評議会も動かないだろう。だが、これ以上彼らに関わることは内政干渉になる。パリスはリガに、生成工場を破壊し注意を向けさせることをもちかけた。2人の乗ったデルタ・フライヤーが無許可で発進する。
ジェインウェイの命令に従わず、海を潜り続けるパリス。ヴォイジャーでは光子魚雷を改造し、デルタ・フライヤーを止めることにする。ジェインウェイの最後の通告にも応答はない。デルタ・フライヤーからのミサイル、そしてヴォイジャーからの魚雷が同時に発射された。その 2つはぶつかり、パリスの計画は失敗に終わった。正しいと信じているというパリスに、ジェインウェイは正義感は認めるが罪は見逃せないと言った。30日が過ぎ、パリス少尉は解放される。「この手紙で俺のことをわかって欲しい。」 パリスは地球に接近した時に、この父親への手紙を送信するように設定した。


・用語解説など
公式サイトに実際には使用されていないシーンの写真があります。
「授賞式のバーカス、ジェインウェイたちクルー」
「キム、リーガ、セブン、パリスがモニアン勲章を受け取る」
4人がデルタ・フライヤーで帰還した後に入るはずだった場面だと思われます。

拘束室でパリスの治療をするドクターのセリフ:「その必要はない。おまじないで治る程度の打撲傷だ。」→原語では "Your injury was what Naomi Wildman refers to as a boo-boo." 「君の怪我はナオミ・ワイルドマンが言うところのブー・ブー [軽いかすり傷] だ。」

ジェインウェイがデルタ・フライヤーを呼ぶようにチャコティに「もう一度デルタ・フライヤーを呼んで」というシーンで、「応答なし」と返すのがトゥヴォックで訳されています。クローズドキャプションでもチャコティです。

拘束室にどうやって入ったのかをパリスに聞かれて答えるキムのセリフ:「少し寝てもらった」→原語では "Vulcan neck pinch." 「ヴァルカン首つかみだ。」

リガ
Riga
(Willie Garson) 明らかに「リーガ」と「リガ」の 2つで訳されています。声:中村大樹
バーカス
Burkus
(Benjamin Livingston) 執政補佐官 (Deputy Consul)。声:小野健一
ジェニー・ディライニー
Jenny Delaney
(Alissa Kramer)
メーガン・ディライニー
Megan Delaney
(Heidi Kramer) この双子の「ディライニー姉妹 (Delaney sisters)」はヴォイジャーの科学士官で、VOY第4話 "Time and Again" 「24時間の過去」をはじめ何度か言及されていました。初めて姿が登場。声:松谷彼哉 (どちらもだと思います)
パリス提督
Admiral Paris
(ウォレン・マンソン Warren Munson TNG 第155話 "Interface" 「インターフェイス救出作戦」のホルト提督 (Admiral Holt) 役) オーエン・パリス提督 (Admiral Owen Paris)。声のみ。VOY第24話 "Persistence of Vision" 「ボーサ人の攻撃」と同じ俳優ですが、吹き替えはそのエピソードでの茶風林ではなくドクター役の中博史が兼任

レオラルート・シチュー
leola root stew
レオラルート (レオラの根っこ) は VOY第11話 "State of Flux" 「裏切り者」など
バスター・キンケード
Buster Kincaid
ホロデッキプログラム「キャプテン・プロトンの冒険 (The Adventures of Captain Proton)」で、プロトンの相棒役。キムが担当
デモニカ
Demonica
ブレインプローブ
brain probe
マリシア
Malicia
モニアン海洋国
Monean Maritime Sovereignty
(ジュール・ヴェルヌ)
Jules Verne
(1828〜1905) 「ヴェルヌ」とだけ吹き替え
海底二万マイル
20,000 Leagues Under the Sea
1869年
勇ましい船長
Captains Courageous
ラドヤード・キプリング (Rudyard Kipling) 作 (1896年)
白鯨
Moby Dick
ハーマン・メルヴィル (Herman Melville) 作 (1851年)
(連邦海軍パトロール隊)
Federation Naval Patrol
「連邦」は訳出されていません
カルハン少尉
Ensign Culhane
VOY第73話 "Revulsion" 「生命なき反乱」にエキストラで登場した士官
モニアン
モニア人、モニアン人 Moneans

・感想
パリスが階級の降格に加え 1ヵ月の拘束という、おそらく最大級の罰を受けることになります。これからは「パリス少尉」なわけですね。
このエピソードも水を描いた映像は素晴らしいものです。やっとで登場したディライニー姉妹、途中に挿入される幼いパリスのシーンも見所です。
ただストーリーは回想型にはなっているものの、ありきたり、かつ説明不足の感は否めません (特にバーカス [モニアン] が、どうしてそこまでヴォイジャーの提案を拒否するのか)。巨大なウナギ君もデルタ・フライヤーを行動不能にしただけで、その後あっけなくフライヤーは浮上していますしね。少尉になったことで今後どうストーリーに影響するのか、期待したいところです。


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