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ヴォイジャー 簡易エピソードガイド
第17話「ミッシング1937」
The 37's

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・イントロダクション
「錆ですって」と驚くジェインウェイ。間違いなく酸化鉄で、腐食した鉄の破片をキャッチしたというキム。酸素もないのに宇宙空間で鉄が錆びることはない。パリス中尉に推力4分の1で錆の後を追うように指示するジェインウェイ。
錆の内部に炭化水素の複合物が含まれていますと報告するキム。ベンゼン、エチレン、アセチレン。パリスはガソリン※1だと気づく。大昔に地球で使われていた液体燃料で、燃焼させてエンジンを動かしていたと説明する。トゥヴォックが小型の物体を捉えた。スクリーンに出し、拡大させる。宇宙空間を漂うそれは「自動車」だった。

※1: gasoline

・あらすじ
ビンテージカーに興味のあるパリスによれば、それは1936年型フォードだった。農民の使っていた物のようだ。車のAMラジオを付けてみるとSOSを受信した。速度が遅すぎるために今までキャッチできなかったのだ。発信源の惑星へ向かう。大気の干渉が強すぎてスキャンもできず、シャトルで降りるのも危険だ。ジェインウェイはヴォイジャーを着陸させることにする。もし自動車が地球から運ばれた物であれば、それだけの文明があることになるからだ。パリスにとっても初めてのことだったが、無事に着陸できた。
SOSは地球の古い飛行機の中から発信されていた。だがエネルギー源は異星人のものだ。さらに洞窟の中にエネルギーの発生源を見付ける。上陸班を遠くから見張っている何者かがいた。洞窟には低温保存室があり、8人の地球人が保存されていた。時代はあの自動車と同じだ。部屋はほかにもあるが、生きているのはその8人だけだ。その中には「アメリア・エアハート」もいた。20世紀の女性パイロットの草分けで、1937年にナビゲーターのフレッドと共に消息を絶っていた。情報を聞き出すため、ジェインウェイたちは8人を蘇生させた。
状況を飲み込めないエアハートたち。彼らの最後の記憶は光に包まれ、その後は分からないというものだった。銃を隠し持っていたフレッドに人質になってしまうジェインウェイら。一方地表の異星人が動き出した。これまでセンサーを反射させていたらしい。保安部によるジェインウェイたちの救出作業が始まる。ジェインウェイはエアハートに彼女の影響を受けたことを話し、ヴォイジャーを観れば信用してもらえるはずと説得する。フレッドもエアハートには逆らえない。地上のチャコティたちには、異星人が発砲してきた。
巻き込まれたフレッドが撃たれてしまう。敵の背後に回り込んだジェインウェイ。ブリオーリかと聞かれ地球人だとジェインウェイが答えると、彼らはマスクを外した。彼らもまた地球人だったのだ。フレッドは死ぬと思い込んでエアハートに愛していることを打ち明けるが、ドクターの治療によって簡単に治った。この星の地球人、エヴァンズヴィルはエアハートたちを37年組と呼び、自分は彼らの子孫の1人だという。彼は37年組がまだ生きていたことを知らなかった。1937年にブリオーリという異星人によって地球から奴隷として300人以上が連れてこられたが、彼らは反乱を起こしてブリオーリを殺し、技術を自分たちのものとした。今では10万人以上の地球人がこの星で暮らしている。地球に帰ってきたかと錯覚するような、立派な都市を見て不安に思うジェインウェイ。もしクルーの大半がここに残ることを希望したら、ヴォイジャーを動かすことはできないからだ。だが残るかどうかは各自の判断に任せることにした。
クルー達も迷っているが、残る者もたくさんいるだろうと話すキムとトレス。37年組は全員この星に残ることを希望した。ジェインウェイは残りたい者は時間までに貨物室に集合するように通達を出した。ここまで苦労を共にしてきたクルーを誰も失いたくない。ジェインウェイはチャコティと共に貨物室の扉を開けた。中には誰もいなかった。ブリッジクルーがジェインウェイを迎え入れる。離陸するヴォイジャーをエアハートたちが見送った。


・用語解説など
ジョン・エヴァンズヴィル
John Evansville
(ジョン・ルビンスタイン John Rubinstein ENT第23話 "Fallen Hero" 「追放された者の祈り」のマザール船長 (Mazarite Captain)、第84話 "Awakening" 「陰謀の嵐」・第85話 "Kir'Shara" 「バルカンの夜明け」のクヴァック (Kuvak) 役) 声: 仲野裕、TNG第177・178話 "All Good Things..." 「永遠への旅」のナカムラ提督役
フレッド (・ヌーナン)
Fred Noonan
(デヴィッド・グラフ David Graf DS9第119話 "Soldiers of the Empire" 「我らクリンゴン」のレスキット (Leskit) 役) 「ヌーナン」は訳出されていません。声: 稲葉実、DS9 クワーク役
ジャック・ヘイズ
Jack Hayes
(メル・ウィンクラー Mel Winkler) 名前は台本からで、セリフ中には登場しません。声: 辻親八、TNG・DS9 オブライエン、映画 "Generations" 「ジェネレーションズ」のチェコフ役
ノガミ
Nogami
(James Saito) 同じく名前は台本からで、セリフ中には登場しません。声: 高宮俊介
アメリア・エアハート
Amelia Earhart
(Sharon Lawrence) 1898年生まれ。TNG第43話 "Samaritan Snare" 「愚かなる欲望」などで言及されたエアハート宇宙基地 (Starbase Earhart) の名前の由来。声: 野沢由香里
カリン・ベルリン
Karyn Berlin
(Brenda Jean)

この時点でのヴォイジャーのクルーは 152人
AM波が「光の速度に達してない」というのは「(亜空間通信に比べて) 光の速度にしか達してない」の誤訳


(フォード小型トラック)
Ford pickup truck
ホバーカー
hover car
SOS
SOS
クラスL
Class-L
惑星分類システム (planetary classification system) による分類の一つ。TNG第146話 "The Chase" 「命のメッセージ」にも登場
(三重乱雲干渉)
trinimbic interference
単に「干渉波」と訳されています
(着陸警報)
blue alert
「非常警報」は Red Alert、「警戒警報」は Yellow Alert、そして blue alert は着陸準備態勢になります。着陸態勢、特別配置などと訳されています
着陸用スタンド
landing struts
(ロッキード・エレクトラ)
Lockheed Electra
エアハートの乗っていた飛行機の名前
低温保存室
冷凍睡眠チャンバー cryostasis chamber
ユニバーサルトレンスレイター
万能翻訳機 universal translator
TOS第31話 "Metamorphosis" 「華麗なる変身」など
J・エドガー・フーヴァー
J. Edgar Hoover
火星
Mars
ユートピアプラニシア造船所 (Utopia Planitia Fleet Yards) があります。TNG第54話 "Booby Trap" 「メンサー星人の罠」より
(火星コロニー)
Martian Colonies
TOS第15話 "Court Martial" 「宇宙軍法会議」など
ブリオーリ
ブリオリ人 Briori
37年組
Thirty-Sevens
サヤインゲン
green beans
(ジェロー)
Jell-O
クラフト・フーズ株式会社の登録商標。「ゼリー」と訳されています
フルーツカクテル
fruit cocktail

・感想
さすが第1シーズンフィナーレとして作られただけはあって、とても面白い話でした。この場合の必然性はともかく、着陸するヴォイジャーの勇姿は旧来からのファンも必見でしょう。「ノガミ」を含め、日本に関する言及がいくつか出てきます。


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