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ヴォイジャー 簡易エピソードガイド
第66話「消えてゆくクルー達」
Displaced

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・イントロダクション
ホロデッキのドアが開き、バトラフを持ったトレスに続いてパリスが出てくる。なんだよ、いい調子だったのに、トドメを刺せるポジションだったじゃないかというパリス。あのまま続ければよかったんだよ、もう一回やろうと誘う。だがトレスは廊下を急ぎながら、嫌がらせはやめてよ、トムという。嫌がらせなんて、君のためを思ってさというパリス。どこがよというトレスに、目先が変わるだろ、あの格闘技プログラムは最高によくできてるんだからという。いや、それ以上だ、バトラフって奴は芸術だね、精神と肉体を研ぎ澄ませて……と話し続けるパリスに、いい加減にしてというトレス。クリンゴン好きのあんたには楽しくても、私は御免よ、ホログラムモンスターのはらわたをえぐって喜んでる暇はないのという。怒りのあまり、持っていたバトラフがパリスに当たりそうになっている。今夜ここに来たのは、あんたとのくだらない賭けに負けたからでしょ※1というトレス。やめろよ、そんなもの振り回したら危ないだろというパリス。とにかく約束は果たしたからね、もういいでしょというトレスに、プログラムが気にいらないのはわかったけど、なんで敵対心むき出しなわけ、と聞いた。敵対心なんかないわよと言い返すトレス。急に音がし、通路に一人の異星人※2が現れた。「ここは?」と尋ねる異星人。

※1: 前話 "Distant Origin" 「遠隔起源説」より。ホロデッキプログラム「バトラフ戦闘練習 (Bat'leth combat workout)」

※2: (Kenneth Tigar) 声:塚田正昭


・あらすじ
彼はニリア人で、突然連れてこられたのだという。寒さや明るさは好まないようだ。ニリアはヴォイジャーが行ったことのない星系で、またニリア人が来た際に、同時にヴォイジャーからはケスが消えていたことがわかる。さらにニリア人と入れ替わりにクルーが消える現象が続く。ニリア人たちの話では、クルーは彼らのコロニーに現れているという。このペースでは 18時間後に全てのクルーが消えてしまう。
ニリア人は医療室や貨物室にまとめられる。ジェインウェイも消えてしまった。トレスがニリア人科学者と話し合っている時、トレスは自然現象ではなく人工的なものが原因だと突き止める。すると科学者は保安部員を倒し、トレスに銃を向けた。犯人はニリア人だったのだ。トレスもヴォイジャーから消される。着いた先では、クルーたちがニリア人によって集められていた。
そこは地球人用に最適化された環境で、食料などには不自由していないが場所はわからない。まだヴォイジャーに残っているチャコティも、ニリア人が貨物室から全員いなくなっていることを知る。もはや十数人に減ったクルーでは歯が立たず、ヴォイジャーはニリア人に乗っ取られてしまった。彼らは来る前からコンピューターの情報を盗み、準備していたようだ。チャコティは邪魔をするために、あちこちのシステムを壊し始める。ついに残ったのはチャコティだけとなり、ドクターをモバイルエミッターにダウンロードした。そしてそれを持ってジェインウェイたちの元へと送られた。ニリア人は、いつもこの手を使って相手の船や基地を乗っ取っており、自分たちは情け深い種族なのだと言う。彼らが去った後、部屋の一角から別の異星人が出てきた。彼もニリア人に連れてこられた種族の一人だった。
その種族に与えられた環境はヴォイジャーのクルーがいるところとは全く違い、砂漠だという。別の場所に通じる入口があるかもしれないため、食料を与えるのと引き換えにその異星人に手伝ってもらう。ドクターのモバイルエミッターを調節し、入口の電磁波を探知できるようにした。トゥヴォックたちは機械から取り外した部品で武器を作る。ついに別の入口を見つけた。その先の区域からは 100近くの別々の環境につながっており、コンピューターでコントロールされていた。そして、全体が巨大な船だということが判明する。だが不法アクセスがばれ、警報が鳴り響いてしまう。
ニリア人は「トランスロケイター」という装置を使ってヴォイジャーを乗っ取ったことがわかった。トランスロケイターは 10光年先まで転送できるが、その分 1人ずつしか置き換えることができないのだ。追われたパリスとトレスは、ニリア人が苦手な寒い環境を選んで、その中へ逃げ込んだ。寒さに弱いトレスは眠りそうになるが、パリスが必死に起こす。2人はトランスロケイターの操作法を習得したジェインウェイたちにより、元いた居住区へ無事戻された。そしてヴォイジャーを指揮していた 2人のニリア人を、極寒の居住区へ連れてくる。ジェインウェイもそこに現れ、ニリア人に降伏させた。他の居住区にいた全ての異星人も解放されることになった。ホロデッキのリゾートプログラムで、トレスとパリスは言う。「暖かいっていいわね」 「ああ、ほんとに」。


・用語解説など
赤色巨星 (red giant star) を「赤く巨大な星」と訳しています


ダマー
Dammar
最初にヴォイジャーに来たニリア人
ジャーラス
※ Jarleth
(Mark L. Taylor TNG第50話 "The Ensigns of Command" 「移民の歌」のハリタス (吹き替えではトレノ、Haritath) 役) 協力してくれた、別の環境の異星人。声:岩崎ひろし
リズラン
Rislan
(ジェイムズ・ノウ James Noah DS9第78話 "Rejoined" 「禁じられた愛の絆」のハノール・プレン博士 (Dr. Hanor Pren) 役) ニリア人博士
タリーン
Taleen
(Nancy Youngblut DS9第157話 "Once More unto the Breach" 「今一度あの雄姿を」の Kolana 役) 居住船のニリア人リーダー。声:園田恵子
(Lang 少尉)
Ensign Lang
(Deborah Levin) VOY第58話 "Blood Fever" 「消えた村の謎」以来の登場。声はそのエピソードではケス役の小林優子さんが兼任していましたが、今回は不明
モリナ少尉
Ensign Molina
※ (Lawrence Rosenthal)

ニリア3号星
ナイリア3号星 Nyria III
ニリア人
ナイリア人 Nyrian
(小さなワームホール)
baby wormhole
ジェナーロ (乗組員)
Crewman Gennaro
階級の乗組員は訳出されていません。声のみ
ラーソン
Larson
役者不明
タロス
※ tal'oth
TAS第2話 "Yesteryear" 「タイム・トラベルの驚異」のカーズ・ワンの儀式 (Kahs-wan ordeal、吹き替えでは「成人の儀式」) に似ています
トランスロケイター
トランスロケーター translocator
(ニリア船)
Nyrian vessel
アーガラ
Argala

・名台詞
"Welcome to sickbay. Take a number."
「医療室にようこそ。番号札とって。」

──ドクターがニリア人に対して

・感想
被害者に見えた相手が、実は加害者だったというストーリー。チャコティの活躍、前から続いているパリス&トレスの関係など見所も多少ありますが、オーソドックスな話でしょう。


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