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ディープスペースナイン エピソードガイド
第73話「クリンゴンの暴挙」(前)
The Way of the Warrior, Part I

緑色の部分は脚本にはあるものの、2部に分けられた際にカットされた個所です
(本国のオリジナル 2時間版に必ず含まれているとも限りません)


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・イントロダクション
※1シスコとキラはフェイザーライフルを構え、DS9の通路を歩いている※2。部屋の前で構え、シスコが合図し踏み込む。フェイザーから部屋中にパルスを発射させる2人。オブライエンから通信が入り、レベル17には流動体生物の反応はないという。客室エリアのスキャンが終わったら合流するようにいうシスコ。キラはこの流動体生物は基地の構造に詳しいため、気をつけるようにいう。部屋を出る2人。次の部屋に入った瞬間、椅子の上のマットが液体状になり、2人をかわして逃げ去った。鳥の姿になり飛んでいく。シスコは見つけた、プロムナードへ向かったとコミュニケーターで伝える。
プロムナードに集まるクルーたち。ベシアは部下に、合図に合わせてプロムナードをフェイザースキャンするように指示する。カウントダウンを始める。するとベシアの肩を叩くものがいる。後ろから姿をあらわしたオドーだ。ため息をつくベシア。オブライエンは近寄り、捕まえたぞというが、その前にドクターが死ぬというオドー。シスコとキラもやってくる。コンピューターにタイムを聞く。3時間27分。オドーは3時間もあれば基地をうろつかれてはどれだけ被害が出るかわからないという。シスコはキラに非常訓練の計画をもう一度立てるようにいう。あらゆるものをスキャンで調べることだというオドー。創設者たちの変身能力は自分よりも数段優れているという。そこへやってくるクワーク。騒ぎが終わったなら店を開けたいという。キラがもういいわよという。どうも、といいオドーに次は何時間で流動体生物を発見できるか聞く。賭けの対象にしているのだ。オドーはうなり、クワークは考えておいてくれと離れる。キラは今回のことに関するミーティングを明日士官室で行うという。クルーは去っていく。夕食は、とシスコに聞くキラ。シスコは先約があるという。イエイツ船長が戻って来たのね、よろしくいっといてというキラ。伝えるよというシスコ。
部屋にいるシスコのところにイエイツ※3が入って来た。遅くなってごめんなさいというイエイツに、待つのも楽しいというシスコ。シスコのスキンヘッドを見て、素敵ねという。良かったとシスコは言う。シスコが君に、とプレゼントを渡すとイエイツもプレゼントを持ってきていた。イエイツが開けると、それはソーリアンシルク※4だった。よく手に入ったわねというイエイツ。ソーリアンの大使には貸しがあるというシスコ。シスコもプレゼントを開ける。それは野球帽だった。笑うシスコ。イエイツの弟がいる、パイクシティーパイオニアズ※5のものである。もしセスタス3号星に来てくれるなら、ダッグアウト席を用意するといっていたというイエイツ。最大ワープでも8週間かかるが、生の試合なら行くだけの価値があるなといい帽子をかぶるシスコ。本当に行くつもりなら送っていくわ、貨物船で旅するのが嫌でなければというイエイツ。そいつは願ってもない申し出だとシスコは言う。料理を見て、これ全部作ったのと驚くイエイツ。父親から女性の気をひくには料理が一番と教わったとシスコがいうと、それなら私の気をひくつもりと聞くイエイツ。隠し事はしないたちだというシスコ。じゃあ教えてくれる、ドッキングリングで整備員がいろいろやっていたのは何なのと聞くイエイツ。シスコは答えないが、イエイツに隠してると言われドミニオンが襲って来たときに備えて仕掛けをしていると言う。最近は誰もかれもドミニオンのことで頭がいっぱいだといい、カーデシアも国境を封鎖したと言うイエイツ。
シスコ:「ドミニオンに潜入されることを心配しているんだ。アルファ宇宙域に放たれた可変種がいるかもしれないという考えが、皆を神経質にさせている。」
イエイツ:「私が知っているのは、カーデシア・プライム行きのテレジアン木材を満載した貨物船と出会って、それを届けられなくなったということだけよ。私に言わせれば、みんな勝手に妄想しているだけね。そうでしょ?」
イエイツに同意を求められたが、シスコはできなかった。短い間が流れた後、シスコは言った。
「そうだな。」
シスコはせっかく会えたのに仕事の話はよそうという。イエイツは私もその意見に賛成といい、シスコとイエイツは乾杯する。だがそれを飲もうとした瞬間、ダックスから至急来るように通信が入る。なるべく早く戻ってくるとイエイツに言うシスコ。わかってるとイエイツは答える。シスコは私服のまま向かった。
ダックスはシスコに外を見るように言う。予期せぬお客で、今現れたというダックス。スクリーンに映っているのはクリンゴンの新しい旗艦、ネヴァール※6だ。指揮官のマートク将軍※7が話したいといっているという。シスコは通信をつなぐように言う。マートクはクリンゴン帝国からご挨拶申し上げるという。DS9へようこそ、急なお越しで驚いたというシスコ。長旅の途中なので部下を休ませてやりたいというマートクに、遠慮なくどうぞとシスコは言う。マートクは礼を言うと、遮蔽解除※8を命じた。DS9の周囲に、クリンゴンの戦艦が次々と姿をあらわした。シスコとダックスは息を呑んだ。

※1: はじめに In memory of / Gregg Duffy Long / Ronald W. Smithという文字が流れます。この2人はどちらも亡くなったDS9のスタッフの方です

※2: シスコはスキンヘッドに、またキラの髪形も変わりました

※3: Kasidy Yates (ペニー・ジョンソン Penny Johnson) DS9 第69話 "Family Business" 「クワークの母」以来2度目の登場

※4: Tholian silk ソーリアン(ソリアン)はTOS 第64話 "The Tholian Web" 「異次元空間に入ったカーク船長の危機」に登場した攻撃的な異星人。TNG、DS9でも度々セリフ中で言及されていますが、謎に包まれた種族で姿を見たものはほとんどいません

※5: Pike City Pioneers

※6: Negh'Var TNG 第177・178話 "All Good Things..." 「永遠への旅」に登場した未来のクリンゴン艦を改造したもの

※7: General Martok (J・G・ハーツラー J.G. Hertzler DS9第1・2話 "Emissary, Part I and II" 「聖なる神殿の謎(前)(後)」のヴァルカン人艦長 (Vulcan Captain)、第164話 "Chimera" 「仮面の下の孤独」のラーズ (Laas)、VOY第135話 "Tsunkatse" 「囚われのファイター」のヒロージェン・ハンター (Hirogen Hunter)、ENT第45話 "Judgment" 「反逆の法廷」のコロス (Kolos)、第80話 "Borderland" 「ボーダーランド」のクリンゴン人艦長 (Klingon Captain) 役。ゲーム "Klingon"、"Armada"、"Armada II"、"Elite Force II" でも声の出演)

※8: クリンゴン語で "Sowee TAH" と言っています


・本編
クワークの店。静かな雰囲気の中、クリンゴン人が固まってあちこちのテーブルに座っている。だが彼らはいつもと違い、陰気だ。内々だけで静かに話しており、慎重に部屋を見回している。
クワークはカウンターの後ろで不機嫌そうに作業をしている。

ベシアとオブライエンがテーブルにいる。ベシアが見ていると、オブライエンはグラミリアン・サンドマメ※9を手の甲に置き、手首を叩き、マメを空中に打ち上げ、口でキャッチした。ベシアは微笑みながら言う。
「チーフ、僕は君のパフォーマンスには限界がないってことを考え始めるよ。」
オブライエン:「それが君の好きなところなんだ、ジュリアン。すぐ感心してくれる。」
2人は楽しそうだが、クリンゴンたちの暗い雰囲気に気づく。クワークがクリンゴン人を見たまま飲み物を持ってくる。
ベシア:「ありがとう、クワーク。このサンドマメにちょっとヤモックソースをかけてくれるかい?」
何も言わないクワーク。完全に狼狽している。ベシアは気づかせようと、再び呼びかける。「クワーク?」
驚いたことに、クワークは一緒にテーブルについた。静かに話すクワーク。「耳を澄ませて。何か聞こえるかい?」
ベシア:「何も聞こえない。」
クワーク:「その通り。この部屋の周りの雑音は 30デシベル以下だ。いつもの日なら 65。部屋にクリンゴンがいる時は、85まで上がることもある。」
オブライエン:「つまりお前が言いたいことは、静かだってことか。」
クワーク:「静かすぎる。何か恐ろしいことが起こるぞ。」
ベシア:「例えば?」
クワーク:「わからない。でも静かなクリンゴンなんて見たことありますかね? それに奴らの部屋の見回し方。あれは…敵を探しているようだ。」
席を立つオブライエン。ビクつくクワーク。「どこに行くんだ?」
オブライエン:「クリンゴンに何を企んでるか聞いてみるんだ。」
クワークは冗談だとわかっていても、抑えられない。「やめとけ。」
オブライエン:「どうして?」
クワーク:「俺たちが注目していることを気づかれたくないんだ。」
オブライエン:「好きにしろ。」
オブライエンとベシアはくつろいでいる。ベシアはオブライエンのサンドマメを使った技を真似しようとするが、失敗した。
オブライエン:「コツはマメを手の正確な位置に載せることだ。」
ベシア:「そう思ったんだ。」
ベシアはもう一粒サンドマメを取ろうとするが、クワークがマメの入ったボウルを動かした。「何をしているんだ? 言ってるだろ、クリンゴンは何か企んでる。」
ベシア:「落ち着け、クワーク。クリンゴンは我々の同盟国だ。」
クワーク:「あんたらの同盟国かもしれないが、こっちは違うんだ。」
オブライエン:「静かにしろ。もしクリンゴン人が何か企んでるなら、シスコ大佐が見つけてくれる。」
クワークは考えて、気づいた。「ああ。だが大佐は俺には教えてくれるかな?」
※10マートクは、シスコとキラと共に会合を始める。シスコが来た理由を尋ねると、その前にお互い流動体生物でないことをはっきりさせようといい、マートクはナイフを取り出した。そして手のひらに傷をつけ、台の上に血を垂らす。疑うんですかと聞くキラに、信じることができるのはこの血の滴だけだという。シスコ、キラも同じようにする。3人とも流動体生物ではない。マートクはそれを確認すると、連邦を助けドミニオンと戦うために派遣されてきたという。シスコは気持ちはありがたいがその必要はないという。クリンゴン最高評議会※11の決定だという。ワームホールを監視しているが活動している様子はなく、現在はドミニオンはワームホールを離れているようだというシスコ。マートクは奴等はまた必ず来るといい、そのときになってからでは遅いという。
大きな浴場がたくさんある場所。風呂に入ったり、泳いだりしている人々の声が聞こえてくる。
タペストリーで区切られた部屋は蒸し風呂になっていて、蒸気が出てくる装置の前にキラが座っている。
急にタペストリーが分かれ、ダックスが入ってきた。服の面積の小さい、2人のトリル人男性を連れている。3人は楽しんでいるようだ。
ダックス:「ここにいたの。ずっと探してたのよ。マルコー※12が変な伝言をもって来たから。うまく頼めば、彼があなたにも同じことをしてくれるわ。」
マルコーは準備が整っているというように微笑んでいる。
キラ:「結構よ。」
ダックス:「どうして?」
キラ:「マルコーは本物じゃないからよ。ホログラムの光と複製物質で作られた人形だわ。」
ダックスはため息をつく。キラをくつろがせるのは難しそうだ。男たちに話すダックス。「ねえ、外で待っててくれる?」 マルコーは肩をすくめ、友人と共に外に出た。
キラ:「彼らの気分を害しちゃったかしら?」
ダックス:「物事の本質をつかむべきよ。トリル中の人がフービシャーン浴場※13を訪れるのに。」
キラ:「トリルにいて、一緒に訪れたとしたらね。でも私たちはトリルにいないし、ここはフービシャーン浴場でもない。ホロスイートよ。全部偽物。」
ダックス:「それで?」
ため息をつくキラ。憂鬱そうだ。
キラ:「ごめんなさいダックス。やっぱり…馬鹿げてる。」
ダックス:「いいわ。それがホロスイートの目的なの。楽しい時を過ごすこと。しなくちゃいけないのは、くつろいで想像力を使うことよ。」
キラ:「私は想像力をもちあわせてないみたいね。」
ダックス:「もちろんもってるわ。みんなもってる。子供の頃、空想の遊びをよくやってなかった?」
優しく答えるキラ。「そうね。カーデシア人の全員がベイジョー人を殺すのをやめて、撤退していくという空想はよくやってたわ。」
ダックス:「ごめんなさい、私が言いたかったのは…」
キラ:「いいのよ。私も謝らなくちゃ。想像力を全くもってないみたいだから。実際、私を見てみて。あなたは私たちのために楽しい午後を計画してくれたけど、私ができることはここに座ってクリンゴン人の心配をすることだけよ。」
ダックス:「彼らの心配は明日すればいいわ。聞いたところでは、どこにも行かないみたいだから。そしてあなたの未開発の想像力については、厳しい訓練法をやりなさい…今すぐ。」
微笑むキラ。「わかったわ。やってみる。」
ダックス:「私が求めているのはそれだけよ。行きましょう、マルコーはまだ遠くまで行ってないでしょうから。」
2人は立ちあがり、蒸し風呂を出て行った。
クリンゴン人たちはプロムナードをうろついている。オドーとガラックが一緒に食事をとっている。コーヒーもカップも君の一部なのかと驚くガラック。オドーはそうだといい、人間と同じように吸収することもできるし逆にカップを満たすこともできるという。実際にやってみせるオドー。飲んだ後、確かにコーヒーは逆に増えた。ものは食べないが食事に付き合うときはこうしているというオドー。気をつかっているんですねというガラックにうなずく。
オドー:「それで、君は私に悩んでいることを話したいんじゃないかな?」
ガラック:「どうして私が悩んでいると思うんです?」
オドー:「君が食事をほとんど終えたからだ。いつもなら朝食には二倍の時間がかかる。」
ガラック:「そうですかね?」
オドー:「私の経験では、大抵朝には食べることより話すことに興味がある。」
ガラック:「単に空腹だったからかも。」
オドーは疑わしげにガラックを見た。
ガラックは近頃のカーデシアの噂を耳にしたか尋ねる。オドーは国境を封鎖したことしか知らない。それ以外にも噂があり、民衆の暴動が起き革命が勃発しそうだというガラック。カーデシアに情報源があったのかと聞くオドーに、一人や二人はいたが今は連絡が取れないという。オブシディアンオーダーは崩壊する※14、ドミニオンは襲ってくるでカーデシア帝国は揺れに揺れているというガラック。ふいに後ろでクリンゴン人たち※15が騒ぎ出した。モーンの荷物をチェックしている。オドーは情報があったら知らせるとガラックにいい、クリンゴン人たちに近寄る。彼らはモーンに詰め寄っていた。モーンが行こうとしている星雲は方向違いだ、DS9で何をしていると言っている。何か問題でもというオドーに、クリンゴン語で答える。するとガラックがママの元に帰れといっても無駄ですよ、母親がいないのでという。モーンにサンダース少尉※16が呼んでいたぞというオドー。モーンは離れる。用があるなら私を通していただきたいというオドー。流動体生物やカーデシアの犬に指図される覚えはないというクリンゴン人。流動体生物だがこのステーションの保安責任者でもある、話を聞いてくれないとこの続きは留置所の中ですることになるがというオドー。ベイジョーの制服を着ている限りは同盟軍だ、手は出さない、しかし脱いだらただではおかんぞといい、歩いていくクリンゴンたち。オドーはガラックにクリンゴン語もわかるのかという。あなただってクリンゴン人に化ければクリンゴン語をしゃべるでしょうとガラックは言う。
ガラックが自分の店に戻ると、クリンゴン人が待っていた。後ろからも先ほどのクリンゴン人が現れる。どうしました、道に迷われたか、それとも腕のいい仕立て屋をお探しでというガラック。クリンゴン人ははずれだというと、いきなり殴り掛かって来た。床に倒れるガラック。ほかのクリンゴン人がガラックを抑え、再び殴られる。

※9: Gramillion sand peas グラミリアン砂豆
スナック菓子。DS9第27話 "Rules of Acquisition" 「フェレンギ星人の掟」より

※10: オープニングの音楽と映像が変わりました。以前より派手なものになっています。また、ベシア役のクレジットが Alexander Siddig に変わりました

※11: Klingon High Council

※12: Malko

※13: Hoobishan Baths
ホロスイート・プログラム

※14: DS9 第67話 "The Die Is Cast" 「姿なき連合艦隊(後)」より

※15: (Obi Ndefo)など

※16: Saunders


ベシアはガラックの治療をしながら、あいつらを訴えた方がいいんじゃないのかという。シスコとオドーも同じことをいっていたというガラック。でもダメージは特に受けていないから構わないという。肋骨7本と鎖骨を折られてるのにというベシア。ガラックはこちらも引っかき傷を負わせた、プライドは多いに傷ついているだろうという。自分の怪我はベシアに治してもらえば良いが、私があいつらにつけてやった傷は癒すことができないというガラック。そして解せないのはどうしてクリンゴン人が自分にあれほど敵意を持つことができるかだという。流動体生物はみんな敵だと思っているからオドーならわかるが、カーデシアとクリンゴンは争いもなく友好的な関係を築いていたのにとガラックは言う。ベトレカ星雲※17でもめたじゃないかというベシアに、あれはただの小競り合いだというガラック。18年も続いたぞというベシア。大昔のことだ、多分単に私が気に食わなかったんでしょうというガラックに、それはないだろうとベシアは言う。そうでしょうというガラック。じゃあ私を誰かと間違えたんでしょうかという。
キラはシスコに報告を行っている。クリンゴンの戦艦は姿を消したりあらわしたりしているので正確には分からないが、少なくとも20隻以上の船がいるという。そこへダックスから、貨物船ゾザ※18の救難信号を受信したと通信が入る。イエイツの船だ。出発したのは1時間前なのにというシスコ。通信を受ける。イエイツは攻撃を受けているというが、そこで画像が乱れてしまった。司令室に戻るキラとシスコ。ダックスは通信妨害だという。発進位置を突き止めるように言うシスコ。ディファイアントの出撃準備をさせ、クルーを集めるように命じるとリフトに乗り、ディファイアントに向かった。
ディファイアントから、前方スキャナーでゾザの位置を発見した。キラはもう1隻船がおり、トラクタービームでゾザを引っ張っているという。スクリーンに映し出される。相手の船はクリンゴン船だった。ダックスはまだ妨害波が出ており、イエイツとは通信不可能だという。クリンゴン船に呼びかけるように言うシスコ。クリンゴン船ムチャール※19の司令官ケイボク※20が現れた。なぜその船を捕らえたのか聞くシスコ。ベイジョーの領域を出る船は全て調べろとの命令だというケイボク。なにを調べるのとキラが聞くと、ケイボクは流動体生物かどうかだという。船と貨物をスキャンし、乗客とクルーは遺伝子検査を行うという。誰の権限でというシスコに、クリンゴン最高評議会のガウロン総裁※21の決定だと答えるケイボク。ここはベイジョーの管轄でクリンゴンには何の権限もないというキラだが、ケイボクは協力しているんだ、感謝しろという。その船に流動体生物が乗っているという証拠でもあるのかとシスコが尋ねると、検査しないことにはわからないという。キラはケイボクに、ベイジョー領域内の船に対し断りなく船の捕獲調査を行うことは主権の侵害に当たるという。しかし任務だといい、ケイボクは通信を終える。ムチャールのトラクタービームのパワーが上がり、乗り込むようだというダックス。シスコはシールドアップとフェイザー砲の充填を命じる。注意をこちらにそらすつもりだったが、まだトラクタービームを切らない。シスコは威嚇射撃を命じる。するとケイボクから話したいと通信が入って来た。何を馬鹿な真似をというケイボク。やむをえなかった、貴殿の行為はベイジョーの法に反しているというシスコ。最後のもう一度警告しよう、ただちに船を開放せよというシスコ。我々は同盟軍だぞとケイボクは言うが、シスコはムチャールのエンジンにフェイザーをロックオンさせる。ケイボクはトラクタービームを解除させ、ガウロンが黙っていないぞという。去っていくクリンゴン船。開放されたゾザのイエイツから通信が入る。イエイツはクリンゴンに何を言ったか知らないけど効果てきめんねという。乗員は無事か尋ねるシスコ。みんな無事だ。安心したというシスコ。センサーの届く限り監視するが、クリンゴンも多分手を出してこないだろうという。イエイツは本当に助かった、2週間後に戻ってくるという。帰ったらよってくれというシスコ。
ダックスはシスコに、長距離センサーで追跡してみたがムチャールは一応ベイジョー領域を離れたという。だがどこの領域もない場所で強制調査をやられては口出しはできない。ベイジョーか連邦の船に手を出せば別だけどというダックス。そこにマートク将軍が入って来た。私もお話が、というシスコだが、マートクはクリンゴンナイフ※22を机の上に置き、受け取るがいいというと出ていった。ダックスが手に取る。それはケイボクのものだ。なぜこれをというシスコ。彼の死を知らせるためだというダックス。多分命令に従わなかったので処刑されたという。つまりこの次クリンゴンと対決するときは今回の様には行かないということかというシスコ。何かいい手はあるかとダックスに聞く。ダックスはクリンゴンに長居をされては事体は悪化する一方で、手を打つなら今の内よという。シスコはクルゾンが言っていたことを思い出す。「長い目で見れば、クリンゴンを動かすことができるのはクリンゴンだけだ」※23といい、艦隊司令部に連絡を取るように言う。ダックスはうなずき、司令官室を出ていった。
エアロックに一人の士官が到着する。それはクリンゴン人のウォーフ少佐※24だった。オブライエンが呼びかける。久しぶりだなというウォーフ。2人は一緒に歩いていく。その様子を見ていたクワークは、誰がきたかと思ったらまたクリンゴン人か、と言った。

※17: Betreka Nebula

※18: Xhosa アンタレス級 TNG 第20話 "Heart of Glory" 「さまよえるクリンゴン戦士」に登場したバトリス (Batris) の再利用

※19: M'Char

※20: Kaybok
(Christopher Darga VOY第114話 "Think Tank" 「頭脳集団クロスの陰謀」の Y'Sek、ENT第5話 "Unexpected" 「予期せぬ侵入者」のヴォロック (Vorok) 役)

※21: Gowron (ロバート・オライリー Robert O'Reilly) DS9 第49話 "The House of Quark" 「クワークの結婚」に登場

※22: d'k tahg と呼ばれるナイフ。スタートレック3 "The Search for Spock" 「ミスター・スポックを探せ!」など

※23: "In the long run, the only people who can really handle the Klingons... are Klingons."

※24: Worf (マイケル・ドーン Michael Dorn) ついに登場! 順番からすると、映画ジェネレーションズ以来の登場になります。声は銀河万丈氏です


ウォーフは司令官室に入る。招集を受け参りましたというウォーフ。良く来てくれた、楽にしていいぞというシスコ。エンタープライズは残念だったな、いい船だったというシスコに、ウォーフははいと答える※25。ウォーフは休暇中だった。惑星ボレス※26のクリンゴン修道院を尋ねていたという。修道士との問答は奥深く、ためになったとウォーフは言う。せっかくのところ悪いが、この任務もすぐ終わるというシスコ。どうせもうすぐ休暇は終わる頃だというウォーフ。次の配属はもう決まっているのかとシスコが尋ねると、ウォーフは退役を考えているという。理由を聞いていいかというシスコ。ウォーフは、故郷を離れ連邦で生きて来て、それゆえの悩みや葛藤があったという。エンタープライズのなくなった今、連邦に身を置くのは果たして意味があるのかと思っているというウォーフ。シスコは今回の任務はぜひ君に頼みたいというシスコ。しかし無理強いはしないというシスコに、ウォーフはありがとうございますといい、辞表を提出するまでは任務に専念するという。よく言ってくれたといい、状況報告書を読んでくれたかと聞くシスコ。ウォーフは はいという。クリンゴン帝国の機動部隊の様子がおかしい、マートク将軍は隠していることがあるらしいが、何も話してくれないというシスコ。ウォーフは何とか聞き出しましょうという。助けが必要なら言ってくれというシスコに、ウォーフは了解といい出て行く。シスコはウォーフを呼びとめ、自分も艦隊を辞めようと思ったことがあったが、あの時辞めていたらきっと後悔したという。ウォーフは覚えておきますといい、部屋を出ていった。
クワークのバーに入って来たウォーフ。カウンターのクワークは、何を飲む、クリンゴンブラッドワイン※27と尋ねる。冷えたプルーンジュース※28と答えるウォーフ。クワークは笑うが、睨まれて笑うのをやめ、珍しいねといい取りに行く。オブライエンがウォーフを呼ぶ。ベシアを紹介するオブライエン。ダーツはどうですと言うベシア。ゲームはしないというウォーフに、オブライエンはポーカーはやるんでしょといい、この矢を使うんだけどという。ゲームじゃなく訓練と思えばいいというオブライエン。ベシアがルールを説明し、真ん中に当てればいいという。矢を受け取ったウォーフは思い切りなげた。その矢はボードに深く突き刺さり、エラー音を立てている。苦笑いするオブライエンとベシア。キラがあんな演技ある、とダックスと一緒にやってきた。二人とも帽子をかぶり、ドレスを着ている。あなたが悪いのよというダックス。キラが何かしたのかいと聞くベシア。ダックスはキラがランスロットをぶちのめしたのだという。キスして来たからというキラに、台本にそうあるでしょというダックス。笑うベシアとオブライエン。私は人妻なのよというキラ。ベシアはウォーフに二人を紹介する※29。キラをここの副司令官です、といい吹き出すベシアとオブライエン。ウォーフはいい帽子だという。キラは気付くと、慌てて大きな帽子を取り、いつもはこんな帽子やドレスじゃないのよ、ホロスイートにいたというキラ※30。そうだと思ったというウォーフ。ダックスにあなたはクルゾン・ダックスかと聞く。ダックスは前はねといい、私も普通はこんなドレスじゃないという。クルゾンの名はクリンゴン星にもとどろいているというウォーフ。ダックスはそれに対し、クリンゴン語で「ルク、アジチムタラ」と答える。顔を見合わせるベシアとオブライエン。キラもわからない。ウォーフは少し考えると、確かにそうだなといった。カウンターでクリンゴン人が、酒をよこせとまた騒ぎ始めた。ウォーフは失礼というとそちらへ向かう。キラはダックスになんて言ったの、と聞く。ダックスは翻訳すると面白くないわと言った※31
クリンゴン人はブラッドワインがぬるい、別のをよこせと怒っている。ウォーフはマートクの息子、ドレックス※32だなという。そうだと答えるドレックスに、俺はウォーフ、モーグ※33の息子だという。そしてドレックスを殴った。ナイフをかざし襲い掛かるドレックスをウォーフはかわし、腕をつかみ倒してしまった。ドレックスのナイフを取るウォーフ。ドレックスの部下も手出しすることができない。その様子を見ていたダックスはやるわねという。言ったでしょというオブライエン。
ウォーフは荷物の整理をしている。その中には息子のアレキサンダーと一緒に写っている写真もあった。ドアチャイムが鳴り、マートクが入って来た。息子の剣を奪ったそうだな、返してもらおうという。ウォーフはもうこれに用はないといい、ナイフを返した。あんたを引っ張り出せたというウォーフ。私を呼び出すためだけに息子の名誉を汚したのかというマートク。もともとないものを汚すことはできないというウォーフに、息子に名誉がないというのかと怒るマートク。ドレックスは嘘つきで臆病者だという。ではその父はというマートクに、それはこれからわかるというウォーフ。我々が何か気に入らないことでもしたかというマートク。ウォーフはお前たちのやっていることは血迷っているとしか思えないという。ガラックを襲ったり、断りもなく中立ゾーンで立ち入り検査を行ったり、その上ケイボクの処刑を行ったりしたことだ。全てアルファ宇宙域の安全を守るためだというマートクに、そんな嘘が通用すると思うのかというウォーフ。お前とは争いたくないのだというマートク。ウォーフは私も同じだ、マートク一族は名誉ある家系だという。だがマートクがここに来た本当の理由が知りたいという。マートクはここに来たのはガウロン直々の命令だったという。クリンゴン戦士ならこれ以上の説明は不要のはずだというマートクに、俺はクリンゴン戦士であると同時に宇宙艦隊の士官でもあるというウォーフ。マートクは宇宙艦隊にもいずれわかる、だが今はこれだけ言っておこうといい、この任務はクリンゴン帝国の命運を決するものだという。邪魔すればそれは祖国を滅ぼすことになるぞといい、マートクは出ていった。
ウォーフはホロスイートで、ホログラムを相手に戦闘の訓練をしている。ドアが開き、ダックスが入って来た。戦っている様子を見て、腕が下がり過ぎているというダックス。ウォーフはアドバイスを求めた覚えはないという。親切で言ってるのにというダックス。ウォーフは戦闘の相手を打ち負かした。ダックスは近寄り、このプログラムは気に入ったと聞く。ウォーフは手応えはある、ホロスイートにクリンゴン用の戦闘訓練プログラムがあるとは思わなかったという。私のよというダックスに、ウォーフはクルゾンのかと尋ねる。いいえ私が使うのと答えるダックス。そしてコンピューターにバトラフ※34を出すように命じる。ホログラム映像相手じゃ飽きるでしょうといいながらバトラフを手に取るダックス。ハンデがあり過ぎるというウォーフに、ダックスは手加減してあげるという。よかろう、本気で行くぞとウォーフがいい、戦闘が始まった。互角に渡り合う2人。
ダックスのトリッキーな動きに、打撃が当てられそうになるウォーフ。闘い続けながら話しかけるダックス。「あなたは私が女だからといって手加減してないはずよ。もし簡単になるなら、私を男だと思いなさい。何回かは男だったんだから。」
だがウォーフがダックスのバトラフを弾き飛ばし、ダックスは負けた。
ウォーフ:「クルゾンがバトラフについて知ったことを、全部忘れた訳じゃないということはわかった。」
すっきりしたと聞くダックス。マートク将軍との話し合いはうまくいかなかったみたいねというダックス。情報は得られなかったとウォーフはいう。ガウロンやカーレス皇帝※35には取り次いでもらえず、最高評議会にいるウォーフの弟のカーン※36も口を閉ざしているという。別の角度から攻めてみたらというダックス。クリンゴンの中にはあなたの一族に恩のある者もいるんじゃないという。
ウォーフは老クリンゴン人※37と酒をのみ、歌を歌っている。歌い終わり頭同士をぶつけ合う2人。ウォーフの父と一緒に良くこの歌を歌ったというクリンゴン人。デュラス※38一族との争いではウォーフの父親のおかげで我々一族の名誉が守られたという。何度も聞きましたというウォーフ。実にいい話だというクリンゴン人に、あなたの語りのおかげだというウォーフ。クリンゴン人はモーグは偉大な戦士だったという。恩を返したいと常々思っていたというと、ウォーフはクリンゴン軍進攻のわけを教えてくださいという。お前にも知る権利があろう、お前だってクリンゴン戦士だ、戦いに加われないのは不憫というものよというクリンゴン人。直に戦争が始まる、大いなる戦いがといい、クリンゴン人は大きく笑った。

※25: 映画「ジェネレーションズ」より

※26: Boreth TNG 第149話 "Rightful Heir" 「クリンゴン神カーレスの復活」より

※27: Klingon bloodwine TNG 第157話 "Gambit, Part II" 「謎のエイリアン部隊(後)」など

※28: prune juice

※29: ダックスは大尉から少佐に、またベシアは中尉から大尉に昇進しています

※30: Sir Lancelot が登場します

※31: ダックスは連邦標準語で言うと、"Yeah, but I'm a lot better looking than he was." と言いましたが、あえて日本語訳は書きません^^;

※32: Drex 最初にオドーともめていたクリンゴン人

※33: Mogh キトマー大虐殺で死亡

※34: bat'telh おなじみの婉曲した剣

※35: Kahless TNG "Rightful Heir" より

※36: Kurn TNG 第65話 "Sins of the Father" 「クリンゴン戦士として」など

※37: Huraga (William Dennis Hunt)

※38: Duras


プロムナードの2階に一人でいるウォーフに、オドーがここからだと全てが見通せるでしょうと話しかける。ウォーフは四方山話がしたいならよそを当たってくれ、一人になりたい気分だという。そうは言ってもずっとここにはいられない、シスコ大佐に報告しなくてはいけないんでしょうと言うオドー。クリンゴンの真意が分かったのなら真っ先にシスコに知らせるべきだと言う。俺を見張っていたのかというウォーフに、保安責任者として監視するのは仕事の一環だと言うオドー。ウォーフは一日に平均5本クリンゴン星に向かって通信を発信していたという。しかし応答はなかった。それが夕べクリンゴン戦士と話してからは1回も通信をしていないし、クリンゴン進軍の理由を探ろうともしていないというオドー。関係ないというウォーフだが、オドーは安全を守るのが私の義務だといい、ウォーフの行動から察するに推測できる2つの結論があるという。一つは捜査をあきらめたか、もしそうなら私が引き継ぐと言うオドー。もう一つは情報をつかんだことか、シスコには言えないような恐ろしい情報を、という。ウォーフは勝手な推測には興味はないといい歩いていこうとする。オドーはウォーフを呼び止め、あなたと私は似たような境遇にあるという。私も同胞のもとに帰るか、任務につくか迷ったというオドー。そのいきさつは艦隊の記録で読んだというウォーフ。オドーはどちらにつくかは勝手だが、どちらを選んでもシスコに手遅れになる前に伝える義務があるという。ではごゆっくりというとオドーは離れる。
司令室。ウォーフが入って来てオブライエンを見る。
オブライエン:「ミスター・ウォーフ。何でしょうか?」
ウォーフ:「シスコ大佐は?」
オブライエン:「説明会議をしているところだと…」
ウォーフ:「大佐と話したいんだ。今すぐ。」
オブライエンはウォーフを見つめた。
司令官室。どうしてクリンゴンがカーデシアを侵略するんだと言うシスコ。ウォーフはさる情報源によれば、カーデシア星でクーデターが勃発し、中央司令部※39が倒れて指揮権が軍部から革命政権へ移ったという。それが本当だとしてもどうしてクリンゴンと何の関係があるというシスコ。ガウロンはクーデターの裏にはドミニオンが絡んでいると見ているというウォーフ。証拠はあるのかというシスコに、つかんではいないようだが、何者かの助けがなければ中央司令部は倒せないだろうということだという。だからカーデシアを叩き潰して、早めにドミニオンの芽を摘み取ろうと言うのかというシスコ。マートクにすぐ会いたいと伝えてくれとダックスに命じる。ウォーフに今回は君にとって辛い任務だったろうと言うシスコ。ウォーフは祖国を取るか、連邦を取るか選択しなければならないときが来ると思っていたという。まだその選択はしなくていいというシスコ。シスコはマートクには私一人で会うというが、ウォーフはお供させてください、今途中で放り出したくないという。
マートクは情報網はたいしたものだといい、どうやって情報を手に入れたか今度教えて欲しいという。どうやって手に入れたかは問題ではないというシスコに、いいや重要だ、ガウロンもそう言うだろうというマートク。シスコはとにかく攻撃を中止していただきたいという。アルファ宇宙域をドミニオンに征服されるのを黙ってみていろというのかというマートク。カーデシアがドミニオンに操られているという証拠はないとシスコはいう。カーデシア政府が倒れたのが何よりの証拠だというマートク。もし間違っていたらというウォーフに、カーデシアには運がなかったと言うしかあるまいというマートク。シスコは連邦評議会※40の結論ははっきり出ており、カーデシア攻撃の支援をすることはできないという。連邦は傍観するだけか、というマートク。我々がアルファ宇宙域のために命を懸けようというのにという。連邦は不当な戦争には手を貸さないというウォーフ。では生き残るのは我々だけだと強くマートクはいう。どうか冷静に考えてください、連邦からガウロンに通達も行っているというシスコ。もし攻撃を行えば連邦とクリンゴンの和平もこれまでだという。マートクはわかってくれ、連邦と敵対するつもりはないという。シスコは再度攻撃を止めてくださいという。マートクはガウロンと相談する、1時間後に結論を知らせようというと部屋を出ていった。
シスコとウォーフが司令室に戻って来た。ダックスがクリンゴンが動いたという。戦艦は次々と遮蔽状態になり、DS9から離れていく。マートクは船に戻るとすぐ軍隊に指令を送ったという。ただ一言、「インチャ」と。シスコはウォーフの顔を見る。「戦闘開始」だというウォーフ※41。オブライエンは亜空間の変動を感知したという。ワープにはいるようだ。コースはわかるかと聞くシスコ。歪みの数値からコースを割り出すオブライエン。まっすぐカーデシアへ向かう気だというシスコ。

※39: Cardassian Central Command

※40: Federation Council 映画スタートレック4 "The Voyage Home" 「故郷への長い道」など

※41: "In'Cha" = "Begin"


士官室。シスコは連邦評議会がガウロンとコンタクトを試みているが、今のところ何の応答もないという。ガウロンから返答があるまでは待機せよというのが評議会の意向だ。ベイジョーも連邦の決定に従う意向だというキラ。カーデシアに警告してもいけないのかというベシアに、ダックスはクリンゴンはまだ同盟国なので裏切り行為に当たるという。クリンゴンの言う通り、ドミニオンがカーデシアの実権を握っていないとは言い切れないというオブライエン。オドーは私の同胞なら政府を乗っ取るくらいお手の物だろうという。ドミニオンが関与しなくてもクーデターは起こりうるとキラは言う。反政府運動※42が高まっており、オブシディアンオーダーが倒れたのを機に革命が起こったのよという。ウォーフはカーデシアの問題だけではないという。クリンゴンの中には長年の平和に飽き、戦争と領土拡張を唱えるものもいるという。ドミニオンの脅威を口実に、本能をむき出しにしているというウォーフ。闘争心と征服欲だという。シスコは闘争本能に火がついたら、カーデシア政府だけで収まるとは思えないという。次の標的は連邦かもというキラに、ダックスはベイジョーの方が危ないという。クリンゴンがカーデシアを倒せば次に狙うのはワームホールの管理権だというダックス。クリンゴンが昔の姿に戻ったら誰も止められないとウォーフはいう。その前に止めなければというシスコ。オブライエンは選択肢は2つしかないという。このまま黙ってみていれば自分たちが標的になり、命令を無視してカーデシアに警告すれば連邦とクリンゴンとの戦争になりかねないという。つまり第3の選択肢が必要だなとシスコはいう。
ガラックは自分の店でモーンに暖かいウールの下着※43を勧めている。気にいったらまたいらしてくださいねとモーンにいうガラック。モーンは無言で出て行く。そこへガラックに通信が入る。シスコがメジャーを持って士官室に来るようにいった。
ダックスは第一陣は100隻以上の艦隊になるといっている。ガラックが入ってくる。お呼びになりましたでしょうかというガラックに、シスコはスーツを作るので採寸してくれという。シスコのサイズなら控えているというガラックだが、シスコは測り直してくれというとダックスに話を続けさせる。クリンゴンは今回の侵略攻撃に全軍の3分の1を投入し決着をつけるきだという。シスコはクリンゴンが目的地に到着するのはいつごろになるか聞く。カーデシアに到着するのは1時間以内だと答えるウォーフ。ガラックは驚く。ウエストも測ってくれ、最近やせたからなというシスコ。ガラックはありがとうございました、必要な情報は全て揃いましたというと部屋を出て行く。
ガラックはデュカットと通信を行っている。どうしてクリンゴンが我々を侵略するのかと聞くデュカット。どうやらクリンゴン最高評議会はカーデシアが流動体生物に乗っ取られたと思っているらしいというガラック。たわけたことをというデュカット。そうかなとガラックはいう。デュカットは何とかクリンゴンを止めるようにシスコに伝えて欲しい、我々は別の問題で手がいっぱいだという。民衆を制圧するのに手間取っているのかというガラックに、なぜそのことを知っていると聞くデュカット。ガラックはオブシディアンオーダーが崩壊してから、カーデシアの情報は筒抜けだという。オブシディアンオーダーが倒れた今、お前に役に立ってもらうことはこの先ないだろうというデュカット。女のドレスのすそでも測って平和な余生を送れという。ガラックは言いたいことは山ほどあるが、それを抑えて情報を与えているんだという。とにかく時間がなく、クリンゴンは1時間でカーデシアに到着する、急いで準備することだなといい、通信を終えるガラック。
司令室。キラはクリンゴンの通信を傍受したという。それによればカーデシア辺境にあるコロニーはあっという間に制圧されたということだった。でも現在はカーデシア艦隊が出撃し、クリンゴンは大きな抵抗にあっているという。誰かがカーデシアに前もって教えてたみたいねと笑うダックス。これでクリンゴンも考え直せばいいけどとキラは言うが、ウォーフは否定する。一旦戦いが始まれば、勝利をおさめるまで手はゆるめないという。シスコが司令官室から出て来た。オブライエンが連邦評議会の意向を尋ねる。クリンゴンに正式に抗議を申し入れたというシスコ。それに対しガウロンはクリンゴン帝国内の連邦市民を追放し、連邦にいる大使を引き上げさせた。つまり外交関係の断絶ですかと聞くキラ。シスコはキトマー条約※44も破棄すると宣言し、長年続いた惑星連邦とクリンゴンの平和協定は決裂したという。顔を見合わせるダックスとウォーフ。オブライエンはクリンゴン船が姿を現し、ドッキング許可を求めているという。ガウロン総裁が乗っており、ウォーフと話がしたいといっているというオブライエン。
クリンゴン船にウォーフが乗船する。ガウロンがウォーフ、と近寄る。元気そうじゃないかと笑うガウロン。いつかその制服がお前に仇をなすと思っていたという。おっしゃるとおりですというウォーフ。だが謝罪するつもりは、といったところでガウロンはわかっているという。お前は正しいと思ったことをやり、それによって何人もの敵を作ったが、私は敵ではないというガウロン。ありがたい、熱い友情に感謝しますとウォーフはいう。ガウロンは私のために戦ってくれたことを忘れてはいないという。そして再びお前の手を取り共に戦えるときが来た、大いなる戦いに臨もうというガウロン。カーデシアに来いということですかと聞くウォーフに、お前がクリンゴンとして再出発するには格好の場だと言う。そして私と来い、カーデシアで栄光の戦いが待っているぞと言うのだった。※45

※42: DS9 第51話 "Second Skin" 「恐るべき過去」より

※43: Vitarian wool underwear ヴィタリアンの部分は訳出されていません

※44: Khitomer Peace Treaty 映画スタートレック6 "The Undiscovered Countery" 「未知の世界」より

※45: このエピソードはもともとは2時間の話でしたが、前後編に分けられるときにカットされたシーンがあるそうです


・To Be Continued...
・感想
いよいよ第4シーズンと言うことで、ウォーフがいつ出るか楽しみでしたが、意外と早く登場しました。これからの活躍に期待します。内容的にはクリンゴン・カーデシア・連邦・創設者と結構複雑に絡み合ったさまざまな問題が発生します。何十隻ものクリンゴン戦艦には圧倒されます。


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