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ディープスペースナイン エピソードガイド
第67話「姿なき連合艦隊」(後)
The Die Is Cast

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・イントロダクション
ベシアはオブライエンと昼食をとっている。地球の劇作家が衰退に向かったのは23世紀からだと思うというベシア※1。現代の劇作家は異星人に影響されるあまり、独自の文化的遺産を無視してしまいがちだと。だがオブライエンは食べることに夢中で、あまり聞いていなかったようだ。ベシアに言われ一言もらさず聞いていたというオブライエンだが、ベシアが感想を求めても何も答えられない。なんでもいいから言ってくれとベシアがいっても、オブライエンは今はランチの時間だと言う。ベシアがプロミークスープ※2を飲むだけじゃと言っても、オブライエンは母親に食事と議論を一緒にするな、どちらも中途半端になるからと言われたという。ベシアはいつもガラックと議論しながら食べているので、その癖が抜けないのだ。オドーとガラックの行方を尋ねるベシア。U.S.S.ポートランド※3とカーデシア艦が、アルギラセクター※4の捜索を行っているがまだ発見されていないと言うオブライエン。爆破されたなら残骸があるはずだから希望はあるという。そこへオブライエンへキラから通信が入る。すぐに司令室に来るように言う。すぐに向かうオブライエン。
10分前に異常にテトリオン粒子※5の集中している個所が発見されたという。こんな現象は見たことがないというダックス。亜空間のエネルギー変動などが起こっている。それはどんどん近づいてきており、またテトリオンの数値が高くなってくる。エネルギーの突出を感知、船が遮蔽を解除した。現れたのはロミュランのウォーバードだ。だが次に現れたのはカーデシアのケルドン級戦艦※6だった。なぜカーデシア艦が遮蔽を、というキラ。艦隊がまるごと遮蔽から出て来たのだ。シスコは非常警報を発令、戦闘配置、シールドアップを命令する。
次々と姿をあらわす戦艦。戦闘体制ではあるがこちらへロックオンはしない。艦隊はワームホールへ向かっている。呼びかけにも応じない。キラはガンマ宇宙域に攻撃つもりなんだわという。シスコは、ダックスに宇宙艦隊へ最優先チャンネルを開くように言った。
※1: ベシアはそのころの劇作家としてウィルムヘルド (Willemheld)、バートン (Barton)、チャウユン (Chow-yun)を挙げていますが訳されていません

※2: plomeek soup ヴァルカンのスープ。TOS 第34話 "Amok Time" 「バルカン星人の秘密」、DS9 第40話 "The Maquis, Part I" 「戦争回避(前)」にも

※3: U.S.S. Portland NCC-57418、キメラ級 (Chimera-class)。あくまでも戦艦ではありません^^;

※4: Algira sector

※5: tetryon particles TNG 第131話 "Schisms" 「謎の第3次亜空間」など

※6: Keldon-class warships DS9 第55話 "Defiant" 「奪われたディファイアント」など


・本編
テインはガラックと酒を飲みながら昔のことを話している。3年前にオブシディアンオーダーの長を引退するといったときのポラニア総督※7の顔が忘れられないというテイン。ガラックはポラニアの耳障りな話を聞きたくないがために、反逆罪をでっち上げようと思ったこともあるという。昔のお前ならやっていただろう、昔は悪だったからというテイン。師匠がそうだからというと、お前の悪はもともとだろうとテインはいう。またガラックに尋問を受けたドクター・パラマック※8は、ガラックが指一本触れずに自供した。4時間ガラックが睨み続けたのだ。我ながら見事だったというガラック。その後パラマックは、目が恐いと繰り返していたというテイン。
テインはガラックに会いたかったという。退屈だったというと、ガラックも会いたかったという。私たちも涙もろくなったものだなというテイン。今パラマックはどうしているのかと尋ねるガラック。強制労働の後、カーデシアプライムに戻り再び医者として働いているという。カーデシアに戻ったら会いに行ったらどうだというテイン。会いたい人はたくさんいるというガラック。特にガル・デュカットに、という。テインは武器商人と騒ぎを起こしたやつかといい、あいつは追放したいだろうという。結構恨みがあるというガラック。この仕事が終われば誰でも追放できる権限を持てるとテインは言う。リストをミラに渡しておくとガラックが言うと、ミラではなく自分に渡すように言うテイン。もうすぐミラはいなくなる、つまりテインのことを知り過ぎたとして処分するつもりなのだ。ミラを殺すのはもったいない、いざというとき信用できるしあれ以上気のきく家政婦を見つけるのも難しいというガラック。命乞いかと聞くテイン。ただ事実を述べただけだというガラック。ミラが好きなんだろうというテイン。ガラックは、テインもミラを助けたいと思っているなら自分をいいわけに使わずに、自分の慈悲の心で助けてやればいいという。テインはガラックがカーデシアも、テインも裏切るはずはないとミラがよくいっていたという。ガラックは裏切っていない、という。わかっている、とテインはいい、また酒を飲む2人。テインはロミュランが宇宙を支配できないのもわかる、こんなにまずい酒ではという。
そこへロミュラン人のロヴォック大佐※9が入って来た。テインはガラックを紹介する。ロヴォックはガラックの役割を尋ね、忠実な部下だ、なんでもやってくれると答えるテイン。ガラックのブリッジや重要区域への立ち入りを禁じ、違反した場合は直ちに殺すというロヴォック。はっきり言うなというガラック。ロヴォックはお世辞や遠回しな言い方は時間の無駄だと思っているというテイン。ロヴォックは艦隊がワープ6で創設者の惑星へ向かっているという。ワープ6と聞いてガラックがずいぶん遅い、エンジンに故障があるのかいうと、それ以上出すとジェムハダーにワープサインを探知されるかもしれないとロヴォックは言う。賢明な判断だというガラック。流動体生物、つまりオドーを拘留し、フォースフィールドをはっているというロヴォック。テインはガラックに最初の任務だというと、オドーを説得して創設者について知っていることをなんでも白状させるようにいう。そうすることが我々にもオドーにも最善だとわからせるのだというテイン。ガラックはオドーは頑固だから難しいという。期待しているというテイン。
オドーは部屋の中を歩きまわっている。ガラックが入って来た。監獄に閉じ込められるよりかはいいだろうという。だがオドーは隔壁にはフォースフィールドが張られ、出口には監視がいる状況では監獄と変わらないという。信じてくれというガラック。やめろ、信じることはないから出ていってくれというオドー。わからないこともない、私は一度は連邦に対して忠誠を誓ったわけだし、一緒にいろいろなことをくぐりぬけてきたというガラック。今では君は、私を友人だとみなしている、裏切られたと思うのも当然だという。自分の行動を正当化するために、言い訳するのはやめろというオドー。後ろめたさは感じていないというガラックに、DS9で暮らしている内に焼きが回ったか、嘘が透けて見えるというオドー。本当は後悔しているんだろうという。想像力がたくましい、だがオドーのもっている能力をほかのことに生かして欲しいというガラック。創設者について知っていることを教えてもらいたいという。嫌だといったら、というオドー。ガラックはオブライエンの貸してくれる犯罪小説のせいで、頭がおかしくなっちゃったんじゃないかという。私は脅しに来たんじゃない、話をしたかったんだという。私たちの共通の敵、創設者から全アルファ宇宙域を守ろうというが、オドーは共通の敵はエナブラン・テインだという。ガラックと私の違いは、それに気がついていないことだという。ぜひよく考えてもらいたいとガラックが言うと、奇遇だな、私も同じ事を言おうと思ったんだというオドー。ガラックは出ていった。
シスコたちDS9の上級士官は、エディングトン少佐※10と共にテインが話している映像を見ている。テインは創設者からジェムハダー戦士への酵素の供給も断てば、数日しか生きられなくなると説明している※11。だが数日あればアルファ宇宙域へ反撃をかけるだろうから、カーデシア艦隊を出撃させて準備をすることだという。自分の行動はカーデシアを裏切るものではなく、守るものだといい、現中央司令部は国民の安全をないがしろにして来たという。連邦と和平を結び安心し、真の恐怖、つまりドミニオンのことを無視して来た、私はドミニオンを叩くといい話は終わった。続いてスクリーンに現れたトッドマン提督※12によると、これは今朝連邦の前哨基地に送られて来た映像だという。ロミュランにも同様のメッセージが届き、今回のテインの作戦はカーデシアもロミュランも関与していないと主張しているというトッドマン。テインを止める気があるのか聞くベシア。今は作戦が成功するかどうか、静観する構えのようだという。それではドミニオンとの戦争に突入してしまうというダックス。だがトッドマンは、成功する確率が高いという。20隻の戦艦に、部下も精鋭ぞろい。また創設者の惑星の位置も知っており、ジェムハダーに探知されない様に遮蔽装置を改良しているという。テインに勝ってもらいたいような口振りですねというキラ。戦争は望まないが、負けるのはドミニオンであって欲しいというトッドマン。最悪の事態に備えようといい、シスコにDS9からの一般住民の避難と、ディファイアントを戦闘体制にして待機させるように言う。テインの作戦が成功しても、ジェムハダーが最後のあがきで無差別攻撃をかけるかもしれないからだ。シスコはオドーがロミュラン船に捕まっていることを話す。エディングトンはオドーからシャトルがトラクタービームに捕まったという通信が入ったことを伝える。ディファイアントでガンマ宇宙域に赴き、オドーの安否を確かめる許可を得ようとするシスコ。だがトッドマンは気の毒だが打つことはないといい、ディファイアントは護衛に当たるように言うと通信を終えた。シスコはエディングトンに艦隊からの応援部隊について聞く。明日中に9隻の艦が到着予定だというエディングトン。シスコは2時間後にディファイアントでガンマ宇宙域に出発するという。エディングトンが反論しようとすると、シスコは部下は見殺しにはできないという。トッドマンがベイジョーのことを心配するのはわかる、自分もそうだというシスコ。アルファ宇宙域へ向かうジェムハダーを探知次第、通信リレーでDS9に知らせ、ワームホールへ向かう前に全力で阻止するというシスコ。オドーを助けるのは志願任務としたいという。よく考えてからにしてくれというシスコ。今回の作戦から生きて帰ってこれる確率は低い。また帰ってきても、待っているのは軍事裁判だろうという。だが志願してくれるのなら、15時30分にディファイアントに乗船する様にといい、シスコは解散させた。

※7: Porania

※8: Parmak

※9: Lovok (リーランド・オーサー Leland Orser DS9第30話 "Sanctuary" 「さまよえるスクリーア星人」の Gai、VOY第73話 "Revulsion" 「生命なき反乱」の Dejaren、ENT第63話 "Carpenter Street" 「デトロイト2004」のルーミス (Loomis) 役) 階級の大佐は、ロミュランでは colonel となります

※10: Michael Eddington (Kenneth Marshall) DS9 第47・48話 "The Search" 「ドミニオンの野望」以来の登場

※11: DS9 第52話 "The Abandoned" 「捨て子の秘密」より

※12: Toddman (Leon Russom) 珍しく金色の制服を着た提督。3つ星なので階級は中将。Leon RussomはST6にも出演


ディファイアント※13。キラ、ダックス、ベシア、オブライエン、そしてエディングトン。部下はすべて乗り込んでいる。戦闘準備、ワープ・通常エンジン、遮蔽装置、舵、保安班準備完了、射撃班はフェイザーを携帯させている。キラが宇宙艦隊司令部からの緊急通信を報告する。トッドマン提督からだ。気にするエディングトン。ガンマ宇宙域へ向かわない様にとのことだが、シスコは本当にそう言っているのかと聞く。通信状態が悪いからだ。キラは確かに亜空間干渉が発生しているという。イオン嵐のようだ。シスコはステーションから離脱するように命じる。ディファイアントはワームホールへ入った。ガンマ宇宙域につくと、遮蔽状態に入る。ワープ8で創設者の住む惑星へ向かうように言うシスコ。
ロヴォックがスクリーンの前で、創設者の惑星の位置を説明している。近くにジェムハダーの基地はなく、創設者が遭難信号を発しても救援がやってくるのは7時間後だ。テインは、創設者の惑星の軌道上に乗ってから遮蔽を解き、一気に爆撃を開始するという。分析によると地殻を破壊するのに1時間、マントルは5時間だという。だがまだ知らない防御システムが存在するかもしれない、それを教えてくれるのはオドーだけだというテイン。オドーは創設者について知っていることは全て宇宙艦隊へ報告したと思う、そういうことはオドーは徹底して行うとガラックはいう。昔のガラックは尋問と聞くとうずうずしていたのに、時にははやるお前を抑えることもあったというテイン。それなら仕事にプライドを持っているのも知っているはずだというガラック。自由自在に姿を変えられる相手を尋問しても、楽しくないし情報を得ることも期待できないという。テインは流動体生物の能力については心配しなくてよい、オブシディアンオーダーの開発した装置で、流動体生物の変身能力を中和できるという。初耳だというロヴォック。まだ試作品で、テストする相手がいなかったのでいい機会だというテイン。なんならタル・シアーに尋問させるというが、ガラックはだめだという。ガラックがオドーに個人的な友情を感じるようになっていたことを忘れていたというテイン。このことは個人的感情とは関係ないというガラック。オドーは何も知らないと思うからいっているという。テインはロヴォックにやってもらおうというが、ガラックは自分が連れて来たのだからといって自分がやるという。無理しなくてもいいというテイン。だがやらないとあなたは信用しないからとガラックはいう。いいだろう、結果を楽しみにしている、とテインは言った。
ダックスは遮蔽装置内部にパワーの変動を感知したとシスコに報告する。故障個所はわからない。変動は増大し、ついに遮蔽は解けてしまった。シスコは全面停止と周囲のスキャンを命じる。今のところは船の姿はないが、もしジェムハダーの攻撃を受けたら、というキラ。シスコは戦って血路を開くだけだ、というのだった。

※13: ディファイアントの dedication plaque と呼ばれるものが映ります

どこにも異常はないというオブライエン。遮蔽装置は動くはずなのに動作しない。空間偏差が近くにあるのかもというキラ。しかしエディングトンは、空間偏差のせいではなく、遮蔽装置のテトリオン合成部※14が壊されているからだという。なぜわかるのか聞くキラ。エディングトンは、自分が壊したことを明らかにした。理由を聞くシスコ。トッドマンからオドー救出作戦を止めるように命じられたからだという。どうしてジェムハダーの攻撃にあうような真似を、と食いかかろうとするオブライエンを止めるシスコ。まだ助かる道はある、武器やエンジンには工作はしていない、しかし遮蔽装置なしでは引き返すことしかできないというエディングトン。こんなことはしたくなかった、オドーは友人だがトッドマンにはさからえなかったという。シスコは修理を直すのに何時間かかるかオブライエンに聞く。10時間と答えると、2時間でやるように言う。離れるオブライエン。身柄を拘束させてもらうというシスコ。エディングトンはジェムハダーと遭遇したら保安士官が必要になると言う。また裏切らないと言う保証は、というキラ。二度としないと誓う、とエディングトンは言う。艦隊の制服を身につけているものの言うことは信じることにしている、その信条を変えさせないでくれというシスコ。エディングトンに部署に戻るように言う。ただしオブライエンには近づくなとシスコは言った。
オドーのいる部屋に、ガラックとロミュラン人が入って来た。そろそろ液体の状態に戻る頃だろといい、容器を床に置くガラック。2人のロミュラン人は机の上に何かの装置を組み立てている。その前にどうしても聞いておきたいことがあるというガラック。待てば思い出してくれるだろうと思った、できればこんなことはしたくなかったという。オドーはまさか拷問するつもりか、頼むから見逃してくれと懇願し始める。ガラックは君の皮肉は痛烈だな、そういうところが好きなんだという。装置のスイッチを入れるガラック。ロミュラン人に部屋から下がらせた。ガードマンを呼び戻した方がいい、不機嫌なんでねというオドー。2人きりになるなんて危ない真似はできない、狂暴な野獣※15になって襲うこともできるし、手を伸ばして首を絞めることもできるというガラック。しかし今日は違うという。どうしてだと聞くオドー。ガラックは机の上の装置は、ある種の量子安定フィールドを作り出し、流動体生物が生体分子構造を変化させるのを妨げると説明する※16。それを聞いたオドーは、手を伸ばして構造を変えようとする。しかし何度やっても姿を変えることができない。ガラックは人間の形態に固定されてしまうのは不愉快だろう、特に今は液体の状態に戻らなければいけないときだからという。ところで、もし液体化できなければどうなるのかと聞くガラック。わからない、と答えるオドー。だが今より気持ちが良くなることはないというガラック。こんなことをしても無駄だ、知っていることは全て話したというオドー。ガラックは信じられないという。なぜと言うオドーに、私たちは似た者同士だからだと言う。心の中の全てを打ち明けることはないと。ガラックはまだ宇宙艦隊にも、シスコにも言っていないことがあるはずだという。しかし私には隠し切れないというガラック。話すことは何もないと言うオドーに、いつか思い出すかもしれないから待とうとガラックは言い、そしてこう言った。「しかし君は、待てるかな。」

※14: tetryon compositor

※15: Vicarian razorback 訳されていません

※16: shape-shift inhibitor という装置


オブライエンの修理を待つシスコとキラ。キラが立ち上がると、オブライエンならやめておけというシスコ。なぜオブライエンのところに行くと思ったのかと聞くキラ。シスコは何も言わない。キラはもう3時間になるという、手伝えることがないかと思ってという。シスコは、必要ならオブライエンから言ってくるだろう、今はオブライエンを信じて待つしかないという。再びいすに座るキラ。
オドーの体は朽ち、あちこちが崩れかけている。壁に体をつけ、立っているのもやっとな状態で震えている。ガラックに楽しそうじゃないな、拷問は大好きだろうにと言うオドー。私だって本当はこんなことはしたくない、仕事だからやっているだけだと言うガラック。これがお前の望みなんだろう、カーデシアから追放されてついに今昔の仕事についた、きっと誇らしいだろうとオドーは言う。いいから知っていることを話せと言うガラック。オドーは苦痛の声をあげ、本当は長引かせたいんだろう、これを夢見て来たんだからという。カーデシアに戻り、再び祖国に仕えるという夢を。その通り、だから私は祖国に必要な情報を聞き出さなければならない、君を苦しめたくないがというガラック。オドーは再び叫び声をあげて倒れた。早く言うんだ、、嘘でもなんでもいいから言ってくれとオドーに近寄るガラック。オドーは早く戻りたいという。ガラックはこの作戦が終われば、DS9へ戻してやるという。だがオドーは、DS9じゃない、同胞の元へ帰りたいんだと言う。創設者か、というガラック。同胞には背を向けたんじゃないのかという。確かにそうだったが、同胞には変わりがないと言うオドー。否定しよう、忘れようととしたが、無理だったと言う。一つになりたい、入りたい、偉大なるつながりにというオドー。君が秘密にしていたのはそれだったのかというガラック。オドーはこれでわかっただろう、役に立つ情報だったかと言う。ガラックは急いで装置のスイッチを切る。オドーは液体になり、容器の中へ入っていった。ガラックはゆっくりといすに座ると、ひじをついて手で頭を抱えこむのだった。
オブライエンがブリッジに入って来た。遮蔽装置の修理が完了したのだ。外したパネルの一部を、みやげにもっていけとエディングトンに投げて渡すオブライエン。遮蔽状態に入ると、シスコは最大ワープで創設者の惑星に向かうように指示する。
テインはオドーから何か聞き出せたかとガラックに聞く。自白しなかったというガラック。テインはこれ以上生かしておく必要はないといい、処分するように言う。しかしガラックはオドーがベイジョー軍の一員でありまたDS9の連邦士官であることから、連邦を刺激するのは止めた方がいいという。するとロヴォックも同感だという。君も、と聞くテイン。惑星上に創設者が全員いないかもしれない、今後の研究のためにもオドーをロミュランにもらえないかというロヴォック。わかった、協力の謝礼に差し上げようというテイン。ロヴォックにブリッジから通信が入る。オマリオン星雲に到着し、後15分で惑星の軌道に入るという報告だ。テインはいよいよだなといい、ブリッジに向かう。ガラックが部屋を出ようとすると、ロヴォックが向き合った。何かご用でも、というガラック。なぜオドーをかばったのだと聞くロヴォック。あなたもかばったじゃないですかというガラックだが、私はロミュランの利益になると考えるからだという。しかし君は個人的感心を抱いているというと、ガラックはロミュラン人から心理分析を聞くとは思わなかった、わくわくするという。君はもっともらしい嘘をつくプロだが、私は本心を見抜くプロだ、これからは君の行動から目をはなさないから気を付けるがいいというと、歩いていくロヴォック。
創設者の惑星の軌道に到着した。液体状の生命体が複数確認される。創設者だというガラック。テインは各艦に攻撃準備を命じる。遮蔽を解除した瞬間に攻撃をかけるという。攻撃準備完了。ドミニオンもこれでおしまいだといって、攻撃開始を命じるテイン。ロミュランとカーデシアの戦艦は一斉にディスラプターと光子魚雷で地表を攻撃する。一撃目は完璧で、地殻の30%が失われた。しかし、生命体の個数には変化がない。ほかの艦の数値と照らし合わせてみても同じだ。ガラックはおそらくセンサーの数値を撹乱する妨害波が出ているという。もう惑星はズタズタだからだ。ロヴォックに指示を出すようにテインが言おうとしたその時、船団が向かっているのがセンサーに感知された。ジェムハダーの戦闘機だ。何機だときくテイン。部下はあぜんとし、もう一度何機かとテインは聞く。敵の数は150機。戦略ディスプレイをスクリーン出すように言うテイン。それを見て、これは罠だ、我々が来ることは知っていたのだとガラックはいった。


ジェムハダーの集中砲火を浴びる艦隊。テインの艦のブリッジにも既に死者が出ている。カーデシア巡洋艦コロナック※17は爆発、ロミュランウォーバードのマカー※18とベラック※19は動力停止した。ロヴォックは左舷の敵の集中攻撃を命令する。ガラックはこのままでは全滅する、アルファ宇宙域へ引き返すように言うが、ロヴォックはジェムハダーに取り囲まれているので無理だ、艦隊を立て直し、ここにとどまるしかないという。なぜこんなことに、とうろたえるテイン。人の過ちは星回りにあるのではなく、自分自身の中にあるとベシアから教わった言葉をいう。メインパワーも停止、バックアップ用動力に切り換える。ロヴォックは機関部の応答がないため、テインにブリッジの指揮を任せ向かった。さらに敵が接近中。ブリッジのコンソールがまた爆発し、消化にあたるクルー。ガラックはブリッジを離れ、部屋の前の見張りを倒すと扉を開けオドーに近寄る。作戦通りにいかなかったようだなというオドー。急いでシャトルに向かわなければとガラックは言う。2人が向かおうとすると、ディスラプターを構えたロヴォックが入って来た。しかしシャトルにアクセスするにはこれが必要だと、パッドを渡した。なぜ助けるのかと聞くオドー。ロヴォックは我々は決して同胞を傷つけないという。君も創設者だったのかというガラック。オドーはこれでわかった、タル・シアーとオブシディアンオーダーをまとめて片づけるという創設者の考えだったんだなという。少し違う、作戦はテインの発案で、我々はそれを利用させてもらっただけだというロヴォック。タル・シアーとオーダーは無慈悲だが非常に有能だ、我々には脅威になるという。だがそれも壊滅し、これから脅威となりそうなのはクリンゴンと惑星連邦だとロヴォックは言う。だがそれもすぐに脅威は取り除かれるだろうという。ロヴォックはオドーに近寄ると、今でも遅くない、我々は喜んで偉大なるつながりに迎えようという。オドーはありがとう、でもやはり答えはノーだといった。ロヴォックは転送される。急ごうというオドー。だがガラックは恩のあるテインを見殺しにするわけにはいかないといい、先にシャトルへ向かうように言う。
ブリッジに戻り、テインに逃げるように言うガラック。内通者がいたとしか思えないというテイン。ガラックはそれが流動体生物のロヴォックであることを話す。その話は後にして今は逃げないとというガラック。私は創設者を甘く見過ぎた、予想すべきだった、昔だったらこんなミスはしないのに老いたものだという。とにかく今は急がないとというガラック。今さらミラと隠居生活を送れというのか、年を取り、プライドにおぼれてしまったというテイン。ロヴォックを信用したのは間違いだったというテイン。あいつは利口すぎたという。あなたを残していけないとガラックが言う。それにお前を信用し過ぎたことも欠点だったというテイン。逃げましょうテインと叫ぶガラック。しかしそこにやってきたオドーに殴られ、気を失ったガラックはオドーにかつがれる。創設者は賢い、この次は油断しないでかかれよとテインはいった。
シャトルが脱出する。目の回りにあざのできたガラックは、オドーにいざとなると君はすごく説得力があるな、でも今度は言葉で言ってくれという。覚えておくと言うオドー。ジェムハダーの戦闘機が追ってくる。シールドを上げて攻撃準備をする。攻撃を受け、シールドが次第に減っていく。ワープドライブも動かない。ついにシールドが消滅してしまう。ガラックは、心からこんなことに巻き込んでしまってすまないと思っているという。今さら遅いとオドーが言うと、それでもとガラックは言う。オドーは確かに腹は立ったが、故郷へ帰りたいという君の気持ちは分かるといった。その時、オドーはスクリーンを見て、「あれは!」という。遮蔽を解除しながら向かってくるその船は、ディファイアントだ。ジェムハダーに攻撃を加える。
ディファイアント。左舷から戦闘機が3機やってくる。戦闘の1機を攻撃し、シャトルを援護するようにいうシスコ。2体の生命体反応があるというダックス。シスコはシールドを下げ、オブライエンに転送収容するように命じる。さらに右舷から4隻の敵艦が迫る。オブライエンは2人を回収した。ありがとうとオドーは言う。待っていたベシアはガラックを見て痛そうだという。痛いです、でもそのおかげで助かったというガラック。攻撃を受け、シールドが下がる。シスコは攻撃パターンオメガ4を指示、敵との距離が500メートルになるまで撃つなと命令する。めったうちになってしまうというキラ。めったうちになるのは向こうだとシスコ。距離5万メートル。近づいてくるジェムハダー船。距離2000メートル、そして500メートル。それと同時にシスコは発射を命じる。正面からの攻撃を浴びせ、敵艦は木っ端微塵になった。ベシアらがブリッジに入る。まだジェムハダー戦闘機は追ってくる。船尾からの魚雷発射を命じるシスコ。敵に命中し、安全圏まで逃げることができた。ほかのジェムハダー船は、カーデシア・ロミュランの艦隊を攻撃している。向こうの気が変わる前に逃げ出そうといい、ワープ8でワームホールに向かうように言うシスコ。オドーにまた会えて嬉しいというキラ。私もですというオドー。コースの設定完了。シスコは発進を命じた。
シスコはトッドマン提督と通信している。連合艦隊は全て壊滅しただろうというシスコ。トッドマンはウォルフ359の戦いが思い出されるなといい、私もそう思いましたというシスコ。今回の作戦に同調した者に対して、罰則を適用するのは止めたというトッドマン。だが今度こんな無茶をしたら、軍事裁判か昇進だぞ、どちらにしろ面倒なことになるという。忘れない様にするとシスコは言う。通信を終えるトッドマン。
ガラックはひとり、店の中を歩き片づけている。入り口にオドーが立っていることに気付いた。オドーはガラックが提出した報告書を読み、お礼をいいに来たという。私に、なんでですというガラック。オドーが同胞に対する思いを黙っておいてくれたからだという。あの会話はなかったことにしておいた方がいいというガラック。同感だというオドー。もし店を閉めるつもりなら、クワークがここを借りてアルジェリア式のマッサージパーラー※20を開くといっていたというオドー。残念ながらそういう施設を開こうとしても、シスコの許可が下りないのではというガラック。そうだなといい、仕立て屋なら間違いなく許可が下りるだろうとオドーは言う。ガラックは、実に悲しいことに私は仕立ての腕もいいといった。オドーは歩き出そうとすると、これから都合がつくときには一緒に朝食を食べないかという。驚いたな、君は食べないと思っていたというガラック。オドーは答えた、「食べないよ。」と。
※17: Koranak

※18: Makar

※19: Belak

※20: Argelian massage facility アルジェリア人(現実の国とは別、Argelians)は、TOS 第36話 "Wolf in the Fold" 「惑星アルギリスの殺人鬼」に登場



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