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ディープスペースナイン エピソードガイド
第80話「ディファイアントの危機」
Starship Down

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・イントロダクション
宇宙暦49263.5。シスコたちはカレマ※1商務省からの要請で、貿易協定に関する問題点について話し合うため、ディファイアントでガンマ宇宙域へ向かった。商務省の長官ハノック※2は、貿易の仲介をフェレンギに頼んだのは、連邦と直接取引するとドミニオンの怒りを買うかもしれなかったからだという。クワークも今のところフェレンギの船がジェムハダーに捕まったことはないという。だがハノックは連邦と取引をすると、商法で税金や手数料を取られて儲からないという。先日カレマの羊毛※3を納入した時、4パーセントの追加料金を取られたとはなすハノック。可変種がいるかもしれないので検査代だといわれたというと、何と驚くシスコ。潜んでいるかもしれないでしょうというクワーク。さらにターカリアンで牧羊を営む農民※4の保護ということで更に6パーセントの関税を取られていた。シスコは言いたいことは分かったといい、クワークをにらんだ。
艦長席に座っているウォーフは、カーソン※5から受け取った武器発射訓練の結果報告を見て反応時間が遅いといい、もう一度訓練を行うことにした。後ろにはダックスとキラがいる。ダックスは食べ物を勧めるが、ハマーラ※6だから断食しているというキラ。選ばれし者の到着記念日で、預言者が遣わしたことを感謝するのだ。夕べはベイジョーで光の祭りが開かれたという。見たかったというダックス。シスコは式典に出たくないから今回の交渉を予定に入れたのかしらというキラ。シスコは格式張った席、特に自分が中心なのはだめだというダックスに、気持ちは分かるけど出席して欲しかったというキラ。午前中クワークとハノックを相手にするよりかは式典の方がましだったかもとダックスはいう。
カーソンが2隻の船がセンサー範囲に入ったと報告する。ジェムハダーの戦艦だ。ウォーフはシスコをブリッジに呼び、非常警報を発令する。戦闘体勢に入るクルーたち。

※1: ケレンマ Karemma カレマ船 (Karemman vessel) 登場。カレマ(カレマ人)はDS9第27話 "Rules of Acquisition" 「フェレンギ星人の掟」で初めて言及

※2: Hanok (ジェイムズ・クロムウェル James Cromwell 映画ファースト・コンタクトのゼフラム・コックレイン、TNG第142・143話 "Birthright" 「バースライト」のジャグロム・シュレク、TNG第59話 "The Hunted" 「恐怖の人間兵器」のネイロック役)

※3: Karemman fleece

※4: Tarkalian sheep herders

※5: Ensign Carson (Sara Mornell)

※6: Ha'mara


・本編
ジェムハダーの武器はカレマの船に照準を合わせている。連邦と交渉した罰でしょうというハノック。2隻の船が近づいて来た。自首して全ての責任を負うといえば助かるかもというハノックに、シスコは君を差し出したりはしないという。チャンネルを開き、武器を下ろすように要請するシスコ。しかし攻撃を受けた。反撃開始させるシスコ。カレマ船が逃げるために動き出した。動かれては守れないため停止するように伝えるが、応答がない。ジェムハダーはカレマ船を追っていく。間に入るようにいうシスコ。
カレマ船に攻撃を加えるジェムハダー戦艦。カレマ船は近くにある惑星の大気圏に逃げ込むつもりだ。しかしキラが、その惑星はJクラス※7のガス惑星で危険だという。風速は時速1万キロを超えている。23人の仲間の死は自分の責任だというハノック。助けてみせるといい、シスコはいすに座るとオブライエンに通信をいれ、大気圏に突入するという。顔を見合わせるキラとダックス。ディファイアントにダメージを受けるが、何とか持ちこたえるだろうというシスコ。突入のためにシールドを強化するクルーたち。5秒後に突入する。
ディファイアントはゆっくりと大気の中に降りていく。干渉がひどく、映像システムが使い物にならなくなった。逆流にぶつかったが進むように命じるシスコ。大気層の間に入り、風が少し安定した。船がいないかと聞くシスコ。ウォーフは反応はないが、センサーが2キロしか効かないという。ダックスはセンサーを補う方法があるといい、キラといっしょにコンソールに近づいた。シスコはハノックに会食堂に戻るように勧める。ブリッジを出て行くハノック。ウォーフに武器システムの状態を聞くシスコ。遮蔽装置や魚雷誘導装置は働かない。フェイザーは手動でなら使えるというウォーフ。ダックスが提案があるといい、キラは占領時代に覚えた方法だという。カーデシアから逃げるためにバッドランドに入るとセンサーは使えなくなる。そこでスキャンシステムを使って操縦する方法だ。調整したテトリオンパルスを出し、反射によって相手の位置を確かめる※8。相手にも気付かれないか心配するシスコだが、パルスのたびにスピードとコースを変えれば平気だというキラ。シスコはうなずいた。
会食堂に戻って来たハノック。クワークがいて、いい知らせがあるという。弟のロムに業務を任せていたからこんなことになったといい、馬鹿なやつだという。連邦とカレマでは法律が違い、ロムは法律用語には疎いというクワーク。損害はもちろん払い戻し、利息も付けるという。ハノックは人をだまし、認める勇気もないのか、もし生き延びたらガンマ宇宙域で商売ができないようにしてやるといった。
モニターを見つめるキラたち。1万キロ以内の範囲には何もない。もう一度やってみると、下400キロのところに反応がある。カレマかどうかはわからないというキラ。シスコは艦長席のカーソンに、10キロまで近づくように言う。船が揺れ、別の大気層にはいる。10キロ地点に到達した。大きさからするとカレマのようだ。だがその時後方から2隻現れた。
攻撃を受けるディファイアント。コンソールからは火花が飛ぶ。シールド60パーセント。シスコは反撃を命じる。だがジェムハダー船は攻撃をやめた。位置をつかめないようだというキラ。カーソンが通常エンジンが破損し高度を保てないという。反動推進エンジンを使用するようにいう。だが動かない。船体圧力は急上昇している。シスコは通常エンジンにパワーだと機関室に言う。オブライエンはメインODNライン※9がオーバーロードし、復旧には2,3分かかるという。オブライエンにジェフリーズチューブ4に一人よこしてといい、パワーを回すために向かうダックス。オブライエンはムニズ※10を向かわせた。
暗くなる部屋に脅えるクワークとハノック。船体圧力は900万GCSに達し、なお上昇している。このままでは6分以内に分解してしまうというキラ。ウォーフはフェイザーカプリングもオーバーロードしているという。カレマ船を救うためにはジェムハダーと戦わなければならないというシスコ。カレマ船より今はこの船を救うべきだというキラ。シスコはできることからはじめようといい、オブライエンに大気観測用の探査機はあるか尋ねる。あると答えると、それに量子魚雷の弾頭を積み込めるかと聞くシスコ。映像システムを取り外さなくてはならないが20分でできるというオブライエンに、10分でやれというシスコ。
作業を行うオブライエンたち。不安な部下にオブライエンはもっと大変なこともあったといい、去年ロミュランたちが創設者の惑星を襲ったときはジェムハダーの戦闘機が1ダースも出て来たという※11。お聞きましたと笑う部下。オブライエンは魚雷室に行って弾頭を外すように頼んだ。さらに近くにいるジャンクロー※12に、貨物室から波動インバーター※13を取ってくるように言う。
ジャンクローが向かっていると、突然壁からガスが噴き出した。ブリッジのウォーフは第2デッキの船体が破裂したと伝え、緊急フォースフィールドが作動した。シスコは下にいる人数を尋ねる。医務室に6人、そしてダックスとムニズだ。すぐに待避させるシスコ。第2デッキを封鎖しなければ、ディファイアントは吹き飛ぶというキラ。

※7: 木星や土星もJクラス。惑星分類システム (planetary classification system) による分類では、今までにD、H、J、K、L、そしてMクラスがあります

※8: active-scan navigation という方法

※9: ODN optical data network の略。TNG第93話 "The Nth Degree" 「謎の頭脳改革」など

※10: Enrique Muniz (F・J・リオ F.J. Rio VOY第159話 "Repentance" 「宿命の殺人星人」のジョレッグ (Joleg)、ENT第48話 "Cogenitor" 「第3の性」のヴィシア人機関士 (Vissian Engineer) 役) 今回の話ではファーストネームは出てきません

※11: DS9第67話 "The Die Is Cast" 「姿なき連合艦隊(後)」より

※12: Janklow

※13: dualitic inverter コンバーターと誤訳


ベシアは患者を連れ出している。シスコから通信が入り、緊急フォースフィールドは長く持たないため、脱出したらすぐに封鎖すると伝える。続いてダックスに話し掛け、後30秒でデッキを封鎖するというシスコ。
ベシアが隔壁を閉めようとすると、ダックスたちが出て来た。急げというベシア。走るダックスとムニズ。しかしフォースフィールドが消え、ガスが噴き出した。煙の中に倒れるダックス。シスコは隔壁を閉めるように言うが、まだダックスがいるというベシア。閉めろ、命令だというシスコ。ムニズは何とか隔壁の中にはいれたが、ダックスはまだ外側にいる。ベシアは扉を閉めつつ、煙の中へ入った。
ベシアはぐったりとしたダックスを抱え、別の部屋に入った。そして隔壁を閉める。ダックスにハイポを注射するベシア。せき込むダックス。ベシアはブリッジと話そうとするが、応答がない。
ブリッジが明るくなり、封鎖が完了した。シスコはカーソンに高度を上げるようにいう。オブライエンが大気圏探査機の準備が整ったと報告する。キラに戦う準備ができた、カレマ船を探しに行こうというシスコ。キラはうなずいた。
高度を取り戻したというクワーク。どうしてわかるというハノックに、耳たぶがあるからというクワーク。あんたにもある、フェレンギの言いまわしで商売のセンスがあるという意味で使われるという。あんたをだました、ちょろいと思っていたが、俺の考えを見抜きガンマ宇宙域での商売の流儀を教えてくれたというクワーク。最近連邦ばかり相手にしてるので勘が鈍った、連邦に対してしていることに比べればなんでもないという。俺だってできたんだからあんたならやりたい放題できるとクワークはいう。一生遊んで暮らせると。だがハノックは、貴様には吐き気がするといった。ガンマ宇宙域なんて嫌いだというクワーク。
キラはジェムハダー戦闘機を発見するが、1隻だった。カレマ船を探すため二手に分かれたんだというウォーフ。ほぼ真上のところに位置している。シスコは背後に回り込むことにした。気付かれないように必要最小限のシステムだけを動かす。そしてエンジン停止。探査機には、最初に発見した金属物体を攻撃するようにしろというシスコ。ウォーフは50キロ以内に発見できない場合はディファイアントに戻ってきてしまうかもしれないという。敵がもし射程圏を出ていたらというキラ。だがシスコは近くにいるといい、発射を命じた。
探査機が打ち出された直後、ディファイアントは背後からジェムハダーから攻撃を受ける。爆発するコンソールに吹き飛ばされるウォーフ。シスコも頭を打ちつけて倒れてしまう。あちこちで爆発が起こる。よろめきながら攻撃を受けるディファイアント。しかしそこに探査機が戻って来て、ジェムハダー戦闘機に命中した。爆発する戦闘機。
オブライエンが起き上がる。しかし機関室からブリッジに通信を送ることができない。何度も呼びかけるムニズ。呼んでも無駄だ、恐らくブリッジは全滅だろうというオブライエン。


起き上がるウォーフとキラ。だがキラが呼びかけてもシスコは倒れたままだ。ブリッジには死亡者もいる。ライトもつかない。ボイス※14とピーターソンは死亡したというカーソン。目を開いたシスコにキラは動いてはだめといい、頭を打っているという。カーソンに医療キットを取ってというキラ。治療をはじめる。ウォーフはブリッジのシステムは壊滅状態だという。出血を止め、トリコーダーで調べはじめるキラ。脳震盪を起こしていて、頭蓋下に出血があるという。通信が取れないため、カーソンはベシアを探しに行った。扉をこじ開けて出て行く。シスコは意識を失えば昏睡状態になるため、ずっと話し掛けて意識を保つようにしなければならない。ウォーフは機関室に向かった。キラはシスコに話しかけ始める。心配することはない、私が話しかけるから聞き漏らさないようにという。後でテストしますからねというと、シスコは微笑んだ。
トリコーダーで状況を調べるベシア。ダックスはまだ咳を続けている。気分はと聞かれ、最低と答えるダックス。フッ素を肺一杯に吸い込んだのだからそうだろうねというベシア。2人は閉じ込められてしまった。ターボリフトのシャフトを登ろうとしたがガスが充満しているというベシア。ここで待ったらどうというダックスに、誰もここにいることは知らない、通信バッジで呼んでも応答がないというベシア。空気は後数時間でなくなってしまう。助けてくれてありがとうというダックス。1年前にこんなことをしたら、ヒーローになりたいからだと思ったでしょうという。今はあなたという人がよくわかったから、なんて馬鹿なことをしたのとあきれていると笑う。そりゃどうもとベシアも笑った。
ハノックに私情をはさみ過ぎだというクワーク。確かにだましたが俺は誰でもだます、商売はそういうものだという。カレマはそんな商売はしないと言うハノック。品目を水増ししたり、粗悪な商品を売りつけたりやったことあるだろうと言うクワーク。カレマが値段を決めるときはきちんと計算して行うとハノックは説明する。駆け引きがないと面白くないとクワークは言い、貪欲さの勝負だという。貪欲さは判断ミスにつながり、利益を失うことになるというハノック。そんな商売はつまらない、ギャンブルと同じだとクワークが言うと、ハノックはギャンブルは絶望したものの最後の希望だと言う。2人の意見は全く逆だ。
ウォーフが機関室に到着した。ブリッジの状況を話すウォーフ。オブライエンは指令系統を取り戻そうとしているという。ウォーフはパネルを見て舵を調整したのは誰だ、レイアウトが違うと言う。ブリッジのものとは変更したというムニズ。一目でわからないから元に戻すようにウォーフは言う。さらにスティーヴンズ※15にエコー探知システムでジェムハダーを探すように命令する。ベストを尽くしますと言うスティーヴンズに、全力でやれという。
キラは勤務形態を4交代制にする話をしている。だが何いっているのかしら、こんな話寝ちゃいますよねとやめた。話をするだけなのに、いつもどんな話をしていましたっけというキラ。シスコはゆっくりと、いつもするのは仕事の…といった。そうですよね、いつも仕事の話でしたねという。ダックスやオブライエンとはいろいろ話すんでしょう、でも私にとっては信仰の対象だからという。嫌でしょうけどそう思っている、だからシスコといると緊張してしまうのかもしれないという。シスコは話をしてくれといった。キラは「ジョカーラへ出かけた3人兄弟」※16の話をはじめる。3人はカーヴァを作っており、ある日畑に出てみると家ほどの大きさのカーヴァの根※17がみつかった。金持ちになれると3人は町へカーヴァを売りに出かけた。キラは昔話を続ける。
スティーヴンズは何かを見つけたという。船にしては小さすぎる。オブライエンは魚雷だといった。取り舵一杯と命じるウォーフ。室内も傾く。ディフレクターを調整するオブライエン。魚雷はぎりぎりのところをかすめていった。だが次のが襲ってくる。100メートル、75、50。そして音がした。しかし爆発音はしていない。
クワークとハノックは壁を見つめている。そこにあるのは、壁を突き破って止まっている魚雷だった。

※14: Boyce TOS第1話 "The Cage" 「歪んだ楽園」に登場するエンタープライズのドクター、フィリップ・ボイス (Phillip Boyce) にちなんで?

※15: Stevens (Jay Baker)

※16: "The Three brothers who went to Jo'kala"

※17: kava root


逃げようと言うハノック。クワークは爆発したら船のどこにいてもおしまいだといい魚雷の信管を取り外そうと言う。助けを待とうと言うハノックに、もし誰も来なかったらと言うクワーク。魚雷は無気味な低い音を発し始めた。俺達でやろうと言うクワーク。緊急工具キットを使う。魚雷に近づき、まずは外側から外すことにする。どうやって開けるんだと聞くハノック。この世に開かない鍵はないとクワークは言った。
機関室。魚雷があると推測されるところは、遮断されていけないところだ。何とかしないとまずいというオブライエン。ウォーフはスティーヴンズに、構造統合フィールドを強化して魚雷が爆発しないように圧力を抑えようという。フィールドジェネレーターは第2デッキの穴を塞ぐために限界だと言うスティーヴンズに、状況は分かっている、命令が実行できないならほかの者に頼むというウォーフ。スティーヴンズはオブライエンをちらりと見てから、その必要はないといった。ウォーフのところにオブライエンが近づき、話があるという。失礼だとは思うが部下にきびしすぎるというオブライエン。エンジニアはアカデミーを出た戦略士官じゃないので、ブリッジの仕事には不慣れだという。本業は艦長の要求にしたがって船を作り上げることだというオブライエン。どうすればいいんだというウォーフ。肩の力を抜いて手綱をゆるめ、得意な仕事を授け、たまにはよくやったと誉めてとオブライエンはいう。これからは気を付けようというウォーフ。
ダックスとベシアは寒さに耐えていた。壁に断熱材が入っていないのだ。これから寒くなるといい、ダックスを抱き寄せるベシア。ベシアはふと笑い、思い出したことがあるという。ステーションに赴任して来たころ、空想していたというベシア。ダックスと2人でシャトルで任務にでかけ、船が故障し宇宙を漂流した挙げ句助けられるという筋書きだ。ダックスは変なこと考えたものねという。それくらいしか2人きりになるチャンスはなさそうだったからというベシア。避けてたろというベシアに、それはあなたが強引だったからというベシア。会って間もないのに口説いて来た。確かに、でもその空想は最近していないから心配することはないというベシア。ダックスはあら、という。がっかりしたみたいだねというベシア。君だって追いかけられるのが楽しかっただろうという。ダックスはうぬぼれないでよね、もしまた口説こうとしたらというと、君に喜ばれるだけだから追い掛け回したりしないとベシアは言った。
ウォーフはムニズとスティーヴンズのところへ行き、君たちの助けが借りたいという。探査機以外の武器が欲しいというウォーフ。2人はすぐに話し合い、フェイザージェネレーターとディフレクターアレイを使うことを思い付く。一発撃てば終わりだというムニズ。ウォーフは十分だといい、どれくらいかかると聞く。20分、安全装置なしなら10分だ。早速2人は取り組み始めた。きっと全デッキがオーバーロードするぞ、それは明日考えようというムニズ。お前は明日オフだからいいぞというスティーヴンズに、オフとは限らないぞとオブライエンが釘をさす。ウォーフをちょっとみてから、オブライエンはまた作業を続ける。
キラは昔話を続けながら、シスコの看病をしている。涙ぐみながら死んじゃいけないという。選ばれし者としてやらなくてはいけないことがあるのにというキラ。吉と出るか凶と出るかはわからないが、興奮剤を投与する。だがシスコにはほとんど変わりがなく、まぶたをひくつかせている。キラはシスコに信仰にいつも困った顔をし、だから距離を置いていたのかもしれないという。でも祈ります、ほかにどうすることもできないがこのまま死なせるわけにはいかないというキラ。シスコの手を握り締め、祈りの言葉を唱え始める。
ムニズとスティーヴンズが戻って来た。準備完了で照準を合わせられる。ウォーフはよくやったと誉め、位置につくように命じる。スキャンを行うオブライエンは、反応はないという。しかし必ずジェムハダーは近くにいるはずだというウォーフ。敵の戦闘機は近づいてきていた。


クワークとハノックが共同して魚雷の解体作業を行っている。2つあるダイオードのどちらかが弾頭とパワーにつながっていて、片方は発射メカニズムだというハノック。前に設計図を見たことがあるという。どこでと聞くクワークにカレマの貿易省でと答え、この魚雷はカレマがジェムハダーに売ったものだという。粗悪品は売ったことがないといっていたよな、こいつは衝撃を受けたら爆発するはずじゃなかったのかというクワーク。ハノックは払い戻しをしないといけないなといって大笑いした。クワークもつられて笑い出す。2人が大声で笑っていると、魚雷がまた音を立てた。早く何とかしないとというクワーク。ハノックはまた笑いながら、点火ダイヤルを外せばいいがどちらかわからないという。違う方を外せばドカーンだと笑うクワーク。だがおかしくねえやと笑いをやめる。確率は5分5分だ、ダボよりは勝つ率は高いという。ハノックにゲームだよ、生き延びたら教えてやるという。どちらかを選べというクワーク。どうやってと聞くハノックに本能で選べという。ハノックは考えている。クワークは考え過ぎだといい、何も考えずに手を伸ばして、といいながらダイヤルをいきなりつかみとった。魚雷の光は失われていく。こっちの勝ちだとほっとするクワーク。今のはすごかったというハノック。俺の言った通りだろう、リスクがでかいほど勝ったときもでかいというクワーク。俺と取引を続けろよという。諦めが悪いんだなというハノック。だまそうとして負けたが、ゲームから降りたわけじゃないとクワークは言う。クワークの頼みに、ハノックはまずボリアンの通貨変動※18について話し合おうと言った。うなずくクワーク。
祈りつづけるキラ。ふとシスコが目を覚まし、少佐と呼んだ。どうしたんだと聞くシスコ。ジェムハダーから攻撃を受け、ウォーフが機関室にいると状況の説明をはじめるキラ。だがシスコは違うと言い、3人兄弟はどうなったのかと尋ねた。3人はお金を捨てて故郷の農場に戻ると教えるキラ。シスコは良かったと言って、別の話をしてくれと頼んだ。キラは微笑み、喜んでといった。
スキャナーに反応があった。ジェムハダーで、パルスに補足された。スティーヴンズに確認を取るウォーフ。ジェムハダーの戦闘機は探査機の前で停止した。ウォーフが合図する。ガスの中から現れたディファイアントは、ディフレクターからフェイザーを戦闘機に向けて発射した。大爆発を起こすジェムハダー船。手を握りあうムニズとスティーヴンズ。カレマ船を見つけて帰りましょうかと言うオブライエン。
ダックスとベシアも助け出された。大気奥深くに隠れていたカレマ船を発見、乗組員だけDS9に連れ帰ることにした。シスコもいすに座り、治療を受けている。ムニズが会食堂に入ると、そこには商売について話し込んでいるクワークとハノックがいた。
ハノックはクワークのバーでダボをしている。パスラインだといい、掛け金を2倍にするかここで止めて持ち金が半分になるかだというクワーク。オドーは手元に残ったラチナムを大事にした方がいい、引き上げなさいという。ハノックは1回負けたからといってゲームを降りたわけじゃないという。その通りだ、次の手は2倍がけかと聞くクワーク。だがハノックは3倍がけだという。やりすぎだというクワークに私情を挟むなと言うハノック。盤が回転する。そして見事にダボを出した。沸きあがる観客。運が強いよと言うクワーク。オドーは鼻で笑い、クワークの肩を叩いて歩いていった。
ベシアはカウンターでモーンと話している。17人も兄弟姉妹がいるの、それはすごい大家族だね※19というベシア。ダックスが近寄り、ベシアにあなたの番だという。何と聞くベシアにダーツよというダックス。ベシアはそうだといい、モーンに今夜は君と話せて楽しかったと席を立った。歩きながら助けてくれてありがとうというベシア。これでおあいこよとダックスはいった。
スティーヴンズがウォーフに、ディファイアントの修理スケジュールのパッドを手渡す。順番を説明し始めるスティーヴンズに、ウォーフはやり方は君に任せるといってパッドを返した。礼をいうスティーヴンズ。ウォーフが時間を聞くと、16時間と答えた。だがオブライエンは、12時間で終わるだろうといった。わかりましたといい離れるスティーヴンズ。オブライエンはウォーフに、手綱をゆるめたら引き締めるのも忘れずにといった。
カレマの輸送船は明日18時に到着し、ガンマ宇宙域までは護衛すると報告するキラ。シスコは勤務を4交代にしてみてはどうだろうという。明日ローテーションを組んでみますというキラ。出て行こうとするキラに、これからの予定を聞くシスコ。これからは非番なので自室でくつろごうと思っていたとキラはいう。シスコはボールを手に取り、野球の試合を見に行かないかと誘った。喜ぶキラ。ホロスイートの3番室で30分後にといい、そして机の下から野球帽をキラに投げ渡すシスコ。早速かぶるキラ。クワークの店でホットドッグ※20だというシスコ。犬ですかと聞くキラに、言えばわかるとシスコはいい自分も帽子をかぶった。※21

※18: Bolian currency ボリアンは顔が青く、2つに割れているような種族

※19: モーンに関する新事実!

※20: hot dog 確かに犬ですね…

※21: この話をもって、DS9はTOSの話数 (全79話) を過ぎました


・感想
なんとなく、TNGのエンタープライズのような雰囲気でした。珍しくDS9は最後にしか登場しません。今まで少し距離のあったように思えるシスコとキラのつながりが深くなります。またあまり見られなかった士官ではないエンジニアの姿が垣間見れます。探索目的の宇宙船とは違って、DS9にはオブライエンをはじめとして数多くのエンジニアが乗り組んでいるということだと思います。


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