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ディープスペースナイン エピソードガイド
第92話「鏡あわせのジェニファー」
Shattered Mirror

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・イントロダクション
ジェイクがプロムナードの2階で、下の様子を見ている。オドーが来て、何を見ているのかを聞いた。今書いている小説に行き詰まったから気分転換にというジェイク。オドーは責めているのではないという。てっきり追い払われるのかなと思ったというジェイク。私が追い払っていたのはノーグだ、通る人にサンド豆の食べかすを投げ捨てたりしなければいつまでもいて構わないというオドー。サンド豆は持っていないよとジェイクは言う。いなくて寂しいですかとオドーに聞かれ、ジェイクは少しはねという。だがそこへ来たクワークは、ジェイクがここで落ち込んでいない日は1日もないという。あんな甥っ子がそこまで恋しいのかという。毎日来てないだろうとジェイクに言われ、正確には週に4日か5日だというクワーク。ノーグを行かせたのは間違いだった、あんたは親友を、俺はウエイターをなくしたという。あきれるオドー。ノーグは立派な艦隊士官になって戻ってくるというジェイク。クワークはその言葉を、一人でドムジョットをしている時に思い出せよという。目障りなんだろう、よそで考えるからといってジェイクは歩いて行った。
かわいそうにな、友達をもつとこういう風になるというクワーク。当てにしていると捨てられるってことだ、友達なんかいない方がいいという。だから友達を一人も作らないのかというオドーに、あんただってというクワーク。
ジェイクが部屋に戻ると、そこにはシスコと、ジェニファー※1がいた。ジェイクを見つめるジェニファー。ジェイクはママと呼んだ。

※1: ジェニファー・シスコ Jennifer Sisko (フェリシア・M・ベル Felecia M. Bell) 詳しくは次項

・本編
私はあなたのママじゃないというジェニファー。我々の宇宙と並行して存在する宇宙から来たと説明するシスコ※2。つまりジェニファー・シスコだが、ジェイクの母親ではない。でもそっくりだというジェイク。ジェニファーも自分の世界でシスコそっくりの人と結婚していたことを話す。話を聞いて以来、一度会いたいと思っていたというジェイク。光栄だわというジェニファー。ジェイクは話し方までそっくりだと喜ぶ。そこへキラから通信が入り、ゲットール大臣※3の乗ったシャトルが到着したという。ステーションの案内でもして待ってもらってくれと伝えるシスコ。キラはもうしてしまった、時間がないのでぜひ選ばれし者にお会いしたいといっているという。わかったよというシスコ。
どうしてこっちに来たのと聞くジェイク。ジェニファーはお父様に会いにという。ジェニファーはいいニュースをもってきてくれた、テラン※4が大勝利を収めたというシスコ。同盟※5からステーションを奪うことに成功したというジェニファー。テロックノール※6を占領したのだ。悪いがミーティングに出てくるというシスコに、悪いのは私だわ、いきなり押しかけてきたんだからというジェニファー。まだ帰らないんでしょうというジェイク。ジェニファーはシスコにジェイクと話していていいかと尋ねる。恨まれるよというシスコ。ジェニファーは一緒にディナーでもと誘う。それまでにミーティングが終わればいいがというシスコ。待ってるわというジェニファー。シスコは2人を見ながら、部屋を出ていった。
もう1杯ラクタジーノ※7はどうと勧めるジェイク。ジェニファーはありがとうといいコップを手渡す。その手に触れ、驚いたなというジェイク。もう一度この手を握れるなんて、ママの手の感触と同じだという。ジェイクは謝り、ラクタジーノを入れにいった。微笑むジェニファー。
大臣たちが司令官室から出ていく。うまくいきましたね、大臣も選ばれし者がなぜ土地改革案を指示できないかわかったと思いますというキラ。3時間かかったがなというシスコ。今週の人事報告を見るかと聞かれ、シスコは明日にしてくれという。部屋に大事な人を待たせてあるといいでていく。
だが部屋に戻ると、ジェイクもジェニファーもいなかった。コンピューターにジェイクの現在位置を尋ねる。ステーションにはいないという答え。シスコはテーブルの上に小さな機械が置いてあることに気づき、手に取った。
その装置は、平行宇宙のオブライエン※8であるスマイリーが帰る時に使った機械に似ていた。本当にジェイクは平行世界へというダックス。ジェイクもジェニファーもステーションにはいないからというシスコ。ジェイクがせがんで連れて行ってもらったのかもしれないというキラ。私に無断でというシスコ。ダックスは装置を残して行ったということは、シスコにも来いということかもしれないという。シスコは装置を手に取り、行ってジェイクを連れ戻してくるという。キラが一緒に行きましょうか、お役に立つかもしれませんという。シスコはキラとオブライエンに一緒に来るようにいい、ダックスに後を頼んだ。キラはフェイザーを用意している。武器がいるんですかというオブライエンに、念の為にねというキラ。シスコは装置をコンピューターにかざし、スイッチを押した。キラからフェイザーを受け取り、転送開始を命じる。転送され始める3人。しかしキラとオブライエンは残されてしまった。
シスコは平行宇宙のテロックノールに転送された。オブライエンが来て、お帰りなさい大佐という。キラとオブライエンはと聞くと、招待していないという。ジェイクはジェニファー教授がステーションを案内しているという。連れて帰るというシスコ。だがオブライエンは困ります、ジェイクを帰すわけにはいかないという。あなたもです、大佐というオブライエン。武器を構えた男たちに囲まれるシスコ。フェイザーと装置を取り上げられた。

※2: これまで TOS第39話 "Mirror, Mirror" 「イオン嵐の恐怖」、DS9第43話 "Crossover" 「二人のキラ」、第65話 "Through the Looking Glass" 「鏡の裏のシスコ」で登場した平行宇宙 (鏡宇宙、ミラーユニバース mirror universe)。パラレルワールドの一つで、人物の性格や国家間の勢力が全く違った世界のことです。ジェニファー・シスコは "Through the Looking Glass" に引き続き登場

※3: Minister Gettor

※4: テラ人 Terran 平行宇宙では地球人はこう呼ばれています。元はテラン帝国 (Terran Empire) を築いていました

※5: Alliance 平行宇宙のクリンゴン-カーデシア同盟のこと

※6: テラック・ノア Terok Nor 平行宇宙ではDS9の旧名のこのまま呼ばれています

※7: raktajino クリンゴンのコーヒー。DS9第85話 "Crossfire" 「ジェラシー」など

※8: "Crossover""Through the Looking Glass" に登場


テロックノールは陥落した、信念が正しければ天は味方してくれるというオブライエン。演説はやめておけ、君の信念などどうでもいいというシスコ。オブライエンは怒るのはよくわかる、罠にかけられたのだからという。ジェイクを誘拐するとはというシスコ。それはひどい、もし正攻法で助けを求めに行ったら何と答えますと聞くオブライエン。断るというシスコ。そう思ったから息子さんを利用させてもらったという。あなたが必要なんですといい、コンピューターの前に立つオブライエン。そこには、ディファイアントが映し出された。オブライエンはこの前DS9を訪問した時に、できるだけコンピューターの内容をコピーしてきたという。役立ったが、テロックノールを攻めるのと守るのは別だとオブライエンは話す。同盟の艦隊が攻めてきており、それには強力な戦艦が必要なのだ。シスコはこの設計図は完璧で、私がいなくても建造できるだろうという。オブライエンは作ってみたが、エンジンを全開にすると耐え切れずに船が壊れそうになるという。我々も悩んだというシスコ。せっかくのパワーが宝の持ち腐れだ、どうしたんですと聞くオブライエン。構造総合フィールドグリッドをオーバーホールしたというシスコ。2週間かかるというが、オブライエンは4日でやってもらいますという。無理だというシスコに、無理でもやるんです、そうしないとシスコもジェイクも死ぬ羽目になるというオブライエン。最悪の場合は同盟の捕虜になり、鉱石精製場で働かなくてはならなくなるという。助けてください、息子さんは戦闘が始まる前に元の世界へ送り返すというオブライエン。ディファイアントは第5ドッキングポートにある、すぐにかかってくださいという。その前に息子に会わせてくれというシスコ。構いませんよというオブライエン。
そこへベシア※9がやってきた。OKしたのかとシスコに聞く。オブライエンがベシア大佐ですと紹介する。オブライエンも大佐で、兵士の数も船も武器も足りないのに大佐だけは大勢いるという。協力するのかしないのか、どっちなんだと声を荒立てるベシア。この元気な性格、懐かしいでしょうというシスコにいうオブライエン。わめくな、シスコ大佐は今回も助けてくださるそうだとベシアにいう。ベシアは良かったといい、いきなりシスコを殴った。これで借りを返した、この前殴られてやったのは俺たちのシスコだと思ったからだという。貸し借りなしだといい、部屋を出て行くシスコ。オブライエンは俺ならあの人を怒らせたりしないといった。
ジェイクに、親友なんて冗談じゃないというノーグ※10。横には2人の女性がいる。でかい男は信用できない、でかい女は別だけどなという。一人譲ってやるといい、ジェイクの隣に女性が来た。あなたには少し年上過ぎるんじゃないというジェニファー。ジェイクを呼ぶ声がする。シスコだ。慌てて女性を離すジェイク。ごめんなさいと謝り、ジェニファーと話したかったから来てみたかったんだという。9年間にあったことを話し、本当にママみたいだとジェイクはいう。別の人間だというシスコに、聞き上手なところとか似ているところもあるというジェイク。なんたって笑顔がというジェイクに、シスコはそれぐらいにしろという。でも嘘みたいだ、チーフもドクターもダックス※11もそろってるなんてというジェイク。ノーグもいるんだと指差す。これが僕の父だよというと、ノーグはそいつもでかいなという。シスコはジェニファーと2人で話させてくれと頼む。脈があるよというジェイク。シスコはお前が何を考えているかは知らないが、無駄だという。何も考えてないよというジェイク。シスコはジェニファーに外で話そうと言った。歩き出すジェニファー。
シスコが追いかける。一つだけ聞いておきたい、これは誰の考えだと尋ねる。聞いてどうするのというジェニファーだが、いいから教えろというシスコ。ジェニファーは自分が仕組んだことを話す。あなたに協力してもらいたかったから、スマイリーに奥さんを事故で失ったことや、息子さんのことを聞いたという。ジェイクは好いてくれると思った、母親に似てるからというジェニファー。シスコは全然似ていないという。ジェイクはそう思ってないとジェニファーは言う。当たり前じゃないか、ジェイクはもう君と私をくっつけようとしているという。レジスタンスに加われといったのはあなただというジェニファー。悪いとはいっていない、手段が汚いといっているんだというシスコ。ジェニファーはジェイクを傷つけたのなら謝るが、同盟に勝つためには多少の代償は仕方ないでしょうという。シスコは協力することを認めた。しかしジェイクには手を出さないでくれという。それは無理というジェニファー。なぜだと聞くシスコ。向こうからジェイクがジェニファーを呼んだ。ジェニファーはジェイクが私を離さないからという。そしてジェイクのところに歩いていった。
同盟の艦隊が向かっている※12。クリンゴン戦艦のブリッジに、首かせをはめられたガラック※13が無理矢理連れてこられる。早くひざまずけというクリンゴン士官※14。言われなくたってそれ以外に何ができるっていうんですというガラック。首輪につながれた鎖が、クリンゴン人の司令官に渡される。それはウォーフ※15だった。こいつがテロックノールを謀反人に明け渡した臆病者かという。ガラックがそれは違いますと言おうとすると、さらに鎖を引っ張り、俺を嘘つきだというのかというウォーフ。ガラックは痛みに何も言えず、ゆるめてもらってやっとで話せるようになる。私はキラ※16閣下にお仕えしていた大勢の士官の一人に過ぎず、負けた原因はこのガラックただ一人にあるといわれても納得できないという。ウォーフはテロックノールから逃げ出せた士官はお前一人だったという。じゃあ降伏すれば良かったんですか、キラ閣下みたいに命乞いをした方が良かったですかというガラック。自分の責任を押し付けて逃げようとするなと怒るウォーフ。ガラックは逃がしてくれるんですかと聞くが、今度は俺が謀反人どもを叩きのめすというウォーフ。お前も戦いの場にうって出ろといった。さすがに執政官、噂に聞く通りの素晴らしい方だ、お仕えしますというガラック。復讐の渇きを癒すには、大勢の謀反人の血が必要だという。ウォーフは笑い、クリンゴンのような口を利くという。そう努力しているんです、息が詰まる首かせを外してもらえませんかというガラック。ウォーフはテロックノールの謀反人を皆殺しにするまではだめだという。そしてまた鎖を引っ張った。戦いの予感に喜ぶウォーフ。

※9: "Through the Looking Glass" 以来の登場。感情的で荒っぽい性格

※10: Nog 平行世界では初登場。ノーグとしては DS9第84話 "Paradise Lost" 「地球戒厳令(後)」以来の登場

※11: "Through the Looking Glass" に登場。平行宇宙のシスコの愛人でした

※12: DS9第73・74話 "The Way of the Warrior, Part I and II" 「クリンゴンの暴挙(前)(後)」に登場したネヴァール (Negh'Var) と同型の超巨大な巡洋艦。ほかにバードオブプレイやカーデシア、ガロア級戦艦も見えます

※13: エリム・ガラック Elim Garak 平行宇宙ではおなじみ。ガラックとしては DS9第82話 "Our Man Bashir" 「ドクター・ノア」以来の登場

※14: Klingon officer (カルロス・カラスコ Carlos Carrasco DS9第49話 "The House of Quark" 「クワークの結婚」のドゴール (D'Ghor)、第139話 "Honor Among Thieves" 「非情の捜査線」のクロール (Krole)、VOY第55話 "Fair Trade" 「密売人」のバラット (Bahrat) 役)

※15: もちろん平行世界では初登場

※16: ガラックと並んで古株。テロックノール司令官でした


ディファイアントの建造が行われている。シスコはオブライエンにこれから重水素噴射装置を作動させると伝える。流量調整器を停止する、司令室のオブライエン。シスコは噴射装置を作動し、流量を再調整するように言う。ダックスがブリッジにやってきた。戻ってきたのねといい、シスコに平手打ちをお見舞いする。この前私をだまして抱いた罰よと言うダックスに、そうは見えなかったと言うシスコ。今度私に触れたらわかってるわねといい、ナイフを突き付けるダックス。わかりたくないというシスコ。突然何かの音と、女性の悲鳴が聞こえた。ブリッジを離れるシスコとダックス。
叫び声を上げていたのはキラだった。ベシアが手に持った小さな装置※17を作動させている。どうしたんだと駆けつけるシスコ。ベシアはテロックノールの元女帝、キラ閣下だと言う。取り調べに連れて行こうとしたらこのふてぶてしい女め、逃げようとしたと言いまた装置のスイッチを入れる。苦痛の声を上げるキラ。シスコは連れて行けと言うが、ベシアは手を出すな、この際懲らしめた方がいいと言う。キラは本気で懲らしめるつもりなら、そのおもちゃの目盛りをもっと高く設定しないと効かないという。ベシアは望むところだといい、また作動させる。激痛に苦しむキラ。シスコがやめろといい、ベシアを壁に押し付ける。拷問とは違うといい、装置を取り上げた。同盟は同じだと思っているというベシアに、それはいかんというシスコ。ベシアは独房へ戻しておくように部下に命じた。起き上がるキラ。礼を言っておく、でもこの前はだまされてしまったという。てっきり私のベンジャミンだと思っていたというキラ。シスコは演技力の勝負だなという。キラはシスコの耳元に近寄り、逃してとささやく。恩は一生忘れないという。シスコはそれはそうだろう、しかし当てにしないことだという。連れて行かれながら、キラは召し使いのマラニー※18をよこしてくれないと頼む。体中が痛い、マラニーはマッサージがものすごくうまいというキラ。
同盟の艦隊。ウォーフは新しい船のことを聞いている。今までにないタイプの船で、すさまじい破壊力のある武器を搭載し、改良された光子魚雷や多重照準のフェイザーバンクがと説明するクリンゴン人の部下。ウォーフに完成するのはいつだと聞かれ、2日後のようですと答える。差し出がましいようですが、航行の速度をワープ9に上げた方がいいんじゃないでしょうかというガラック。それを聞いてうるさいと鎖を引くウォーフ。私はただお役に立とうとというガラックに、お前がちゃんとしていれば謀反一派は一掃されていたんだというウォーフ。責任者のキラが無能だったせいけです、従っただけでというガラック。ウォーフは無能なものに従うのは死に値するという。なら殺せばいいでしょうというガラック。確かにキラは無能でした、感情的で恩知らずで自分勝手だったが、少なくともといい言葉を止める。少なくとも何だと聞くウォーフ。ガラックは時々はキラ閣下を喜ばすこともできましたよといった。ウォーフはまた首かせを引き寄せた。お前は俺の好みじゃないという。よくわかっておりますともというガラック。ウォーフは速度をワープ9に上げるように命じた。
ジェイクはジェニファーに料理を振る舞っていた。おいしかったといい料理の名前を聞くジェニファー。チキン・ア・ラ・シスコ※19と答えるジェイク。料理をどうやって覚えたのかと聞くジェニファーに、シスコ家の男は料理好きが多いんだという。パパのシュリンプクリオールはうまいよというジェイク。いつかぜひ食べてみたいというジェニファー。シスコが部屋に入ってきた。ジェイクに寝る時間だろうという。あなたも少し食べない、ジェイクが料理してくれたとジェニファーはいう。シスコは疲れていて食べたくないという。片づけてから寝るというジェイクに、片づけまでやることはないというジェニファー。ジェイクはいいんだといいお皿を運ぶ。
疲れた様子で座るシスコに、ディファイアントの作業の進み具合はと聞くジェニファー。シスコははかどらないという。シスコの肩をもみ始めるジェニファー。気持ちいいと聞かれ、ああ、だが私の機嫌とりをしようとしているのなら無駄だというシスコ。ジェニファーはただ敵じゃないということを知って欲しいだけだという。どうしていつまでも怒っているの、あなたも夫のふりをしたが許したという。ところで本当に上手に、ジェイクを育ててるわねと感心するジェニファー。これから君のせいで大変だというシスコに、すぐ立ち直るというジェニファー。私は立ち直れそうもないという。私のベンジャミンはもう死んだとジェニファーはいった。ジェイクを見ているとこんないい息子が欲しかった、連れてきたのは間違いだったかもという。シスコは私だって辛いという。チャイムが鳴り、オブライエンが部屋に来た。オブライエンは緊急報告です、敵は後8時間で現れますという。時間切れだ。

※17: TOS "Mirror, Mirror" にも登場した拷問機 (agonizer) という小型の機械

※18: Marani

※19: chicken a la Sisko


ディファイアントの機関室。こうなったら武器アレイだけでもなんとかしよう、私はSIFジェネレーターを見るというシスコ。8時間か、とても間に合わないというオブライエン。シスコはやるしかないという。ベシアがスマイリーを呼ぶ。お前の部下が魚雷格納庫に入れてくれないと顔を近づける。魚雷装填メカニズムを動かす作業にかかっているというオブライエンに、装填できなけりゃ魚雷は使えないというベシア。何か方法を考えるよというオブライエン。ベシアは言ってみろよという。ダックスはけんかしている場合じゃない、とにかく時間を稼がないといけないという。爆撃機は残っているのかと聞くベシア。オブライエンは1機だけだ、敵の攻撃を避けることはできないという。しかし敵がここに来るのを遅らせることはできるというベシア。帰ってこれないというオブライエンに、本当に心配なのかというベシア。手柄を横取りされると困るからいっているんだろうという。死んだら手柄もないだろうというオブライエン。ベシアは誰が死ぬといったという。ダックスはいくなら一緒にいく、同じところに長くいるのは嫌いだという。じゃあ出発だというベシア。時間を稼げるように敵の情報を集めようというシスコ。
同盟の弱点を教えろですってというキラ。なんて馬鹿馬鹿しいことを聞くの、もっといいことがある、私が喉を掻き切ってやるという。執政官の手にかかるよりずっと苦しまなずに死ねるという。執政官に捕まった時に心配しなくてはならないのは君だろうというシスコ。執政官は私の忠誠を疑ったりしないというキラに、疑うのは忠誠ではなく能力だというシスコ。もしテロックノールを奪われたりしなかったら、彼が乗り出す必要はなかったという。私のせいじゃない、ガラックと同盟の馬鹿どものせいよ、あいつらには暴力が何かということがわかっていないという。暴力は鋭い刃のようなもの、切れ味がすべてというキラ。しかしガラックは逃げ出したというシスコに、それは臆病者だからという。シスコはすぐに執政官の元に走り、今ごろは間違いなくテロックノールを奪われた責任を擦りつけているという。確かにそうだわというキラ。シスコはもう一度、同盟の艦隊に弱点はないかと聞いた。一つないとも言えないといい、聞きたいならフォースフィールドを解除して中へ入ってきたらどうというキラ。その方が頭の回転もスムーズになるという。自分の身の安全を考えれば十分頭は回転するというシスコ。なんて優しさのない言い方なの、それが人にものを頼む態度というキラ。シスコ教授のためね、確かに魅力的だが中身はブリーン人※20より冷たい女だという。ジェニファーとは関係ないというシスコ。キラはそういうことにしておきましょう、私はベンジャミン・シスコと名乗る男には弱いといった。同盟の船はスピードもパワーもあるが、一つだけ弱点があり武器の照準の制度が低いという。ワープの影※21を狙うという話だ。それが本当だっていう証拠はあるのかというシスコ。キラは信じてもらうしかないといい笑った。
クリンゴン艦のブリッジ。ガラックがウォーフに投げ飛ばされた。床に倒れるガラック。鍵はどこにあると聞くウォーフ。鍵なんてとっていないというガラックに頭突きを食らわせ、まだ嘘をつくつもりかという。食事をもっていった時に盗んだんですというクリンゴン士官。もう1回聞かれたいかというウォーフに、ガラックは鍵を盗んで首かせを外しても、船からは逃げられるわけはないという。それに3回も身体検査をしたのにどこに隠しているっていうんですかというガラック。飲み込んだんじゃないのかというウォーフに対し、食べ物にはうるさいくちだというガラック。ウォーフはナイフを取り出し、見ればわかることだというとガラックの腹に突き刺した。突然部下が鍵を見つけたという。ポケットから落ちて靴の中にあったというクリンゴン人。これで信じてもらえますかというガラック。ウォーフはナイフを引き抜くとその部下にガラックの鎖を手渡し、ガラックが死んだらお前も殺すといった。連れて行かれるガラック。その時敵機を6機接近中したという報告が入った※22。センサーでこちらを探知した後、逃げてしまった。ウォーフは賢い判断だ、しかし逃しはしないといった。
本当にワープの影に引っかかってくれるかしらというダックス。ベシアは攻撃が始まればすぐにわかるさと言った。
爆撃機※23を追いかけるクリンゴンとカーデシアの船。次々と光子魚雷を発射してくるが、船には当たらずにそれてしまう。
ディファイアント。調整を行っているシスコのところに、ジェニファーが手伝いにやってきた。小さな手だと助かるというシスコ。ジェニファーが道具を受け取る。慣性制動器をコントロールするためにトルクセンサーを調整しているだった。これでも教授なのよというジェニファー。ジェイクにここへ連れてきた本当の理由を話したという。道具を返し、理由はどうでもいいといってくれたというジェニファー。会えて良かった、心からそう言ってくれたという。あの子は心の広い子なんだというシスコ。ジェイクは私に対しては怒ることができないみたい、お母様を思い出すからでしょうというジェニファー。お母さん子だったからなとシスコは言う。ジェニファーはこんなに人から大切にされたのは初めてだといった。もしもあなたがいいといえば、ジェイクをDS9まで送り届けるという。いつと聞くシスコに、今すぐにと答えるジェニファー。人質じゃなかったのかと聞くと、スマイリーはあなたを信用している、私もよというジェニファー。その前に一度ジェイクに会っておくかと聞かれて、シスコは仕事が終わらない、あっちで会おうと伝えてくれといって再び作業に取り掛かる。ジェニファーは初めて会った時お互いにつながりを感じたわね、まだあの時の気持ちを覚えているかと聞く。もともとそんな気持ちがあったかわからないというシスコ。ジェニファーはしばらく無言の後、ジェイクを送ってくるといい出ていった。作業を続けるシスコ。
プロムナードの2階で、ジェイクが同じように考え事をしていた。ノーグが来て、何をしているんだという。考え事というジェイクに、よそでやってくれ、見ているといらつくんだというノーグ。ふと笑うジェイク。何がおかしいというノーグに、僕の世界ではいるのは僕と君で、追いたてるのは君の叔父さんなんだという。まだ友達ごっこをやりたいのか、平行世界なんかどうでもいいとノーグはいう。こっちではバーは俺のもので、お前は部屋で考え事をするという。ジェイクはわかったよという。じゃあ帰れ、ここはお前のいるべき場所じゃないんだとノーグはいう。そうらしいなというジェイク。ジェニファーが来て、2人だけでジェイクに話があるという。ジェイクはノーグをにらむと、ジェニファーと一緒に歩いていった。
キラの独房。見張り※24に退屈じゃないかと話し掛ける。何も答えない見張り。否定しないってことはそうなのよ、中へ来ない、2人で頭を寄せ合えばきっと楽しい暇つぶしができるという。妻はあんたに死刑を宣告されたという見張りの男。何て素敵な偶然、あなたが独身ならと思ったというキラ。そこへノーグがキラの夕食だといって料理をもってきた。見張りが見せてみろといい、ふたを開けた瞬間、ノーグは男を殴り倒した。武器を取り上げ、独房のフォースフィールドを壊す。見事だわといい出てくるキラに、光栄です、発着パッドCに船が待っていますというノーグ。武器を受け取り、いつのまに味方になったのと聞くキラ。閣下は父と叔父を殺して下さった、おかげでバーは僕のものになったとノーグはいう。キラについて出て行く。
シスコが調整を行っていると、不意に船がゆれた。ブリッジへ向かうシスコ。テロックノールをバードオブプレイが攻撃している。
作業の足場を外せというブリッジのオブライエン。シスコが来るのを見て、もうお帰り下さい、最初からその約束ですからという。幸運を祈っているぞというシスコ。礼を言い、この船ならやれますというオブライエン。シスコが出て行こうとすると、オブライエンは艦長席に座り、戦闘に出て行く前もっと船のことをよく知っておきたかった、しかし実地訓練ほど胸の躍るものはありませんからねとつぶやく。シスコは少し考えると、オブライエンにその椅子から立てといった。エアロックを封鎖、ドッキングプランクを解除させるように命じ、椅子に座るシスコ。船尾エンジン、出力4分の1。オブライエンに何を突っ立っていると聞く。あなたって人には驚きますよというオブライエン。私も時々自分に驚くんだというシスコ。さらに攻撃を食らい、揺れる船内。ステーションのシールド残量を尋ね、オブライエンはこの船で一戦交えるくらいならという。シスコは発進を命じた。
通路を歩きながら、今すぐ船に出しますというノーグ。謀反人と同盟がやり合っているすきにベイジョーへ逃げる、かくまってくれる相手がいるというキラ。居場所を誰にも言いませんといい、歩いていくノーグ。キラも歩き出すが、何か思い付いたらしく戻ってノーグを呼んだ。その瞬間、ノーグを武器で撃った。こうすれば、誰にも言えないものねというキラ。
ジェニファーとジェイクも通路を歩いている。どうして一緒にDS9へ来てくれないのというジェイク。長い目で見ればその方がいい、その方が3人のためにというジェニファー。その時目の前にキラが現れた。武器を向け、ジェニファーしばらく、相変わらずきれいねというキラ。

※20: Breen DS9第77話 "Indiscretion" 「デュカットの娘」に登場した種族。氷の惑星に住んでいます

※21: warp shadows

※22: 喋っている操舵手は (James Black)

※23: Rebel raider ship というもの

※24: Guard (デニス・マダローン Dennis Madalone TNG第20話 "Heart of Glory" 「さまよえるクリンゴン戦士」のラモス (Ramos)、第92話 "Identity Crisis" 「アイデンティティー・クライシス」のヘンドリックス主任 (Chief Hendrick)、第147話 "Frame of Mind" 「呪われた妄想」の護衛、DS9第63話 "Visionary" 「DS9破壊工作」のアートゥール (Atul) 役。TNG/DS9/VOY スタント調整) 片目の略奪者 (Marauder) として "Crossover""Through the Looking Glass" にも登場


同盟の艦隊は激しい攻撃を浴びせていた。だがバードオブプレイが爆発する。ディファイアントだ。ステーションを回りながら敵艦に攻撃する。
後方からの敵機に捉えられてしまう。シスコは回避行動、パターンデルタを指示するがオブライエンにはわからない。揺するんだ、左舷から右舷に強くというシスコ。だが振り切れない。次は左舷へと命じるシスコ。ディファイアントはステーションの間をくぐりながら、バードオブプレイの後ろにつくことができた。テロックノールからはフェイザーでカーデシア艦に応戦している。後ろから攻撃し、ついに敵艦を破壊することができた。今のは覚えておかなくちゃというオブライエン。
キラに銃を突き付けられたまま歩く、ジェニファーとジェイク。ジェニファーにお礼を言わなくてはというキラ。人質に取れば安全にステーションから逃げ出せるし、執政官への手土産にも最高だわというキラ。ジェニファーは振り返り、自分はどうなっても構わないがジェイクには手を出さないようにいう。ジェイクを見つめ、その子なんなのと聞くキラ。何でもいいでしょう、でもあなたには渡さないとジェニファーは強く言った。キラはそんなに熱くなるなんて、冷静な時より素敵よという。その子は来なくていいといいジェイクに武器を向けるキラ。その瞬間、やめてといいジェニファーが中に入った。銃の攻撃を受け、倒れるジェニファー。大事な人質だったのにというキラ。ジェイクはすぐに医者にみせないとというが、どうせ助からないとキラはいう。そしてジェイクに武器を向け、ジェニファーは何であなたをかばったのと聞く。ジェイクは死のうとしているジェニファーを見つめ、僕の母だからと答えた。じゃあ向こうの世界のシスコの息子なのとキラはいい、それなら話は別だという。ジェイクを殺さなかった借りをいつか返してもらうとシスコに伝えるように言うキラ。そして歩いていった。
ディファイアントのシールドは45%。敵機の射程内に入った。シスコは敵の真っ正面から突っ込むように命じた。ああ、パターン神風※25というオブライエン。敵艦に向かうディファイアント。
あの船に攻撃を集中しろというウォーフ。こちらに向かってくる。望むところだ、テロックノールはまた我々のものになるというウォーフ。そうすればお前は自分の馬鹿さ加減を呪いながら、かつての仲間と共に鉱石精製場で働くことになるとガラックに言う。嬉しいですよ、未来に希望がもててというガラック。
戦艦に正面から攻撃するディファイアント。シールドは25%、もう1発当たったら終わりだ。ならかわせば済む話だといい、シスコは操縦を自分がやるという。私の方がこの船には詳しいからなというシスコに、オブライエンはお任せしますといって席を譲った。つかまってろというシスコ。
クリンゴン船の周りを縦横無尽に回りながら攻撃を仕掛けるディファイアント。次々と繰り出される敵の攻撃をかわす。船首から船尾にかけ縫うように攻撃する。
あちこちで爆発が起こるクリンゴン艦のブリッジ。あの船を撃墜するんだとウォーフは命じるが、距離が近すぎるため照準が合わない。
敵のシールドに穴が空いたというオブライエン。いい腕だとシスコは誉めるが、敵に捉えられてしまう。シスコは補助パワーを全部シールドに回すように言うが、オブライエンはそんなものはないという。今から逃げても間に合わないというシスコ。やっとこの船に慣れてきたのにというオブライエン。前方からバードオブプレイが向かってくる。しかしそれは攻撃を受け、爆発した。
攻撃したのはベシアとダックスの船だった。ディファイアントに合流する。ベシアはディファイアントに通信を入れ、おかえりくらい言ってくれよなという。お前の声を聞いて嬉しく思うとはなというオブライエン、そうめげないのというダックス、笑うベシア。シスコはベシアに、敵機の軸索に攻撃を集中するように言う。喜んでというベシア。
2隻の攻撃で、クリンゴン艦は甚大な被害を受けていた。梁が落ちるブリッジ。コンソールはあちこちから火をふいている。ガラックは一言申し上げますといい、そろそろ執政官の高貴なお身柄を戦場からお移しになった方がいいという。退却しろということかというウォーフ。簡単にいえばその通りですというガラック。
ついに敵は攻撃をやめ、ワープに入った。ディファイアントの前から飛び去るクリンゴン艦。ほかの敵機もステーションへの攻撃をやめたというオブライエン。勝ちましたという。びっくりしているみたいだなというシスコに、驚愕していますというオブライエン。もちろん文句はありませんけどという。
だれか裏切り者がいたんだ、それ以外に俺が負けるわけがないと怒るウォーフ。いたに決まっていますというガラック。必ず見つけ出して罰してやるというウォーフに、当然です、裏切り者はもちろんキラですというガラック。キラのことかというウォーフ。ガラックは裏切り者を捕らえたら、執政官のしもべである私に罰する名誉を与えて下さいと頼む。あの世へと行く前に裏切ったことを後悔させてやるという。裏切り者の処分はお前に任せよう、俺は謀反人どもを皆殺しにするというウォーフ。さっさと行け※26といった。
テロックノールに戻ってきたシスコ。医療室にはジェイクと、ベッドに寝たジェニファーがいた。ほらね、来てくれたでしょとジェニファーに言うジェイク。シスコは具合はどうだと聞くが、ジェイクは首を振った。ジェニファーに近づくシスコ。ベンと呼ぶジェニファー。楽にしてといい、シスコは手を握る。私たち、まだつながってるわよねというジェニファー。ああ、どんな時もというシスコ。ジェニファーは微笑み、そして静かに目を閉じていった。シスコは握っていた手を戻し、ジェイクと固く抱き合った。さあ、うちに帰ろうとシスコはいうのだった。

※25: 原語では pattern suicide (パターン自殺)

※26: "Make it so!" といっています


・感想
ミラーユニバースを題材にしたものはその設定だけでも楽しませてくれますが、今回は宇宙での派手な戦闘もあり、見所が満載です。ですが再びジェニファーを失ってしまったシスコとジェイクたちの悲しみは深いものでしょう。ただの派手な内容で終わらせないのがSTの最もSTらしい点かも知れません。


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