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ディープスペースナイン エピソードガイド
第63話「DS9破壊工作」
Visionary

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・イントロダクション
オブライエンは横たわり、ベシアに治療を受けている。フェイズインデューサーを修理中にプラズマコンジットが爆発したのだ。起き上がろうとするオブライエンを止め、爆発で浴びた放射線物質を除去しないといけない※1というベシア。シスコに2、3日は軽い任務に抑えるように頼む。ロミュランの船が着艦許可を求めているというキラ。待ってもらえ、私も代表団に会いに行くとシスコはいう。立ち上がったオブライエンにシスコは軽い任務だけだ、ジェフリーチューブに潜り込んで修理なんかするなという。今日はおとなしくしてますよというオブライエン。シスコとキラはプロムナードに向かった。
クリンゴン人が酔っ払い、何か叫びながら保安部員に連行されている。オドーにクリンゴン人が来ているなんて聞いていないぞというシスコ。数日前に船のメインコンピューターが故障し、オーバーホールが必要だったので急遽DS9に立ち寄ることになった。修理には少なくとも2日はかかる。シスコは丁度今ロミュランの使節が来ていて、ドミニオンの情報収集のために2日間ほど滞在することを話し、問題を起こさないようにクリンゴン人を見張るようオドーに頼む。了解し、クリンゴン人を連れて行くオドー。
ロミュラン人たちがエアロックから降りて来た。代表の男性はルワン※2、副官の女性はカレナ※3だ。シスコは部屋に案内しましょうというが、ルオンはドミニオンの情報収集に来た、時間がないので本題に入ろうという。案内するシスコ。
クワークはオブライエンの勧めで、店にダーツを取りつけた。床に線を引いておくようにいうオブライエン。商売の足しになるとは思えないというクワーク。ボードが曲がっているぞといい直させるオブライエン。バーにはダーツが付き物だというと、クワークはそれはどこの星のバーだ、今までやりたいといったお客はいなかったという。絶対受けるといい矢を渡すオブライエン。レーザーもホログラムもない、どこが面白いのかねというクワーク。テクニックが物をいうといって、クワークに試しに投げさせる。クワークは、もっていた何本もの矢をまとめて放り投げてしまった。近くにいたモーンの服に刺さっている。危ないじゃないか、目に刺さっていたらどうするというクワーク。慰謝料は払わないぞというクワークに、ダーツはゆっくり投げるものだ、一本ずつと言い手本を見せるオブライエン。
矢を投げた瞬間、オブライエンは別の場所にいた。少し離れたところにはクワークがいて、その近くにいるもう一人のオブライエンと話している。クリンゴンのせいでホロスイートが壊れたというクワークに、そのオブライエンはクリンゴン人が来るたびに壊されているじゃないかと言っている。その様子を見ているオブライエン。2倍金をくれるから仕方ないといい、クワークは歩いていく。そしてオブライエン同士の目が合った。ふいにこちら側のオブライエンは消えた。
ダーツが的の中心に命中する。オブライエンはめまいを起こし、倒れてしまった。

※1: ハイロナリン (hyronalyn) を使うように言っていますが、訳出されていません。TOS第40話 "The Deadly Years" 「死の宇宙病」などに登場

※2: Ruwon (ジャック・シアラー Jack Shearer DS9第17話 "The Forsaken" 「機械じかけの命」の Vasodia、VOY第21話 "Non Sequitur" 「現実への脱出」のストリクラー提督 (Admiral Strickler)、映画第8作 "Star Trek: First Contact" 「ファースト・コンタクト」などのヘイズ提督 (Admiral Hayes) 役)

※3: Karina (Annette Helde DS9第158話 "The Siege of AR-558" 「戦争の影−AR558攻防戦−」のナディア・ラーキン (Nadia Larkin)、VOY第75話 "Scientific Method" 「DNAに刻まれた悪夢」の Takar、映画第8作 "Star Trek: First Contact" 「ファースト・コンタクト」の保安部員役。映画「ビーン」にも!)


・本編
ベシアの診察を受けるオブライエン。放射能汚染の副作用で筋肉の痙攣を起こしたという。痛み止め※4を注射する。さっき見たのはと聞くオブライエンに、放射能の影響で軽い幻覚症状に襲われることもあるというベシア。はっきりと見た、プロムナードにもう一人の自分がいてクワークと話していたというオブライエン。話の内容も覚えている。それは問題だ、幻にまでクワークが出てくるなんて想像力が貧困だとベシアはいう。オブライエンは的確な診断どうもありがとうといい出て行く。どういたしましてと微笑むベシア。
ルワンたちと会議を行うシスコとキラ。ドミニオンの存在はアルファ宇宙域にとって脅威だ、軍事力についてもっと情報が欲しいというルワン。まだ何もわかりませんというシスコ。カレナはこのステーションにいるドミニオンの仲間に聞けば全てわかるでしょうという。オドーは無関係ですというキラ。報告によればドミニオンの裏で糸を引いているのは可変種の一族だというロミュランたち。キラはオドーは仲間じゃない、ステーションに残ることを選択したという。ドミニオンに忠誠も誓っていないし、何も知らないという。信じがたいというルワンに、本当ですというシスコ。ルワンは立ち上がり、我々はドミニオンの情報をもらう条件でディファイアントに遮蔽装置を貸したことを持ち出す。連邦とロミュランの関係にひびが入っては大変だというカレナ。やっと友好協定を結んだのですからという。シスコはできる限りの協力はするという。ドミニオンに関する情報を全てみせてもらいたい、連邦司令部に提出した機密文書を含めてという2人。司令部に指示を仰がないとというシスコに、すぐやりたまえというと2人は出ていった。
プロムナードをオブライエンが歩いていると、クワークに呼び止められた。ホロスイートをクリンゴン人が壊したという。クリンゴンが来るたびに壊されているじゃないかというオブライエン。その時オブライエンは何かに気付き、右を向いた。そこにはやはり、もう一人のオブライエンがいてこちらを見ていた。クワークもそれに気付き、修理は後でいいと言って歩いていった。しばらくした後、向こうにいるオブライエンはかき消えてしまった。
シスコに報告を行うダックス。内部センサーの記録によると、確かに小さな時間変動が起きていた。クワークの店とプロムナードで1回ずつ、どちらもオブライエンが幻を見た時刻と一致する。本当に未来へタイムスリップして、また元の時間へ戻って来たということかと言うシスコ。原因は一体と言うオブライエン。まだ不明で、ベシアの診断結果と突き合わせてみるというダックス。放射線を浴びたせいかもしれない、アイソトープに影響して時間変動を起こす説も…と説明しているとき、再びオブライエンは時間を超えた。
そこはクワークの店で、中では乱闘が起こっていた。クリンゴン人たちが暴れ、ロミュラン人や保安士官と殴り合いのけんかになっている。その中にはもう一人のオブライエンもいて、クリンゴン人に殴り倒された。オブライエンはナイフを出しとどめを刺そうとするクリンゴン人の腕をつかみ、ナイフを叩き落とした。倒れているオブライエンは、危ないと叫んだ。しゃがみ、武器から身をかわすオブライエン。
一部では提唱されているというダックス。オブライエンは気を失い、倒れた。シスコとダックスが名前を呼ぶ。

※4: asinolyathin という薬ですが、これも訳出されていません

医療室のベッドにいるオブライエン。細胞をマイクロスキャンした結果、大脳と脊髄の神経細胞にかすかなダメージがあり、それが原因かもというベシア。治せるが、何度もタイムスリップを繰り返すと命に関わるかもしれないという。心配するな、ダックスがスキャナーをフル稼動させて時間軸の異常を探しているというシスコ。どれくらいタイムスリップしたかわかるかと聞く。目安がないのでわからないと答えるオブライエン。ロミュランがいる間クリンゴンが問題を起こさないように、クワークの店を見張るようにオドーにいっておこうというシスコ。キラがやってきた。シスコにお話があるといい、共に出て行くキラ。
ロミュランはドミニオンに遭遇したディファイアントの乗員に面接したがっているというキラ。スキャナーデータを提出してもまだ足りないといっているのだ。船を直接調べさせろ、個人データにもアクセスさせろとまで言っている。シスコは個人データは問題外だが船の検査と、面接を許可する。いろいろ言いたいことはあるだろうが向こうの立場にもなってやれと言うシスコ。ロミュランはガンマ宇宙域にも行ったことはないし、ドミニオンに遭遇したこともないという。自分たちで行けばいいじゃないですかと言うキラに、ロミュランは自分たちは何もせずに、後ろから糸を引くのが好きだと言うシスコ。操り人形ってわけと怒るキラ。シスコはロミュランとの交換条件は守らなければならない、協力姿勢を見せないとなという。面接の手配をさせるというキラ。君もロミュランに対するときには、もう少し友好的になというシスコ。いつも友好的ですよというキラ。
冗談じゃないと叫ぶキラ。そんなことを言われて黙っていられない、取り消すように言う。事実無根にしては随分興奮しているなと言うルワン。最後までディファイアントを守るのを怠り、さっさと脱出したと言う推論が当たっているのではと言うカレナ。ジェムハダーが攻撃して来たときオドーと自分は船の部屋に閉じ込められ、戦闘で負傷し、気がついたときにはオドーが脱出するシャトルに乗せてくれた後だったというキラ※5。断じて船を見捨てたわけではないという。オドーはどうしてほかのクルーを助けなかったのだと聞くルワン。助けたかったはずだがブリッジに行く道がなくてというキラ。カレナも攻撃を受けたときなぜオドーの部屋にいたのか聞く。プライベートな話をしていたというキラ。よくプライベートな話をするのかと尋ねるルワン。答える義務はないというキラ。カレナはしつこく、ディファイアントのクルーの中でなぜキラだけが捕虜にされなかったのかと聞く。キラに危害を加えたらオドーが暴れ出すと、ドミニオンが判断したからではという。ルワンはオドーがキラに肉体的な興味を抱いているのではないかという。キラは立ち上がり、もう結構と言った。遮蔽装置は返すからさっさと出ていって、オドーにそういう口を聞くとDS9の外に放り出されることになるといい、警備を押しのけてキラは部屋を出ていった。
クワークの店でベシアとオブライエンがダーツをしている。店にはロミュラン人もいる。オブライエンは負け、もう1回という。10ゲームもすれば十分だろうというベシア。喧嘩沙汰なんて起こらない、用心したから未来が変わったのさという。警備員もいる、クワークもクリンゴンを店に入れないと約束したという。オブライエンは胸騒ぎがする、店の雰囲気も顔ぶれも、未来で見たのと全く同じなんだという。そこまで言い張るならあと10ゲーム付き合うよというベシア。その時、店にクリンゴン人たちが入って来た。笑いながら中に入っていく。続いてやって来たクワークに店に入れないはずだったろと詰め寄るオブライエン。ホロスイートにいたから知らない、それに3倍払ってくれたというクワーク。
クリンゴンたちは座っているロミュランたちに気付いた。この薄汚い連中を入れたのは誰だ、店の雰囲気が悪くなるというクリンゴン。ロミュランが立ち上がった。
キラはオドーに話を聞いてもらっている。ルワンがひどい邪推をするというキラ。あなたが、と言いかけるキラ。私が何ですと聞くオドー。キラは私に気があるってという。そんなこと、というオドー。ずいぶんだと思わない、失礼でしょというキラ。そこへクワークから通信が入る。店が乱闘でめちゃくちゃだというクワーク。オドーはすぐに向かった。
店の中では乱闘が起こっていた。クリンゴン人たちが暴れ、ロミュラン人や保安士官と殴り合いのけんかになっている。クワークはカウンターに隠れながら、壊されたものをチェックしている。オブライエンはクリンゴンに捕まれたが、倒される前に相手を殴り倒した。すでに過去のオブライエンもやってきている。ナイフを向けたクリンゴン人を後ろからつかみ、倒した。目配せする2人のオブライエン。こちらのオブライエンは危ないと叫んだ。しゃがみ、身をかわす過去のオブライエン。オドーと保安部員たちがやってきた。クリンゴンとロミュランたちを連行する。その様子を見ているオブライエン。その瞬間、またも時を超えた。
そこは居住区内の通路だった。未来のオブライエンが近くにいて、パネルのふたを開けようとしている。何をしていると聞くオブライエン。そのオブライエンがふたを開けた瞬間、中から光線が撃たれ胸に命中した。倒れる未来のオブライエン。オブライエンは駆け寄り、喉に手を当てた。既にそのオブライエンは死んでいた。
気がつくとオブライエンはベッドの上にいた。ベシアが気付き、クワークの店で倒れたんだ、もう大丈夫という。オブライエンは言った、「大丈夫じゃない、俺はもうすぐ死ぬんだ。」

※5: DS9第47話 "The Search, Part I" 「ドミニオンの野望(前)」より

オブライエンはシスコ、オドーと共に自分が撃たれたパネルの前にやってきた。オドーがトリコーダーで調べるが異常はない。遮蔽装置か何かでカモフラージュしているのかもというシスコ。オドーは2人に下がるように言い、気を付けながらふたを開けた。しかし前に立っても何も起きない。確かにこのパネルだったというオブライエン。オブライエンは過去2回とも、約5時間後の未来にタイムスリップしていた。つまり5時間後にここで事故に遭うということだというシスコ。何者かがこのパネルに細工をするわけですねとオドーは言う。シスコはいまこの辺りは空室で、近くにさほど重要な設備もないといい、どうして破壊工作をする必要があるという。通路に監視装置をつけて常に見張りましょうというオドー。ダックスからシスコに通信が入り、オブライエンのタイムスリップの原因がわかったきたという。オドーに進めてくれといい、シスコとオブライエンは司令室に向かった。
DS9の周囲2キロの範囲をスキャンした結果、だんだん低い亜空間波がキャッチできるようになったと説明するダックス。そしてかすかなテトリオン波※6の痕跡がつかめた。こんな波が出るのは、中性子星かブラックホール※7の周りだけだ。ブラックホールなら時間が歪むことも起こりうる。近くにあるならなぜ見えないんだ、重力フィールドも影響を受けるはずなのにというオブライエン。亜空間フィールドに覆われているのかもしれないというダックス。仮にブラックホールが原因だとして、なぜオブライエンが影響されるんだと聞くシスコ。ベシアは、ブラックホールから出る時間の歪みは、数ある元素の中でもデルタ系の放射性アイソトープ※8に影響を与えるという。オブライエンはその元素を浴びている。その元素が磁石のようにオブライエンを引き付けているのだ。対策としては体の中の放射性アイソトープを中和すればよい。時間はかかる、治療が終わるまでに後1、2回はタイムスリップするかもしれないというベシア。すぐにオブライエンの治療を始めることにした。シスコは周辺のスキャンを続けるようにダックスに命じる。ブラックホールの位置を突き止めるようにいう。
キラがやってきて、ロミュランの使節団を別の部屋に移したという。またレプリケーターが壊れ、とりあえずレベル2のセクション47に部屋を移したという。シスコは、そこはオブライエンが未来で事故に遭った場所の近くであることを話す。ロミュラン人がパネルに細工をするのか、ロミュラン人を狙う何者かの仕業かだ。部屋を変更しましょうかとキラは言うが、それでは犯人に気付かれてしまうとシスコは言い、オドーに部屋の変更を伝えておくように言う。敵の出方を見ようというシスコ。
保安室にシスコがやってくる。オドーはパネルの裏に、いつのまにか第3級の探査装置が取り付けられているという。3時間監視していたが、パネルに近づいたものは誰もいない。しかし転送ビームの反応をかすかにセンサーがキャッチしていた。つまり転送で仕掛けたのだ。精密な転送技術がないとできない。ビームの発信源はつきとめられなかったが、周りに船はないので基地内から発射されたものだというオドー。心当たりはと聞くシスコ。オドーは恐らくロミュランの様子を探るためのものだろうから、一番怪しいのはクリンゴン人だという。対立しているが証拠はあるのかと聞くシスコ。これから取り調べるといい、クリンゴン人、ベイジョー人、クワーク、その他滞在中の客をという。クワークもかと聞くシスコ。もちろん、毎度のことですからというオドー。シスコは出ていった。
何とかやり過ごしたみたいだな、本当なら死んでいる時間だというベシア。でも一度は死んだと思うと、自分の死体を見ちゃったんだからというオブライエン。脈がなかった、ぞっとしたという。僕だったら卒倒してたなというベシア。クワークが飲み物を持って来た。オブライエンに調子はどうだい、DS9一の預言者さんという。そんな風に呼ぶなというオブライエン。クワークは相談だがといい、タイムスリップしてダボのテーブルの辺りを通りかかったら、どの目が出ているか見てきてくれという。もちろん例はたんまりするぞというクワーク。オブライエンはそろそろ出るかといい、ベシアと席を立った。言っただけなのにというクワーク。
なんて奴だと怒るオブライエン。人が大変な目にあってるのに金のことばかりという。
その瞬間、オブライエンは医療室にいた。ベッドの上には布が掛けられた遺体がある。顔のところをめくると、それはオブライエン自身だった。

※6: テトリオン粒子 (tetryon particles) は TNG第131話 "Schisms" 「謎の第3次亜空間」、VOY第1・2話 "Caretaker, Part I and II" 「遥かなる地球へ」など何度も登場

※7: quantum singularity

※8: delta-series radioisotopes


再び顔に布をかぶせるオブライエン。ベシアが入って来て、なんだ来てたのかという。何が起こったんだと聞くオブライエン。原因は放射線だ、脳の血管がダメージを受けていたというベシア。発見したときには手遅れだった。検査には引っ掛からず、解剖して初めて原因がわかったという。ベシアは過去に戻ったら、脳の血管のスキャン※9をするように僕に言ってくれという。5時間あれば治療も間に合うという。わかったというオブライエン。よくも見殺しにしたなという。何とか命を救おうとしたが持たなかったというベシア。気の毒だが、人間の身体にはどうしても限界があるという。それを助けるのが医者じゃないかというオブライエン。
現在に戻り、オブライエンは倒れた。ベシアが看護婦を呼ぶように通信で伝える。
オドーは転送ビームの出所を突き止め、その発信源の部屋にシスコと共に入った。そこは空室だったところだ。何者かがセキュリティロックを解除して出入りしていたらしいというオドー。この部屋にポータブル式の転送装置を持ち込み、探査装置を設置したのかと聞くシスコ。オドーはそう考えたが、あまりにも無謀だという。転送装置をもって通路をうろつけばどうしても目に付く。そこで次に目をつけたのはレプリケーターだといい、パネルを開けるオドー。そこには装置が仕掛けられていた。物質の変換マトリックスに手を加えたのかというシスコ。小型の転送装置に改造されている、これはプロの仕事ですというオドー。問題は誰がやったかだとシスコは言う。オドーはそれも見当がついているといい、その装置を取り外した。それはダヴルス3号星※10で製造されたもので、その星はクリンゴン領の近くにある。ダヴルスの貿易の9割はクリンゴン帝国向けだというオドー。クリンゴン人を逮捕するには証拠が弱いなというシスコ。そこでクリンゴンに大使として駐在していた、宇宙艦隊情報部の知り合いに聞いてみたというオドー。クリンゴンの元情報員を紹介してくれたという。説明を続けるオドーに要点だけを頼むというシスコ。オドーはステーションに来ているクリンゴン人3人が、最高評議会直属の秘密潜入部隊であることを明かす。つまりガウロンの部下だ。なぜそれを早く言わないというシスコ。時々は私の有能さをアピールしておきませんとと言うオドー。ロミュランを暗殺でもしようとしているのかと聞くシスコ。ありえます、しかし単なる情報収集とも考えられると言うオドー。高エネルギーのレーザービームは、単にダヴルスの装置を守るためだけに取り付けたのかもしれないという。これだけの証拠があれば、拘束して尋問できるなとシスコは言い、オドーはロミュランとの会議が終わり、出発するまで拘束しておくと言った。用心しろと言うシスコ。オドーはクリンゴン人相手に尋問するのに、用心しても無駄ですと言った。
オブライエンはベッドの上で回復した。俺はまだ死なないとつぶやいている。大丈夫だと声をかけるベシア。大丈夫じゃない、脳の血管をスキャンしてくれと頼むオブライエン。どうしてと聞くベシア。そうしないと5時間以内に死ぬそうだという。ベシアは誰が言ったと聞く。君だ、未来のというオブライエン。ベシアはじゃあ言う通りにするしかないなといった。
クリンゴン人3人※11が拘留室に入れられた。このような侮辱は我慢ならない、何の権利があってと言うクリンゴンたち。スパイ活動を黙って見逃すわけにはいかんと言うオドー。この侮辱が我が一族の耳に入ったら、お前を殺しに飛んでくるという。飛んでくるものがいるとすれば、それはクリンゴンの情報局※12のお仲間だろうと言うオドー。情報部の連中は任務に失敗した仲間の尻拭いなどごめんだろうからなという。もし協力姿勢を見せてくれれば、情報局には何も通報せずに釈放してもいいと思っているというオドー。顔を見合わせるクリンゴン。どうすると言い残し、オドーは出ていった。
司令室。気分は良くなったかと尋ねるシスコ。おかげさまでというオブライエン。ベシアは体内の放射性アイソトープはほとんど除去したという。最後の処置は2時間後の予定だが、それが終わればタイムスリップする心配はない。ブラックホールの調査はと聞くシスコ。ダックスはテトリオン反応を頼りに調べた結果、DS9の周りを楕円軌道を描きながら回っているという。ブラックホールがある位置に達するたび、特定の時間エネルギー波が発射され、それがタイムスリップを引き起こしているのだ。ブラックホールをどこかへ消すことはできないのかというシスコ。恐らくDS9がとオブライエンが説明する。
オブライエンは大勢の人々で混雑するシャトルの中にいた。急いで乗り組むようにいう未来のオブライエン※13。急いで人々を中に入れ、ハッチが閉められる。オブライエンは緊急脱出を開始する。シャトル3機ががDS9から離れた。DS9には爆発が起こっている。何事だと聞くオブライエン。いたのか、俺にもわからないというオブライエン。寝ていたら基地で爆発が起こり、司令室へ向かっていたら脱出警報がなったという。通信システムは全滅し何とかこれだけの人を脱出させたが、後はどうなったかというオブライエン。過去に戻ったら原因を突き止めてくれという。
DS9は光とともに大爆発を起こし、破壊されてしまった。さらにワームホールが口を開いたかと思うと、光を発し急速に閉じてしまう。どうしてというオブライエン。
オブライエンの意識は司令室に戻った。茫然とするオブライエンにシスコがどうしたと聞く。大変な問題がとオブライエンは言った。

※9: basilar arterial scan

※10: Davlos III

※11: この初めの方から出ているクリンゴン人たちは、アートゥール (Atul) (デニス・マダローン Dennis Madalone TNG第20話 "Heart of Glory" 「さまよえるクリンゴン戦士」のラモス (Ramos)、第92話 "Identity Crisis" 「アイデンティティー・クライシス」のヘンドリックス主任 (Chief Hendrick)、第147話 "Frame of Mind" 「呪われた妄想」の護衛、DS9第43話 "Crossover" 「二人のキラ」などの略奪者 (Marauder) 役。TNG/DS9/VOY スタント調整)、Bo'rak (Bob Minor)、Morka (Ray Young) ですが誰が誰かは不明です^^;

※12: Klingon Intelligence

※13: 以下、2人が会話する場面では、未来のオブライエンは色を変更します。苦肉の策です^^;


爆発の様子から見て何か推測できないかと聞くシスコ。居住区全体に渡って複数の爆発が起きていたが、一体何が起きたのかはわからなかったと言うオブライエン。キラは爆発が内側か外側からかを尋ねる。破壊工作が原因なら内側からだからだ。だがオブライエンはそれもわからない。狭い範囲しか見ていないため、付近に船があったかも不明だ。現状では判断のしようがないというキラ。シスコは秘密裏に基地からの脱出準備を整えるように命令する。脱出準備をしていることが敵に知れれば、攻撃を早めてしまうからだ。続いてダックスに基地内の全システムのチェックを命じる。オブライエンは原因を突き止める方法があるといい、もう一度タイムスリップして、爆発の直前に行ければ確かめられるかもしれないという。ベシアにもう一度デルタ系の放射性アイソトープを注入すれば、タイムスリップが起きるはずだろと聞く。ベシアはできるが、アイソトープの毒性で神経システムが冒され、死んでしまう危険性があるという。このままだとDS9は爆発し、大勢が死ぬというオブライエン。仮にタイムスリップに成功しても行けるのは5時間後だというシスコ。タイムスリップの時間はブラックホールからの時間エネルギーの波長に影響していると思われると話すオブライエン。ベシアも、アイソトープの崩壊率を計算しブラックホールの波長と比較して微調整すれば、時間をコントロールできるかもしれないという。シスコは2時間以内に実行できなければ、住民全員を基地から脱出させるといった。わかりましたというオブライエン。
ベシアはオブライエンの腕に装置を取り付けた。作動させればアイソトープが注入され、計算が正しければ3時間後の未来に行く。誤差はプラスマイナス30分。帰りの分もセットしてある、もう一度作動させれば戻ってこれるというベシア。くれぐれも長居はするな、放射線の影響でダメージを受けており、治療しなければ死ぬぞという。覚えてとくよというオブライエン。頼みがあるといい、ケイコ宛ての手紙を残して来たという。わかってる、後は任せてというベシア。そしてオブライエンは装置のスイッチを押した。
時を超え、オブライエンは暗い自室にいた。時刻は2時、つまり3時間半後の未来だ。マイルズ起きろと、未来のオブライエンを起こす。またお前か、今度はどうしたというオブライエン。時間がないので手短に説明するが、DS9が爆発するんだというオブライエン。どうしてと聞くオブライエン。わからないから調べに来た、原因を突き止めて過去に戻らないと大勢の人が死ぬんだというオブライエン。苦しそうだなというオブライエン。オブライエンは放射能汚染だという。オブライエンは過去の俺が病気なら現在の俺も病気ってことかという。2人は声を合わせて、時間理論ってのは苦手なんだよといった。司令室へ行って調査しようというオブライエン。2人は向かった。
入って来た2人を見て司令室のキラたちは驚く。基地全体をスキャンしてくれというオブライエン。その時大きく衝撃を受け、警報が鳴った。ダックスはロミュランのウォーバードが1隻現われ、攻撃しているという。スクリーンに映し出され、キラはフェイザーで応戦するように言う。溶解炉がやられ、メインパワー、防御システムもダウンした。オブライエンは病気に耐えられず、横になってしまう。目を覚ませ、ブラックホールの正体はロミュランだというオブライエン。ロミュランの船は小型のブラックホールをワープエンジンに使っており※14、遮蔽して潜んでいたのだ。早く過去へ戻れ、みんなに知らせるんだというオブライエン。だがオブライエンは無理だ、これ以上時間移動したら放射能で身体が持たないという。そして腕の装置を外し、お前が行けという。俺がというオブライエン。オブライエンはお前は俺だ、変わっても構うもんかといった。オブライエンは意識を失った。装置を取り付けると、オブライエンはスイッチを押した。
オブライエンはベシアの後ろに立っていた。どうだったと聞くベシア。成功したよというオブライエン。シスコに連絡を入れ、ロミュランのウォーバードが潜んでおり、ブラックホールが探知されたことを伝える。数時間後に我々を攻撃してくるというオブライエン。ご苦労だったといい、防御シールドと攻撃準備をさせるシスコ。
ベシアはトリコーダーで調べながら、どうも妙だなという。大量の放射線汚染を受けていたはずなのに体内には少ししか残っておらず、代謝率も変わっているという。オブライエンは実は入れ替わったんだといった。
本当になんて言っていいかわかりませんというクワーク。ルワンは嘘をついているなと言う。どのあたりがと聞かれ、全部だと言うルワン。筋は通っているでしょうと笑うクワーク。シスコたちが部屋に入って来た。クワークにもういいぞと言うシスコ。クワークはありがたいと言い、出ていった。遮蔽装置で姿を消したウォーバードを待機させ、DS9を攻撃するつもりだなと言うシスコ。理由がわからなかったが君たちの言葉を聞いて思い出した、ドミニオンはアルファ宇宙域にとって大きな敵だと言っていたなと言う。完全に遠ざけるためワームホールを壊して道をふせごうとしたと言うシスコ。キラは我々が黙ってみているわけがない、そこでDS9も破壊することにしたのだという。端から見ればDS9の爆発は、ワームホールの突然の崩壊に巻き込まれた事故のように見えると言うオドー。カレナは面白い意見だわ、でも憶測で証拠がないという。シスコはこれだけは言っておこうといい、テトリオン反応をたどってウォーバードの位置を確かめ、光子魚雷50発を発射できるように照準を合わせているといった。ルワンは立ちあがり、長居をし過ぎたようだという。お客様はお帰りのようだ、近くの転送室まで案内して差し上げろとオドーに言うシスコ。ルワンとカレナは出ていった。
未来から来たなら、これから何番に矢を当てるかわかるか尋ねるベシア。オブライエンは20番の外側と言った。ベシアが投げると、まさにその通りの場所に矢は突き刺さった。驚くベシア。オブライエンは居心地が悪い、本来ならもう一人のオブライエンがいるべき世界だと言う。ベシアは君はオブライエンであることに変わりはなく、ほんの少し人にはない記憶があるだけさと言う。オブライエンは今日は寝るよと言う。ゆっくり休むといいというベシア。オブライエンはクワークに近づくと、「ダボ」とつぶやきバーを出ていった。その時、ダボテーブルで大きく「ダボー」と歓声が上がる。クワークはオブライエンに待ってくれと言った。笑うオブライエン。

※14: TNG第140話 "Face of the Enemy" 「ロミュラン帝国亡命作戦」などより


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