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TNG エピソードガイド
第35話「人間の条件」
The Measure of a Man

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・イントロダクション
『航星日誌、宇宙暦 42523.7。我々は、新設された第173宇宙基地※1に向かっている。ローテーションを組んで、実験用装置の搬入を行うのだ。』
データの部屋。
オブライエン※2:「ちょっと待った、ここは俺の席だ。ディーラーの右隣に座らんと、ツキが逃げちまう。」 暗いテーブルを囲むクルー。
データ:「迷信深いんですねえ。」 帽子をつけている。
「迷信じゃないよ、これまでの…経験による真理だ。」
ライカー:「よし、ファイブカード・スタッドだ。エンティを払って。」
データ:「実に単純なゲームです。カードは一人 5枚で 4枚は開いているから、21枚は見られる。確率を計算すれば勝てますよ。」
ラフォージ:「カードを見ただけじゃ勝てないぜ?」
「もちろん? 相手がいくら掛けたかによっても手を読みます。」
オブライエン:「カモがホザいてるぜ?」
笑うライカーとラフォージ。
ポラスキー:「5点よ。」
ラフォージ:「乗った。」
データ:「私も。」
オブライエン:「うーん。」
ライカー:「コール。7 に、6、クイーン。」
データ:「うーん。…10点掛けます。」
オブライエン:「よーしきた。」
ライカー:「コール。」
ポラスキー:「フォールド。」
ラフォージ:「ああ、俺も降りる。」
ライカーのカードは、10 とジャックと 5。
データはクイーンが 2枚とエース。「5点追加だ。」
オブライエン:「よーし。」
ライカー:「その上に、5点レイズ。」
続けるデータ。
オブライエン:「降りるよ。」 残るはデータとライカーだ。
ライカー:「これで最後。」 4 で、全く揃っていない。
声を上げるポラスキーたち。「うーん。」
データ:「それじゃ、10点。」
ライカー:「よし、20点だ。」
5枚目を確認するデータ。クイーンで、スリーカードができている。
ライカーの顔を見る。「…それがポーカー※3フェイスってやつですね?」
データ:「乗らないのか?」
「…降ります。」
ライカーは 5枚目を開いた。2 だ。
口々に声を上げる一同。笑うラフォージ。
データ:「揃ってませんねえ。」
ラフォージ:「一杯食わされたな?」
「こんな手なのに掛けるなんてどうかしてます。」
ライカー:「だが勝った、お前が降りると読んでね。」
「何を根拠に?」
ポラスキー:「直感ってものよ、直感。…数枚のカードを組み合わすだけの単純なゲームだけど、心理が絡んでくるところに面白味があるのよ。」
考えるデータ。

エンタープライズは第173宇宙基地※4を周回している。
テーブルにいるピカード。食堂に一人の女性士官が来たのに気づいた。「まさか。」
ピカードは近づいた。「…フィリッパ、君か。…復帰してたとはな。考えてみるとあれからたった 10年だが、大昔のことのようだ。」 窓からエンタープライズが見える。
笑う女性、フィリッパ・ルヴォア大佐※5
ピカード:「人前じゃなかったら、今どうしていると思う?」
ルヴォア:「椅子でも投げつけてる。」
「お望みかい?」
「口説かれるよりはいいわ?」


※1: Starbase 173

※2: チーフ・マイルズ・オブライエン Chief Miles O'Brien
(コルム・ミーニー Colm Meaney) 前話 "A Matter of Honor" 「錯綜した美学」に引き続き登場。声:辻親八

※3: poker
恒例となるポーカーのシーンは、今回が初登場

※4: 初登場。映画 ST2 "The Wrath of Khan" 「カーンの逆襲」に登場した、レギュラ1 宇宙ステーションの再利用。後に登場する DS9第125話 "A Time to Stand" 「明日なき撤退」の第375宇宙基地なども同じ形状ですが、下部の構造物が消えています

※5: Captain Phillipa Louvois
(アマンダ・マクブルーム Amanda McBroom ドラマでは探偵レミントン・スティール「私の夢!? イイ男と札束に埋もれたの」、「ハワイ5-O」(複数回) などにゲスト出演。映画「ローズ」(1979) の主題歌で、1979年度ゴールデン・グローブ賞 (歌曲賞) を受賞。SFファン) 声:沢田敏子、DS9 初代ウィン

・本編
第173宇宙基地。
カップを手にするピカード。「で? 今はどこに勤務してるんだ。」
ルヴォア:「発足したばかりなんだけど、第23セクター※6の法務局よ。まだスタッフも、おとなしい少尉が一人いるだけなの。…何とか早く軌道に乗せたいんだけど。」
「君ならやれるさ。…艦隊に戻ったわけだな。」
「やっぱり、ここは働きがいがあるわ?」
「辞めなきゃよかったんだ。」
「追い出されたのよ。」
「フン。プライドが許せず、自分から辞めたんじゃないか。」
「スターゲイザー※7裁判であなたを起訴した頃はとても充実してたわ?」
「ああ、通常の任務以上に楽しんでいたよな。」
「言いがかりよ。私は法務部※8長としての責務を果たし、船を消失したことへの当然の手続きをしたまでよ。」
「あれは責務と言うより言いがかりをつけていたとしか思えんね。」
ため息をつくルヴォア。
ピカード:「君に、昔より分別がついてることを願うよ。」
ルヴォアは笑う。「…ねえ? 再会できてよかったと、心の底から思うの。あなたが相変わらず、傲慢で嫌味な男だとわかって以前のリズムが戻ってきた気がする。……セクシーなとこも相変わらずだわ?」
声が聞こえた。「ピカード大佐。」
立ち上がるルヴォア。「提督。」
ナカムラ※9:「ルヴォア大佐、ピカード君は知っとるね。」
「はいもう。昔からの、友です。…失礼します。ピカード? 連絡して※10? 食事おごってね?」
ピカード:「うーん。」
ナカムラ:「艦長、久しぶりだな。」 握手する。
「こちらこそ。」
「紹介しよう、マドックス中佐※11だ。」 後ろに科学士官がいる。
「どうも。」
「君に申し出があるそうでな。だがその話は後だ。…エンタープライズを見せてくれ。」
「どうぞ、こちらへ。」

エンタープライズ。
ライカー:「提督がお見えだ。」
ブリッジに入るピカード。「中立地帯の周辺に、こうした基地を設けるとは思ってもみませんでした。」
マドックスはデータの方を見る。
ナカムラ:「知っての通りこれまでは、ロミュラン人との交信が不便だった。いざという時ここなら便利だ。接近したぐらいじゃ彼らだって、怒らんさ。…ああ…艦長案内してもらって礼を言うよ。この船は、500年間前線で活躍し、艦隊ではもはや神話的な存在だ※12。」
マドックス:「提督?」
「ああ、そうだったね。艦長、彼の話というのはアンドロイドのことなんだ。よろしく頼むぞ。」 出ていくナカムラ。
振り向くデータ。
マドックス:「元気でやってたか。」
データ:「私のコンディションは、常に一定に保たれています。」
ピカード:「君たちは知り合いか。」
マドックス:「私は、データのアカデミー入学時の試験官です。」
データ:「精神活動のないマシンに過ぎないという理由で、私の入学に反対した方です。」
ピカード:「…それで? 彼についてどんな話がある。」
マドックス:「…データを分解したいんです。」

観察ラウンジで座るピカード。「それでは、いきさつを聞こうか。」
咳払いするマドックス。「宇宙艦隊アカデミーの試験時にデータの存在を初めて知り…魅せられてしまったんです。それで、スン博士に師事しました。ご存知のように、データの産みの親です。その師の遺志を継ぎたいのですが…何とか後一歩で、博士の偉業を解明できます。是非ともデータを分解し、構造を調査したい。そして、コピーを造るのです。……博士の仕事を引き継ぐ、自信は十分にあります。データは、その鍵を握っているのです。」
ピカード:「…データ?」
データ:「…面白いですね。」
ライカー:「手順は。」
マドックス:「まずデータの全パーツを分解し、現在のソフトのコンディションを調査します。その後、コアメモリーを基地のメインフレーム・コンピューターにかけ、構造を細部まで分析するつもりです。」
データ:「ポジトロニックブレインを作ったことは?」
「もちろん。」
「…ニューロフィラメントに対する、電子抵抗の解消法は解明できたのでしょうか?」
「…まだ、完全には。」
「…それが必要最低条件だと思いますが。」
「その点は分解して、フィラメントのリンクを調べればわかると…確信しています。前方の皮質のね。」
「そう簡単に解明できますか。コピーを造るなど無謀です。」
「必ずや、解明してみせます。」
ライカー:「計画に具体性がないようだ。」
ピカード:「データ少佐への危険性は?」
マドックス:「…まずありません。」
データ:「艦長。現時点の中佐の能力は、こうした規模の研究に手をつける段階にはまだ達していないと思われます。」
ピカード:「…データ少佐は、本艦の非常に重要なクルーなんだ。話から判断すると…彼をこの計画に協力させる許可を出すわけにはいかんな。」
マドックス:「こういう結果になることを憂慮して…先に、転属命令を取りました。」 小さなディスクを取り出す。「データ少佐はエンタープライズ※13の任務から解かれ、私の指揮下におかれます。データ、明日の朝 9時に、私のオフィスに出勤したまえ。」


※6: Sector 23

※7: U.S.S.スターゲイザー U.S.S. Stargazer
TNG第9話 "The Battle" 「復讐のフェレンギ星人」より。原語では、はっきり「軍事裁判」と言っています

※8: Judge Advocate General
原語では略した形の JAG (ジャグと発音) とも呼ばれています。初言及

※9: ナカムラ提督 Admiral Nakamura
(クライド・クサツ Clyde Kusatsu) 初登場。階級章は三つ星。名前は言及されていません。提督の制服が変更されています (後にまた変更)。声:石森達幸

※10: 吹き替えでは「電話して」

※11: ブルース・マドックス中佐 Commander Bruce Maddox
(ブライアン・ブロフィー Brian Brophy マックス・ヘッドルーム「ハッカー集団ブランクス」、映画「ブレイン・デッド/脳外科医R」に出演) 後にも言及。声:金尾哲夫、ENT フォレスト、旧ST4 チェコフ

※12: もちろん宇宙艦隊が 500年続いているというわけではなく、「エンタープライズ」という名前の船について言っているだけです

※13: 吹き替えでは「エンタープライズ

コンソールを切るピカード。考え込む。
ドアチャイムが鳴り、立ち上がった。「入れ。」
データ:「お呼びですか。」
「データ、座ってくれ。…実に、困ったな?」
「…この状況における心情の表現としては、まさに的確です。」
「…君はかけがえのない存在なんだ。行かせたくない。」
「…私はこの異動には従いません。」
「……データ。その気持ちはよくわかる。だが、司令部の意向も無視はできない。マドックス中佐が言っていたように、君のような非常に…有能な士官が増えることは、有益だと思う。」
「…艦長。ラフォージ大尉※14の義眼は人間の肉眼よりも遥かに優れていますよね?」
「うん。」
「それではなぜ、士官全員の目をサイバネティックス手術によって同じ義眼に替えないのですか? ……なるほど。私は人間ではないからですね?」
「もうよそう、データ。」
作戦室を出ていくデータ。
ピカードはコンソールを起動した。「コンピューター、士官の人事異動に関する、宇宙艦隊の規約条項を直ちに出してくれ。」
コンピューター※15:『了解。』

第173宇宙基地。
パッドを持ったピカードが部屋に入る。
デスクのルヴォア。「あらまあ。今日は 2回目ね。」
ピカード:「助けて欲しい。」
「歴史的瞬間だわ?」
「規約を解読しようとしたが、回りくどくてさっぱりわからん。」 パッドを置くピカード。「実はうちのデータというアンドロイドが、極めて危険かつ無分別な調査に利用されるために、転属を命じられているんだ。それを断固阻止したい。」
「異動命令は絶対よ、調査は拒否できないわ。」
「…あのマドックスという男は、手段を選ばん奴だ。データが拒否しても、必ず強行するだろう。」
「危険だって言うけど、任務に危険はつきものよ?」
「正当な任務に付随して起こる危険なら納得できる。だがこれは任務自体が不当なものだ。納得できん!」
「たかがロボットにこの入れ込みよう?」
「よしてくれ。…私は真剣なんだ。…何か手はないか。」
「断る手は一つよ。退役するの。」
「……そうか。」
「助けを求めるとはね?」
「このセクターの、法務官は君以外いないからな。仕方なく頼んだんだ。」
「待って! ……思いがけないことで、嬉しかったのよ。その、信頼されて。」
「『信頼』なんて言葉が、君の辞書にあったのか。よく言えたな、誉めておいてやるよ。」
「これを機に仲良くなれる?」
「難しい問題だ。」 出ていくピカード。
ルヴォアは悔しがる。

荷物をまとめているデータ。小さな置物を手にした。
起動すると、ターシャ・ヤー※16のホログラム映像が表示された。笑顔で立っている。
映像を消し、カバンに入れる。勲章が並んだケースも取り出す。
次に本を出したデータ。奥へ向かう。
そこへマドックスがやってきて、本を手にした。
戻ってくるデータ。
本を読むマドックス。「『ついに運命にも見放され、寄る辺なき私はただ一人涙に暮れる。』※17 …君のための言葉だな。君はどのように解釈する。」
データ:「…うかがいますが、他人の部屋へ入る時には許可を求めるべきでは?」
「…君と腹を割って話し合いたくて来たんだ。何とか、同意して欲しい。…記憶も知識も消さないと約束するから。」
「情報をメモリーできたとしても…その時の、感情はスポイルされてしまうでしょ? …ゲームと同じですね。」
「ゲームと同じだと…」
「はい。私はポーカーに関するあらゆる文献を読み、ゲームを熟知したとうぬぼれていましたが実際にやってみて初めて、ゲームの本質がわかったんです。それは本にあった事実ではなく、駆け引きで生じる感情にあると。」
「つまり何だ。」
「私のポジトロニックブレインは、事実のみならず感情までを記憶しています。しかしあなたには、そうした実感というものまでを保てるだけの専門知識が、まだないようです。…この実感と言うべきものこそが、失われてはならない記憶の命なのです。」
「『記憶の命』ね。……それを聞いてますますやりたくなった。だが何にせよ君は、私の部下だ。命令に従ってもらう。」
「いいえ。私はもう決して、命令には従いません。退役することにしました。」
「退役? 本気で言ってるのか。」
「…遺憾ではありますが、決めました。…私は非常に重要な存在です。これは、うぬぼれではありません。また私という存在は、スン博士の夢の結晶です。もし分解されて壊れてしまったら、人類にとって大きな損失となります。それは許されません。博士の夢を壊すわけにはいかない。」
「それには同感だ。…だが君はとりあえず、私のオフィスに来るんだ。」 データの部屋を出ていくマドックス。


※14: 声:吹き替えでは「尉」。第2シーズンではラフォージは大尉に昇進しています

※15: 声:磯辺万沙子

※16: ターシャ (ナターシャ)・ヤー Tasha (Natasha) Yar
TNG第23話 "Skin of Evil" 「悲しみの星に消えたターシャ」で殉死

※17: "When in disgrace with fortune and men's eyes, I all alone beweep my outcast state."
ウィリアム・シェイクスピア作「ソネット集」より、29番

『航星日誌、補足。データの突然の辞意によって計画をくじかれたマドックス中佐は、法的手段に解決策をうかがった。私はその件で、ルヴォア大佐に出頭を求められた。』
第173宇宙基地。
マドックス:「…あなたは感情的で理性に欠けています…」
ピカード:「感情的?」
「あなたはデータを外見から人間と混同してるんですよ。…あれは人間じゃない。もしもあれが箱形のロボットだったらこれほどムキになったでしょうかね。」
ルヴォア:「ピカード艦長は感情的なタイプの人間ではありません。私がよく知っています。」
ピカード:「…もう一度繰り返すが、データは我が艦の重要なクルーだ。彼なくしてはブリッジが成り立たない。」
マドックス:「私が調査を行うことが許されれば、人類が得る利益は計り知れないものになります。いいですか、全艦隊機にデータのコピーを搭載できるんですよ。この素晴らしい可能性を捨てることはない。緊急時には我々の盾として利用することもできます。」
ルヴォア:「まるで聖歌隊に説教してるみたいだわね※18、論点をはっきりして。」
「データの辞職は、認められません。」
ピカード:「彼は我々と同じ士官だ。彼にも権利がある。」
「権利、権利ってすぐそれをもちだす奴にはウンザリだ! ならば私にも、他人の無知に邪魔されず研究に取り組む権利があります。」
ルヴォア:「我々には法律ってものがあるのよ、あなたの研究のために無理矢理他人を実験台として使うことはできないわね。」
ピカード:「ありがとう。」
マドックス:「認識を誤ってます。あれは技術の粋を集めた最高傑作だが、結局はただのマシンだ。辞職を認めれば、ロボット工学発展のチャンスも失われてしまいます。艦隊は辞意を断固撤回させるべきです。」
「君はそれでも艦隊士官か。我が艦隊は不都合が生じたからと言って、法を無視するようないい加減な組織ではないぞ? データの権利は法で保障されているんだ。」
「…こう考えたらどうです。もしも艦のコンピューターが解体されるのを拒否したら認めますか。」
ルヴォア:「…面白い視点ねえ。コンピューターは所有物に過ぎないけど、データは?」
「同じです。」
「…法律上ではどうなるかしら。」
ピカード:「調べてくれ。この複雑な事態は、もはや君の裁定によって収拾するしかない。フィリッパ、スターゲイザー裁判の時のような熱意をもって取り組んでくれるよう期待してる。」
無言のルヴォア。

銀色の包みを開けるデータ。
テン・フォワードにはクルーが集まっており、たくさんのプレゼントが並べられている。
ウェスリー:「データ、破り捨てちゃっていいんじゃないの?」
データ:「…ほんの少しばかり配慮するだけで、この紙は再利用できる。」
「紙まで持ってく気なの?」
データは包み紙を破り裂いた。笑いをこらえるトロイたち。
データ:「炎の夢※19。カラタック※20著。ウォーフ、ありがとう。」
ウォーフ:「クリンゴン人作家による文学史上の最高傑作です。」
ポラスキー:「それには同意しかねるわ? まあ今度ゆっくり議論しましょ?」
ラフォージは独りで離れて座っている。
ライカー:「さすが元文学少女。」
データ:「ちょっと失礼。」
ポラスキー:「元は余計よう…」
ラフォージに近づいたデータ。「問題でも?」
ラフォージ:「…大問題だ。君が行っちまう。」
「私だって誰よりも残念に思っている。だが…事情はわかってくれるだろ。」
「いいや、納得いかないね。なぜ君が辞めなきゃならない。ひどすぎるよ。」
振り返るデータ。「ドクター・ポラスキーならきっとこう言うよ。『人生とは、不条理なものである。』」
ラフォージ:「…せっかくのパーティなのに、悪かったな。」
「……別れが辛いよ。」
「ああ。俺も。…元気でな、データ。」

第173宇宙基地。
ルヴォア:「判例を調べてみたわ? 21世紀初期にあったカンバーランド裁判※21を例に取ると、データは宇宙艦隊の所有物よ? つまり彼には、辞職する権利も調査を拒否する権利もないの。」
ピカード:「……それを覆すことは。」
「審問の手続きを取ることね?」
「じゃ、さっさと手続きを取ってくれ。」
「艦長、そう簡単にはいかないわ。開設したばかりで人手がないのよ。」
「しかしそうは言っても、こうした事態に対処するための規定というのはあるはずじゃないか。」
「あるわ? 弁護人の代理として士官を立てるの。あなたに、データの弁護を命じます。」
「承知した。」
「それから不服でしょうが、原告側の代理人には副長であるライカー中佐が当たるよう、私から命じます。」
ライカー:「……できません、お断りします。データは共に闘ってきた※22同僚です。個人的にも、彼を友として敬愛しています。」
「対立する二者間に真実に基づく軋轢が生じた時は、対立訴訟で解決するよりほかにはないのよ。」
「データをただのマシンとは思えないのに、それを私に立証しろと言うんですか。そんなことはできないし、私は不適任です。すいません、ほかの人間にして下さい。」
「それなら判例に基づいた裁定に従ってもらうわ? 非常に残念ながら、データには中佐の研究材料となることを命じます。※23
「……そうですか。引き受けるしかないようです。」
「よろしい。では原告側の代理人になってもらいます。少しでもあなたに怠慢な態度が見受けられたら、審問は打ち切りますからね。」
ピカード:「…心配してもらわなくて結構だ。」
先にルヴォアのオフィスを出て行くライカー。
ピカード:「君こそ…しっかり頼むぞ。」
ルヴォア:「全力を尽くすわ。それは、昔も今も変わらない。」


※18: 吹き替えでは「まるでセールスマンみたいだわね」

※19: The Dream of the Fire

※20: K'Ratak

※21: Acts of Cumberland

※22: 原語では「任務を果たしてきた」

※23: 原語では間に「データはトースター (と同じ) です」と言っています

エンタープライズ。
ドアチャイムに応えるピカード。「入れ。…データ、ルヴォア大佐の裁定では君は宇宙艦隊の所有物に過ぎない。退役は認められん。」
データ:「そうですか。…望みはなくなったことになりますね。一つしか。マドックス中佐に、意外な実力があることを祈ります。」
「データ、そう早まるな。闘いはこれからだ。私が食い下がって、ルヴォア大佐に審問を開いてもらうことになった。彼女は法律に固執するあまり、法の精神ということを忘れてしまうきらいのある裁判官だが、君の身分を法的に明らかにすることが最後のチャンスだ。弁護には私が当たるよう指示されたが、ほかに頼みたい者がいれば遠慮なく言ってくれ。」
「艦長なら、心から信頼して弁護をお任せすることができます。」
うなずくピカード。

ライカーはコンピューター室で資料を調べている。「コンピューター、こちらウィリアム・T・ライカーだ。アクセスコード、シータ・アルファ・2-7-3-7・ブルー※24。確認せよ。」
コンピューター:『ウィリアム・T・ライカー、確認されました。準備完了。』
「それでは…データ少佐の設計に関する、あらゆる資料を出してくれ。」
『了解。』
飲み物に口をつけ、コンピューター画面※25に触れて操作するライカー。
表示された情報を見て立ち上がった。微笑む。
だがライカーの笑みは消えた。

座っているルヴォア。「宇宙暦 42527.4、審問を開始します。本件はデータ少佐の法的身分を定めるものです。…少佐は艦隊の所有物であるという裁定に、弁護側は異議を申し立てています。原告側は?」
法廷にはピカード、データと、反対側にマドックス、ライカーが座っている。
ライカー:「本件の争点は一点であり、それを立証したいと思います。データ少佐を喚問します。」
証言席に座り、機械に手を置くデータ。
コンピューター:『確認、データ少佐。目下 U.S.S.エンタープライズ※13に勤務。その武勇による功績が称えられ、宇宙艦隊…』
ライカー:「後ほど文書で合意をなします。」
ピカード:「異議があります。…聞くべきです、最後まで。」
ルヴォア:「認めます。」
コンピューター:『その武勇による功績が称えられ、宇宙艦隊より名誉勲章、スタークロス※26など多数受賞。』
「では続けなさい。」
ライカー:「……君は何だ。」
データ:「…アンドロイドです。」
「それは?」
「…24世紀ウェブスター第5版によれば、アンドロイドとは人間に似せて造られた自動装置です。」
「『自動装置』。誰の、手による。」
「…何です?」
「製作者は誰だ。」
「ヌニアン・スン博士。」
「何者だ。」
「サイバネティックスの、権威でした。」
「肩書きでなく、存在としては?」
「……人間?」
マドックスと顔を見合わせるライカー。「よろしい。…君の記憶容量はどれくらいだ。それに情報伝達スピードは?」
データ:「最大記憶容量は、800 掛ける 10 の 15乗ビット※27です。それから最大情報処理伝達能力は、一秒間に 60兆回※28となっています。」
ライカーはそばに置いてあった太い棒を取り出した。「裁判長、これを証拠物件『A』として提出します。これは張力 40キロバールの、パースティール合金※29です。…データ、曲げてみてくれ。」※30
ピカード:「異議あり。超人的な力をもつ生命体はほかにもいます。本件とは関係ありません。」
ルヴォア:「その点には同意できません。却下します、続けて下さい。」
座るピカード。
データは簡単に、合金を曲げてしまった。ルヴォアの前に音を立てて置かれる。
ライカー:「スン博士製作の、ロアというプロトタイプのアンドロイドと構造を比較するために、データ少佐の……腕を取り外して調べてもよろしいですか。」
ピカード:「異議あり! ……いいでしょう。…取り下げます。」
微笑むマドックス。
ルヴォア:「認めます。」
ライカーはデータにささやいた。「ごめんよ。」 左腕が取り外された。まだ指が動く。「…データの身体はまさに人間の理想型です。一人の、人間の夢から造られました。目的は、人間に奉仕させることです。ニューロネットを集積し、発見学習を可能にしました。つまり人間が作ったソフトからの指令が、肉体としてのハードを動かしている。それが、彼の実体です。そう人間に…スイッチはない。」
ライカーはデータの背中に触れた。その瞬間、データは身体を倒した。
ライカー:「……糸を切られた、ピノキオと変わりません。」 座り、複雑な表情を浮かべる。
ピカード:「休廷を求めます。」
ルヴォア:「いいでしょう。」
起き上がらないままのデータ。


※24: "theta alpha 2-7-3-7, blue"
保安アクセスコード (security access code) の一つ。吹き替えでは「タ…」

※25: 右下に "Lt. Cdr. NFN NMI Data" と表示されています。NFN=No First Name (ファーストネームなし)、NMI=No Middle Initial (ミドルネームのイニシャルなし) の意味で、正式名称というよりは単なるコンピューター上の表記と思われます

※26: 原語では「複数回の名誉勲章 (Medal of Honor with clusters)」、Star Cross のほか、名誉士官 (Legion of Honor) も言及。このコンピューター音声は、オブライエン役の辻さんが兼任

※27: 80京ビット。これを 2進数 (1KB=1,024バイト) 方式で換算すると、約9,300万GB=91,000TB=89PB に相当します。後の VOY などでは量をあやふやにするために、造語のクワッド (クワド、quad) という単位が使われますが、もしかすると元々は今回の 10^15ビット (quadrillion bit) の略語のつもりだったのかもしれません。そうすると 1クワッド=約114TB という値になります

※28: 2004年11月8日現在、世界最高のスーパーコンピュータは 70TFLOPS 以上の計算能力を有しています (参考記事)。TFLOPS というのは一秒間に 1兆回の浮動小数点演算を行う能力ですから、70兆回ということになります。もっともデータの「計算」が何を意味しているのかはわからないため、単純比較はできません。一部資料では「16兆」になっていますが、原語でも 60兆と言っています

※29: parsteel

※30: 後ろにあるオクダグラムの星図は、TNG第25話 "Conspiracy" 「恐るべき陰謀」でレミックの部屋にあったものの使い回し。後に DS9 でケイコの教室に飾られます

エンタープライズ。
夜のテン・フォワードに、ピカードが独りで座っている。
ガイナン※31:「そんなに手強い相手だったの。」
ピカード:「ライカーの弁舌には圧倒されたよ。まさに脱帽だ。」
「苦しいところだわねえ、データはマシンだと立証されたの?」
「うん、その通り。」
「…データの身がそんなに心配。」
「うん、もっと危険な任務に部下を送ったこともあるんだがな。」
「それなら問題ないんじゃない? もしかしてマドックス中佐がまぐれでデータのコピーを造っちゃうかもしれないわよ?」
「ああ、かもしれんな。」
「データは有能なんでしょ?」
「フン。…データには何度助けになってもらったことか。」
「…彼が所有物に過ぎないとなれば、艦隊にとっては…もっと助かるわねえ。」
「……どうしてだ。」
「…歴史を見ると、社会には必ず従属的役割を果たす者がいるわ。危険な仕事や、誰もやりたがらないけれど社会には必要な仕事をする人たちよ。艦隊はきっと、データのコピーにその役目を負わすわ。彼らの感情や、欲望といったことなど全く考えずにね。どんな時代にも、犠牲になる者はつくられるのよ。」
「ロボット※32として使われると?」
「…その言葉はきつすぎるわね。」
「確かにそうかもしれんが、事実を言ったまでだ。…いくら婉曲な表現でごまかしたところで…データたちが虐げられることは変わらない。阻止せねば。マシンかどうかなんて関係ない、そうだろ。」

話を聞いているルヴォア。
ピカード:「前回の審問では、原告側のライカー中佐がデータを…マシンだと定義づけました。その点は、否定するものではありません。しかし、本題ではない。我々も細胞で…組み立てられてできた言わばマシンです。同様に、前回原告側はデータがただ…人間によって造られたものに過ぎないと論じました。これも否定はしませんが、やはり本題ではない。我々も両親の、DNA からつくられています。彼が所有物か否かが…本題です。…証人としてデータ少佐を喚問します。」
席に座るデータ。
ピカードはデータがまとめていた荷物から、ケースを取り出した。「これは?」
データ:「勲章です。」
「何のためにこれを持っていこうとしていたんだ?」
「…理由はわかりません。ただ、持っていきたかったんです。何となく。愚かでしょうか?」
「…これは。」
「あなたからの本です。」
「大切か?」
「もちろん。」
「なぜ。」
「お世話になった方の、記念の品ですから。」
そしてピカードはホログラム装置を置いた。ヤーの映像を起動させる。「これは? ほかのクルーのポートレイトはないようだな。なぜ彼女のだけ。」
データ:「…彼女との秘密ですからその質問は回答を拒否します。」
「事情が事情だ、ターシャだって怒らないだろう。」
「…特別な人なんです。実は…関係が。」
ルヴォアはライカーを見た。
ホログラムを切るピカード。「ありがとう、データ。弁護側の証人尋問は以上です。」
ルヴォア:「ライカー中佐、再質問は?」
ライカー:「いいえ、質問はありません。」
「証人は下がってよろしい。」
ピカード:「では証人として、ブルース・マドックス中佐を喚問します。」
装置に手を置くマドックス。
コンピューター:『確認。ブルース・マドックス中佐。目下ディストロム科学研究所※33。ロボット工学学会に副議長として勤務。主な論文として…』
ピカード:「もう結構、エキスパートだってことはわかりました。君はデータが精神活動をもたない存在に過ぎないから、連邦内の全知的生命体が有する権利が彼には付与されないと主張するんだね?」
マドックス:「心がないと言い換えてもいい。」
「では、心をもつ者に必要な条件とは何だね。」
「…知性と、自己認識力、知覚力。」
「…私にはそれがあると思うか。」
「…馬鹿げてます、あなたにはありますよ。」
「私には心があるがデータにはないと。」
「そうです。」
「はあ、なぜ。…なぜ私にはある。」
「自分を認識してます。」
「それは 2つ目の条件だな、1つ目はどうだ。知性だったな。データ少佐には知性があるか。」
「ええ。理解能力と、学習能力、それに状況に…対処する能力がある。」
「こういう状況にも?」
「ええ。」
「では、自己認識力とはどんなものなんだね? なぜ、私にはそれがあるんだ。」
「あなたは自分の存在や行動を認識しています。自分というものをもち、自我に目覚めています。」
データに尋ねるピカード。「君は今何をしている。」
データ:「私の法的身分を確定する審問に出席しています。艦隊の所有物かどうかです。」
「何が懸かっている。」
「私の権利です。私の人生とも言えます。」
「『私の権利』。『私の法的身分』、それに……『私の人生』。いやあ、彼は十分に自分を認識してると思われるが、どうだね?」
ため息をつくマドックス。
ピカード:「どうなんだ?」
マドックス:「…非常に、難しい問題です。」
「データに好意をもってるか。」
「え、ええ。…好悪の感情を決めるほど、よくは知りませんので。」
「高く評価はしてるな?」
「もちろん。技術の粋を集めた最高…」
「最高傑作だと言うんだろ、それは前に聞いた。中佐、君はサイバネティックスの研究に一生を捧げるつもりか?」
「はい。」
「彼は最高の研究対象?」
「ええ。」
「それで彼の分解を申し出たんだな?」
「構造がわかれば複製を製作できますから。」
「…何体造る。」
「必要な数だけです。何百体か、何千体かもしれませんが…ああ、限定はしません。」
「…一体なら、データには悪いが興味深い対象でしかない。…それが何千体にも増えたら…これはもう一つの、種族だ。となると、我々は彼らとの共存方法を問われるぞ? もう一度聞くがデータは何だ。」
「…わかりません。」
「彼は何だ!」
「機械だ!」
「それで片づくか!」
「もちろん。」
「心をもつ条件のうち、2つはクリアした。残る 3つ目はどうだ。知覚力など問うまでもないことだ。彼は何だ、わからない? そうだろう。君は。」 ライカーを見るピカード。「裁判長は。…これこそ本審問の争点です。…的外れな論は捨て去り、この難題に真の回答を出すこと。それこそが本法廷に課せられた使命なのです。いつかはこの人物か、ほかの科学者がレプリカント製作に成功するでしょう。人類の叡智が産み出したこの創造物を何者と見なすのかは、裁判長に委ねられています。我々という存在が何者で、一方データは何者なのか。これは本法廷のみならず、未来を担うテーマです。個人の自由に関する定義を、見直すことにもつながります。人間だけが自由を享受し続け…他者の自由を剥奪していいのか。裁定次第で、彼らは奴隷のように扱われることになるかもしれません。…艦隊の最大の使命は、新しい生命の発見にある。その生命がここに存在する! …違いますか。……君が判例を作る、チャンスだぞ。しっかり頼む。」
ため息をつくルヴォア。ライカーは満足げだ。
ルヴォア:「…私を見つめている彼が、何者かはわかりません。…形而上学的な問いであって、宗教家や哲学者に委ねられるべきものでしょう。本官が答えを出すことは不可能であると思われます。…しかし、今後のために何らかの判例を示さねばなりません。…なるほど少佐は、マシンである。…ただの機械かと言えば、否である。終始、その問いの狭間で揺らめいてきました。少佐に魂はあるのか。本官にはわかりません。自分にあるのかさえも。データ少佐が、自分でその答えを見つけ出すのが最良の道でしょう。そのためにも、本法廷はデータ少佐が基本的人権に基づく、自由を有すると認めます。」
安心するピカード。うなずくデータ。
データはマドックスに近づいた。「正式に、被験者となることをお断りします。」
マドックス:「君の、異動命令を取り下げよう。」
「どうも。…研究は、お続け下さい。生命の定義が、明確になれば…あなたの試みはきっと…実を結ぶ。」 法廷を出て行くデータ。
微笑むマドックスに、ルヴォアが近づく。
マドックス:「立派な男だ。」
ルヴォア:「『男』ってことは人間?※34
マドックスも去る。
ルヴォア:「わかった? 味方することもあるのよ?」
ピカード:「…フィリッパ。…ディナーは?」
「おごりね?」
うなずくピカードに、ルヴォアは笑みを浮かべた。

エンタープライズ。
独りで観察ラウンジにいるライカー。
データが来る。「副長。祝勝会にいらして下さい。」
ライカー:「…私は遠慮するよ。」
「あなたの側が負けたから。」
「反対だよ、あと一歩で勝つところだっただろ?」
「ですが…」
「君を危険にさらすところだった。」
「…それは違います。副長が原告側につくことは、ルヴォア大佐が便宜的に決めたことですよね?」
「ああ。」
「おかげで審問が開かれ、私は救われた。とても感謝しています。」
微笑むライカー。「君は人間ができてる。」
データ:「人としては、まだ未熟ですが成長します。」
外を示すデータ。ライカーはデータの肩に手を置いた。
2人は、部屋を出て行く。


※31: Guinan
(ウーピー・ゴールドバーグ Whoopi Goldberg) TNG第30話 "The Outrageous Okona" 「無法者オコーナ」以来の登場。声:東美江

※32: 原語では「奴隷」

※33: Daystrom Institute of Technology
ディストロム研究所。TOS第53話 "The Ultimate Computer" 「恐怖のコンピューターM-5」に登場した、リチャード・ディストロム博士へのオマージュ。初言及。吹き替えでは「ダストラム科学技術協会」

※34: 原語ではマドックスがデータのことを、それまでの "it" ではなく "he" と言ったのを指しています

・感想など
たびたび見かける法廷・裁判ものエピソードの中で、オーソドックスながらも極めて高い評価を得ているデータの「人権」話。まだ波に乗りきれない第2シーズンの中では、ある意味特異な存在ですね。改めて見直すと、データの過去 (スン、ローア) に関してきちんと前の設定を受け継いでいることがうかがえます。ガイナンはワンシーンしか登場していませんが、その言葉はゴールドバーグであるからこそ引き立っています。審理中はもちろん、元恋人に対しても厳然たる態度のピカードは、この頃の吹き替えである吉水さんにはピッタリですね。
いくつかの流れは、TOS の裁判ものである "Court Martial" 「宇宙軍法会議」を彷彿とさせるものがあります (関係者が以前の恋人、勲章の下りなど)。脚本の Melinda Snodgrass は元弁護士で、TOS オリジナル小説 "The Tears of the Singers" [Amazon.com / スカイソフト / Amazon.co.jp] の作者でもあります。


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