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エンタープライズ エピソードガイド
第89話「ロミュランの陰謀」
United

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・イントロダクション
※1※2激しい揺れに耐えるタッカーとリード。

ロミュラスから操縦するパイロット。
ニジル:「長くはもたないでしょう。」
ヴァルドア:「後回しだ。次のターゲットが近い。」
「戦闘態勢を整えろ! ホログラム・スキンを起動します。」
「この設定に合わせろ。」

尋ねるタッカー。「おい、生きてるか。」
リード:「ええ、まあ一応。世界が回ってますけど。」
タッカーは音を聞く。「…今のは。ワープを解除した。」

ニジル:「ターゲット捕捉。」
ヴァルドア:「視覚センサーを起動しろ。」
異星人船がモニターに映った。
ニジル:「ライジェル船※3から通信です。」
ヴァルドア:「応答しろ。」

音が響くロミュラン船内。
タッカー:「誰か攻撃してる。」
リード:「つかまって下さい! 誰にしても、反撃してくるはずです!」
火花が散った。

ニジル:「ドローン船※4が損傷しました。」
ヴァルドア:「ライジェル船が救難信号を出すまで待つんだ。」
ニジルのコンソールから、一つのライトが消えた。
ヴァルドア:「よーし、一気に破壊しろ。」
操作するニジル。

ライジェル船を攻撃している船は、エンタープライズの形になっていた。
破壊されるライジェル船。


※1: あらすじ部分の最後で、タッカーがロミュラン船のブリッジに入ったとき「誰もいないぞ」と言っています。実際には前話でそういうセリフはありませんでした

※2: このエピソードは 2005年度エミー賞で、装具メーキャップ賞にノミネートされました

※3: Rigellians
ENT第79話 "Home" 「ヒーローたちの帰還」など。このライジェル偵察艇は、VOY第114話 "Think Tank" 「頭脳集団クロスの陰謀」に登場したハザリ船の使い回し。ライジェル船が登場するのは史上初

※4: Drone または Drone ship
エンタープライズ側は単に襲撃船 (marauder) と呼んでいます。脚本ではヴァルドアが「ラプター (Raptor)」と呼ぶシーンもあったそうです

・本編
エンタープライズ。
『航星日誌、補足。船内でのアンドリアとテラライトの対決は今のところ落ち着いているが、艦隊から新たな外交危機の報告が入った。』
司令室のモニターに映るライジェル船の図。
アーチャー:「重装備の偵察艇でクルーは 17名。生存者はいない。」
メイウェザー:「どうしてそれが、一連の事件に関係してると。」
「ライジェル船が最期に送った襲撃船の映像だ。」
乱れた映像には、エンタープライズが映っていた。
アーチャー:「貿易委員会は損害の賠償を要求してきてる。私の逮捕も。」 乱暴に映像を消す。「…真犯人が誰にせよ、狙いはアンドリア対テラライトの戦争だけじゃないらしい。領域一帯の秩序を崩壊させようとしてるんだ。次の犠牲を出す前に犯人を捕まえねば。」
トゥポル:「ワープサインの探知方法は見つけました。トラヴィスの案で、センサーの範囲も拡大できるでしょう。」
円形の図が表示される。
アーチャー:「船は何隻必要になる。」
トゥポル:「128隻程度。」
「それだけの船を集める手は一つしかない。」

手を握るシュラン司令官。「タラス。」
タラスは目を開けた。「アンドリアに連れて帰って。」
シュラン:「ここのデノビュラ人のドクターは、お前に好意を抱いてる。…だからお前を手放さないんだ。」
「ただのかすり傷なんでしょ。」
「…傷自体は浅いが、フェイズ銃※5が死傷にセットされてた。」
「…あのテラライト野郎。」
「憎たらしいブタどもだ。」
「…フェイズパルスで、どうなるか見たことあるわ。」
「心配ない、良くなるさ。…そしたら星へ帰ろう。二人で。」
涙を流すタラス。「…復讐できずに死ぬなんて嫌。」
シュラン:「…死なせない。」
フロックスがカーテンを開けた。「…失礼。休まないと。」 青い血が入った点滴が置いてある。
シュラン:「言ったとおりだろ。お前を独り占めしたいんだ。…そばにいたいよ。」 後ろに下がる。「閉めてくれ。」
医療室に入るアーチャー。「容態は?」
シュラン:「生きてるのが奇跡だ。」
「…一つ、提案がある。」
「テラライトを殺すって話なら、喜んで乗る。」 シュランは出ていった。
フロックスを見るアーチャー。

ロミュラス。
話す男性、ヴラックス※6。「船は敵領域内で漂流している。損傷し、完全に無防備だ。たかがライジェル船一隻相手に、このザマとは。上院※7にそんな報告ができると思うのか。」
ヴァルドア:「その前にダメージを負っていたんです。損傷は自己修復します。」
「もし敵に見つかったらどうする。」
「…ご心配には及びません。たとえ見つかっても、中には誰もいない。発見されたところで、我々に結びつくような手がかりはありません。」
「あの船は軍用機※8を改造したものだ。ヴァルカンなら、推進マトリックスから我々のものと見抜く。」
「ヴァルカン船が、船に近づくことはない。」
「甘く見るな。遠い親戚に当たる種族だ。船を呼び戻せ。プロトタイプのテストは成功したと報告する。さもなくば、誰かが責任を問われることになる。」
ドアを開けると、レムス人※9たちが立っていた。
ヴラックス:「責任をとるのは、私ではないぞ? ではごきげんよう※10、提督※11。」 ついていくレムス人。

コンソールを見ていたアーチャーは、ドアチャイムに応えた。「入れ。」 トゥポルに言う。「ガードナー提督の指示で出動可能な全船がこちらへ向かってるが、到着までには数週間かかる。」
トゥポル:「コロンビアは。」
「エンジントラブルで修理中だ。ヴァルカンの方は?」
「トゥパウ大臣※12が、23隻を派遣できると。」
「それだけか?」
「最高司令部が解散して、ほとんどの船がクルー不足の状態なんです。」
「改革のタイミングが悪かったな。」
「アンドリア船とテラライト船の配置図ですか。」
「協力を頼もうかと考えてる。…船が足りないと、センサー網に穴ができてしまうんだ。襲撃船に入り込まれても気づかない。」
「シュラン司令官やグラル大使には、すでに相談を?」
「まだだ。」
「…可能性は低いですが、仮に双方が同意しても指令系統をよく考えて、かなり配置を練る必要があります。」
「アンドリアはテラライトの指示など受けないか。」
「そうです。」
「だが、双方と友好関係にある種族がいる。地球人だ。…エンタープライズが司令塔となって全船に指示を出せばいい。…アンドリアと、テラライトは通信コードを送り合うだけだ。」
円形図の一部に、異なった色がついている。
トゥポル:「それなら可能性は。」
アーチャー:「期待できないって顔だな。」
「この 4種族が共同で何かを行った例はありません。」
「今まで共同で動く機会がなかっただけだろ? ロミュランは恐ろしい陰謀を企ててる。…彼らの仕業なら、何としても今止めなければ次は…あの船を何千と送り込んでくる。」

コンソールを操作するリード。「無事な回路はありますねえ。でも、何の回路だか。」
タッカー:「こっち側は、何のシステムなんだ?」
「じゃあ、反対側は?」
「環境制御システムみたいだなあ。」
「やっぱりね。本来クルーのいるべきところだ。」
「いくぞ。」 機器を使うタッカー。
ブリッジにライトが灯り始めた。
タッカー:「動き出した。温度と空気は、何とかなりそうだ。」
リード:「ええ。…もしかしたら、元々無人の船とか。」
「無人ならブリッジなんていらないだろ。」
「プロトタイプだったら? 普通の船を、遠隔操作式に改造したのかも。」
「それなら話は早いけどな。」
「どうして。」
「コンピューターで操作してんなら、『オフ』のスイッチを探しゃあいいわけだろ?」
「ああ…」
「な?」

会議室※13で座っているシュラン。「お前らと協力するくらいなら、クリンゴンでターグ※14と同棲する方がマシだ!」
グラル:「貴様の個人的な趣味など知ったことではないわ。」
立ち上がる 2人。
アーチャーは MACO を制し、シュランとグラルに言った。「…私が止めるのを待つ必要はない。お好きにどうぞ?」
シュラン:「こいつの言葉を聞いただろ!」
「君の言ったこともな。今度は、私の話を聞いて欲しい。…私は異文化を尊重してあなたを侮辱したし、君の傲慢な態度を大目にも見てきた。」 グラルとシュランを順に見たアーチャー。「今度は、そちらが我々の文化に合わせてみてはどうかな?」
グラル:「地球人ごときを真似しろと。」
立ち上がるアーチャー。シュランとグラルは座った。
アーチャー:「地球人には他のどの種族より優れている点がある。共通の敵に直面したとき、お互いの違いを乗り越えて協力し合えることだ。何者かがここで、戦争を引き起こそうとしている。それを防ぐ道は示した。もし納得いかないと言うなら、好きなだけ殺し合いをすればいい! …だが忘れるな? 君たちが殺し合えば、それこそ相手の思う壺だぞ。」
シュランはグラルを見る。

移動するロミュラン・ドローン船。
ヘルメットを外しているリード。「ワープに戻ったんだ。」
タッカー:「切り替わった瞬間、コンジットにスパイクが起きた。」
「そこに回路があるんですか。」
「もともと普通の船ならシステムはブリッジにつながってるだろ。切断はされてないらしい。…コンソールを見ててくれ。」
タッカーが作業すると、コンソールに反応がある。
リード:「何か、しました?」
タッカー:「…推進制御を見つけたかもしれない。」

ヴァルドア:「奴らは何を。」
ニジル:「映像がオフラインなので※15はっきりしたことは。…ワープが解除されました。」
必死に手を動かすパイロット。

ロミュラン船内の音が小さくなっていく。
リード:「『オフ』のスイッチですか?」
タッカー:「ワープ制御につながるパワーを切っただけだ。2、3分で、バックアップが動き出すだろう。」
「これはわかりますか。」
「うーん。ホシがいてくれたらな。」
部屋の図を指差すリード。「今いるのがここ。」
そこから色が変わったラインが続いている。
タッカー:「じゃこっちは今俺が切った回路だな。」
リード:「エンタープライズなら、この連結機を切ればワープ制御は止まりますよね。バックアップも、全部。」
「…多分その向こうだろう。」
タッカーが画面に触れると、奥のドアが開いた。
リード:「ああ、お見事。」
笑い、向かうタッカー。

ニジル:「一人、移動しました。修理用ジャンクションに。」
ヴァルドア:「なぜだ。」
「ワープマトリックスの主要連結機を見つけたのではないかと。」
「ほかに何がある。」
「…こいつを殺すのに、ちょうどいいものが。」

タッカー:「いいか、マルコム。ブレーカーの要領でいじってみるぞ。表示がどう変わるか、見ててくれ。」
リード:「いつでもどうぞ。」
「一つ目を切った。」
色のラインが消えた。
リード:「消えました。」

同じ図を見ているヴァルドア。
ニジル:「ワープシステムを切られた。」
ヴァルドア:「自己修復はできないのか。」
「復旧には丸一日以上かかります。」
「そんな時間はない!」
「…一人はまだジャンクション内に。」
「閉じ込めろ。」

タッカー:「通信用の回路がないか調べてみるから…」
ドアが勝手に閉まった。
向かうリード。

タッカー:「マルコム!」 コミュニケーターを取り出す。「いま何か触ったか?」

リード:「いえ、何も。」 ドアの操作パネルを押してみる。

中からも触るタッカー。

リードもいろいろ押すが、反応はない。

タッカー:「そっちはどうだ、操作できそうか。」

リード:「駄目です、反応しない。」
力ずくで開けようとする。

タッカーも協力するが、動かない。
ヴァルドアの声が響いた。『おとなしくすれば危害は加えん。』

フェイズ銃を構えるリード。「何者だ。」

ヴァルドア:「その船の主だ。」

タッカー:「さっきまではだろ。」

ニジルに合図するヴァルドア。

チューブが輝き始めた。

リード:「少佐! 何事です。」

天井のチューブをスキャナーで調べるタッカー。「リアクターの、冷却剤だ。放射量 100レントゲン、まだ上がってる。」
ヴァルドア:『少佐、猶予は 7分だぞ。ワープマトリックスを直さなければ、お前は死ぬ。』


※5: 実際には前話でタラスが撃たれたのは、フェイズ銃ではなく MACO から奪ったと思われる別の銃でした

※6: Vrax
(ジーノ・シルヴァ Geno Silva 映画「ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク」(1997)、「アミスタッド」(97)、「ブルドッグ」(2003)、ドラマでは特捜刑事マイアミ・バイス「東西情報戦・最新バイオ技術・争奪のテクニック」(88)、「超感覚刑事ザ・センチネル」(96、複数回)、エイリアス「暴かれゆく正体」(04) に出演) 名前は、このエピソードでは言及されていません。声:武虎

※7: Senate がこう訳されていますが (Senator は「上院議員」)、単に議院、議会、評議会 (同様に議員、評議員) で構わないものと思われます

※8: 原語では「ウォーバード」

※9: Remans
映画第10作 "Star Trek Nemesis" 「ネメシス/S.T.X」に登場した、ロミュラスの姉妹惑星レムスの種族。公開順で映画以来初めての登場で、映画より前の時代設定で登場するのも初。映画と同じマスクが使われています

※10: 原語では「ジョラン・トゥルー (jolan true)」。TNG第107話 "Unification, Part I" 「潜入! ロミュラン帝国(前編)」より

※11: ヴァルドアの肩書きは前話では言及されていませんでした

※12: Minister T'Pau
ENT第84話 "Awakening" 「陰謀の嵐」など。その後、早速大臣に就任したようですね

※13: 窓から見える星が右から左に流れているため、会議室は左舷側にあることがわかります

※14: targ
ENT第14話 "Sleeping Dogs" 「名誉に生きる者」など。原語では「クリンゴンターグ」

※15: 吹き替えでは「映像を切られたので」。タッカーたちがそんなことをするシーンはありませんし、できたとも思えません

エンタープライズ。
パッドを渡すシュラン。「これは帝国防衛軍からだ。今回アンドリア船が使う通信コードが記してある。」
アーチャー:「テラライトからも参加するとの報告があった。…彼らにもこのコードを渡すぞ?」
「作戦のためだ。」
「ご協力感謝する。」
作戦室に掲げられている、歴代のエンタープライズの絵を見るシュラン。「君らと協力するのはさほど苦じゃない。テラライトと違って、相手を尊重しようとするからな。」
アーチャー:「『しようと』?」
「完璧とはいかん。これは全部、君が勤務してた船か。」
「いや、だいぶ昔のもある。…歴代のエンタープライズだ。それは、400年前に地球の海を渡った船だよ。」
「私のいた、クマリ※16はアンドリアを初めて一周した砕氷船の名だ。だが将来は、私の船にちなんで名づけられる。この歴史的な偉業を共に、成し遂げたら。」
「我々なら、固い同盟を組めるはずだ。」 手を差し出すアーチャー。
「まあ、そうだな。」 握手するシュラン。

修理用ジャンクション内のタッカー。「表示をよく見ててくれ。いま、リアクターのパワーを切ってみる。」

リード:「それよりいい方法が。ハッチから離れててください。」 フェイズ銃を設定する。

ヴァルドア:「時間を無駄にするな。猶予は後 3分しかないんだぞ。従えば助かる。」

無視するタッカー。

リードはフェイズ銃を発射した。ドアに影響はない。

部品を抜くタッカー。「マルコム、何か変わったか。」

コンソールを見るリード。「全部消えた。」

全体が暗くなっていく。
タッカー:「上手くいったな。放射量が下がってる。」

ニジル:「リアクターを切られたようです。」
ヴァルドア:「バックアップ・シークエンスを起動しろ。」

またジャンクションが明るくなった。
ヴァルドア:『主導権は私にある。あがいても無駄だと言っているだろ。助かりたければおとなしく従え。』

司令室に入るトゥポル。「最終確認が取れました。128隻、全て配置についたようです。」
通信が入る。『フロックスより船長。』
アーチャー:「どうぞ。」
『至急、医療室へいらして下さい。』

シュランは医療室に入った。アーチャーとフロックスがカーテンの前にいる。
シュラン:「そんな…。」
フロックス:「手は尽くしました。」
「助かると言ったはずじゃないのか!」
フロックスの前に立ちはだかるアーチャー。「シュラン。」
シュランはカーテンを開けた。ベッドにいるタラスの触角は、ダラリと垂れ下がっている。
声を上げるシュラン。「タラス……。」

ロミュラン・ドローン船。
タッカーは部品やケーブルを抜き続けている。
リード:『少佐、そちらの状況は。』
タッカー:「ヘルメットが欲しい。180 から更に上がってる。切れそうにない。」

ヴァルドア:「そこで死ぬことはない。」

タッカー:「この船は渡さないぞ。」
ヴァルドア:『それはどうかな。船には自己修復機能がある。死んでも無駄死にだ。』

リード:「わかった。私がマトリックスを戻す。ハッチを開けろ!」

タッカー:「マルコム、やめろ!」 息をつく。「これは命令だ!」
壁にもたれかかるタッカー。倒れる。

回路のそばにいるリード。「少佐?」
ヴァルドア:『急げ、マルコム。マトリックスを戻して、少佐の命を救ってやれ。』
リードは作業を始める。

配置図を指差すグラル。「見ろ、テラライト船はセンサー網に接続したぞ。アンドリアの使い勝手の悪いコードでな。」
ナーグ:「ああ。」
アーチャー:「ここが我慢のしどころだ。あとは待つしかない。」
「…待つなんてのは性分に合わん。」
「それはわかっています。しかし、ここは一つ…」
会議室のドアが開き、シュランの声が聞こえた。「話をしたいだけだ!」 MACO に詰め寄っている。
手で入口をふさぐ MACO。アーチャーは許可した。
ナーグを見たシュラン。「ただ話すだけだよ。」
テラライト人は席についた。
アーチャー:「聞いてるぞ。」
ナーグに言うシュラン。「お前に、タラスのことを教えたくてな。お前が殺した女だ。」
ナーグ:「襲ってきたのは向こうだ。」
「お前が撃ったときには、もう手は出していなかった。だがそれはどうでもいい。…タラスは良家の娘でな。裕福な家に育った。仕事だって好きに選べたんだ。…何不自由ない暮らしができた。…だが彼女は使命感から、あえて帝国防衛軍に人生を捧げた。…どんな相手でも、選べたのに。彼女は…私を選んだ。…それを知って欲しかったんだ。」
無言のナーグ。
シュランが何か取り出そうとするのを見て、アーチャーは止めた。代わりに手にすると、それは小さな容器だった。
中を見るアーチャー。
シュラン:「タラスの血だよ。」
ナーグはグラルを見る。
容器を手にするシュラン。「遠く離れた地で死んだ場合…帝国防衛軍では、その隊員の仲間が遺体の一部をアンドリアの氷の上へ帰してやるんだ。…それも知っておいてほしくてな。」
シュランは素早くナーグの腕をつかむと、その手に青い血をかけた。
振り払うナーグ。
アーチャーに押さえられるシュラン。「あの世へ行くがいい!」
アーチャー:「やめろ!」
「こいつには自分の血で、必ず償わせる!」
グラル:「近寄らせるな!」
「何としても裁きにかけてくれる、この手でな!」
アーチャー:「私の船で勝手は許さん!」
「悪いな、ピンクスキン。お前やこのテラライト野郎が、アンドリアの伝統に敬意を示さないなら! 帝国防衛軍の船は撤退させる。」
「どんな伝統だ。」
「この人殺し野郎と!」
うなるナーグ。
シュラン:「一対一の決闘をさせろ。断れば同盟の話は、白紙に戻す。」


※16: 吹き替えでは「クマリ

稼働し続けるリアクター冷却剤。タッカーは意識を失っている。

作業を続けるリード。「ワープマトリックスを戻してる! 放射線を止めろ!」

ヴァルドア:「完全に戻し終えたらな。」

音が響いた。
リード:「どうだ。ちゃんと戻したぞ! 早くハッチを開けろ!」
ドアが開き、リードは中に入った。「少佐、しっかりして。」

ニジル:「マトリックスが復旧しました。」
ヴァルドア:「では奴らはもう用済みだな。」

ヘルメットを被るリード。ドアはまた閉まった。
タッカー:「何で命令を破った。」
リード:「ブリッジよりこっちの方が安全です。」

ブリッジの回路に、フェイズ銃が中を見せた形で固定されていた。定期的に音を発している。

ヴァルドア:「ワープに入れ。ドローン船を、呼び戻す。」

タッカー:「ワープに戻ったな。従うなって言っただろ。」
リード:「命を救ってしまって申し訳ありません。今後注意します。」
「悪かった。」
「さっきの構造図からすると、これがアクセスパネルです。」
「どこ行く気だ。」
「ブリッジから離れる。」
「何のために。」
「この会話は全部聞かれてるでしょうね。…そいつのマニュアル、読んだことありますか。」
タッカーは自分のフェイズ銃を見た。
リード:「オーバーロードの注意書きがあるんですよ。」 腰を見せる。フェイズ銃はない。
タッカー:「後どのくらいだ。」
「恐らく、一分もありません。」
パネルを開ける作業を手伝うタッカー。

フェイズ銃が発する音が高くなってきた。

ヴァルドア:「いま言ってたのはどのパネルだ。」
ニジル:「中枢から離れるだけです。主要システムはありません。」
「戻ってきたらここで始末する。」

パネルを開けたタッカーとリード。

フェイズ銃の音の間隔も早くなっている。

チューブ内部に詰まったパイプを急いで取る 2人。
リード:「さあ。」
中に入る。

高い音を発するフェイズ銃。

チューブを抜け、進み出すタッカーとリード。
タッカー:「これだけ離れれば大丈夫だろう。」
リード:「パワー回路に、直接つないだんです。」

2人の話を聞くヴァルドア。

フェイズ銃はついにオーバーロードを起こし、爆発した。

タッカーたちの背後で爆風が起こり、吹き飛ばされる。
爆発は船外にも伝わる。
走るタッカーとリード。火花が襲う。

動きを止めるロミュラン船パイロット。
モニターの表示が消え、ロミュランのシンボルが表示された。
ニジルのコンソールも消滅する。「通信不能です。」
うなるヴァルドア。

通常航行中のエンタープライズ。
作戦室で説明するサトウ。「シュランの言う伝統というのは、ユーシャーン※17と呼ばれる儀式です。命を懸けた、決闘ですね。」
トゥポル:「その戦いには、この武器を使います。」
その鋭利な武器を手にするアーチャー。「ああ…」
トゥポル:「…ユーシャーン・トーア※18と呼ばれるものです。」
サトウ:「氷を砕く道具で、子供の頃からそれで遊んでいます。…テラライト人にはとても勝ち目はありません。」
アーチャー:「ナーグは戦わないさ。グラル大使がそんなこと許すわけがない。」
トゥポル:「しかしそれではアンドリア人を侮辱することに。」
「…ほかに、その儀式の情報は?」

ドアを開けるアーチャー。
シュランが中で、ユーシャーン・トーアを研いでいた。「まあ、くつろいでくれ。……愛用の品だ。…いつも持ち歩いてる。」
アーチャー:「ほんの 2時間前に力を合わせようと、話したばかりだろ?」
「互いの利益になるからな。」
「個人的な恨みで台無しにする気か。」
「これはタラスの復讐だけじゃない! 私は船を破壊され、クルーもほとんど失った。そんな仕打ちをされて黙っていたら、私はリーダー失格だ! この先誰もついてこないだろう。…黙って、私の勝利を祈ってろ。帝国防衛軍で、私は地球人を評価している。…私が死ねば、痛手になるぞ。」
「…グラル大使と話した。」
「うん。」
「ユーシャーンの、ルールのことだ。この決闘には、代理を立てられるそうだな?」
「…まさか、部下の代わりに大使が戦うとでも言うのか。」
微笑むアーチャー。「大使じゃない。」
シュラン:「…おい、冗談はよせ。」
「私が代理になる。決闘を受けて立とう。」
「君を殺したくはない。同志だからな。」
「なら中止しろ。」
「……それはできん。」

船内を歩くタッカー。「銃一丁でこんなになるのか?」 爆発が続いている。
リード:「物を吹き飛ばすのは私の専門です!」
「急いで外壁まで行こう。」
「それより、生命維持装置のあるところを探した方が。」
「船体はトランシーバーで覆われてる。通信機をつなげば、エンタープライズに連絡できるはずだ。」
「ああ。」

ニジルのコンソールが戻った。「通信機能が復旧しました。損傷個所を修復中です。」
ヴァルドア:「時間がない。自爆機能が復旧したら、すぐに知らせろ。」

自室のアーチャーは、ドアチャイムに応えた。「入れ。」
トゥポル:「お気持ちが変わりましたか。」
「…負けると思ってるのか?」
「シュランは帝国防衛軍の一員として、幼い頃から…訓練を積んでいます。…引き下がりはしないでしょう。」
「当然だ。気持ちはわかる。」
「しかし断れば、アンドリア船は撤退してしまいます。」
「だが決闘して、私がシュランを殺してもアンドリアが退くのは同じだ。かといってナーグが戦って死ねば、テラライト船が撤退する。死んでも支障がないのは私だけだ。…宇宙艦隊は撤退しないからな? …この作戦は絶対に潰せない。惑星間の重大な同盟関係が懸かっているんだ。」
トゥポルはアーチャーの腕に触れた。「ヴァルカンのことわざです。『未来は、一人の力で変わる。』※19 その一人が、運命の時を前に命を…なげうってしまったら。」
アーチャー:「私は、この船に来てからの数年で学んだんだよ。未来は、決まっていない。」
「…もしものことがあったら。」
「もしものことがないようにしよう。」

ブリッジ。
文書を読んでいるサトウ。
ターボリフトを出るメイウェザー。「こんな時間にいると思わなかった。」
サトウ:「ああ、どうしたの?」
「眠れなくて。あと何時間か後に、船長が命懸けの決闘をするんだ。」
「ほんと残酷な儀式。」
「何見てんの。」
「ユーシャーンの記述。副長がもう一度調べて、解決法がないか探れって。」
「だけど、船長はもう決意を固めてるみたいだったぞ。」
「でもまだ抜け道があるかも。…摩擦なしに決闘を免れる方法。」
「…手伝うよ、2人の方が早いだろ。」

食堂のテーブルにたくさんのパッドが置いてある。
メイウェザー:「ねえ、これは? 『当事者に家系を注ぐ子孫がいない場合、決闘は無期限に延期することができる。』」
サトウ:「それがどうしたの?」
「だって、アーチャー船長には子供いないだろ? 船長が死んだら家系は途切れる。」
「適用は既婚者に限るって。」
「…じゃあ今から 4時間で奥さんを見つければいい。」
「そんなことしたって、アンドリア側が納得しないわよ。…こんな儀式に 1万2千も修正項目があるのよ? 一つくらい何かあってもいいでしょう。」
「逃れる方法を探すよりも、決闘に勝つ方法を考えた方がいいんじゃないかな。」
「船長が勝てばシュランは死んで、同盟は白紙に戻る。」
「ノベリア・プライム※20へ行ったことある?」
「昔だけど。」
「あそこじゃ、何も知らずに年長者の顔を見ると決闘を挑まれるんだ。一度うちの親父が。」
「それでどうなったの。」
「…決闘の詳しいルールって、どれに書いてある。」
パッドの一つを渡すサトウ。

ユーシャーン・トーアを扱うサトウ。「こうブロックをしないでください。正面から受けて跳ね返すんです。」
グラル:「眉間に突き刺して思いっきりねじってやれ。」
フロックス:「代謝機能が違います。動き続ければ相手の方が先に疲れる。」 アーチャーの左腕に防具を装着した。
アーチャー:「…勝てばいいんだろ?」
トゥポル:「位置について下さい。」
シュランと向き合うアーチャー。発着ベイにはアンドリア人たちも集まっている。
トゥポル:「今ならまだやめられますよ。」
シュラン:「結末は決まってる。私も望んじゃいない。」
アーチャー:「…何でも思ったとおりにいくとは限らない。」
「会えてよかったよ。…敬意を表して、地球との同盟関係を長く維持できるよう力を尽くそう。」
「早く済ませよう。仕事が残ってる。」
アンドリア人によって、互いの手の防具がひもでつながれた。
引っ張るシュラン。「君の血を持ち帰ったら…英雄の壁に塗るよ。」 ユーシャーン・トーアを受け取る。
微笑むアーチャー。「遠慮する。」 サトウから手にした。
ユーシャーンを始めるシュラン。「さあ、そっちから来い!」
投げ飛ばされるシュラン。互いに刃を振るう。
殴られるアーチャー。ユーシャーン・トーアが首元に当たる。
アーチャーは蹴られた。さらに足を刺される。
立ち上がるシュラン。「降参しろ。一撃で楽に死なせてやるぞ。」
アーチャーも立った。「今のはわざとだ。…君も部下の前でいいとこ見せたいだろ?」
笑うシュラン。2人は壁の近くで刃を合わせる。
アーチャーはシュランを蹴り、後ろからひもで首を絞めた。ユーシャーン・トーアを落とすシュラン。
アーチャー:「うーん、降参するか?」
シュラン:「誰が…」 座り込む。
「じゃ仕方ない。」
武器を挙げるアーチャー。シュランは覚悟を決めた表情だ。
アーチャーの手が振り下ろされた。


※17: Ushaan
元々は非正史の TRPG用ソースブック、"The Andorians: Among the Clans" (1999) で導入されたもの

※18: Ushaan-Tor
これも前述のソースブックで、「チャクラ」として描かれた武器にヒントを得ています

※19: "One man can summon the future."
TOS第39話 "Mirror, Mirror" 「イオン嵐の恐怖」で、鏡像スポックが "One man cannot summon the future." と逆のことを言っています (吹き替えでは「先のことはわかりませんよ」)

※20: Nobelia Prime
Neubilia Prime となっている資料もあり。製作者 Mike Sussman のガールフレンド、高校教師の Karyn Newbill にちなんで

フロックスは、先端が失われたシュランの触角を診ている。
シュラン:「なぜ首を切り落とさなかった!」
アーチャー:「それも考えたが、君の力は必要だ。」
うなり、医療室のベッドを何とか降りるシュラン。「触角を切られた男に…何ができると言うんだ。」 コンソールの表示を切り、鏡として使った。「ああ。」
フロックス:「一日二日で感覚は戻ります。」
「完全に生え替わるには、9ヶ月かかる。」
「何も処置しなければね? 電気刺激を与えて頭部のマッサージをすれば、その半分程度で元に戻る。」
アーチャー:「触角を切っても命には関わらないと聞いた。」
シュラン:「だが名誉には関わる。」
「どちらかが完全に無防備になった段階でユーシャーンは終わるんだろ? …終了だな?」
「…アンドリアの伝統をよく調べたな。終了だ。」
トゥポルの通信。『ブリッジより船長。』

スクリーンにセンサー網の図が映っている。
船長席から立つトゥポル。「4隻が、襲撃船のパワーサインを探知。」
シュランと共にブリッジに入ったアーチャー。「生体反応は拾えるか。」
トゥポル:「距離がありすぎます。」
「トラヴィス。インターセプトコースに。最大ワープで向かえ。」
メイウェザー:「到着は、47分後です。」
「全船に警告。」
操作するサトウ。

報告するニジル。「ドローン船が、エンタープライズを探知。接近中。」
ヴァルドア:「ホログラム・スキンを起動しろ。」

外見を変えていくロミュラン船。
船内のケーブルに変化がある。
タッカー:「パワーが一気に消費されてる。爆発で全部ダウンしたはずなのに、復旧し始めたな。」
リード:「ワープマトリックスは。」
「まだだ。だが連絡したきゃ、急いだ方がいい。」

通常空間に出てくるエンタープライズ。
戦術コンソールに座っているトゥポル。「映像が入ります。」
アーチャー:「画面に。」 船が見える。「拡大。」
見た目はドローン船ではない。
シュラン:「ヴァルカン※21!」
アーチャー:「パワーサインをチェックしろ。」
トゥポル:「偽装しています。」
「戦術警報。…武器をチャージしろ。」

ニジル:「マトリックスが復旧する前に、エンタープライズに追いつかれます。」
部屋にヴラックスが入ってきた。
ヴァルドア:「上院議員。…まさかいらっしゃるとは。」
ヴラックス:「敵に乗り込まれた上に、システムを破壊されたようだな。」
うなり、部下を見るヴァルドア。
ヴラックス:「こちらにもちゃんと情報は入ってる。」
ヴァルドア:「…では、地球船が接近中なのも御存知ですか。」
「それを破壊する現場を見届けに来た。」

メイウェザー:「あと一分。」
トゥポル:「生体反応を探知。地球人が 2名。」
アーチャー:「転送機をロックできるか。」
「…もう少し接近しないと。」
「…チャンネルオープン。…アーチャーだ、タッカー、リード。…応答しろ。」
少しして、リードの声が届いた。『2人とも無事です。』
アーチャーはため息をつく。

見つめるヴラックス。
ヴァルドア:「発射だ。」
ボタンを押すニジル。

エンタープライズのブリッジで爆発が起こった。
アーチャー:「武器をロックしろ。」
トゥポル:「カモフラージュに妨害されています。」
「…エミッターを狙え、船は壊すなよ。」

フェイズ砲を発射するエンタープライズ。ヴァルカン船の姿は消え、本来のロミュラン船になった。
回転するように素早く移動するドローン船。
気体が噴き出す船内。
リード:「いるの、知ってるんですよね?」
タッカー:「武器を停止させる気なんだろ。エンタープライズ、そっちに転送できそうですか。」

首を振るトゥポル。
アーチャー:「外壁付近でないと無理だ。行けるか。」

タッカー:「すぐに向かいます。」

ニジル:「エミッターをやられました。」
ヴァルドア:「ワープまでは。」
「あと 2分。敵の援軍です。もし自己修復機能を止められたら。」
ヴラックス:「その前に、ワープで退却しろ。」

光子性魚雷を発射するエンタープライズ。ロミュラン船は回転してかわす。
窓の近くで身体を支えるタッカー。「エンタープライズ、外壁に来ました!」

よけながら攻撃を続けるドローン船。反撃するエンタープライズ。
トゥポル:「船の動きが不安定すぎて、ロックできません。」
メイウェザー:「ワープコアを狙われてます。…防御プレート 43%。…36%。」
アーチャー:「武器を停止。…防御にパワーを回せ。…トラヴィス、反転だ! …トリップ、マルコム。必ず助ける。とにかく脱出しろ!」

ニジル:「武器はオフラインです。今なら破壊できる。」

強烈な加速の中、リードは窓を開けた。「これよりひどい状況なんて、もうないですよねえ?」
タッカー:「…どうかな?」
2人は外に飛び出た。宇宙空間を進む。

トゥポル:「脱出完了。…センサーがダウン。…駄目です。」

ニジル:「さらに 6隻が接近中です。」
ヴァルドア:「ワープまで 20秒です。」

サトウ:「来ました、同盟船です。」
アーチャー:「攻撃はするなと。2人がまだ外だ。」

漂うタッカーとリード。音が聞こえてきた。
次々と船がワープを抜けて現れる。そばを通っていくロミュラン船。

ニジル:「マトリックスが復旧しました。」
ヴァルドア:「撤退だ。」
操縦するパイロット。

ワープに入るドローン船。ヴァルカン船をはじめとする 6隻もタッカーたちの上を通過し、ワープで消えた。
リード:「置き去りか。確かに、さっきよりひどい。」
アーチャーの通信。『誰か乗りたい奴はいるか?』
2人の上にエンタープライズが近づいた。転送される。

ヘルメットを置くリード。「あと一分でもこんなもん被ってたら、頭と一体化しちゃいますよ。」
笑うタッカー。
リード:「できればこれを造ったデザイナーに、3日間着させてやりたい。」
タッカー:「ああ。お前には助けられたな。」
「少佐も同じことしたでしょ。」
「危険な賭けだった。俺としては、何とも複雑な立場だよ。…一応報告はする。」
「…冗談でしょ。」
「命令に背いたんだからな。」
「命を救ったんですよ?」
首を振るタッカー。
リード:「もしそれで、処分でも下されたら名誉挽回に何年もかかって…」
タッカーは笑い出した。
リード:「…からかったんですか。」
タッカー:「…マルコム…お前、ほんとチョロいなあ。」 手袋を投げ、リードに投げ返された。「あイテ…。」

窓からヴァルカン船※22、アンドリア船、テラライト船が見えている。
トゥポルもいる会議室に入るアーチャー。「敵は逃げた。…テラライト船が一隻損傷を受けたが、アンドリアの戦艦が来てクルーを救出した。」
シュラン:「奴らは、どこかにいる。確かに我々『共通の敵』だ。」
グラル:「今は貿易がどうのと言っている場合ではないな。」 手を差し出す。
握るシュラン。
アーチャー:「…早速対策を話し合おう。」 座るように手を広げる。
そのエンタープライズの周りを、たくさんの船が囲んでいる。

ロミュラス。
ニジル:「ドローン船が、ロミュラン領内に戻りました。」
ヴァルドア:「パイロットを外せ。」
ロミュランによってパイロットのマスクが外される。
そこに座っていたのは、うろたえるアンドリア人※23だった。だが肌も、目の色も白い。※24


※21: ディキーア (ENT第27話 "Shockwave, Part II" 「暗黒からの衝撃波(後編)」) 型

※22: ディキーア型のほか、スラク級 (ENT第15話 "Shadows of P'Jem" 「恩讐を越えて」など) も

※23: パイロット Pilot
(Scott Allen Rinker 映画 "Shoot or Be Shot" (2002、ウィリアム・シャトナーと共演)、ドラマではバフィー 恋する十字架「フレッシュマン」(1999)、ボストン・パブリック「第38章」(02) に出演)

※24: その他の声優は奈良徹、駒谷昌男、高階俊嗣、近藤広務

・To Be Continued... 次回へつづく
・感想など
ロミュラン戦争「前哨戦」編の続きです。今までの ENT 全話と比較してもこれほど中だるみがなく、あっという間に終わった感の強いエピソードは初めてと言っても過言ではないかもしれません。本来ならテンポを落としてしまいそうな TOS 風味のユーシャーンの儀式のところも、時間的にはさほど長くなく、意外なオチも待っていました。そしてラストの船団。ただいろんな船が並んでいるだけのシーンなのに、これほど感慨深いのもファンならではの楽しみでしょう。散々ダニエルスに言われてきたように、アーチャーが惑星連邦に通じる行動を起こしていますね。
リーヴス・スティーヴンス夫妻の担当としては 3話目で、原案はマニー・コト。多数の船を使って行うセンサー作戦は、同じくロミュラン船に対して行った TNG "Redemption, Part II" 「クリンゴン帝国の危機(後編)」を思い出させますね。


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