スター・トレック:ピカード シーズン2#8「情け」視聴ログ

※ストーリーのネタバレに触れています。

データ

シーズン2 第8話 (通算18話)
“Mercy” 「情け」
配信日: 2022年4月21日 (米国) 4月22日 (日本)
配信:Amazon Prime Video (吹き替え版) (字幕版)
監督:Joe Menendez
脚本:Cindy Appel & Kirsten Beyer

俳優クレジット

役名声優
Starring
パトリック・スチュワートジャン・リュック・ピカード麦人
アリソン・ピルアグネス・ジュラティ堀井 千砂
ジェリ・ライアンセブン・オブ・ナイン (アニカ・ハンセン)沢海 陽子
ミシェル・ハードラファエラ・「ラフィ」・ムジカー高乃 麗
エヴァン・エヴァゴラエルノア染谷 俊之
イサ・ブリオネスコレー・スン清水 理沙
with サンティアゴ・カブレラクリストバル・リオス花輪 英司
and ブレント・スパイナーアダム・スン大塚 芳忠
Special Guest Star
ジョン・デ・ランシーQ羽佐間 道夫
Guest Starring
ソル・ロドリゲステレサ・ラミレス森 なな子
イト・アゲイレガイナン行成 とあ
ジェイ・カーンズエージェント・ウェルズ木下 浩之
Co-Starring
ケイ・バスラ・シレーナのコンピューター
Jackson Garner幼いウェルズ
Steve Gutierrezリカルド
Nanrisa LeeFBIエージェント
Charles Maceo傭兵1
Eduardo Romanヴァルカン人その1
チューティ・テューヴァルカン人その2
オスカー・トーレバーテンダー
Cyrus Zoghi赤髭の男
その他の声優:佐伯 美由紀、れいみ、竜門 睦月

レビュー

 今回も謎めいた導入からスタート。少年を追いかけているのはヴァルカン人でした。
 FBIのウェルズの聴取を受けるピカードとガイナン。「X-ファイル」味のある、独立した異星人対応部といったところでしょうが、ウェルズはたった一人で対応しているようです。捜査能力もなかなか高く、以前リオスがペラペラ話した本当のことには笑っちゃいました。
 結局、過去に関するピカードの問いが突破口に。前回などの出来事から冒頭の少年はピカードのようにも思えましたが、ある種ミスリードでしたね。ファースト・コンタクトの前にもヴァルカン人が地球を研究していたというのは、スタートレック:エンタープライズの傑作「スプートニクの飛んだ夜に」(シーズン2) から。これもまた、ファンには嬉しいつながりです。
 精神融合が失敗した理由はよくわかりませんが、途中で転送されてしまったようにも見えます。ウェルズはクビになってしまったものの、今後ピカードの助けには応じるのでしょうか。もしくは見逃しただけで終わり?
 その「人間は皆過去に囚われてる」というヒントを与えたのは、実質3話ぶりに登場したQ。今回はFBIになりきり、やっぱり前回の儀式には来なかったのではなく、すぐに来られなかったということがわかります。そして (ようやく) 明かされる重要事実としてわかったのは、Qが死に瀕していること。対面したガイナンは、Qは人生の意味を見つけたがっていると言います。
 Qが普通に死にかけているとは、本人も視聴者も驚きですね。Q連続体のメンバーの死については、ヴォイジャー シーズン2「Q1, Q2」でも描かれていました。Qは直接ピカードと対峙することはなく、ピカードを助けたのはまた新しい技 (幽体離脱?) を披露したガイナンでしたね。
 過去に囚われているのはウェルズもピカードも、そしてスンも。コレーたちは (これもほとんどわかってましたが) 実験で体細胞から作られた娘ということが判明します。スンが取り憑かれてしまった理由は不明で、Qの策略によりコレーが家を出て行ってしまいます。
 そのこともあって、スンは最後にはジュラティ=ボーグ・クイーンとの悪役同盟に。以前チラッとセリフで触れられたスピアヘッド・オペレーションズが半ボーグ化し、ラ・シレーナの攻防へと続いていきそうです。そうそう、ジュラティが言ってた「ルネはスンの研究を無意味にするものを見つける」というのも気になります。前に触れられていた、イオでの話でしょうか。
 嵐の前の静けさ状態のシレーナでは、引き続きリオスとテレサが発展中。このまま敵がやって来て大丈夫でしょうか。それより、二人の関係が最終的にどうなっちゃうのか気になります。一方のセブンとラフィは一悶着もありつつ、ラフィの回想が描かれます。エルノアにアカデミー入学を勧めたことに負い目があったんですね。これもまた過去に囚われている、と。
 複数の事実が明らかになりましたが、どうしてもつなぎ感は否定できないところ。でも軸となるピカードとウェルズのほか、ガイナンとQ、ピカードとガイナンといったセリフのやり取りがよかったです。ガイナンが言ってた通り、過去と向き合って進化することができるんでしょうか。

トリビア

◆ウェルズの名前が言及。前回触れた「12モンキーズ」でジェイ・カーンズが演じたFBIエージェントのゲイルは、H・G・ウェルズのファンという設定でした。

◆監督は前回に続き Joe Menendez。2話ずつ担当するというのが、ここまではパターン化されてますね。

◆コレーが使っていた端末は装着したヘッドマウントディスプレイ、Microsoft HoloLens が使われています。最初に使っていた端末は Surface (Book? Laptop?) のようです。AIの名前はアスペクタス。プログラムをいじくったQがこちらに向かって話しかけてくるのは、映像的に懐かしのゲーム「スタートレック ボーグ」風でもありました。Qのスーツ、背中の模様がかっこいい。映像の開始直後にラボの真ん中辺りに置いてあるワニのスノードームは、ヴォイジャー シーズン3「29世紀からの警告(前編)」でレイン・ロビンソンの研究室にあったものと似ています (部屋に入るなりパリスが触っていた)。Qが手にしたヒトゲノムのカプセルには、スン・ダイナミクスという名称が書かれていました。日立製のモニタもあります。

◆セブンは6歳の頃に同化されたと話し、ヴォイジャー シーズン5「火山惑星からの生還」のセリフと符合します。スター・トレック:ピカード シーズン2 #2「処罰」で2350年に同化とボーグ・クイーンが言っていたため、逆算してセブンは2344年生まれで現在は57歳ということになります。なお、同エピソードのトリビアで「(従来の設定では) 2350年はアニカの生年」と書きましたが推定に過ぎなかったようです (修正済み)。ヴォイジャー シーズン4「ケスとの別れ」では宇宙暦25479 生まれと言及されており、これは新スタートレック以降の方式で機械的に計算すると2348年になります。

◆ラフィたちを襲ったジュラティが立ち去るシーンなどで、”Recall Chen” 「チェンをリコールしろ」という落書きがあります。DS9シーズン3「2024年暴動の夜(後編)」で、カリフォルニア州知事のロバート・チェンが言及されていました。ほかにも同前後編の設定であるギミーやド・ゴール派の落書きも。

◆ラ・シレーナのレプリケーターでケーキを頼むリカルド。4個のケーキを頼んだだけなのに、出てきたのは4種のケーキでした。わかってる~。

◆ガイナンと会ったQの第一声は “You?” 「お前か?」。新スタートレックでガイナンとQが初めて会ったシーズン2「無限の大宇宙」でも、Qの最初の言葉は “You!” 「貴様!」でした。前回同様の手の構えをガイナンが見せています。Qは「そうだった、21世紀はまだ道が交わっていない」。「無限の大宇宙」時点で200年前に因縁があったと話していたため、本来の歴史だと22世紀まで会わないようです。

◆#6「2人のピカード」でも言及されたスンの娘たちの名前は、ペルセポネ、ペルセファサ、デスポイナ、プロセルピナ。セリフでもあったように、いずれもゼウス (ローマ神話ではユピテル) の娘です。

◆ラフィとエルノアの回想で、ロミュランのクワト・ミラット、その一員であるザニ、惑星ヴァシュティが再び言及されます。いずれもシーズン1 #4「無垢なる自己」より。

◆幼いウェルズが探していた犬の名前はマギー。上記レビューで触れたスタートレック:エンタープライズ シーズン2「スプートニクの飛んだ夜に」にも、マギーという主要人物が登場しました。1950年代を舞台にした同作では、20年後に再びヴァルカンの調査船が来ることが言及されていました。高軌道からスキャンのみ行う予定とはされていましたが、ウェルズの年齢と合致するかもしれません。

◆精神融合を真似するピカード。新スタートレック シーズン3「英雄症候群」ではサレクから、シーズン5「潜入! ロミュラン帝国」ではスポックから精神融合を受けました。

◆ガイナンに「また会う日が楽しみ」と言われたピカードが “Moi aussi.” 「エモア・オシ」。字幕版の通り、フランス語で「私も」。

◆ジュラティがスンに言った「酒臭いヘドに溺れて死んでく」。酒臭い=原語では “90-proof” 「90プルーフ (=45度の)」。

◆シーズン2 #5「Qの陰謀」でも言及された民間軍事会社スピアヘッド・オペレーションズ。ドラマ「MACGYVER/マクガイバー」でも同名の会社があり、導入されたエピソード「爆発+灰+遺産=フェニックス」の脚本は Terry Matalas でした。同作にはジェリ・ライアンも出演しています。

出典

TrekMovie.com
TrekCore.com
Memory Alpha