スター・トレック:ピカード シーズン2#6「2人のピカード」視聴ログ

※ストーリーのネタバレに触れています。

データ

シーズン2 第6話 (通算16話)
“Two of One” 「2人のピカード」
配信日: 2022年4月7日 (米国) 4月8日 (日本)
配信:Amazon Prime Video (吹き替え版) (字幕版)
監督:ジョナサン・フレイクス
脚本:Cindy Appel & Jane Maggs

俳優クレジット

俳優役名声優
Starring
パトリック・スチュワートジャン・リュック・ピカード麦人
アリソン・ピルアグネス・ジュラティ堀井 千砂
ジェリ・ライアンセブン・オブ・ナイン (アニカ・ハンセン)沢海 陽子
ミシェル・ハードラファエラ・「ラフィ」・ムジカー高乃 麗
エヴァン・エヴァゴラエルノア(セリフなし)
オーラ・ブラディタリン麻生 侑里
イサ・ブリオネスコレー・スン清水 理沙
with サンティアゴ・カブレラクリストバル・リオス花輪 英司
and ブレント・スパイナーアダム・スン大塚 芳忠
Special Guest Star
ジョン・デ・ランシーQ羽佐間 道夫
Guest Starring
アニー・ワーシングボーグ・クイーン佐古 真弓
ペネロープ・ミッチェルルネ・ピカード鷄冠井 美智子
ソル・ロドリゲステレサ・ラミレス森 なな子
Co-Starring
Alexandre Chenハンサムなウェイター
Ren Hanamiディレクター・リー
Michelle Haroアームストロング (ガードその1)
ショウ・ジョーンズガードその2
Richard Leacockムーサ船長
Zach Sowers警備員その1
Kareem Stroud警備員その2
その他の声優:咲野 俊介、藤 貴子、れいみ、渡辺 ゆかり、越後屋 コースケ、竜門 睦月、佐伯 美由紀、中尾 智

レビュー

 第3話・第4話と同じく、同じ監督が2話連続で担当です。時間の短さといい、実質的には前後編と考えた方がいいのかも。とはいえ全部つながってますけどね。
 いきなりピカードが血を流して気を失っているという、ショッキングな導入。34分前から始まり、また時間が交互に描かれます。ピカードを診たのは前回は登場しなかった医師ラミレス、これまで描かれてきたリオスとの関係がきちんと意味をもつことになりました。
 各キャラクターはスーツやドレスに身を包んで登場し、見た目にも華やかな回。ピカードはコンビを組むラリス改めタリンにも「君のことは誰が守る?」と言ってみたり、まんざらでもない様子でした。見た目だけではなく、何か感じるものがあるんでしょうか。
 ハイライトの一つは、ボーグ・クイーンと一心同体になってしまったジュラティ。アリソン・ピルが見事な歌声を披露してくれました、さすがトロント児童合唱団に属していただけはあります。服装もそうですが何かこういう雰囲気って、ホロデッキ/ホロスイート的な懐かしさも感じましたね。最後にはジュラティを乗っ取ってしまったボーグ・クイーンは、「もう悪くなりようがない」状況を悪化させることは間違いないでしょう。
 もう一つのハイライトは、ピカードとルネとの対話。「時には最も輝く者こそが、恐怖や憂鬱を覚えるものだ」。これぞ会話劇、ピカードの本領発揮といったところでしょうか。もっと長く見ていたかったですが、次回以降に期待。母イヴェットも「もがいていた」という言葉もありましたね。
 過去の記憶というと今回もピカードのフラッシュバックが頻発しており、イヴェットの「私を見つけて」という声や謎の怪物らしき姿も。最後にはスタートレックでもSFでもおなじみの記憶ダイブをすることになりましたが、今回はおあずけ。ようやくイヴェットとの出来事が本格的に描かれるのでしょうか。
 そして結局、ピカードが意識を失った原因はルネを狙ったスンの犯行でした。コレーはスンのライフワークである過去を調べ、過去にもたくさんの娘を失っていたことを知ります。新聞記事には優生学というキーワードもありましたね…。この辺まで本格的に過去の設定とつなげてくるつもりなのか、ちょっと広げすぎな印象もあるので匂わす程度で終わらせるのか、気になるところ。
 Q=ジョン・デ・ランシーはクレジットはされていましたが、今回は過去のシーンの再現で新しい撮影はなし。ますます謎も増え「つなぎ」感は否めないものの、次も楽しみであることには変わりありません。

トリビア

◆ガラのシーンは、ロサンゼルスのミレニアム・ビルトモア・ホテルで撮影されました。

◆ボーグ・クイーンは幻覚の姿であるため、今シリーズで初めて足が描かれています。「ロキュータスが恋しい」というセリフもありました。

◆リオスのIDとして最初に表示されたパスポートは、カール・レナード・ケリーという南部 (テキサス州エル・パソ) 出身の心臓外科医のもの。カール=カール・アーバン、レナード=レナード・マッコイ、ケリー=デフォレスト・ケリーと、南部出身のドクター・マッコイを意識したようなネーミングです。エル・パソはジーン・ロッデンベリーの生まれ故郷。誕生日は1964年3月11日で、宇宙大作戦の企画書 “Star Trek is…” は、この日の日付が入っています。さらにパスポートの発行日2020年1月23日は、スター・トレック:ピカードが初公開された日です。また、その後に表示されたリオスの偽名は Xavier Vincente Villalobos。誕生日は1978年5月5日で、リオス役サンティアゴ・カブレラと同じです。

◆リオスが本物の葉巻やマッチに喜ぶシーンがまたありました。

◆エルノアは、今回もラフィの幻覚としてのみ登場。同様にセリフはありませんでした。

◆ピカード「モバイル端末をチェックする回数がやたらと多いな」 タリン「この時代は普通よ」。確かに、自戒せねば…。タリンがルネのメッセージを見るシーンでは「カチュラル」? とつぶやいており、ロミュラン語だそうです。

◆ジュラティの歌は “Shadows of the Night”。パット・ベネターのバージョン (1982) で知られています。

◆ルネと会うピカードのシーンは宇宙開発の歴史を扱ったギャラリーとなっており、ピカードのそばにはノーマッドの打ち上げ時の模型もあります。宇宙大作戦シーズン2「超小型宇宙船ノーマッドの謎」より。

◆「見上げた」ルネが話した OV-165 シャトルは、スタートレック:エンタープライズのオープニングに登場していた宇宙船です。映像が時代順に描かれる中、国際宇宙ステーションとフェニックスの間でした。エアロスパイク・エンジンを使っていることから、ルネはスパイクと呼んでいます。スターシップ・コレクション第128号でも立体化されました。

◆警備員の振りをするピカードは、P・トロッターという名札を付けています。

◆ピカードが話していたジェミソン博士は、初のアフリカ系アメリカ人女性宇宙飛行士メイ・ジェミソンのこと。新スタートレック シーズン6「もう一人のウィリアム・ライカー」に、転送士官のパーマー中尉役で出演しました。

◆ルネはピカードに対し、タイムトラベルでおなじみ (?) の「初めて会った気がしない」と言っていました。

◆スンの過去の娘たちの名前は、ペルセポネ、デスポイナ、ペルセファッサ、アルテミスなど。いずれもギリシア神話の女神で、コレーやペルセファッサは冥界の女王ペルセポネの別名です。

◆タリンが使っている棒状の装置は、ゲリー・セブンも使っていたサーヴォと呼ばれる道具です。

出典

TrekMovie.com
TrekCore.com
Memory Alpha
Detail of Persephone/Isis, Statue group of Persephone (as Isis) and Pluto (as Serapis), from the Sanctuary of the Egyptian Gods at Gortyna, mid-2nd century AD, Heraklion Archaeological Museum” by Following Hadrian is marked with CC BY-SA 2.0.