スター・トレック:ローワー・デッキ シーズン3 #4「機関部を休ませろ!」視聴ログ

※ストーリーのネタバレに触れています。

データ

シーズン3 第4話 (通算24話)
“Room for Growth” 「機関部を休ませろ!」
配信日: 2022年9月15日 (米国) 9月16日 (日本)
配信:Amazon Prime Video (吹き替え版) (字幕版)
監督:Jason Zurek
脚本:John Cochran

声優クレジット

原語キャラクター吹き替え
Starring
タウニー・ニューサムベケット・マリナー小島 幸子
ジャック・クエイドブラッド・ボイムラー平野 潤也
ノエル・ウェルズドゥヴァナ・テンディ種市 桃子
ユージン・コルデロサム・ラザフォード最上 嗣生
ドーン・ルイスキャロル・フリーマン磯辺 万沙子
ジェリー・オコンネルジャック・ランサム志村 和幸
フレッド・タタショアシャックス後藤 光祐
ジリアン・ヴィグマンタアナ橘 U子
Guest Cast
アシフ・アリアシフ
メアリー・ホランドMoxy/トズ
シャーロット・ニクダオメレディス
アルテミス・ペブダニKaravitus
ポール・シェアーアンディ・ビラップス
カール・タートケイション
その他の吹き替え声優:後藤 ヒロキ、渡辺 ゆかり、天﨑 滉平、きそ ひろこ、櫻庭 有紗

レビュー

 空き部屋を巡るドタバタと、機関部員に休暇を取らせる苦労の二本立てでした。
 いつも混雑しているローワー・デッキの面々は、空き部屋の抽選を楽しみにしています。しかも第1デッキに4部屋も。抽選ターミナルに細工をするというデルタ・シフトの企みを知り、先にその場所へ向かう大冒険? をする羽目に。
 なぜか沼地に入って幻覚を見たり、ディフレクター盤の中で回転したり。結局かちあってしまったデルタ・シフトとゴシップネタを話すうち、前回と同じく少尉同士で仲良くなった…と思ったら、そうは問屋が卸しませんでした。
 「史上最小の殺戮ゲーム」で開花した大胆不敵なボイムラーのおかげで、先にターミナルに到着。実際の空き部屋は第4デッキに一部屋しかないことを知り、細工することはあきらめます。ところがデルタ・シフトはルームシェアするという裏技を発動し、残念がるマリナーたち。でも部屋が変わったら、そもそもローワー・デッキじゃなくなるんじゃないのというツッコミはさておき…。
 もう一つの柱は、ワーカホリック気味の機関部員を休ませようと奮闘するフリーマン。なにかにつけてエンジニア力が発揮されるのが、笑えるような悲しいような。フリーマンの方に問題があることがわかり、最後に救ったのも機関部員たちでした。せっかくのストレス軽減装置を捨ててしまうのは、休息施設にとっては存在意義がなくなることを恐れたんでしょうか…。
 3話連続で続いていた懐かしのキャラクターの再登場がないこともあり、小粒で収まった感はあります。でも笑いどころは多かったですね。

トリビア

◆いつも小さなタオルを使って裸でうろついているクルーの名前が、フェドロフと判明。

◆マスクの人格に乗っ取られて神殿に改造してしまうのは、新スタートレック シーズン7「多重人格アンドロイド」より。そのエピソードの原因となったダーセイのアーカイブは宇宙艦隊に託されたはずですが、ほかにもあったのかフリーマンはミヌーキーという人格の影響を受けてしまったようです。しかも3回目。

◆ボイムラーはシーズン1「時間厳守命令」で弾いていたバイオリンのチューニングをしていましたが、変換されてしまいました。

◆テンディは、また生命体を飼っておりグーピーと名づけています。

◆タマリアンのケイションが連続で登場、セリフありはシーズン2「初めてのファースト・コンタクト」以来。「ゼンロックスが畑を耕すのは春」「ジェーナ、夜明けの前に」「カマタへの道は春」「グランブル (訳出なし)、彼の喉は奥方がかっ切った」と新しいタマリアン語を連発しています。

◆前回のU.S.S.カールズバッドが再言及、一大プロジェクトがあるそうです。今後のエピソードでしょうか。

◆デルタ・シフトのクルーのうち、科学部門の女性少尉は Moxy という名前が設定されました。言及はされていません。

◆デルタ・シフトについて、マリナー「そもそも何で艦隊にいんの、入るならマキ (DS9シーズン2「戦争回避」など) だろ」。

◆リラックスさせるための施設の船名はダヴ。宇宙大作戦シーズン1「悪魔島から来た狂人」などの、更生施設のモチーフがハトだったことを意識しているのかもしれません。ダヴのトズは、まんが宇宙大作戦のアレックス、S1「ボイムラーのから騒ぎ」の医療スペシャリストに続いて、史上3人目のエドシアン (エドス人)。初の女性で、名前があるのは2人目。右側にいるスタッフは、S2「永遠のトム・パリス」でエアハート宇宙基地にいた異星人と同じ種族です。

◆ダヴの設備の中には、子犬との遊び場 (なぜかネコ好きは少数派扱い)、テラー・プライム (テラライト母星) のマッドバスなどがあります。新スタートレック シーズン5「ラクサナの結婚」でも、シラリー6号星の泥のお風呂が登場しました。マッドバスにはギャラドニア人 (S1「第二次接近遭遇」)、S2「愛欲の泉」でアギマスがいた種族、ベンザイト (新スタートレックS1「宇宙戦士への道」) が入っています。

◆ホロデッキの銀行では貨幣経済が消滅していることがネタにされており、ボイムラーが「昔の人がお金を預けたところだ、確か…『淫行 (bonk)』?」と間違えたり、マリナーは「数字が書いてあるだけの紙を引き出したいんですけど、お金って」とバカにしています。ヴォイジャーのキャプテン・プロトンの冒険 (シーズン5「暗黒の汚染空間」など) のように、モノクロです。

◆シャックスとタアナの関係は続いており、ボニーとクライド風、あるいはディクソン・ヒル (新スタートレック シーズン1「宇宙空間の名探偵」など) 風のプログラムを楽しんでいます。シャックスは「俺は死んだのに、そのことにも触れやしない」と気にしています (S1「セリトス絶体絶命!」)。犯罪プレイでは、タアナはダイアンという名前で呼ばせています。タアナがアルゴンキンに乗船しているときに尻尾を失った秘密は、聞けずじまいでした。

◆マリナーたちが水栽培室の下にある沼地に入るシーンで、根っこの間にドゥープラー人代表のガイコツがあります。シーズン2「ドゥープラーの困惑」で回収しそびれたようです。

◆ケイションが育ててるだけあって、沼地にあったのはタマリアン・デフリンの根っこ。育てるのに必要な亜酸化窒素は地球人には幻覚を見せますが、オリオン人は大丈夫だそうです。

◆機関部員がストレス軽減のために楽しんでいたのは、まさかの枯山水 (sand garden)。向こうでも、未来でもやるんですねぇ…。回路図を描いちゃってましたが。他のシーンでも描かれているように、宇宙大作戦ではスコットが技術専門誌を読んで休暇を過ごしている場面なんかもありました (シーズン2「新種クアドトリティケール」)。枯山水の後ろではメレディス少尉が、トズとは別のエドシアンからマッサージを受けています。

◆ディフレクター盤の中に入る、珍しいシーン。重力が弱い場所は、エンタープライズのパイロット版「夢への旅立ち」でもスイートスポットとして描かれました。

◆マニキュア・ペディキュア略してマニ・ペディのシーン、ダヴのスタッフの中にミグリーモと同じ種族と思われる鳥型異星人がいます。

◆フリーマンの捨て台詞にして名台詞、「エンジニアって全員そろいもそろってジョーディ・ラフォージばっかり!」。

◆自分の部屋を持った際に備えて、ドアを開ける言い方を考えるボイムラー。ライカーの「入れ」を真似します。

◆噂話の中で、マリナーが前回にも登場したドクター・ミグリーモの話をしてました。

◆ランサムが原始人になったというのは、同じく副長のライカーが退化した新スタートレック シーズン7「恐怖のイントロン・ウィルス」にちなんで。チュロスで作った「チュロドールワイフ」があるとの、もっぱらの噂…。

◆フリーマンを癒すための子犬の中に、車椅子を使っているイヌもいました。さらっと描かれてるのがいいですね。

◆抽選ターミナルがある部屋は、新スタートレック シーズン1「姿なき宇宙人」で登場したエンタープライズのセンサーメンテナンス室に似ています。

出典

公式サイト
TrekMovie.com (レビュートリビア)
TrekCore.com
Memory Alpha
Line of Jack Russell Puppies” by Prophetic_Blogger is licensed under CC BY 2.0.