スター・トレック:ピカード シーズン2#3「同化」視聴ログ

※ストーリーのネタバレに触れています。

データ

シーズン2 第3話 (通算13話)
“Assimilation” 「同化」
配信日: 2022年3月17日 (米国) 3月18日 (日本)
配信:Amazon Prime Video (吹き替え版) (字幕版)
監督:Lea Thompson
脚本:Kiley Rossetter & Christopher Monfette

俳優クレジット

俳優役名声優
Starring
パトリック・スチュワートジャン・リュック・ピカード麦人
アリソン・ピルアグネス・ジュラティ堀井 千砂
ジェリ・ライアンセブン・オブ・ナイン (アニカ・ハンセン)沢海 陽子
ミシェル・ハードラファエラ・「ラフィ」・ムジカー高乃 麗
エヴァン・エヴァゴラエルノア染谷 俊之
and サンティアゴ・カブレラクリストバル・リオス花輪 英司
Special Guest Star
ジョン・デ・ランシーQ羽佐間 道夫
Guest Starring
アニー・ワーシングボーグ・クイーン佐古 真弓
クロエ・ヴェッパーガビ
ジョン・ジョン・ブリオネス連合執政官最上 嗣生
ソル・ロドリゲステレサ森 なな子
Co-Starring
リチャード・チュウドライバー
ガトリン・グリフィス強盗
Steve Gutierrezリカルド
Matt Kaminsky警備員
Peter LindstedtICE局員その1
Maggie Pacleb少女
マルセロ・テュバートミスター・アルヴァレス
その他の声優:佐伯 美由紀、れいみ、竜門 睦月、中尾 智、渡辺 ゆかり

レビュー

 前の2話に比べると多少ペースダウンしているものの、「その後」「別世界」に続く「過去」と今回も新たな展開となりました。
 いよいよ2024年、現在からわずか2年後へ懐かしのスリングショットを敢行。通過中にあの距離でワープ9…とどんどんカウントアップしていくのは変な気もしますが、全部映画ST4「故郷への長い道」のオマージュであるためさほど気にしてはいけないんでしょう。幻覚のようにも見えるQは「君の恐怖心で何を失ったか見てみよう」と、一瞬だけの登場。
 過去にもタイムトラベルものは数多くあり、中でも公開年次に近い時代へのタイムスリップというと宇宙大作戦シーズン1「宇宙暦元年7・21」、シーズン2「宇宙からの使者 Mr.セブン」、前述の映画ST4、ヴォイジャー シーズン3「29世紀からの警告(前)(後)」、エンタープライズ シーズン3「デトロイト2004」といったエピソードがありました。そしてDS9 シーズン3「2024年暴動の夜(前)(後)」では、当時は未来だった時代に追いついてしまいました。少なくとも今回のエピソードでは保護区域や貧富の差という点については比較的おとなしめに描かれてましたが、追いついて欲しくないのに追いついてしまったどころか、現実の方が怖いほど追い抜いてしまったようにも感じます。
 エルノアがあっさりと命を落としてしまい、脱落したのはびっくりしました。ジュラティも時間的因果から離れているかわからないから、時間が修正されれば元に戻るかは不明と話していました。彼らが「連合版」であり記憶だけ本来の歴史のものになっていることを考えると、最終的にこのままというのは考えづらいですね。セブンのインプラントといい。とはいえ、エルノアの独特なキャラが見られないのは残念。Qとの二人のゲームに付き合わされているだけとピカードに言い放つラフィは、これまでになかった視点で新鮮でした。
 ジュラティがボーグ・クイーンから、そしてセブン&ラフィが追っているウォッチャーはいまだ登場せず。すでに同化されたことのあるピカードだと (当然セブンもダメなんでしょう) すぐ再同化されてしまうという、わかったようなわからないような理由により、前回までも絡みがあったジュラティがクイーンと対峙しました。クイーンの性格が変わったような描写は気になりましたが、ひとまずジュラティが勝ったようです。(妙に細い) ケーブルは切り離したのに、まだつながっているような感じでもありましたが…。「15」という数字も謎です。
 セブン&ラフィは3話目にして二人だけの行動、なぜか21世紀に馴染んでいるセブン。出発前には、未だに消えたインプラントのことを気にしている描写もありました。一方のリオスは空中に放り出されるという、ありそうでなかったシンプルな転送事故により、これもまた現代を映し出した移民に優しい病院へ。捕まって終わりというのはちょっと驚きました。「え、これで終わり?」という感覚ですが、もっと観たいというのもありますがこんな中途半端なところでと思ってしまったのも事実。
 すっかり主流となった連続エピソード、次回にも期待です。

トリビア

◆セブンも名前を言えなかった連合執政官は、部下もろとも蒸発して死亡。

◆止血用のダーマライン・パッド、以前はダーマリン・ジェルもありました (ヴォイジャー シーズン2「二つのヴォイジャー」)。

◆ラ・シレーナを追いかけてきた連合艦3隻は以下の通り。いずれも過去に登場した、「やらかした」提督の名前です。CGモデルはスターシップ・コレクション用に作られたもの。
・C.S.S.クイン NCC-74536 ノヴァ級 (新スタートレック シーズン1「恐るべき陰謀」 グレゴリー・クイン)
・C.S.S.ドアティ NCC-75489 ノヴァ級 (映画「スター・トレック 叛乱」 マシュー・ドアティ)
・C.S.S.レイトン NCC-73827 スチームランナー級 (DS9シーズン4「地球戒厳令」)

◆スタートレック初参加のリー・トンプソン監督は、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズでロレイン・マクフライを演じました。近年はドラマ演出を行っており、トレッキーだそうです (Twitter: Lea Thompson)。

◆ジュラティは「化石燃料汚染、初期のオゾン層劣化、放射能降下物なし」から21世紀 (前半) と判断。映画ST4「故郷への長い道」でもスポックが大気の汚染物質から20世紀末とするシーンがありました。映画「ファースト・コンタクト」では、データが大気圏内の放射性同位元素から21世紀半ばと言っています。

◆C.S.S.ラ・シレーナには防爆シールド (blast shield) が装備されています。

◆ピカードが「我が家」と呼んだ不時着地点、パネルの座標は 34.513230/-118.106233。米国カリフォルニア州パームデール郊外になります (Google マップ)。

◆エルノアが持っていたクワト・ミラットのメダルには、ロミュラン語で “Sem n’hak kon” 「今こそ唯一の時」と書かれています。

◆ピカードたちはIDインプラントやワクチンチップを埋め込んでいるそうです。

◆マークリッジ・インダストリアル・タワー、これも「12モンキーズ」(Terry Matalas 企画) のマークリッジ社にちなんで。撮影は実際にロサンゼルスで最も高いウィルシャー・グランドセンターで行われました。

◆セブンが連合の制服から剥ぎ取る記章には、ボーグの頭蓋骨がデザインされています。

◆ロサンゼルスのシーンで流れる曲は、ドイツ人DJの Freischwimmer による “California Dreamin” (2015)。「夢のカリフォルニア」(1965) のカバーです。このシーンにはヴォイジャー シーズン3「29世紀からの警告」でも訪れた、サンタモニカ・ピアやグリフィス天文台が映ります。

◆転送されるセブンを目撃して「スーパーヒーロー」か尋ねる少女、昨今のマーベル作品に代表される趨勢を反映しているのでしょうか。

◆リオスが落下した場所の店は、1966年 (宇宙大作戦の放送開始年) 開業の「ティプトン・ブラザーズ・デリ」。スタートレックのコミック原作者スコット&デヴィッド・ティプトンにちなんで。

◆ラフィが強盗を返り討ちにした場所には、保護区域 (Sanctuary District) 規則と掲げられています。保護区域はDS9シーズン3「2024年暴動の夜(前)(後)」より。そのエピソードの舞台はサンフランシスコでしたが、保護区域は全米各地に作られたという設定でした。

◆保護区域の背景のビルには「エウロパ・ミッション」の大きな宣伝があり、”To Boldly Go!” とも書かれています。現実にも木星の衛星エウロパの探査を目的とした、エウロパ・クリッパーの打ち上げが2024年に予定されています。

◆最も楽しい記憶としてリオスが話す、8歳の頃のアカデミーでの話。シミュレーションを勝手にやって最高得点を獲ったそうです。

◆マッカーサー・パークはロサンゼルスに実在する公園で、あのダグラス・マッカーサーにちなんで改称。

◆医師テレサの息子はクレジットではリカルドという名前で、通信バッジを適当に押してたのをセブンがモールス信号と勘違いします。リカルド「論理的になって」に対し、リオスが「このヴァルカン人め」。リオスがレプリケーター製ではない本物のピーナツバターに感激するのがよかったですね。日本語字幕では宿題しないと「テレビ」禁止と言ってたのは英語字幕の通り「リック・アンド・モーティ」。スター・トレック:ローワー・デッキの企画、マイク・マクマハンも脚本で参加しているアニメです。

◆ピカード「しかし…クイーンの本性は変わらない」。原語では “However… same leopard, same spots.” 「同じヒョウなら模様も同じ」という言い回しです。

◆ジュラティが突き止めたウォッチャーの座標、34.0488 北、118.2518 西。ロサンゼルスのパーシング広場近辺です (Google マップ)。

◆テレサのクリニックの名前はクリニカ・ラス・マリポサス。スペイン語で「蝶クリニック」という意味で、あちこちに蝶のマークやモチーフもあります。ジュラティも「バタフライ効果 (原語ではバタフライのみ) に注意して」と言ってましたね。しかも、ラス・マリポサスの蝶とそっくりなマークが、(本来の) ラ・シレーナの貨物室のシーンで医療物資の貨物にも描かれていたそうです (シーズン2 #1「スターゲイザー」)。

◆リオスを取り押さえる局員が「UHCカードもIDもない」。UHCカードもDS9「2024年暴動の夜」からで、Universal Health Care の略。

出典

TrekMovie.com
TrekCore.com
Memory Alpha
Green butterfly” by Alias 0591 is marked with CC BY 2.0.