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ディープスペースナイン エピソードガイド
第20話「預言者の導き」
In the Hands of the Prophets

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・イントロダクション
※1大きなキャンディ棒を手にするオブライエン。「美味いよ、食べてごらん?」
ケイコ※2:「ええ、私はやめとくわ?」
「どうして。」
「甘すぎるもの。」
「でも自然な甘さだよ? ジャンジャ※3の木の汁だからねえ。ビタミンC も一杯だ。」 うなずく店主。
「いつからそんなにジャンジャ・スティックに詳しくなったの?」
「ああ、ニーラに聞いた。」
「ニーラに?」
「うん。」
「そう? どうなの、前の助手と比べて?」
「ニーラかい? 言うことないよ。すごく優秀な娘だ。」
「そう? ジャンジャ・スティックの話ばかりしてるわけじゃないのね?」
「ああ。いいエンジニアだよ。…ちょっと待てよ。」
「なーに?」
「おい、何が言いたい? ケイコ。」 プロムナードを歩いていくモーン。
「若い娘に鼻の下伸ばさないことね?」
「ああ、やめてくれよ。」
「いつもニーラって娘と食べてるんでしょう?」 歩いていくケイコ。
ジャンジャ・スティックを見つめるオブライエン。

ワームホールから、ランナバウトが出てきた。
それは映像だった。
ケイコ:「まず、昨日の勉強のおさらいからね?」 ワームホールの構造に画面が切り替わる。「このワームホールは今年の初め、シスコ中佐とダックス大尉によって発見されました。さて、このワームホールが普通と違うのは、どういうところでしょう。」
教室にたくさん並んだ子供たち。ジェイクが手を挙げた。
ケイコ:「ジェイク。」
ジェイク:「安定してる。」
「その通り、安定してること。これは初の安定したワームホールなのです。」
そこへ、一人のベイジョー人女性が入ってきた。僧侶らしい。「気にしないで続けて?」
ケイコ:「ええ…通常のワームホールは不安定で、中に入るとどこに行くかわかりませんが、このワームホールなら安全に通行できます。なぜこのワームホールは安定しているのでしょうか。…それは人工的に造られたものだから。シスコ中佐は、このワームホールを作り出した、未知の異星人に遭遇しています…」
「ちょっと失礼? 異星人というのは預言者のことなのかしら?」
「…ええ、ベイジョーでは預言者として信仰していますね。我々の研究によれば、このワームホールは、『ヴァーテロン※4』と呼ばれる特殊で丈夫な粒子で、形成されていることがわかっているんです。ですからワームホールの中を、船が安全に航行できるのも、このヴァーテロン粒子の作用で…」
「船が安全に旅することができるのは、預言者の導きです。」
「ええ、見方を変えれば。」
「あなたはそうは見ていないようだわね?」
「…そういうお話なら授業が終わった後で。」
「ワームホールの中に預言者の聖なる神殿が存在することを信じていないの?」
「ベイジョーの信仰ですから、それは尊重しています。」
「…でも教えるつもりはないのね?」
「ええ、ベイジョーの宗教を教えるのは、私の仕事ではありません。私の務めは、生徒の目を学問に向け、文学や数学や科学の世界に導くことです。」
「あなたの授業はベイジョーの神に対する、冒涜です。これ以上続けさせるわけにはいきません。」
ため息をつくケイコ。


※1: このエピソードは、第1シーズン・フィナーレ (最終話) です

※2: ケイコ・オブライエン Keiko O'Brien
(ロザリンド・チャオ Rosalind Chao) DS9第16話 "If Wishes Were Horses" 「夢幻の刻」以来の登場。声:吉田美保

※3: ジャムジャ jumja
DS9第4話 "A Man Alone" 「宇宙ステーション殺人事件」など。名前は初言及

※4: verteron
初言及

・本編
作業しているニーラ※5
オブライエンが来る。「遅くなってすまん。リアクターの修理に手間取って。そっちは?」
ニーラ:「終わりました。」
「終わった? アイソリニア・コプロセッサー※6の修理も全部終わったのか?」
「ええ、この間教わったとおりに。動かしてみます?」
「俺がやるよ。せめてこれぐらいは、やらないとな?」 映像を出すオブライエン。「ああ、いい調子だあ。完璧だね。この分じゃ俺は失業だな。」
笑うニーラ。「チーフったら。」
オブライエン:「ハハ、片づけよう。」 保安室のパネルを戻す。「ああ、それじゃあない。そこをロックするには、EJ7 インターロック※7ツールを使わないと。」
「EJ7?」
オブライエンはケースを開けた。「ここに入ってる。…どうして。」
ニーラ:「何か?」
「いや、EJ7 がないんだ。…昨日はあったのに。」
「どこかに置き忘れたんでは。」
「…いや…絶対、自分の道具は置き忘れない。」

司令官室のシスコ。「いつかは起きると思ってた。」
ケイコ:「今日みたいなことがですか?」
「文化が違えば衝突も起こる。…ベイジョーと我々が、わかり合える日が来るんだろうかと思うこともあるよ。」 シスコはドアを開けた。「キラ少佐、来てくれ。今日学校でちょっとした問題が起きてね。」
部屋に入るキラ。「聞きました。ウィン司教※8が授業に文句をつけたそうですね。」
シスコ:「司教はどういう人だ。」
「宗教界の有力者で、カイ・オパカの後継者に推す声もありますが、票が足りなくて。」
ケイコ:「このステーションの中には、どれくらいの支持者がいるんです?」
「私もその一人。」
「そんな! あの人ワームホールについて教えるのは、神への冒涜だって言ったんですよ!」
「少し授業内容を見直す必要はあると思うわ? 学校にはベイジョー人の子もいるのよ?」
「私のクラスで何を教えるかは私が決めます。ベイジョーの司教にいちいち口を出されるなんて、まっぴらです!」
「じゃあ学校が二つ必要ですね。ベイジョーの子の学校と、連邦の子の学校。」
シスコ:「しかしベイジョーと連邦の間に、垣根ができてしまっては…」
「そもそもベイジョーが求めるものと、連邦が求めるものとは違うんです。前々から言ってきたでしょ?」
「少佐、このステーションで宗教を教えるなと言っているわけではない。彼女の授業のほかに、時間を設ければいいわけだろ?」
「でも真っ向から対立する哲学を教えられてしまっては…」
ケイコ:「私は哲学なんて教えていません! 純粋な科学だけを教えているんです!」
「精神的側面を無視して、科学だけを教えていればいいの? それで教育と言えるのかしら。」
シスコ:「このステーションでは、いろんな意見や考え方を尊重していきたい。少佐、何かいい解決法はないだろうか。」
「……難しいと思います。」

シスコはプロムナードにある、ベイジョーの寺院に入った。

一人祈っているヴェデク・ウィン。シスコがやってくる。
ウィン:「この瞬間をどれほど長く待ったことでしょう。」 振り返る。「預言者より使わされた使者※9に会える日を。」
シスコ:「いらっしゃるなら知らせて下されば、お迎えに出ましたのに。」
「気を遣わせてはかえって御迷惑だと思ったのです。」
「次回からは是非、お知らせ下さい。」
「ありがとう、使者よ。」
「その呼び方はやめて下さい。シスコ中佐です、ベンジャミン・シスコ。」
「でもあなたは預言者の使者。ベイジョーでは伝説の神殿を見つけた者として讃えられています。」
「それは私の本意ではありません。」
「預言者が私達に示す道を、望まないこともありましょう。でも定めなのです。失礼?」 シスコの耳をつかみ、目を閉じるウィン。「やはり神を信じていない。なぜ神を信じぬ者が使者に選ばれたのかとカイ・オパカに聞いたら、信じる者は神の目をまともに見ることができないからだと言われました。…私は納得せず、神の目を見るためなら何でもするとオパカに言った。オパカは私に、暗闇の中に座って、心を落ち着けるよう言ったわ? カイ・オパカは本当に偉大な指導者だった。」
「学校での問題についてお話ししたいのですが。」
「私は発光体※10から預言者の声を読み取り、ベイジョー人の信仰心を守るために来たのです。あの教師は聖なる神殿を冒涜しました。彼女が改めなければ、この先どんなことになるかわかりませんよ?」


※5: Neela
(ロビン・クリストファー Robin Christopher) 前話 "Duet" 「謎のカーデシア星人」に引き続き登場。声:若杉朋子

※6: isolinear coprocessor
吹き替えでは「アイソリニア・プロセッサー」

※7: EJ7 interlock

※8: ヴェデク・ウィン Vedek Winn
(ルイーズ・フレッチャー Louise Fletcher 映画「カッコーの巣の上で」(1975) で、アカデミー主演女優賞受賞) 初登場。フルネームはウィン・アダミ (Winn Adami) ですが、名が初めて言及されるのは DS9第168話 "'Til Death Do Us Part" 「偽りの契り」。今回は肩書きが意訳されて「司教」になっていますが、後は通常「ヴェデク」のままで訳されます。声:沢田敏子。この後 DS9第22・23話 "The Circle" & "The Siege" 「帰ってきた英雄 パート2・パート3」で棚田恵美子さんですが、第44話 "The Collaborator" 「密告者」で沢田さんに戻り、第3〜5シーズンは片岡富枝さん、そして第6・7シーズンで再び沢田さんが担当

※9: 後は通常「選ばれし者」と訳されます

※10: 吹き替えでは「星の動き」と誤訳

司令室に入るニーラ。「そんなにまでして探さなくちゃいけないツールなんですか?」
オブライエン:「あれでロックしないと大事なシステムに誰が触るかわからない。」
ダックス:「オブライエン? アキーノ少尉※11見なかった?」
「いえ、見てませんが?」
「仕事に出てこないのよ、ステーションの外に出た記録はないんだけどどこにもいないの。」
「オドーに知らせました?」
「そうね、そうするわ?」
ニーラ:「スキャナー準備完了。」
オブライエン:「コンピューター、トリタニウムを検出して場所を特定しろ。」
「レベル3 のセクション5 にあります。」
「ツール用のロッカーだ。あそこはもう 3回も探した。」 構造図を見るオブライエン。「あれは?」
「パワーコンジットの中ですねえ。レベル12 のセクション8 です。」
「…何であんなところに。…コンピューター、コンジット閉鎖。パワーフロー停止。」
コンピューター:『コンジット閉鎖。』
「行こう。」

溶けた金属。
ニーラ:「これです、チーフ。」
アクセストンネルの中にいるオブライエン。「トリタニウム合金だ。…ツールが溶けたんだろ。」
ニーラ:「コンジット内のプラズマで溶けたんでしょうね。」
「ああ。だがそもそもなぜこんなところにあるんだ?」 オブライエンが持っていたトリコーダーに、別の反応が出る。「ああ? 有機物質の反応があるぞ。これじゃ真っ黒焦げでわからんが…サンプルを採って、ドクター・ベシアに調べてもらおう。」
道具を使って一部を取り出す。

ターボリフト。
オブライエン:「記録を見るとアキーノ少尉は、朝の 4時にコンジットの中に入ってる。恐らく異常を発見して…修理しようとしてたんだろう。」
ケイコ:「そこで事故に遭った。」
「恐らくね。プラズマで真っ黒に焼けてしまった。DNA を分析すればアキーノ少尉だとわかるだろ。」 プロムナードに来たオブライエンは、またジャンジャ・スティックの店に近づいた。「一本くれ。どうせまた君はいらないって言うんだろ?」 イリディア人がモーンと話しながら歩いていく。
ケイコ:「うーん。」
店主※12:「悪いが、売り切れだよ。」
オブライエン:「あ? ハハ、こんなにあるじゃないか。」
「あんたに売る気はない。」
オブライエンは店主の首元をつかんだ。「何だって? あ? 俺たちに売れないってどういう…」
ケイコ:「マイルズ!」
オドー:「何か問題か?」
オブライエン:「聞いてくれよ。」
店主:「こんな奴らに売る物は置いてないね!」
オドー:「…なぜ彼らに売りたくないんだね。」
またつっかかろうとするオブライエンを止めるケイコ。「マイルズ、行きましょう。」
オブライエン:「ああ…」
「いいから。」 店を離れる二人。
店主:「神の声を聞くがいい。」
オブライエン:「勝手に聞いてろ!」
ケイコ:「マイルズ!」
オドー:「…つまらんことで。」 歩いていく。
オブライエン:「…君の言うとおりだ。こんなところにいられるか。異動願いを出して…」
ケイコ:「ダメよ、今は逃げるわけにはいかないわ?」
ウィンの声が聞こえてきた。「放ってはおけません。」
ケイコ:「何かしら。」
「信仰を失ったら、我々ベイジョーの民は終わりです。」 教室にベイジョー人と集まっているウィン。「オブライエン先生が来たわ?」
「こんにちは。」
「あなたが御主人?」
オブライエン:「そうです。」
「はじめまして。奥様のことでいろいろお話を聞いてたところなの。子供や親御さんから。とてもいい先生でいらっしゃるようね?」
「その通りです。あなたにとやかく言われる筋合いはない。」
「あなたが怒るのはわかります。今の失言は許しましょう。オブライエン先生、あなたのことを誤解していたとしたら謝ります。どうでしょう。この先学校で、預言者について教える予定はあるの?」
ケイコ:「ありません。」
「…あなたの信念の強さには感服するわ。賛成はできないけど。私はできるだけこの子たちがあなたの学校に残れるような道を、探したいと思っているのよ。」
「子供たちや親御さんも、それを望んでると思いますわ。」
「ではそのためにまず、私が一歩譲りましょう。もうあなたに、預言や聖なる神殿について教えろとは言いませんから、ワームホールについては一切語らないで欲しいの。」
「無視しろと?」
「子供たちには、ほかにいくらでも教えることがあるでしょ?」
「でも、宇宙の成り立ちや変化について教える段階に来たら、避けては通れませんわ?」
「その時には私達が来て教えます。」
「教師の務めは、子供たちに知識を与えることです。知識を遠ざけることではありません。お断りします。」
騒ぐベイジョー人。
ウィン:「説得は無駄でしたわね。」
子供たちと共に、歩いていくベイジョー人たち。
後に残ったのは、ジェイクたち何人かの非ベイジョー人の子供だけだった。


※11: Ensign Aquino
オブライエンの部下なので准尉という可能性もあります

※12: Vendor
(Michael Eugene Fairman) 声:室園丈裕

司令室のシスコ。「アキーノが修理のためコンジットを止めたとしたら、誰が元に戻したんだ。」
オブライエン:「何らかの理由でコンピューターが自動的に戻してしまったのかもしれません。修理してる最中に…止めていたパワーフローが流れ出して、飲み込まれたんでしょう。」
ダックス:「そんなことってあるのかしら。」
「…妙なのはアキーノが…いや、いいんです。」
シスコ:「最後まで言え。」
「…私の道具を無断で持ちだしたんです。」
キラ:「朝の 4時よ、起こすのは悪いと思ったんでしょ?」
「待てばよかったんだ。宇宙艦隊の人間ならば、チーフの持ち物を無断で持ち出すなんてあり得ない。」
オドー:「つまり彼の死が事故ではなかったと言いたいのか?」
「それは何とも言えないが、ただそういう事実が、あったということです。」 ジェイクがターボリフトでやってくる。
シスコ:「オドー、この件を詳しく調べてみてくれ。以上だ。」 近づくジェイクに尋ねる。「何だ。」
ジェイク:「ちょっと話していい?」
「ああ。」 司令官室に向かうシスコ。「学校の話は聞いたよ。今日の授業は中止だったのか?」
「僕とあと 4人しか生徒が残らなくて。でも先生中止にしなかった。内容はガリレオの話に変えてさ? ガリレオは地球は太陽の周りを回ってるって言ったら、裁判にかけられたんだって。」
「彼の説は否定され、本は焼かれた。」
「何でそんなバカなことになったの?」
「その時代には、彼が正しいことがわからなかったのさ。」
「先生も同じ目に遭ってる。ワームホールの中に、聖なる神殿があるなんてバカげてるよ。」
「…バカげちゃいない。ベイジョーの立場になってみろ。50年以上の間カーデシアの支配下で、彼らを支えてきたのは強い信仰心だ。預言者の存在が希望の光だったんだ。」
「でも預言者なんかいないよ。ワームホールの中にいたのはエイリアンでしょ?」
「そのエイリアンは、過去や未来へ自在に行き来していた。預言者と考えてもおかしくはない。」
「本気で言ってる?」
「解釈の仕方は、それぞれだってことさ。信じられないからと言って、間違っているとは限らん。そうやって決めつけるようでは、ウィン司教と何も変わらないぞ。偏った考え方だよ。…そんな考え方をし始めたら、このステーションがバラバラになってしまう。」
「心配だね。」
「うん。」 ジェイクの手を握るシスコ。
「どうするの?」
「わからない。誰かに協力を求めるしかないな。」

惑星ベイジョー。
美しい庭園※13に立っているシスコ。石を川に投げる。
そこへ一人の男性が近づいた。「お待たせして申し訳ない、中佐。」
シスコ:「バライル司教※14。」 礼をし、耳を向けるシスコ。
バライル:「私に敬礼は不要です。」
「敬礼だって? 私はただ…。だってあなた方のベイジョーの司教は人に会えばまず耳をつかむじゃないですか。」
「そうです。気持ちのいいものじゃないでしょ。」
「大人ですから口には出しませんがね。」
「私が初めて僧侶に耳をつかまれたのは、5歳の時でした。非常に厳格な老司教で、私の耳をつかみ、パーを無理矢理引き出した。私もいたずら坊主だったので、しょっちゅうやられていました。だから誓ったのです。いつかきっとこの古くさい儀式を廃止してやるとね。」
「連邦を挙げて協力しますよ。」
笑うバライル。「お話をしながら、この花を植えてしまいたいんだが、いいでしょうか。112人もいる司教が一度にしゃべるのを、何時間も聞かされたものでね。無性に植物園が恋しくなりまして。」
シスコ:「園芸をなさるんですか?」
「…私は昔修道院の庭師をしていました。何の野心ももたず、ベイジョー一美しい花を咲かせることだけが夢だった。…だが預言者は私に平凡な人生を許しては下さらなかった。」 花をシスコに渡すバライル。「話は大体聞いています。ウィン司教がおたくのステーションに伺ったそうですね?」
「あなたの力で司教の方々を集め、学校の件を話し合うことはできないでしょうか。」 花を返すシスコ。
「…なぜ私に。」
「あなたは次のカイの最有力候補だ。ウィン司教とはかなり考え方も違う。」
「正しい情報を得ておられるようだ。」 土を掘り、花を植えるバライル。「残念だが中佐、司教たちは君とは会いたがらない。」
「なぜです。」
「…君のことを、神を恐れぬ者として疎ましく思う者もいるし。預言者からの使者として恐れる者もいる。ウィン司教も君を恐れ敬えと皆に教えている。恐れる気持ちが集まれば、どんな行動をも正当化してしまうものだ。今の私は、一司教に過ぎない。もし預言者の導きでカイとなる日がくれば、その時は君のよき友となれるだろう。」
「つまり今は、私の味方をすると将来に不利だと。」
「…預言者から忍耐を学んだ。」
「政治的策略も学んだようですね。」
立ち上がるバライル。「遥々来てくれたのに、力になれなくてすまなかった。せめて、心ゆくまで緑を楽しんでいってくれたまえ。」
バライルは歩いていく。シスコは手を広げ、周りを見つめた。

DS9。
帰ってきたシスコ。「今日はいつもより人が少ないようだが、気のせいかな。」
キラ:「ベイジョー人のクルーが 3名休んでるんです。…気分が悪いとかで。」
「連邦アレルギーがまた出たか。」
「それは何とも。」
「…ベイジョーと連邦がこれまで築いてきた協力関係を捨てる気か。」
「連邦が引き上げたらカーデシアが攻めてくるのは目に見えてるわ?」
「言っておくが連邦は、国境を守るためにだけここに駐屯していのではないんだ。もっと重要な目的がある。それはベイジョーとの信頼関係の確立だ。我々だって努力しているのだから、君たちの方でも協力姿勢を見せてもらいたいものだね。」
「私はできるだけの協力をしてきました。これまでも…」
「いいやまだ足りない!」
「……いろんな考え方を尊重したいとおっしゃったでしょ?」
「欠勤してるクルーに伝えてくれ。さっさと治して出てこい。さもなくば、よそに異動してもらうとな。」
「了解。」 離れるキラ。
ターボリフトで来たオドー。「司令官、アキーノ少尉の件でドクター・ベシアが新しい証拠を発見しました。」
ベシア:「やっと被害者の DNA分析が終わったんです。やはりアキーノでした。でも死因はパワーフローではありません。細胞膜の損傷具合を分析した結果、アキーノはパワーコンジットの中に入る前に、エネルギービームで撃たれているんです。」
オブライエン:「エネルギービームというと、フェイザーガン?」
オドー:「殺されたんでしょう。」


※13: ハリウッド、グリフィス・パークの Fern Dell で撮影。TNG パイロット版 "Encounter at Farpoint" 「未知への飛翔」ではホロデッキの森として使用

※14: ヴェデク・バライル Vedek Bareil
(フィリップ・アングリム Philip Anglim ブロードウェイで「エレファント・マン」(1979〜) を演じました) 初登場。フルネームはバライル・アントス (Bareil Antos) ですが、名が言及されるのは DS9第133話 "Resurrection" 「聖者の復活」。声:速水奨。今回だけで、後は全て安井邦彦さん

司令官室。
シスコ:「この殺人事件と学校の件は関係あると思うか。」
キラ:「彼が連邦で働いているからって、ベイジョー人が殺したと言うんですか?」
ベシア:「分析の結果、アキーノが殺されたのは、ウィン司教が来る前の晩です。学校の騒ぎが起きる前だ。」
シスコ:「ではどんな動機が考えられる。」 誰も答えられない。「まあいい、順を追って考えてみよう。まずアキーノはパワーコンジットを修理しに行った。」
オドー:「待って下さい、どうもそれが納得いかない。」
キラ:「でも記録が…」
「犯人がアリバイ作りのためにデータを偽造したのかもしれん。事件の夜のターボリフトの運行記録を調べました。アキーノはリフトを使っていますが行き先は、パワーコンジットではありませんでした。」
ダックス:「どこだったの?」
「シャトル格納庫 C。」
オブライエン:「シャトル? 朝の 4時にシャトルに何の用だ。」
「恐らくそこで彼は殺されたんでしょうな。」

ランナバウトから出てくるオブライエン。「シャトルの中は特に異常なしだ。」
ニーラ:「データが偽造された形跡も見られません。」
「じゃあシャトルのコンピューターをレベル1 の検査にかけて、終わりにしよう。」
「もうやりました。異常なしです。」
「……ああ、全くどこから探せばいいやら。…こんなに綺麗に証拠を消すとは大したもんだ。」
「……親しかったんですか?」
「アキーノと? いいや? 何か用があればちょっと話す程度だった。君は。」
「私もです。ベイジョー人は連邦の士官とは…あまり打ち解けませんから。」
「でもなぜ。」
「わかりません。ベイジョーって、閉鎖的なのかも。」
「君は、そうでもないよ?」
「…チーフに対してだけです。…だって…全然威張ったりしないし、とても…いい人だから。」
笑うオブライエン。「…ああ、じゃあ…後はやっとくから。君は、もういいよ?」
ニーラ:「いいんですか?」
「ああ、お疲れさん?」
「…それじゃあ。」 エアロックを出ていくニーラ。
「ああ…惚れるなよ、オブライエン?」

ベイジョー人たちがエアロックから降りてきた。
クワークがレプリマットにいるオドーに近づく。「俺に用だって? ちょっと待て? ベイジョーの団体旅行が来てるなんて知らなかったぞ? ありがとよ、早速ダボ・ガールを呼ばなきゃ。」
オドー:「あれは団体旅行じゃない。ウィン司教の支持者たちだ。ベイジョーの子供たちを今の学校から切り離す運動を支援しに来た。」
「信者たちか。そういうことなら、ダボ・ガールを倍に増やさないとな? 宗教家って案外、女好きが多いんだよ。」 笑うクワーク。
「お前を呼んだのはそんな話をするためじゃない。…アキーノ殺しについて知ってることを話してもらおう。」
「…うたぐってんのか? 長い付き合いだからもうわかってるだろ。俺はなあ、殺しはやらねえ。」
「ああ、だがお前の友達ならやる。」
「俺は友達を売るのなんか何とも思わねえ。だがあいにくだったな? 連邦の士官を殺したって奴は一人もいないんだよ。残念だな。」 プロムナードを歩いていくモーン。
2階からオブライエンが声をかける。「オドー。」
オドーはクワークに言った。「せいぜい情報を集めろ。※15
クワーク:「当然だろ。金儲けの秘訣の第7条だ。」 去る。
オブライエンが降りてきた。「セキュリティネットの改造用部品※16が落ちてた。」
オドー:「シャトル格納庫 C にあったのか。」
「いやあ、あそこじゃない。これが見つかったのは、全然別のところだ。…念のために、基地全体をスキャンしてみたんだよ。そしたらこいつが格納庫 A に落ちてた。」
「A だって?」
「アキーノは格納庫 A には近づいてない。おかしいじゃないか。」
「いいや、これで話が見えてきたぞ? あの晩アキーノ少尉はシャトル格納庫 C のセキュリティネットに異常を発見して修理をしに行った。そこで何かを、目撃してしまい殺されたんだ。犯人は死体をコンジットの中に入れ焼き捨てて始末した。そして格納庫 C に戻るのをやめて、計画を変更し格納庫 A に行ったんだ。」
「犯人の計画って、何をしようとしてたんだ。」
「恐らくシャトルを一機盗もうとしていたんだろう。」
「盗まれてないぞ?」
「ああ…そりゃ妙だな。計画を遂行するために人殺しまでしておきながら、それ以後何の行動も起こさない…」
突然、プロムナードに大きな音が響いた。騒ぐ人々。
オブライエン:「学校だ!」
駆けつける 2人。燃えさかる教室から、また火を吹いた。
オブライエン:「ケイコ!」
止めるオドー。「ああ、やめろ!」
オブライエン:「ケイコ!」
「危ない!」
ケイコが後ろからやってきた。「マイルズ!」 抱き合う二人。
ホースを持った士官が駆けつける。「危ないから下がって!」
消火が行われる。


※15: No.7 "Keep your ears open."

※16: セキュリティ・バイパスモジュール security bypass module

爆発後の教室に入るシスコ。「何かわかったか。」
キラ:「カボロダイン※17とインフェルナイト※18の残留反応があります。爆薬としては手に入りやすいものですね?」
オドー:「お手軽な自家製爆弾というわけか。」 みな外に出る。
ウィンが人々をかき分けてやってきた。「オブライエン先生は?」
シスコ:「ご主人が連れて帰りました。」
「無事? 誰か怪我人は?」
「いません。」
「…預言者が守って下さったのね?」
「今回の事件と預言者は何の関係もありません。あなたの声に扇動された何者かが、こんな過激な行動に走ったんじゃないですか。」
「私の責任だと言いたいの? こんな恐ろしい、テロ行為が!」
「あなたの言葉が発端でしょ?」
「預言者が今の言葉をお許しになりますよう。」
「そうやって預言者の名を出せば、信者がついてくると思ってるんですか。あなたの狙いは選挙の票集めだ! 違いますか。地元では、あなたを支持する人は少ない。だから新たな支持者を獲得するためにここに来たんでしょ。」
「今の話はバライル司教に吹き込まれたもの? あなたも彼も誤解しているわ。いいえ? それだけじゃない。思い違いをしているだけならまだ害はないけれど、あなたは私達ベイジョーを、破滅に導こうとしている。」
「破滅させる?」
「あなたは神の存在を信じていない。連邦の人間の精神は暗黒の中にあるのです。その暗黒に我々を引き込もうとしている。でも私が、そうはさせないわ。」
「今あなたは一つ、大きな間違いを犯しましたね。」
「そうかしら。」
「…我々とベイジョーは、このステーションで共に暮らし、協力しながら仕事をしてきた。ワームホールを守るため力を合わせて基地を動かし、共にガンマ宇宙域を、探索した仲間なんだ。ここにいるベイジョーの人々は、ちゃんとわかってくれてるはずだ。連邦はベイジョーの敵でもなければ、神に背を向けた悪魔でもないとな。」 キラを見るシスコ。「時には対立することもある。実際何度もひどい喧嘩をした。だがそのぶつかり合いの中から、お互いに対する理解と信頼が生まれていったんだ。あなたの作戦は失敗だ。学校は再開する。子供たちも戻ってくるだろう。時が経てば何が正しいかわかるはずだ。」
「どうかしら。」
歩いていくシスコ。キラも離れる。
ニーラはウィンと目を合わせた。

司令室に戻るシスコ。「奥さんの様子は。」
オブライエン:「ひどく怯えていますよ。でも、明日の授業はやる気です。貨物室を教室にしようかと言ってました。」
「ジェイクは出席させるよ、必ず。」
「伝えます、きっと喜ぶでしょう。」
「捜査の方は。」
「実は、格納庫 A のセキュリティネットが改造されかけていました。何者かがシャトルを盗もうとしていたに違いありません。アキーノはそれを発見したんでしょうねえ。…ですから、今は格納庫を全て閉鎖してあります。引き続き、調査していますが。」
ダックス:「ベンジャミン? バライル司教から、通信が入ってるわ? 今こちらへ向かってるそうよ?」
シスコ:「…スクリーン、オン。」
ベイジョー人と一緒にいるバライルが映る。『やあ中佐、せっかくの招待だからありがたく受けることにしたよ。』
シスコ:「招待ですか?」
『DS9 を見に来ないかと呼んでくれたろ?』
「…ええ…そうでした、司教。歓迎します。ただあいにく、プロムナードで事故があり、まだ片づけが済んでいないのですが。」 バライルを見るニーラ。
『ああ、そのことなら聞いたよ。私も事故処理に手を貸そう。』
「それはありがたい御言葉です。」
『友人として当然のことだ。ではまた後で会おう。』 通信は終わった。

ウィンの服装を整える僧侶。その寺院にニーラがやってきた。
ウィンに合図され、出ていく僧侶。
ウィン:「ニーラ、来るなと言ったでしょ?」
ニーラ:「シャトルのことを感づかれてしまいました。」
「…わかったわ。」
「もう逃げ道がありません。」
「それも預言者の思し召しとして受け入れましょう。」
「でもこのまま決行したら、私は捕まって処刑されます。」
ニーラの手を握るウィン。「預言者は時として私達に大きな犠牲を、強いることもあるのだけれど。でもそれは大いなる、未来のための犠牲なのよ?」
うなずくニーラ。

司令室のオブライエン。「何だ、これは? コンピューター、『ANA』という名のプログラムの中身は何だ。」
コンピューター:『そのファイルはセキュリティコードでガードされています。』
「誰がやった。」
『マイルズ・オブライエン・テクニカルチーフ。』
「俺が? こんなファイル見たことないぞ? ガードを解除しろ。」
『解除するにはセキュリティコードを入力して下さい。』
「ああ…ダックス大尉、セキュリティシステムに不審なファイルを発見しました。『ANA』※19という名のプログラムです。分離してみます。」
ダックス:「そのファイルは暗号で何重にもガードがかかってるわ? 解読に時間がかかりそうよ?」
「幸いこれはカーデシアのコンピューターだから、暗号は 7つまでしかかけられません。」
「解読開始。」
「オンライン。プログラム、ANA を解析。」
暗号解読が進んでいく。

ベイジョー船※20が DS9 にドッキングする。
プロムナードに集まったベイジョー人たちやモーンの前に、エアロックからキラと共にバライルが降りてきた。
オドー:「下がって! 前に出ないで! はい下がって!」
子供を抱くバライル。
オドー:「道を開けて! はい通ります!」
その様子を 2階から見ている者がいる。ケースを持っている。
オドー:「はい通ります! 下がって下さい! 道を開けて!」
2階にいたのはニーラだった。

解読が終わった。
オブライエン:「やった! コンピューター、プログラム ANA にアクセスしろ。セキュリティコード、4100RLX※21 だ。」
コンピューター:『アクセス中。』
「プログラムの内容は何だ。」
『シャトル格納庫 A に通じるルートにフォースフィールドを張るプログラムです。』
「フォースフィールド? そのルートを映してくれ。」
廊下の構造図が表示される。
ダックス:「プロムナードだわ。」
オブライエン:「コンピューター、プロムナードをレベル3 でスキャンしろ。少しでも変化があったら知らせろ。」
コンピューター:『スキャン中。』
「脱出ルートだ。」
ダックス:「何から逃げるの?」
「そこまでは。」
コンピューター:『1点変化がありました。』
「内容は?」
『9分7秒前に保安室の亜空間中継機が起動されています。』
「起動した目的は。」
『データ不足で解析不能。』
ダックス:「ほかのセキュリティシステムにもチェックをかけるわ。何か見つかったらすぐ知らせる。」
ターボリフトに乗るオブライエン。「プロムナード。」

バライルの周りで騒ぎ続ける人々。
バライルは寺院の前に立っているウィンに近づいた。
ウィンはバライルの耳に手を伸ばす。「待ってましたよ、バライル司教。」
バライルは遮るように、ウィンの手を取った。「我々の道は分かれましたが、再び一つにする努力をしましょう。」
ウィン:「ええ、私もそれを望んでいます。」
「学校へ行きましょう。対立を乗り越え、平和的解決を目指す姿勢を説こうではありませんか。」
「…いいですとも?」
歩き出す 2人に、シスコやキラもついていく。
その群衆の中に、ニーラも混じっていた。

到着するオブライエン。トリコーダーで保安室を調べると、パネルの中に反応があった。「コンピューター、亜空間中継機とアイソリニア・コプロセッサーはつながってるか?」
コンピューター:『つながっています。』
「…ダックス大尉。」
ダックス:『どうぞ。』
「アイソリニア・コプロセッサーでした。」

司令室のダックス。「その装置は 2日前検査したんでしょう?」

オブライエンは答えた。「…ええしました。ニーラと。」

無表情のニーラ。
バライルは学校の前で話し出した。「みんなのその目を見ればわかる。学校のこの惨状を見て憂いを抱いていることを。」

話すオブライエン。「狙いはプロムナードの武器探知機ですよ。アイソリニア・コプロセッサーの影響を受けるのはその装置しかない。」

ダックスは調べる。「武器探知機は正常に機能してるわよ?」

状況図を表示させるオブライエン。「異常があるはずだ。ニーラのことだから巧妙に、隠しているに違いないが。武器探知機以外ありえない。シスコ中佐。」

ケイコも見ている前で、話し続けるバライル。「かつて我が星は学問の都として、方々の星から旅人が集まってきて…」
通信を受けたシスコは教室の中で応える。「何だ、チーフ。」
オブライエン:『まだ確証はつかめませんが、プロムナードの武器探知機は多分作動していません。』
「一体どういうわけだ。」
『ニーラが細工をした可能性があります。』
「君の助手が?」

うなだれるオブライエン。「そうです。」

ウィンと手をつなぐバライル。「暴力では、真の解決は得られない。今一度手を取り合い、信頼を築き上げていこうではないか。」
一同から拍手が起こる。ケイコも手を叩く。
群衆を見るシスコ。
ニーラがいた。人々をかき分け、向かってくる。
シスコは振り返った。バライルは背を向け、ウィンと話している。
顔を戻すと、ニーラは更に近づいている。
ケースに手を伸ばすニーラ。そして銃を取りだした。
まだシスコには見えない。
ニーラは銃を持った手を伸ばした。
叫ぶシスコ。「やめろー!」
気づくオドー、キラ、そしてバライルとウィン。
シスコはベイジョー人の中に飛び込み、ニーラへ向かっていく。
事態に気づいた人々が騒ぎ出す。
ニーラの武器は真っ直ぐバライルを指している。
発射される銃。だがビームはそれ、2階部分に当たった。驚く人々。
ニーラから逃げる群衆。シスコは飛び込んだ。
ニーラはもう一発発射するが、床に当たっただけだ。シスコに取り押さえられる。
駆けつけるオドー。
ニーラ:「預言者の声に、従ったまでです! 預言者の声が、私を呼んだのです!」 連行される。
キラはウィンを見た。バライルを連れて行く僧侶。
ウィンの腕をつかむキラ。「狙いはバライルの暗殺ね? 学校への抗議も爆弾も、全てバライルをおびき寄せるためよ。彼を亡き者にして…自分がカイになるために。」
ウィンは無言で去った。後を追う僧侶。
キラは立ったままのシスコを見た。

司令室。
独りでいるキラに、やってきたシスコが近づく。「ニーラは単独犯行だと主張してる。預言者の声を聞いてやっただけだとな。」
キラ:「…口は割らないでしょうね? ウィンの陰謀は証明できないわ?」
「…大丈夫か。」
「…いいえ? ここ何年も、『大丈夫』って思ったことなんかないわ? 考え事してたの。去年の今頃は…私はどこかの沼でカーデシアと…必死に戦ってた。一年後にはカーデシアが撤退するなんて想像もつかなかった。こんなユニフォームを着て、ワームホールを守る仕事に就くなんて。」
「聖なる神殿を守ってるんだろ?」
「……ウィン司教の信仰の強さがうらやましかった。私も、預言を信じていたかった。」
「信じてるだろ? …私は艦隊への報告をまとめるから、君は休んでいたまえ。」
「手伝います。…司令官…司令官がウィン司教に言った言葉は、正しいと思います。ベイジョーと連邦の信頼関係は、確かに育ってます。だって司令官が悪魔だとは、思いません。」
微笑むシスコ。「少しは前進があったってことだな。」
2人は司令官室に入った。


※17: cabrodine

※18: infernite
訳出されていません

※19: セキュリティフィールド・サブシステム ANA security field subsystem ANA
元々はニーラではなくアナラ (Anara) というキャラクターのプログラムだっため、その名残。参考:前話 "Duet" 「謎のカーデシア星人」

※20: DS9第10話 "Move Along Home" 「死のゲーム」で登場した、ワディ船の使い回し

※21: 吹き替えでは「100RLX」

・感想
第1シーズン最終話は、ウィンとバライルの両ヴェデクが初登場した話です。一シーズンに 5、6回使えるというロケ撮影のほか、ケイコの学校が爆破されるシーンでは実際の炎が用いられています。DS9 は TNG 途中からとは違い、シーズン・フィナーレを明らかな前編とはせず、次のシーズン・プレミアを少し時間を置いた設定で続ける手法が使われています (第4・5シーズン間は邦題では前後編になっていますが、原題は別)。その中でも第1・2シーズン間は、最も緩やかなつながりと言えるでしょうね。
最初はキラがウィンの支持者であったことや、キラとバライルが絡むシーンは全くないことなど、興味深い点も見受けられます。シスコが「使者=選ばれし者」と呼ばれるのもパイロット版以来ですね。最後にウィンが捕まらないのが DS9 らしいところです。もっともそうなると、今後の展開が全く違ってくるのですが…。


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