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TOS エピソードガイド
第19話「怪獣ゴーンとの対決」
Arena

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・イントロダクション
※1惑星軌道上のエンタープライズ。
カーク:「トラヴァーズ准将※2のファンになるぞ。出す料理が素晴らしいんだ。」
マッコイ:「しかしセスタス3号星※3にまで自慢のコックを連れてきてるかどうか。」
「大丈夫、准将クラスならできるよ。」
笑うマッコイ。「特権階級はありがたいね…。」
スコット:「船長。」
通信に応えるカーク。「カークだ。」
『トラヴァーズだ、待ってるぞ?』
「ありがとう、これからゆくところだよ。」
トラヴァーズ:『くどいようだが戦略部の要員を連れてくるのを忘れないように頼むぞ?』
「了解、準備でき次第降りる。以上。」
スポック:「船長。准将は戦略部要員にかなりこだわってるようですが、なぜでしょう。」
「この植民星は、宇宙の孤島とも言える前哨基地だからな。専門家の意見を聞きたいんだろ?」
「それならそれでもっとほかに方法が…」
マッコイ:「スポック、余計な心配をするとせっかくの御馳走が不味くなるぞ? 久しぶりに手作りの料理が食べられるチャンスなのに…。」
「ドクター、あなたは感覚派ですね。」
「私には尖った耳がないからな? さ、早く行った方がいいぞ。」
笑うカーク。一行と共に転送台に立った。「転送。」

地上に転送される 6人。身構える。
近くの建物※4から、煙が上がっていた。
カーク:「カークからエンタープライズ。非常警戒。」
スールー※5:『どうしました。』
「観測基地が破壊されてる。」※6


※1: ハヤカワ文庫のノヴェライズ版は、「宇宙大作戦 謎の精神寄生体」収録「決闘場」になります

※2: Commodore Travers
声はゴーン人役の加藤さんが兼任

※3: Cestus III
初登場。吹き替えでは、なぜか「ダクネ3号星」。セスタスが言いにくかったのでしょうか…

※4: 1930年代の映画でアラモ砦として使われたセットを使用。崩壊の危険があるとして、60年代末に取り壊されました

※5: 声は通常の富山さんではなく、納谷六朗さん (VOY スールー、TNG レミック、DS9 初代ウェイユンなど) が代役で担当しています

※6: LD版のみ、最後のシーンで上の方に構造物が映っています (オープニング開けと同じ、引いた映像)

・本編
一行は隠れた。
カーク:「非常態勢。トライコーダーで探知分析。生物を探知。」
スポック:「私達が受けた連絡は、あの連絡はどういう意味なんでしょう。」
「偽だ。数日前に既に破壊されている。ラング※7! 生存者がいないか探せ。ケロイッツ※8、君は向こうだ。オハーリヒー※9は私と来い。」
「船長。あちらに反応があります。多分生存者のものと思われます。」
「ドクター。」
『航星日誌、宇宙暦 3045.6※10。エンタープライズはセスタス3号星観測基地の要請を受けて現場へ向かったが、観測基地は何者かに破壊されていた。』
マッコイ:「カーク! いたぞ!」 倒れている男、ハロルド大尉※11の治療を始める。
ハロルド:「ああ、駄目だ! 静かに…。」
「ショックと放射能による火傷だ。それに内部にも重傷を負ってて危険な状態だ。」
カーク:「死なしてはならん。彼が唯一の手がかりだ。」
スポック:「ほかの生命をキャッチしました。」
「…生存者か。」
「違いますね。血が冷たい。動物の一種ですが、人間ではありません。」
「…どこだ。」
「…方位角 93度、距離 1,570ヤード※12です。」
「…宇宙人か。」 オハーリヒーに指示するカーク。
オハーリヒー:「船長、向こうに何か…」 苦痛の表情になり、そのまま消滅してしまった。
爆弾が次々と投げられてきている。
カーク:「待機だ!※13 カークからエンタープライズ、全員転送して収容。」

スールー:「船長、攻撃を受けそうです。正体不明の宇宙船接近中。電磁スクリーンを張りましたので、転送できません※14。」

カーク:「スクリーンを取るな。全フェイザー発射!」

操作するスールー。「フェイザー発射しました。」
フェイザーを撃つエンタープライズ。
スールー:「敵もスクリーンを張っています。」

カーク:「船を守るために必要な全ての処置を執れ! 我々は何とかする。」

スールー:「攻撃を受けてるんですか? だったらスクリーンを取って…」

カーク:「今スクリーンを取ってはならん! まず船の安全を確保したまえ。以上。」

操縦するスールー。

カーク:「今スクリーンを取ったら、敵は必ずフェイザー攻撃を掛けてくる。」
近くで大爆発が起こった。砂が降り注ぐ。
スポック:「これでは望みは全くありません。我々の武器はわずかにフェイザーガンだけです。」
カーク:「今さら何を言っても仕方がない。最後まで戦うだけだ。」

ハロルドを運び、建物に隠れる一同。
カーク:「ケロイッツ、ラング、散開しろ。ミスター・スポックの指示に従って反撃開始。見えなくてもいい。近いぞ、伏せろ! …ああ、ここにいては何もできん。エンタープライズは。」
スポック:「ミスター・スールーは信頼できる士官です。」
「エンタープライズは私の船だぞ。敵の姿も見えん。」
「ここなら当分安全です。あの丘陵地帯が障害になって敵もこれ以上攻撃できません。」 丘が見える。
「ここの兵器庫は、どこにあったか覚えてるか。」
「確か、あちらに 100ヤードほど行ったところです。しかし無事に行けるかどうか。」
「やってみよう。」 独り建物を抜け出し、走るカーク。
すぐ近くを爆弾が襲う。這って隠れた。「カークだ、報告。」

スールー:「船長、大丈夫ですか。」

カーク:「私より船はどうなんだ。」

スールー:「敵の攻撃は全て反射しました。電磁スクリーンを通しません。」

カーク:「光子魚雷発射準備。」

スールー:「わかりました。光子魚雷、発射準備。」

カーク:「敵宇宙船の正体は判明したか。」
スールー:『いいえ。全装備を使用しても確認が不可能です。それに非常に遠いので、肉眼でも見えません。』

ナビゲーターのデュパル大尉※15。「ミスター・スールー、光子魚雷発射準備よし。」
スールー:「光子魚雷、発射準備よし。」

カーク:「全魚雷発射!」

エンタープライズは光子魚雷を発射した。
スールー:「発射しました。」

カーク:「スールー。」 音声が乱れ、調整する。「今度は通信を妨害してきたぞ。」
また走り出すカーク。爆風に飛ばされる。「注意して聞け。船を守るためには何をしてもいいぞ。軌道を離れても構わん、わかったな?」

スールー:「…しかし船長は。」

カーク:「私はいいから船を守りたまえ!」

スールー:「…はい。光子魚雷、反応ありません。…軌道を離れます。」

※16カーク:「よーし。チャンスを見て連絡しろ。」

操縦するスールー。
※17エンタープライズはセスタス3号星を離れていく。

カークは兵器庫に入った。

負傷者に近づくスポック。「容態はどうです。」
マッコイ:「納得いく手当をしないと、30分で死んでしまうぞ。」

トリコーダーを使うスポック。「移動を始めた。船長に報告します。」 建物を出た。
容赦なく爆弾が襲う。
スポックは兵器庫の前に来た。武器を用意しているカーク※18
スポック:「船長、敵は移動を始めました。丘へ向かっています。トライコーダーをやられた。」
投げ捨てると、
爆発した。
スポック:「恐ろしい敵ですね、逆探知してトライコーダーを発見し破壊しました。」
カーク:「感心している場合ではない。手榴弾発射機※19を据えるんだ。…ラング!」
「エンタープライズから連絡は?」
「周回軌道を離れた。」
ケロイッツが来た。「ラングがやられました。」
カーク:「…敵を見たか。」
「いいえ。」
「…目標位置を想定したまえ。どこにいると思う。」
「もし自分なら、右手の丘を狙います。距離、1,200ヤード。方位角 87度。」
セットするカーク。
ケロイッツ:「移動したと見えて、かなり近くなってきましたね。」
カーク:「一発で全滅させてやる。」
離れるスポックとケロイッツ。セットを終えたカークもだ。
そして発射機から打ち出された。
丘のところで、巨大な爆発と光が発生する※20
静かになった。
呼び出しに応えるカーク。「カークだ。」
スールー:『船長、敵は後退を始めました。探知機によると、敵船の転送装置が作動しています。』
「敵船の位置を常に捕捉。逃がしてはならん。」

スールー:「はい。…スクリーンを取ったので、転送できます。」

カーク:「生存者捜索のために 30名からなる医療班を編成して派遣準備。転送ルームに連絡。我々は帰還する。」

スールー:「わかりました。」

『航星日誌、補足。医療班を収容したエンタープライズは、直ちに敵船追跡に移った。敵は銀河の果て、人類未到の宇宙に逃走していく。』
医療室。
カーク:「何があったんだ。」
ハロルド:「…走査機が、接近する宇宙船をキャッチして。別に珍しくありませんが、施設を利用するためにみんなよく来ますし。」
「知ってる。」
「その宇宙船は、普通の巡航速度で…レギュラーコースを取ってきました。ところがいきなり我々のフェイザー装置を破壊したんです。それから地獄でした。…だってまさか攻撃を受けるとは。あそこには狙われるような価値のあるものはありません!」
「冷静に、落ち着いて。」
「奴ら、メチャメチャに…フェイザーより強力な武器で攻撃してきました。……自分は…奴らに、何とか連絡をつけて…降伏しようと思った。女や子供がいるので攻撃を中止しろって頼んだんですが、聞き入れずに攻撃を続けてきました…。」
「…大尉※21、エンタープライズは 2度連絡を受けた。セスタス3号星からだ。…1度目はエンタープライズの来訪を要請し、2度目は私に戦略要員を連れてこいと言ってきた。」
「…我々は丸一日前にやられてましたよ。…連絡できるわけがありませんね。なぜ奴らそんなことを。なぜです! ※22…なぜそんなことをしたんです。…わけがあるはずですよ。何かわけがあるはずですよ!※23

自室のカーク。「きっと罠だ。エンタープライズをセスタス3号星に呼び、我々を地上におびき寄せようとした。」
スポック:「でしょうね。しかし何のために。」
「理由は言うまでもない。地球連邦※24のこの地域を守るのは、エンタープライズだけだ。我々を破壊すれば、全ての道は開ける。」
「地球連邦侵略ですか。証拠もなしにそんな重大な…」
「証拠はセスタス3号星にいくらでもある。」
「結論を出すのは早すぎますね。考えられる理由はほかにも…」
「あの大量虐殺は何のためだ! 説明できるか。考えるまでもない。理由は一つ。…侵略だ。」
「……わかりました。そうなれば、問題の宇宙船を本国に帰さないようにしなければなりませんね?」
「もちろんだ。…宇宙船を破壊して戦力を誇示すれば、今後二度と攻撃してこないだろう。ミスター・スールー。」
スールー:『はい船長。』
「敵の宇宙船の速度は。」
『ワープ5 です。』
「ワープ6 に増速。」
『増速します。』
「フェイザー砲座、船長だ。…敵船に狙いをつけろ。攻撃準備をして待機。」
警報が鳴る。無表情のスポック。
カーク:「船長から総員に告ぐ。戦闘準備。総員戦闘配置につけ。非常事態、繰り返す。非常事態、これは訓練ではない。総員戦闘配置につけ!」


※7: Lang
(ジェイムズ・ファーレイ James Farley) 資料では階級が大尉になっていますが、実際は少佐

※8: Kelowitz
(グラント・ウッズ Grant Woods 1968年10月に死去) TOS第14話 "The Galileo Seven" 「ゴリラの惑星」以来の登場。資料では階級が少佐になっていますが、実際は大尉。声:飯塚昭三?

※9: O'Herlihy
(ジェリー・アイレス Jerry Ayres TOS第47話 "Obsession" 「復讐! ガス怪獣」のリッツォ少尉 (Ensign Rizzo) 役) 赤シャツ。資料では階級が大尉になっていますが、実際は少尉 (以下) です。吹き替えでは「オーリヒー」と聞こえます

※10: 吹き替えでは「0401.7136」

※11: Lt. Harold
(トム・トロープ Tom Troupe) 名前は言及されていません。声:中江真司

※12: 吹き替えでは全て、数字はそのままで「メートル」

※13: カークが岩に寄りかかったとき、わずかに動いています

※14: この設定が言及されるのは初めて

※15: Lieutenant DePaul
(ショーン・ケニー Sean Kenney TOS第16話 "The Menagerie" 「タロス星の幻怪人」のパイク船長 (負傷) Captain Pike (Injured) 役) 初登場。声:石森達幸

※16: TOS の国内オンエア分では、カット部分が存在しています。完全版ビデオ (第1シーズンの一部) および DVD には吹き替えつきで完全収録されており、このエピソードガイドでは色を変えている個所にあたります (スーパーチャンネル版との比較)。LD では基本的に、その部分だけ字幕収録です

※17: 更に、このエピソードの LD版はノーカットではありません。オンエア版・LD版の両方でカットされている部分は、紫色にしています

※18: スポックが来るときに手榴弾の箱を地面に置いているカークが、カットが切り替わると再び箱を置いています

※19: 擲弾発射筒 Grenade launcher

※20: 効果音は光子魚雷と同じ

※21: 吹き替えでは「尉」

※22: 黄色の部分は、LD版だけのカットを意味しています。つまり国内オンエア版 (スーパーチャンネル版も) にはあるのに、LD ではカットされている個所です (脚注※17 も参照)

※23: LD版では、この部分は字幕

※24: 今回の「連邦 (Federation)」の訳語

『航星日誌、宇宙暦 3046.2※25。我々はセスタス3号星の地球前哨基地を破壊した、謎の宇宙船を追跡中だ。』
ブリッジ。
日誌の記録を終えたカーク。「ミスター・デュパル。」
デュパル:「はい。」
「位置は?」
「現在宇宙チャートから、22.3パーセク外れています。」
「全走査機をコンピューターバンクにロック。事件を完全に記録しろ。スポック、この付近の情報を知らせろ。」
イヤーレシーバーをつけているスポック。「探検の記録もなく、情報もほとんどありません。超宇宙チャンネルで謎の信号をキャッチしたという噂がありますが、これも一度も記録されていません。」
カーク:「知能の発達した生物について何か。」
「確証は何もなく、非科学的な噂だけです。と言うよりも、伝説に似た。」

「…ミスター・スールー、敵船の現状報告。」
スールー:「追跡されていると気づいたらしく、ワープ6 に増速しました。」
スクリーンを見るカーク。「ワープ7 に増速。」
スールー:「…増速します。」
「…何か気になるのかね?」
スポック:「ワープ7 で継続飛行するのは危険だと思いますが※26。」
「忠告はありがたいが……逃がしたくない。」
スコット:「捕まえるか自爆するかどっちかですよ。向こうが速かったらどうします。」
「…簡単には逃がさない。……意見があるのかね?」
スポック:「本気で敵船を破壊するつもりですか。」
「もちろんだ。」
「追いつめるだけで、効果はあると思いますがどうでしょう。破壊は必要ないかもしれません。」
「セスタス3号星の基地が抹殺されたんだぞ。」
「…今さら敵船を破壊してももう基地は救えません。」
「もしこのまま反撃を加えずに彼らを逃がせば、また必ず連邦の基地を攻撃してくる。」
「しかし、彼らも感覚のある生物でしょうから無闇に…」
「同情の余地はない。」 船長席を降りるカーク。「これは原則論だ、ここでは我々が唯一の警察だ。犯罪者には必ず償いをさせなければならん。」
「…わかりました。」
「わかればそれでいい。ミスター・スールー、報告。」
スールー:「敵船との距離は縮まりません。敵も、ワープ7 です。」
「……ワープ8 に増速。」
驚くクルー。
スールー:「増速します。」
カーク:「船長からフェイザー砲座。全砲座発射準備。エネルギーを注入。」
通信が聞こえる。『全砲座発射準備。』 『全砲座発射準備。』 『エネルギー注入。』 『エネルギー注入。』 『戦闘態勢…』 『戦闘態勢で待機!』


ブリッジ。
スールー:「船長!」
カーク:「何だ、ミスター・スールー。」
「目標に接近中。」
「よーし、ミスター・デュパル。」
デュパル:「はい。」
「現在位置は。」
「…2279-PL です。…2466-PM 方向に新しい太陽系を発見。」
「…敵はそこへ向かってるのか。」
「いいえ、避けているようです。」
ウフーラ:「船長、探知光線にキャッチされました。」
カーク:「…敵船のか。」
「いえ、前方の太陽系から出ています。」
「妨害及び破壊活動は。」
「ありません。探知光線だけです。でも、波長が変わっています。」
「ミスター・スポック。」
スコープを覗くスポック。「我々に、興味を抱く者がいるようですねえ。」
カーク:「…ミスター・スールー。敵船は問題の太陽系をまだ避けてるか。」
スールー:「はい、避けています。」
「ウフーラ大尉※27、探知光線はその後どうだ。」
ウフーラ:「敵意はないようです。武器や誘導光線ではないと思われますが、光線の密度が増してきました。…少しずつ、正確に。次第に強くなってきます。」
スールー:「船長!」
カーク:「どうかしたか。」
「敵船が、スピードを落としました。ワープ、5。4、ワープ2。…光速を割りました。…船長。……敵船は完全に停止。」
「反撃してくるかもしれんぞ。」
「…いいえ。静止したままです。」
「…間違いないか。」
「…はい、動きません。」
「…ついに捕まえたぞ。戦闘配置につけ※28。フェイザー砲発射用意、探知光線。ミスター・スールー、接近を続けろ。ミスター・スポック、フェイザーをコンピューターにロック、コンピューター攻撃の準備。」
スポック:「コンピューター、攻撃準備よし。全装備待機中!」
スールー:「距離、1,810。1,760。距離、1,700。1,640。距離、1,590。1,550、接近中。」
突然船が揺れた。
スールー:「スピードが落ちました! ワープ4、ワープ3、ワープ1! 光速を割りました! …停止しました。信じられないことです。」 星の動きが止まっている。
操舵席のスイッチを押してみるカーク。
スールー:「こんなバカなことが!」
カーク:「ワープ8 から急停止。」
スポック:「敵船と同じですね。」
「…チャーリー、報告。」
スコット:「全てが止まってしまいました、凍ったように。推進装置は、全てゼロを指してます。」
「環境装置は。」
「全て正常です。船内空気、温度、光線、異常ありません。」
「フェイザーバンク、報告。」
クルー:『全装置使用できません。エネルギーがなくなりました。回路に故障はないんですが、突然エネルギーがなくなって。』
「被害調査、報告。」
スポック:「いかなる装置にも確認できうる、被害はありません。」
「どういうことだ、これは。」
スコット:「わかりません、とにかく動けなくなりました。」
スポック:「コントロールされているんでしょう。…犯人は問題の太陽系にいます。」
カーク:「こんな遠くなのに、無理だ。」
「無理でも事実です。」
「…誘導光線か。」
「いいえ? 謎の、エネルギーですね。」
すると、ブリッジ内に光が明滅し始めた。
今まで星が映っていただけのスクリーンに、色とりどりの模様。
声が聞こえる。『我々はメトロン※29である。…諸君は、ほかの宇宙船と共に暴力を振るうために我々の宇宙へ侵入してきた。分析の結果、諸君は遺伝的に暴力行為を好むことが判明したので、これは許せない。従って諸君の性格に最もふさわしい方法で、紛争を解決できる場を与える。…ジェイムス・カーク船長。』
カーク:「…私だ。」
メトロン人:『君たちに適した大気をもつ、ある惑星を用意した。そこへ君たちが追跡してきたゴーン宇宙船の船長と行き、紛争を解決してもらいたい。』
「よく、わからないが。」
『装備として、記録翻訳機を貸し与える。このコンテストの記録によって今後諸君の仲間が、我々の宇宙に侵入するのを思い留まることを望むからだ。宇宙船との連絡は一切許されない!』
「我々の行為を妨害する権利が…」
『妨害しているのは君たちで、我々はただそれに終止符を打ちたいだけだ。惑星にはお互いを破壊できる武器を作れる、ある種の要素が十分に用意されている。相手を破壊することが、君たちの望みであるはずだ。このコンテストに勝った者は無事帰途につくことを許され、敗れた者は自己の宇宙船と共に宇宙平和のために抹殺される。これは知能対知能、暴力対暴力のコンテストで、結果が全てを決定する。』
「ちょっと待って…」
『議論の余地は残されていない。実行あるのみだ。』
カークが消えた。叫ぶウフーラ。
スールー:「船長が消えた!」
片眉を上げるスポック。

爬虫類型の異星人が振り向いた。そのそばにはカーク。
ゴーン人※30は口を開け、咆哮を上げる。


※25: 吹き替えでは「0401.7142」

※26: ワープ6 が通常・継続速度の限界と初めて設定

※27: 吹き替えでは全て「尉」。シリーズ中一貫して、ウフーラの階級は大尉です

※28: 原語では「非常態勢に移行」と言っています。前にカークが自室にいたときに非常警報を発令し、その後は特に状況が変わっていないはずですが…

※29: Metron
声はヴィク・ペリン (Vic Perrin、TOS第3話 "The Corbomite Maneuver" 「謎の球体」の子供ベイロック (Balok) の声、第16話 "The Menagerie" 「タロス星の幻怪人」の飼育係 (The Keeper) の声、第37話 "The Changeling" 「超小型宇宙船ノーマッドの謎」のノーマッド (Nomad) の声、第39話 "Mirror, Mirror" 「イオン嵐の恐怖」の Tharn 役。1989年7月に死去)。吹き替えは八代駿

※30: Gorn
(ゲーリー・コーンブス Gary Coombs TOS スタント代役、映画 ST2 "The Wrath of Khan" 「カーンの逆襲」のスタント) (ボビー・クラーク Bobby Clark TOS スタント/代役) キャラクターとしては当然一人ですが、演じているのは 2人のようです。原語の声はメトロン人役と同じヴィク・ペリン。Wah Chang 製作
このロケはカリフォルニア州ロサンゼルス近くのヴァスケス・ロックス (Vasquez Rocks) で撮影。TOS第17話 "Shore Leave" 「おかしなおかしな遊園惑星」、第20話 "The Alternative Factor" 「二つの宇宙」、第32話 "Friday's Child" 「宿敵クリンゴンの出現」、TNG第52話 "Who Watches the Watchers?" 「守護神伝説」、DS9第21話 "The Homecoming" 「帰ってきた英雄 パート1」、映画 ST4 "The Voyage Home" 「故郷への長い道」などでも使用されています。そのほかに映画「ビルとテッドの地獄旅行」(1991)、「フリントストーン/モダン石器時代」(1994)、「スコーピオン・キング」(2002) でも

カーク:『※31宇宙の侵略者を追跡中、エンタープライズ※32は突如謎の力によって全てのエネルギーを奪い去られてしまい、私はある惑星※33に転送されて、敵船の船長と顔を合わせることになった。何の武器も持たず、メトロンがゴーンと呼んだ怪獣と対決しなければならないのだ。怪獣を見たとき、私は爬虫類に抱くような激しい悪寒を覚えた。だが、これは非常に知能の発達した生物なのだ。それを忘れてはならない。私にとって、危険な恐るべき相手である。』
エンタープライズはエネルギーを失っている。

辺りを見るゴーン人。木の枝を簡単に折った。
カークも別の木から、何とか枝を取る。
向かってくるゴーン。
枝を振りかざす。木に当たり、先が折れた。
枝を捨て、素手で向かってくるゴーン人。カークの方が素早いが、効いていない。
蹴ろうとしたカークは脚を取られ、投げ飛ばされた。取っ組み合う。
頭を攻撃し、その隙にカークは岩場へと逃げた。両手で石を持ってくる。
ゴーンに向かって投げ、身体に命中した。だが大して効果はないようだ。
ゴーン人は近くにあった、巨大な岩を持ち上げた。投げ飛ばされた岩を避けるカーク。
奥へ逃げ出した。ゆっくりと追うゴーン。

スポックは尋ねた。「充電してみたか。」
スコット:「はい、効果はありません。」
「…どうだろう、変圧バンクを探る回路を使い、補助エンジンに直接充電したら。」
「それもやってみましたが、駄目です。」
「…ウフーラ大尉。」
ウフーラ:「はい。」
「我々をストップさせたエネルギーの正体は分析機で解明できたか。」
「できませんが前方の太陽系から出ていることは間違いありません。」
「成分についても手がかりなしかね。磁力や電子は含まれていないのか?」
「…わかりません。」


カークは腰につけられていた装置を起動した。「私はエンタープライズ船長、ジェイムス・カークだ。これを聞いたら、宇宙艦隊司令部※34へ伝えて欲しい。…私は今、ゴーンと呼ばれる生物と戦闘する羽目に陥っている。」

ゴーン人も同じ装置を手に持ち、カークの話を聞いていた。『ゴーンは強い。人間ならばとっくに死んでいるほどの攻撃を受けても、ビクともしない。だが、つけ込む隙はある。身体は頑丈だが、動きの機敏さに欠ける。恐らく知能も高くはないようだ。』

カーク:「私とゴーンを、この星に送り込んだのは…メトロンという謎の生物だが、武器になる材料をこの星に…用意してあると、そう言った。だがここにあるものと言えば岩ぐらいだ。」 辺りは荒涼としている。「鉱物資源は豊富なようだが、我々の言う意味での武器にはならない。…早く武器を手に入れなければ。素手で、ゴーンと戦っては…勝ち目はない。」

命じるスポック。「通信チャンネルは開いたままにしておけ。」
ウフーラ:「了解。」
ブリッジに来たマッコイ。「どうするつもりだ、スポック?」
スポック:「待つのですよ、ドクター。ほかにできることはありません。」
「船長はどうする。」
「…助ける手があればやりますが。…今は何も。」
「お得意の理論でも見当はつかんのか。船長がどこにいるか。
…どうなんだ、スポック。」
「宇宙のどこかです。ここから千パーセクの範囲内のどこかには存在するでしょうが…我々にできることは、何もありません。」

スクリーンを見るマッコイ。

走っていたカークは、落ちていた竹のような枝に気づいた。大して強度はなく、放り捨てる。

ゴーン人は岩場のふもとで、長い根を手にしている。

カークは転がっていた石に気づいた。また装置を手にする。「惑星表面に大量のダイヤを発見した。ダイヤは宇宙で最も固い物質かもしれない。…しかも角が鋭く尖っている。だが小さくて武器には使えない。…目の前に莫大な財産がある。」
カークは宝石を全て放り捨てた。「しかし今は財産よりも、フェイザーガンか…固い棍棒が欲しい。メトロンは、どこかに武器があると言った。それさえ見つかれば。どこだろう。どんな武器だ。」
ゴーンの咆哮が聞こえてきた。更に上に登るカーク。

ゴーンが石を削っている様子を、上から見るカーク。
ふと、岩山の崖に大きな岩があるのに気づいた。
岩に近づくカーク。それを押す。
ゴーン人は気づいておらず、笑っているようだ。
ついに崖から落とされた。見上げるゴーン。
ゴーン人の叫び声が聞こえ、白い煙が上がった。岩の下で倒れている。
微笑むカークは、岩山を降りていく。

ゴーンの前まで来たが、カークは動きを止めた。倒れているゴーン人が動き出した。
岩をどける。再び逃げるカーク。
だがゴーン人の方を見ながら走っていたため、前に張られている根に気づかなかった。
引っかかり、上から岩が落ちてくる。挟まれた。
ゴーンが向かってくる。岩を削ったナイフを振り上げる。


※31: 吹き替えでは「航星日誌、宇宙暦 0401.7148」と挿入されています

※32: 吹き替えでは「エンタープライズ

※33: 原語では「惑星」

※34: 吹き替えでは「連邦司令部」

ナイフを振り下ろすゴーン人から、カークはギリギリのところで身をかわした。足を怪我したが、逃げ出す。

スポックはスイッチを押した。「U.S.S.エンタープライズからメトロンへ。チャンネルオープンにした、応答頼む。」
返答はない。
スポック:「至急緊急会議を開きたい。応答頼む。」
スクリーンに変化は見られない。

追うゴーン。

カークは装置を手にした。「これで最期かもしれない。もう、疲れ果ててしまった。…もしメトロンが予告した武器を発見できなければ、勝つ見込みはない。」

カークの通信を聞き、見上げるゴーン人。

そばの黄色い粉に触れるカーク。「硫黄にダイヤ。ここは鉱物学者にとっては夢の国だろうが。」

ゴーンは上り続ける。

カーク:「そうだ。確か何かが…硫黄について、古い話を聞いた記憶がある。」 ゴーンのうなり声を聞いた。「それを、思い出せたら。」
足を引きずり、歩き出すカーク。


エンタープライズ。
マッコイ:「宇宙船が、エンジンも武器も全て使い物にならなくなったなんてとっても信じられん。」
スポック:「うん。しかし、事実だから仕方ないでしょう。」 船長席に座る。
スクリーンに再び反応が現れた。『我々はメトロンだ。戦いはカーク船長に不利である。従って諸君の文明の習慣である、何らかの儀式の準備をすることを勧めたい。残り時間は非常に少ないと思われる。』
マッコイ:「…文明の名において君たちに要求する。…愚かなことはやめろ!」
『君たちの暴力行為及びそれを好む性格は、君たちが文明人でないことを証明している。しかし、自分たちの船長を案ずる感情ぐらいもっているかもしれない。また自分たちの最期が近づいたことを知る意味においても、現在行われてることを諸君に紹介しよう。』
スクリーンの映像が切り替わり、ゴーン人が見えてきた。
驚くウフーラ。逃げるカークも映る。
マッコイ:「何とか連絡できる方法はないのか。」
スポック:「連絡さえできたら望みはあります。ほら、あの岩の表面に何かついているでしょう?」
カークのそばの岩に、白い粉がついている。
マッコイ:「何だ。」
スポック:「私の判断では、あれは硝酸カリウムです。」
「それで?」
「ひょっとするとこれは…」
カークが粉を舐めてみたのが見える。
スポック:「運命を決しますね。」
迫るゴーン。カークは微笑んだ。

カークが岩山を降りたのが、スクリーンに映っている。
カークの元に声※35が届く。『地球人※36、船長。』
カーク:『誰だ、メトロンか!』
『貴様の相手だ、地球人。貴様が言ったことは全部翻訳機で聞いたぞ。』
『だからどうなんだ。』
装置を手にしているゴーン人。『もう追うのは飽きた。そこで待ってろ。できるだけ苦しまないように早く殺してやる。』
カーク:『なぜセスタス3号星を破壊した…』
『貴様たちが侵略して、俺たちの宇宙に前哨基地を造ったからだ。』
『人類を虐殺した償いはさせるぞ…』
『侵略者を殺しただけだ。仲間の貴様も殺してやる!』
マッコイ:「本当だろうか。あのセスタス3号星が彼らの惑星だったなんて。」
スポック:「可能性は十分にありますね。銀河の果ての資料はまだほとんどないので。」
「…じゃ侵略者は我々か。」
「多分ね。結論は、外交官によって出されるべきでしょう。」
「ゴーンは自己防衛の手段に出ただけかもしれん。」
「そうです。」
2人の様子を見るスポックたち。
カークは太い筒状の植物を手にした。
スポック:「素晴らしい※37。…そう。そうだ。」
今度はロープを切り始めたカーク。
「船長は知ってますよ。理論的に考えたんだ。」
筒とロープを持って登っていく。
スポック:「いいぞ?」
マッコイ:「何をする気なんだ。」
「素晴らしい発明ですよ。まず硝酸カリウム。」
カークが白い粉を筒に入れている。
スポック:「後は何とか硫黄と木炭を手に入れたら。石炭でもいい。」
ゴーンはただ追いかけるだけだ。
マッコイ:「何をしてる。」
スポック:「ダイヤだ、最も固い物質だ。強い力で一気に押し出されたら恐るべき弾丸になりますよ。」
「強い力?」
「初級化学で習いませんでしたか? 火薬※38です。」
ダイヤを入れていたカークに、またゴーン人の声が届く。『船長。無駄な抵抗はやめろ。貴様の負けだ。早く負けを認めろ。逃げても、無駄だ。』

今度は硫黄を入れるカーク。

下に降りてきた。黒い物質を見つける。
スポック:「石炭だ。」

カークは石炭を筒に入れた。

追いかけるゴーン人。

今までに集めた物を、全て出すカーク。
石炭を砕く。

うなずくスポック。

カークは筒に穴を開ける。
それぞれの粉を混合する。
それを筒に入れていく。

マッコイ:「大丈夫かな。」
スポック:「…時間さえあればできますね。…後は時間が全てです。」※39

枝を手にするカーク。

筒に突っ込んで固める。
ズボンの一部を破り、丸めた。
ダイヤを入れていく。

見守るスポックたち。

翻訳機で火花を飛ばすカーク。
布に火種がついた。
ゴーンはもう見えるところまで来ている。
筒を設置するカーク。

無言で見るブリッジのクルー。

カークは筒の穴に、火種を置いた。撃ち出される。
ゴーン人に直撃した。
壊れた筒が転がる。
倒れたゴーンにはダイヤの破片が突き刺さり、血が出ていた。ナイフを取り落とす。
カークはそれを拾い、ゴーンの喉に突き立てた。
うなるゴーン人。
カーク:「…いや。…殺すのはやめよう。…ひょっとすると君たちは、自己防衛のつもりで基地を攻撃したのかもしれん。」 ナイフを捨て、宙に叫んだ。「私は殺さんぞ。聞こえたか。余興を見たければどこかほかへ行け。」
すると、ゴーンの身体が消えた。
そして白い服を着た人物が現れる。
カーク:「…メトロン※40か。」
メトロン人:『私の外見は期待に反したかな。』
「…少年のように見える。」
『地球の年齢に換算すれば私は約1,500歳だ。私も少なからず驚いた。』
「なぜだ。」
『自分を殺したかもしれない敵に最期のとどめを刺さなかったのは、君が哀れみの心をもっている証拠で、我々としては期待していなかったことだ。これなら君たち人類にも望みがある。従って、君たちの命は奪わない。命を奪うのは、野蛮なことだ。』
「…ゴーンはどうなった。」
『彼の宇宙船へ戻した。もし望むなら、君に代わって破壊してもいい。』
「いや、破壊する必要はない。…話し合おう。話し合いで、解決できるかもしれん。」
『非常によろしい。大いに望みはある。多分、これから数千年後に君たち人類と我々は、協定を結べるしれない。君たちは野蛮だが、望みはある。時が来たらこちらから連絡する。』
メトロン人は消えた。

待機しているブリッジ。
突然カークが現れた。身なりも元に戻っている。
ウフーラ:「船長! 大丈夫ですか。」
カーク:「らしいね。…この感じでは。さあみんな、持ち場に戻りたまえ。ここを出よう。」
スールー:「…船長!」
「どうした。」
「信じられませんが、シリアス星※41が突然あんなに遠くなってしまって。カノパス星※42も。アルカニス星※43も。我々は…急に銀河を半分も戻ってしまいました。500パーセク飛んだことになります。さっきの場所から。どうしてこんな。」
「理由は考えない方がいい。セスタス3号星にコースをセットしたまえ。」
「わかりました。」
カークの肩に手を置き、マッコイは出ていった。
スポック:「船長が原始的な大砲を撃ったところで、メトロンが送っていた映像は消えてしまいました。」
カーク:「事件を見てたのか。」
「ええ、ほとんど。あれからどうなったか興味があるんですが。」
「…我々は非常に将来性のある種族らしいね。君はそれに気づいたことあるかね?」
「それはちょっと疑問ですね?」
「確信がある、私にはね。多分そうだなあ恐らく千年ぐらい後には、それを証明できるだろう。…そう変な顔するな、何となくそんな気がするだけだ。ミスター・スールー、セスタス3号星へ戻ろう。ワープ1 で前進。」
スールー:「ワープ1 で前進。」
スポック:「千年後ですか。」
カーク:「それまでは生きていたいな。」
「ほーう。」
セスタス3号星へ向かうエンタープライズ。


※35: 声:加藤精三、DS9 オドー、TNG トモロク

※36: 通常の human ではなく、Earthling

※37: "Fascinating."

※38: gunpowder

※39: LD版では、この後 CM に入るようなブラックアウトを挟みます

※40: Metron
(キャロル・シェリン Carole Shelyne) 声:八代駿

※41: シリウス Sirius
「犬の星」として知られる、おおいぬ座アルファ星

※42: カノープス Canopus
りゅうこつ座アルファ星。ヴォイジャーなどの NASA 探査機も、飛行の指針として使用しています

※43: Archanis
初言及

・感想など
TOS を代表する着ぐるみ異星人、ゴーンの登場です。というよりも着ぐるみは基本的に TOS でしか見られないので、ST 全体を代表すると言っても構わないわけですが。何かと馬鹿にされがちですが、改めて見るとなかなか造形も凝っています。口も動きますし、岩場で顔だけ出したり、翻訳機をマイクばりに持って話したり姿はユーモラスですね。再登場を望む方もいるかも…?
ST では珍しく、フレドリック・W・ブラウン (1906〜72) の SF短編 "Arena" 「闘技場」 (SF雑誌 Astounding の 1944年6月号掲載、「スポンサーから一言」に収録) が、原作になっています。もちろんジーン・クーンによって、ST らしい味つけがされているわけですが。同作品を原作にもつのは、「アウターリミッツ」のエピソード「宇宙の決闘」も同じです (メトロン人とゴーン人の両方の声を担当したヴィク・ペリンは、アウターリミッツのナレーションでもあります)。
このエピソードの映像は、「ビルとテッドの地獄旅行」(1991) や「コーンヘッズ」(1993) で使われています。DS9 でイエイツ船長の故郷として言及されるセスタスがダクネになっているのは謎ですが、何より LD がノーカット版ではない (しかもオンエア版とも異なるカット) というのが驚きですね。今までにエピソードガイドで手がけた中では初めてですけど、あんなに高価だったのに…。


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