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ディープスペースナイン エピソードガイド
第98話「可変種の脅威 第二幕」(前)
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・イントロダクション
私に用かといって、ガラックの仕立て屋に入ってくるオドー。およびだてしてすみませんというガラック※1に、盗難事件かと聞く。ガラックは奥を見ながら、いいえと答える。するとオレンジの新しい服を着た女性が出てきた。服を見せ、似合うと聞く。ガラックは美しいものとは永遠の喜びとはまさにこのことだという。頂くわ、仕事の時に着るつもりだという女性。オドーと目が合う。ガラックは当店一のお得意様、シャラン・アロイヤ※2さんだと紹介した。新しくできたベイジョーレストラン「天空カフェ」※3のオーナーだ。オドーと握手するアロイヤ。もちろん知っていますと答えるオドー。アロイヤは毎朝オドーが巡回するのを見ている、9時37分きっかりという。よくご存知ですねというオドー。微笑むガラック。アロイヤは非番の時に店に来てとオドーを誘う。食事をしないのでというオドーに、付き合うくらいいいでしょう、考えといてねといってでていくアロイヤ。今度レベル2に来た時には、忘れずに声をかけてと言い残した。
私を呼ぶのは事件が起きた時だけにしてもらいたいというオドー。事件ならたった今見たというガラック。デートの約束もなしにアロイヤを返すなんてひどい、現行犯逮捕したいくらいだという。お前たちヒューマノイドは取りつかれたように年がら年中異性と交尾することばかり考えているとあきれるオドー。ガラックは時間を割くだけの価値があると考えている、なぜあなたほどの鋭い感受性をおもちの方がヒューマノイドのさまざまな面を探求しようとしないんでしょうかという。お前たちとは違う、そんな観念の奴隷になる気は毛頭ないと答えるオドー。しかしガラックは彼女は素敵な人ということは認めるでしょうといい、オドーも確かにそれは言えるといった。店を出て行くオドー。その時、急にオドーは声を上げ、体をもだえさせた。どうしたんですと聞くガラック。オドーはわからんと答えつつ、何度も大きく苦痛の声を上げる。体の一部が液体化しようとしている。そのまま倒れてしまった。ガラックはかけより、ベシアに連絡を入れ救急医療班を至急よこすように頼んだ。

※1: エリム・ガラック Elim Garak 前話 "Body Parts" 「クワーク、絶体絶命」に続いて登場

※2: Chalan Aroya (ジル・ジェイコブスン Jill Jacobson TNG第38話 "The Royale" 「ホテル・ロイヤルの謎」のヴァネッサ (Vanessa) 役) ベイジョー人

※3: Celestial Cafe


・本編
ベッドに横たわり、時間の無駄ですよというオドー。可変種の生理機能もよくわからないのに、発作の原因なんてわかるわけないという。ベシアはある程度の見当はつく、この4年間に行ったバイオスキャン結果と比較するという。オドーがヒューマノイドの姿になっている時は、体の比重は決まって1.4になっている。値が変わるのは変身する時だけだったが、今は値が変動して不安定になっているというベシア。原因や再発を防ぐ方法はと聞くオドーに、まだわからないと答えるベシア。わかったら教えてくださいと起き上がろうとするオドー。だがベシアはそれを止め、横になっているように言う。また不安定になって発作を起こしかねないという。治療が終わるまでですかというオドーに対し、あるいは値が収まるまでというベシア。成長過程における普通の症状だろう、可変種の思春期か、更年期かという。それは面白い意見ですね、だがここだけの話にしといてくださいというオドー。ベシアは冗談だ、多分ウイルスか細菌に感染したんだという。寝るようにいい、できるだけ検査を済ませ早く解放してあげるようにするという。オドーは仕方なく、言われる通りにした。
上級士官室のモニター。ガウロン※4が話している。連邦がクリンゴンが征服したカーデシアの領地を返還するするように要請していることについて、侮辱的かつ挑発的だという。ガウロンは手に入れるために血を流す努力をした、今やクリンゴン帝国の一部だという。連邦に帝国との平和的共存を望む気があるのなら、アーケイナス※5星域にある全ての宇宙基地と軍事施設から撤退することだというガウロン。アーケイナス4号星※6とその周辺は長年主張してきたが、帝国のものであり譲るつもりはないという。撤退するつもりがないのなら、戦闘準備を整えておくことだと言った。帝国に栄えあれといって、ガウロンの話は締めくくられた。シスコは3日前、この映像が連邦評議会の下に届いたという。アーケイナスを巡って戦争を仕掛けるつもりなら、ガウロンは予想以上に危険な存在になっているというウォーフ。キラはアーケイナス4号星の件は100年前に決着したはずでしょうという。気が変わったんじゃないというダックス。ガウロンにとってアーケイナス星系などどうでもいい、単に武力を行使する口実に過ぎない、問題はなぜかだというシスコ。クルゾンの昔の友達が外交団にいて昨日話したが、連邦側の代表はクリンゴン領との境界線で先制攻撃をしかけんとする勢いだというダックス。戦争は避けられない様ですねと言うキラに、そうならないことを祈るというシスコ。現時点ではすることは何もない、アーケイナス4号星ははるか彼方の星だという。ふいにキラがくしゃみを連発し始めた。ダックスは数え始め、賭けましょうという。ダックスは7回、シスコは8回、ウォーフは10回といった。キラはやっとでくしゃみを止め、妊娠なんて嫌いという。勝ちだというシスコ。鼻がむずむずしっぱなしと言うキラに、ベシアに診てもらったらどうだというシスコ。キラは大丈夫、地球人女性のつわりと同じなんですと説明する。ドクターはそれどころじゃないと思うという。オドーの容体はと聞くシスコに、後からお見舞いに行ってみますというキラ。弱っているところを見られたくないと思うというウォーフ。話し相手がいれば少しは気が紛れるというダックスに、プライバシーを大事にする男だという。ダックスはそう見せてるだけよという。ウォーフが本人から聞いたというと、じゃああなたに心を開いたってことでしょうというダックス。ウォーフはシスコに、前のクルゾン・ダックスもこんなに口が達者でしたかと聞く。もちろんと即答するシスコ。お褒めにあずかり光栄だわというダックス。シスコはオドーも起き上がれるだろうから、そっとしておこうという。またくしゃみをするキラに、よろしいというシスコ。
医療室に入るキラ。ドクター・ベシアはいませんというオドーに、あなたのお見舞いに来たのと言う。本当のことを言うと独りにしておいて欲しいというオドー。キラはすぐに失礼する、これを届けに来たといって、パッドを手渡した。本日の犯罪事件レポートだ。一日中医療室の壁を眺めているんじゃ退屈だろうと思ってと言うキラに、お気遣い感謝しますというオドー。ほかに用があったらいつでもいってと言うキラ。オドーは礼を言い、一生懸命パッドを見ている。キラは微笑み、部屋を出ていった。オドーはパッドを見ながら、ふいにまさかとつぶやいた。ベッドから身を起こす。
貨物室で、部下に指示を与えるボスリク人の女性船長※7。早くステーションを離れてせいせいしたいでしょうという。残念だが行かせるわけにはいかんといって、オドーがやってきた。保安チーフじゃない、ご病気じゃなかったのという船長。オドーはじっくり聞かせてもらおう、盗んだファレンジのダイヤモンド※8はどこにあると聞く。知らないって前にも言ったと思うという船長に、もう一度聞こうかというオドー。歩き出す船長。逃げられると思ってるのかとオドーが歩き出したその時、また発作が起きた。驚いて見つめる船長の前で、オドーはみるみる形を失い、液体化してしまった。行くわよと部下に命じ、急いでエアロックに入る船長。一瞬手の形が浮き出たが、再び液体になってしまった。

※4: Gowron (ロバート・オライリー Robert O'Reilly) クリンゴン最高評議会総裁。TNG第73・74話 "The Way of the Warrior, Part I and II" 「クリンゴンの暴挙(前)(後)」以来の登場

※5: アルカニス星 Archanis TOS第19話 "Arena" 「怪獣ゴーンとの決闘」でスールーが言及した恒星

※6: アーカニス4 Archanis IV TOS第66話 "Day of the Dove" 「宇宙の怪! 怒りを喰う!?」でチェコフに言及された惑星

※7: 名前は Rionoj (Leslie Bevis) DS9第52話 "The Abandoned" 「捨て子の秘密」以来の登場。初めて名前が設定されましたが、セリフ中には登場していません

※8: Falangian diamond


ベシアが気分はどうとベッドにいるオドーに尋ねる。オドーは見ての通りですと体をベシアに見せる。腹の辺りは液体化しかけていて、顔を含め体中も完全な固体を保てず、溶けた様になっている。悪化しているというベシア。さすがよくおわかりですね、ヒューマノイドの姿でいるのが難しくなってきていますというオドー。実は検査結果も思わしくない、分子構造が激しく変動して危険値に達しているとベシアは言う。オドーはヒューマノイドの姿を保つ能力を完全に失うまで、どれくらいですと尋ねる。ベシアは1週間か10日か、このまま変動しつづければの話だという。うなずくオドー。ドクター・モラ※9に検査結果を送っておいたことを話すベシア。彼も首を捻っていた、もっとよく検査したいから研究室に来て欲しいといっていたという。オドーは7年間も実験道具にされてきたのだから、もううんざりだという。それにモラの検査に答えがあればベシアも知っているはずだといい、ベシアは艦隊医療センターで受診するのは嫌かと聞く。オドーはお互い行くべき場所は分かっているはずですという。できれば行きたくなかったというベシアに、ほかに手はありません、私を同胞の下に連れていってくださいとオドーはいった。今の私を救えるのは、創設者たちですという。
シスコはガンマ宇宙域に入り次第、直ちに亜空間信号を送って任務の目的を説明するという。そしてドミニオンの領域で、創設者たちの新しい基地を探す。オドーの体は数週間が限界です、それまでに探し出せるかしらと言うキラ。ベシアはドミニオンの領域に真っ向から侵入したら気づかれるという。それは間違いないというシスコ。キラは同行するというが、シスコはオドーが心配なのはわかるが残ってくれ、その体ではと許可しない。大きくくしゃみするキラ。わかってます、出発はと聞く。ベシアはすぐにでもという。我々は出発準備、君たちはオドーを頼むというシスコ。
出発準備完了というオブライエンに、ありがとうというシスコ。ベシアは医療室もOKだが、オドーの乗船には時間がかかりそうだという。ウォーフが転送装置を使えばいいというが、オドーの分子構造は不安定で分子に分解するのは危険だというベシア。その時ダックスが誰かが乗船許可を求めているという。それはガラックだ。カーデシア人スパイなどお断りといってやれというウォーフ。ベシアはガラックが乗船許可を求めるなんて、何かわけがあるはずですという。ガラックを食堂に通し、そこで直接話すことにするシスコ。
ディファイアントの食堂。2名の保安部員に、艦隊の幹部も堅いこといってないで、ユニフォームにアクセサリーくらい付けさせても構わないじゃないですかねと話してかけるガラック。スカーフをしたら見違えるという。シスコが入ってきた。おいで頂いて光栄ですというガラック。理由を手短にというシスコに、ガラックは創設者たちに質問したいことがあるから同行させてくれという。ドミニオンとの戦いで、カーデシア帝国は戦艦を何隻も失ったが、乗組員がどうなったかどうしても知りたいんですという。※10全滅した印象を受けたというシスコ。でも記憶によると、ディファイアントが戦場を離れた時にはまだカーデシア戦艦は何隻も残っていたというガラック。シスコは捕虜になっている可能性があるというのかと聞く。希望は捨てない主義ですとガラック。同行させて頂けるのなら必ず役に立つ、私は非常に多彩な男ですからという。シスコはこの任務に仕立て屋もスパイも必要ない、だが一つだけ任務を与えてやってもいいという。今回オドーには長旅になる、そばについて話をし、気を紛らわせてやって欲しいと頼む。友達になれということですねというガラックに、いや、それは誰にでもなれるというシスコ。ダックス、ベシア、私、だが何を与えてやれば彼は喜ぶと聞く。愛か同情か、疎まれるだけだというシスコ。私なら愛の代わりに謎を提供する、同情の代わりに好奇心をくすぐる何かを与えるとガラックは言う。私をベッドの横においてくだされば、オドーの痛みを忘れさせてあげるという。オブシディアンオーダーでの体験を、嘘と真実を交えて語ればオドーは現実を忘れ、数日間はとりこだという。何といってもカーデシア人は弁が立つのは有名ですからといった。シスコは任務を与えることにするが、創設者に仲間の安否を尋ねるのはオドーの手当てが済んでからだという。当然そのつもりでしたというガラックに、その言葉を忘れるなとシスコは言った。
医療室のドアが開き、キラとベシアに付き添われたオドーが出てきた。痛みに声を上げるオドーは、さらに液体化が進んでいる。クワークがやってきた。今忙しいんだというオドーに、あんたガンマ宇宙域にいくんだってというクワーク。一緒に行くかというオドー。クワークはまさか、鬼のいぬ間にこの基地を乗っ取ってやるという。密輸品の粗利だけでも60%は固いというクワークに、油断は禁物だ、気づかれない様に帰ってきて後悔させてやるからなというオドー。じゃあ戻ってくるんだなというクワーク。オドーは覚悟してろと言った。クワークはわかったといい、うなずくオドー。
オドーは自分で歩き始める。ゆっくりね、船はあなたを置いて発進しないと言うキラ。一歩一歩ゆっくりと歩くオドー。クワークも見守っている。ベシアはプロムナードの人をどけようかというが、オドーはその必要はありませんという。たくさんの人がいるが、エアロックまでは自然に道ができていた。
エアロックを離れ、発進するディファイアント。ワームホールに入る。
ワームホールを通過した。シスコは救難信号を発信し、ドミニオン領域にコースをセットするように命じる。不思議だな、ディファイアントに乗るまでは遮蔽装置のない船でも平気だったのに、今は遮蔽しないと裸みたいだとつぶやくオブライエン。確かに多少不安になるというウォーフ。シスコは実は私も同じ気持ちだという。笑みを浮かべるダックスに、なぜ笑うんですと聞くオブライエン。ダックスは、だってこんなにたくさんの裸の男に囲まれているなんておかしいじゃないといった。
ロミュラン帝国のメロック総督※11が暗殺された事件について話し始めるガラック。亡くなる数週間前にお会いした、ガラックは庭師としてカーデシア大使館で働いていたという。庭師をと聞くオドーに、エドシアラン※12の栽培が得意でね、美しいが猛毒を持っているというガラック。確かメロック総督の死因は薬物による中毒死だったなというオドー。ガラックはよく覚えていません、しかも同じ年にロミュランの高官が何人も謎の死を遂げたという。それじゃ政治は混乱しただろうなといいながら、オドーの検査を行うベシア。もう大混乱ですというガラック。ベシアはオドーをいい加減休ませてやったらどうだという。休みたくなったらその時に言いますというオドー。ロミュラン星のカーデシア大使館※13で庭師と働いていたとは、それは面白いと言った。
ディファイアントのブリッジ。勤務を終えたある晩、部屋に戻るとケイコとキラ少佐が話していたというオブライエン。するとオブライエンを見るなり話を止め、まるでホロプラグラムを切ったみたいにという。聞かれたくない話だったんだろうというウォーフ。その通りです、どうせ悪口に決まってますというオブライエン。シスコは決め付けることはないというが、オブライエンはモリーが僕の顔を見て笑ってましたからという。笑うダックス。笑ってください、うちは女ばかりだから笑われる、今度ジュリアンに来てもらおうとオブライエンは言った。その時ダックスが前方にワープサインを探知した。ようやく気づいてくれた見たいねという。シスコは停止させ、スクリーンに表示させる。そこには10隻にも及ぼうかというジェムハダーの戦艦が映し出された。相手を刺激したようだなとシスコは言った。

※9: ドクター・モーラ・ポル Dr. Mora Pol オドーを研究したベイジョー人科学者。DS9第32話 "The Alternate" 「流動体生物の秘密」に登場

※10: DS9第66話 "Improbable Cause"、第67話 "The Die Is Cast" 「姿なき連合艦隊(前)(後)」より

※11: Proconsul Merrok

※12: Edosian orchid

※13: Cardassian embassy on Romulus ロミュラン星 (ロミュラス) は、TNG第107話 "Unification, Part I" 「潜入! ロミュラン帝国(前)」に初登場


ディファイアントはジェムハダー戦艦に完全に包囲された。通信が入り、協議のため代表団を転送したいといってきた。ウォーフはドミニオンを乗船許可を与えるのは危険ですといい、オブライエンもスクリーンで話せば済むことですという。だがシスコは隠し事をしていると思われたくない、オドーのことで力を貸してもらわねばといって、ダックスに転送室に代表団をよこすように伝えてくれと命じる。しかしその直後、ブリッジに創設者と武器を構えたジェムハダーが転送されてきた。武器を構えるダックスたち。ジェムハダーの1人はオブライエンに近寄ると、胸元を握り締めた。痛みに叫び声を上げるオブライエン。その創設者の女性リーダー※14は、もういいわ、離しなさいという。手を離すジェムハダー。リーダーは皆さん武器をしまって、争う気はありませんという。武器を下げるクルーとジェムハダー。ダックスがオブライエンに大丈夫と聞く。何とかと答えるオブライエン。リーダーがオドーはどうですと聞く。力を借りたいというシスコに、偉大なるつながりに頼るほかないという。オドーを渡せば無事に帰しますというリーダーに、お断りしますというシスコ。ジェムハダーのアマティガン※15が、創設者の言葉だぞ、口答えは許さんといってシスコに武器を向ける。お前は黙っていなさいと制するリーダー。オドーを心配する気持ちは私も同じですという。言い争うのはやめましょう、どこへ向かえばいいのか教えてください、一刻も早くオドーを楽にしたいというシスコ。あなたの誠意には頭が下がります、今後の旅にオドーを同伴することは構わないが、基地を教えるわけにはいかないとリーダーはいう。そしてダックスに操縦席を降りるように言い、これからはアマティガンが操縦するという。これは交渉ではありません、従って頂きますというリーダー。シスコは席を譲るように命じた。席を立つダックス。アマティガンは小さな機械を手に持ち、それを取り付けると軌跡が記録されない仕組みになっているという。席に座るアマティガン。ウォーフが艦長というが、シスコは黙っていろという。機械を作動させると、モニターに映っていた映像が乱れ、消えた。リーダーはご迷惑でなければ、オドーのところへ案内してと頼んだ。
この格好は変ですかとベシアに聞くガラック。ベシアはどうでもいいというが、ガラックはカーデシア帝国の代表としてお会いするのだから好印象を与えたいという。オドーにどう思うか意見を求める。オドーはメロック総督を毒殺したのはロミュラン人だろうな、それにウスタード副司令官※16が転送事故で死んだのはお前の責任にほかならないという。私の格好のことですというガラック。扉が開き、失礼するわといって創設者のリーダーが入ってきた。横になったままでお許しくださいというオドーに、可哀相にこんな姿になってというリーダー。見栄えはしないでしょうなというオドーに、あなたが外見的な要素に価値観をもっているとは思わなかったという。そのような感性は固形種特有のものだというリーダー。ベシアはお話し中のところ悪いが、オドーを助けて頂けませんかと頼む。リーダーはオドーに自分の手を握るようにいう。最初はそうしたがらないオドーに、恐がらないでという。ゆっくりと手を延ばすオドー。結んだところが液体化し始め、オドーは声を上げる。そして一旦全てオドーの体が液体化したかと思うと、再び元に戻った。溶けかかっていた体はほとんど治っている。驚いたというガラック。気分はと聞くリーダーに、オドーはまだ集中していないと液化してしまうという。ベシアもモニターを見て、分子構造に変動はあるがさっきからすると安定しているという。リーダーは2人きりで話したいから下がるようにいう。主治医だというベシアに武器を向けるジェムハダー。オドーは大丈夫ですといった。わかった、何かあったら外にいるからというベシア。リーダーに話しかけようとするガラックに後にしろという。もちろんですというガラック。ベシアと一緒に出て行く。リーダーはジェムハダーにも聞かれたくない話だから外に出るようにいう。ジェムハダーと連邦の保安部員も外に出た。
できればこんな状況下で話し合いたくなかったという女性リーダー。私は元々話し合うつもりなんかないというオドーに、自分から帰ってくるのを待っていたという。あなたが好きだったあのベイジョー人の女も、ほかの男に心変わりしたようだしというリーダー。キラ少佐とシャカール首相か、よくご存知ですねとオドーは言う。リーダーはたとえ故郷に変えるのを拒んでも、元に戻してあげるという。オドーは体調を崩したことをどこでどうやって知ったんですと聞く。我々が知らないことは何もないというリーダーに、もしやDS9を離れる前からご存知だったのではと聞く。どうかしらというリーダー。オドーはこれはあなたの仕業ですね、病気になれば帰郷せざるを得ないという計算だという。こんな形で会いたくなかった、残念ですというリーダー。あなたは同胞を殺したわねと言った。友人を殺そうとしたから仕方なかったというオドー※17。リーダーはこれは裏切りよ、同胞を捨て固形種を選んだという。彼らのために我々の種族の神聖な掟を破ったという。可変種は決して同胞を傷つけない、オドーはそれを破った。リーダーはだから強制手段に踏み切った、偉大なるつながりで裁かれますというのだった。

※14: 名前を持たない Founder Leader (サロメ・ジェンス Salome Jens TNG第146話 "The Chase" 「命のメッセージ」の古代のヒューマノイド役) DS9第60話 "Heart of Stone" 「可変種の定め」以来の登場

※15: Amat'igan (Andrew Hawkes)

※16: Subcommander Ustard

※17: DS9第72話 "The Adversary" 「忍び寄る可変種の脅威」より。ディファイアントに侵入した可変種を殺しました


オドーはどういうことです、私が裁かれるとはと聞く。偉大なるつながりに溶け込み、心を開けば我々に伝わってきますというリーダー。そこで初めて、オドーの行動が許されるか審議されるのだ。許し難いと判断されれば、罰を受けるという。どんな罰ですとオドーは聞くが、リーダーは今回の事件は我が種族の歴史上初のケースであることを忘れないでという。同胞に対する裁判というものを行ったことはなく、遅れてきたのはそのせいだという。実はオドーに関する対処に関し、創設者の間でも意見が割れていたという。面倒をおかけして申し訳ありませんというオドー。リーダーはかつてあなたを送り出した我々の責任だという。罰せられるのは私なんでしょうというオドーに、それはまだわかりませんと答えるリーダー。もし嫌だといったらどうします、偉大なるつながりに入りたくないといったらというオドー。リーダーは今は一時的に症状を抑えているだけで、治す方法は1つだけ、偉大なるつながりを拒絶したらあなたは死ぬわと言った。リーダーは扉を開け、ベシアに入るようにいう。そっとしておいてください、オドーは疲れてますからと言った。気を付けますといい、中に入るベシア。
出てきたリーダーに、少々お時間よろしいでしょうかといってガラックが話しかける。お前はカーデシア人ですねというリーダー。ガラックは代表として、戦闘後に生き残った者がいたかお聞きしたいという。カーデシア人の残党がというリーダー。あの戦闘で生き残ったものは誰もいませんといった。つまり全滅とおっしゃるですかというガラック。リーダーは跡形もなく消え去った、我々に戦いを挑んだのが間違いだったのですという。これで質問には答えましたというリーダーに、ガラックは微笑みお会いできて光栄でしたといった。だがリーダーが歩いていった後、その笑いは消えた。
ジェムハダーに取り囲まれたまま、ワープ航行を続けるディファイアント。食堂でシスコたち3人が話している。オブライエンはオドーが創設者の下に行くなら、こっそり通信バッジを付けさせたいという。創設者は何でもお見通しだというウォーフ。オブライエンは何とか転送信号をロックオンする方法はないかなという。シスコは放射性物質を注入したらどうだという。転送装置をロックオンするにはいいが、偉大なるつながり全体に流れ出す危険性があるというオブライエン。流動体生物がうじゃうじゃ転送されてきますという。そこへ余計な心配はご無用といって、オドーが入ってきた。体はまた溶けかかっている。寝てなくていいのかというシスコに、会うっていって聞かないというベシア。オドーは助けようとなさっているようですが、どうか放っておいてくださいという。何をされるかわからないのに、黙ってみていろというのかというオブライエンに、そうですというオドー。裁判を受けたい、私は同胞を傷つけた唯一の可変種だという。数々の犯罪を裁いてきた私が、自分の番になって逃げるわけにはいかないというオドー。シスコは正当な裁判が行われるとは限らないといい、オブライエンはドミニオンと創設者の噂は色々聞いている、正義なんて鼻にもかけない連中だという。オドーはそうだとしても私の仲間です、どんな裁きでも受け入れる覚悟はできていますと言った。
ブリッジに戻るシスコ。報告を求めるとダックスがとりあえずは異常はなく、詳細が知りたければナビゲーターにお聞きくださいという。後どれくらいだとシスコが聞くと、アマティガンは目的地に到着したら教えてやるという。リーダーは後1時間足らずで、我々の星まで転送可能な領域に入るという。軌道に入ったら、オドーと私の2人を地表へ転送してくださいという。ドクター・ベシアと私も行きますというシスコに、お望みならというリーダー。オドーは数日間戻りませんというと、待ちましょうとシスコは言う。
岩場に転送される4人。周りには可変種が液化した海、すなわち偉大なるつながりが広がっている。行きましょうというリーダー。先に中へ入り、溶け込んだ。オドーはシスコたちの方を振り返ると、笑顔でうなずいた。そして偉大なるつながりへ溶け込んでいった。


何日経ちましたと聞くベシアに、わからなくなったとシスコは答える。僕もですといい、周りの海に石を投げようとするベシア。シスコはドクターと言って止めた。そうか、危ないというベシア。
ディファイアントの通路。ウォーフは部下に待つように言い、一人でジェフリーズチューブの中に入った。
ガラックがコンソールを開け、配列盤を操作している。ウォーフが後ろから肩をつかみ、その場からどかせる。やはりな、思った通りだというウォーフ。警備モニターをチェックしていただけですというガラックに、嘘をつけ、お前は量子魚雷のコントロールを支配するつもりだったんだろうというウォーフ。ガラックはフェイザー砲もです、手が回りませんでしたという。やるなら今が絶好のチャンスです、ドミニオンの脅威を取り除く、ディファイアントの戦闘力があればあんな惑星燃えかす同然にできるという。個人的に素晴らしいアイデアだと思いますがねというガラックに、オドーやシスコ艦長やドクター・ベシアはどうなるというウォーフ。死ぬでしょう、それにこれがジェムハダーに知れたら私たちも同じ運命だというガラック。だがアルファ宇宙域を救うためなら、私たちの命くらい犠牲にしたって惜しくはないという。ウォーフは我々は戦争をしに来たのではないという。戦争ではなく、あの惑星ごと創設者たちをこの手で葬り去るんですとガラックはいう。偉大なるつながりを抹消してやるんです、手を組みましょうと言い出す。あなたはクリンゴン人でしょう、この程度の殺戮など自己防衛という言葉で簡単に片づけられるんじゃないですかというガラック。私は戦士だ、殺人者じゃないとウォーフはいった。ガラックはがっかりだ、見損ないましたと言い後ろを向いたと思った瞬間、ウォーフに殴り掛かった。取っ組み合いの殴り合いを始める2人。一時はガラックが優勢になるものの、結局ウォーフが勝ち、ガラックをねじ伏せた。スパイにしてはまあまあだというウォーフ。
波の変化に気づいたシスコが、見ろとベシアに言う。うねる波の中に、一瞬叫ぶオドーの姿が見えた。そして岩場にオドーが打ち上げられた。裸だ。大丈夫かと声をかけるシスコ。トリコーダーで調べるベシアは、奇妙な数値が出ているという。続いて創設者のリーダーも固体化し、姿を現した。彼に何をしたと聞くシスコ。リーダーは裁判は終わったという。心臓や肺、消化器官がありますというベシア。これではまるで人間ですと言った。望むものを与えました、あなたがたと同じ人間にしたのですというリーダー。オドーに近寄り、可哀相に、死なせてあげるべきだったという。その方がどんなに楽だったことかという。シスコにオドーを頼む、連れて行きなさいというリーダー。シスコはディファイアントに命じ、3名を転送させた。後にはリーダーと、彼方に広がる偉大なるつながりが残った。
オドーの血液を採取するベシア。いくら見つめたって変わりませんよというオドー。ただの血だ、体から可変体の細胞質が跡形もなく消えているというベシア。採取した3つの試験管に入った血液は、赤い液体のままだ。O-型だ、念のためというベシア。オドーはよく覚えておきましょうという。生理学的にも完全に人間だというベシアに、この顔を除けばねというオドー。ベシアもそこが不思議だ、なぜ変えなかったんだろうという。オドーはわざと残したんでしょう、持っていたもの、失ったものを決して忘れないようにという。自分の腕を見つめるオドー。
艦長日誌※18、宇宙暦49962.4。ドミニオン領域の境界線でジェムハダーの船と別れ、ディファイアントは帰艦した。だがオドーにとって、旅は始まったばかりだというシスコ。
服を着たオドーが出てくる。着心地はどうです、肩の辺りはというガラック。ぴったりだ、だが何かどうもちょっとチクチクするというオドー。ガラックはインカリアンウール※19ですからね、あなたがアレルギー体質でさえなければすぐに慣れますという。オドーは制服のせいではなく、空腹だとお腹を抑える。うらやましい限りです、これからこの世の素晴らしい数々の料理を初めて味わえるなんて、楽しみじゃないですかというガラック。待ちきれんよというオドー。お前の仕事は終わったな、それじゃ私の番だという。そうくると思ってました、6ヶ月の監獄生活、そう考えるとあまり嬉しくはありませんがねというガラック。私に言わせればオドーはシスコ大佐は寛大だ、破壊工作に連邦士官を襲った上、連邦とドミニオンとの間に戦争を仕掛けようとまでしたんだからなという。確かに、でも間違ってなかったと思いますというガラックを、オドーは鼻で笑った。そこへアロイヤが入ってきた。ここにいらっしゃったのね、あちこち探したという。何があったか聞きました、お気の毒にというアロイヤ。ありがとうというオドー。アロイヤは大変かもしれないけど、これから人間の楽しさを少しずつ理解することになるという。もしお役に立てることがあったら、いつでも言ってねといい出て行った。なんてお優しい方なんでしょうというガラック。さあ行くぞといい、オドーはガラックを連れて行く。
保安室から頭を抑えながらオドーが出てくる。シスコが大丈夫かと声をかける。ただの頭痛ですというオドー。偉大なるつながりでの記憶が頭から離れない、混ざり合った映像だったり何だかわからないという。今は混乱するのも無理はない、何も復帰しなくてもというシスコに、オドーはいや働きますといった。偉大なるつながりで同胞と一つになった時、何とも言えない不思議な気持ちだったという。あの瞬間、故郷に帰った気がし生まれて初めて同胞を本当に理解できたというオドー。固形種に対する不信感や自分たちの身を守ろうとする固い意志、しかしそれもあっという間にかき消されてしまったという。オドーはこの体の中に閉じ込められ、二度と偉大なるつながりには入れないと声を震わせる。残されたのは仕事だけです、それに私はこの基地で一番腕のいいの保安部員ですからといった。シスコはこの星域、多分アルファ宇宙域一だと言った。多分というオドー。そこに声が聞こえてきた。何の騒ぎですかというオドーに、わからんというシスコ。
ガウロンが話しているモニターの周りに人々が集まっている。クリンゴン帝国は我慢の限界だ、連邦は時間稼ぎをしているばかりで一向に埒があかんというガウロン。それゆえ本日、クリンゴン帝国の機動部隊をアーケイナス星域に派遣したといい、宇宙艦隊は10日以内に星域の基地を明け渡すようにいう。全周波数で送信していますというキラ。ガウロンは残っていた船は敵とみなし、攻撃するといっている。シスコはキラに戦闘体勢を指示し、ベイジョー軍にも連絡しろといった。ふいにガウロンを見ていたオドーは、あいつですという。ガウロンがどうかしたかというシスコ。同胞たちが私と融合とした時何かを隠そうとするのを感じた、顔や名前、その中にガウロンがという。何が言いたいのというキラ。わかりませんか、奴も同胞だってことですというオドー。ガウロンは、クリンゴン帝国の総裁は、可変種なんですと言った。ガウロンはアーケイナスは元々我々の星で当然の行為だ、抵抗するつもりなら戦争を覚悟せよというのだった。

※18: またもや、Captain's log なのに「ステーション日誌」と訳されています

※19: Inkarian wool


・感想
オドーが偉大なるつながりの裁判を受け、変身能力をなくしてしまうことになります。つまりオドーのオドーたる部分を失ってしまったわけですね。オドーがDS9を出発する前のクワークとのやり取りは、短いながらも心を打ちます。そしてひとまず落ち着いたかと思いきや、ガウロンが可変種であることが明らかになります。とにかく第5シーズンがスムーズに続いて良かったとしか言いようがありません。


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