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TOS エピソードガイド
第49話「宇宙犯罪シンジケート」
A Piece of the Action

dot

・イントロダクション
※1惑星に近づくエンタープライズ。
チェコフ:「シグマ・イオタ2※2 に、接近しました※3。」
カーク:「周回軌道に入りたまえ。」
ウフーラ:「船長。先ほどから、ある周波で音声連絡を受けています。相手はオクミックス※4という男で、階級は『ボス』です。」
笑うカーク。「ボス? よし、音声を出したまえ。…オクミックス。地球連邦※5政府を代表するパトロール船、エンタープライズ※6のジェイムス・カーク船長だ。」
男の声。『よう船長、ホライズン※7と同じ組織から来たのか。』
カーク:「そうだ、残念ながらホライズンは君たちの惑星を発ったすぐ後に遭難した。ホライズンの無線連絡を先月受けたばかりだ。」
『先月? 何をとぼけてるんだ。ホライズンが帰ったのは 100年前だぞ。』
「うーん説明しにくいんだが、ホライズンが無線を打ってから 100年後に我々に届いた計算になるんだ。100年前のパトロール船には宇宙通信装置が装備されていなかったために、古い無線装置で無電を打ったからだ※8。」
『何のことを話してるんだ。』
「詳しい説明は会ってからにする。…船は着陸できないので、代表を何名かそちらに転送しよう。ああ、これもああ君には理解できないことだろうな。ともかく詳しい話は、君と会ってからだ。どこへ行けばいいかな?」
『この通りの先の四つ角はどうだ。黄色い消火栓の近くだ。」
「黄色い消火栓。」
『わかるかな?』
「スコッティ、位置はわかるか。」
スコット:「わかります。」
「よーし。ミスター・オクミックス、君の指定した場所がわかった。5分後でどうだ?」
オクミックス:『結構だな。歓迎委員を現場へ行かせとく。』
「よろしい、では会うのを楽しみに。以上。スコッティ、通信機だ※9。」
スコット:「はい。」
ターボリフトで来た 2人に言うカーク。「スポック、ドクター、降りるぞ。通常装備。」 中に入った。「ホライズンがここへ来たのは内政不干渉の原則が決定される以前だ。」
マッコイ:「惑星の進化に干渉して、影響を与えたかな。」
スポック:「いかなる結果が出たか見るのが楽しみですね。」
カーク:「干渉の結果こうなったのか、それははっきりとはわからん。」
マッコイ:「ホライズンが来るまでは、イオタの文化はどの程度だったんだ?」
「産業革命の初期程度だ。」 到着した。

転送室に入り、装備を受け取るスポック。「ホライズンの報告では、イオタ人※10は非常に聡明で真似が上手らしいです。」
マッコイ:「干渉の結果を修正しに行くわけか…」
「被害を与えていれば、当然修理しなくてはなりません。」
カーク:「とにかく降りて、実情を拝見しよう。……転送。」

道路に転送される 3人。近くには黄色い消火栓がある。
エンジンの音。クラクションを鳴らしながらやってきた自動車から逃げた。
辺りは 20世紀初期の地球そっくりだ。
女性を見るスポック。「素晴らしい※11。」
マッコイ:「故郷 (くに) へ帰ったみたいだ。」
カーク:「遠いふるさとのようだな※12。」
「…映画で観た昔の街はこれとそっくりだったよ。」
スポック:「面白いですね。通行人が持ち歩いているのは確か、銃ですよ?」
大きな銃を持って歩く人々。
※13たちが近づき、やはり手にしている銃を向けた。「やいてめえら、石みたいにぶっ立ってろ。」
※14スポック:「今のはどういう意味か説明していただけますかな。」
「石みてえに動くなってことよ。手を頭に載せな。じゃねえと載せる頭がなくなるぜ。」


※1: ハヤカワ文庫のノヴェライズ版は、「宇宙大作戦 暗闇の悪魔」収録「行動の一端」になります

※2: シグマ・イオシア2号星 Sigma Iotia II

※3: チェコフの出番 (セリフ) はこれしかなく、最短

※4: ベラ・オクミックス Bela Oxmyx
(アンソニー・カルーソ Anthony Caruso ドラマ「スーパーマン」(1953) に出演。2003年4月に死去) クラコの部屋などに飾られているポスター写真では、名前の綴りが Okmyx になっています。声:富田耕生 (DVD 補完も継続)

※5: 今回の惑星連邦 (Federation of Planets) の訳語

※6: 吹き替えでは「エンタープライズ

※7: Horizon
エンサイクロペディアでは宇宙艦隊船として、U.S.S.ホライズン (ダイダロス級、NCC-176。ただし船名一覧では NCC-173) としています。これは DS9 でシスコの司令官室に飾られている船ですが、厳密には今回のホライズンと同一であるかはわかりません

※8: TOS第9話 "Balance of Terror" 「宇宙基地SOS」では、22世紀にロミュラン中立地帯が亜空間通信を使って取り決められたことになっていました。それ以前の ENT でも、亜空間通信は普通に用いられています。たまたまホライズンになかったんでしょうか

※9: 原語でも "Scotty, you have the com." になっていますが、本来は "you have the con" 「ブリッジを頼む」でしょうね

※10: アイオシア人 Iotians

※11: "Fascinating."

※12: 原語では「だいぶ様子は違うようだな」

※13: カロ Kalo
(リー・デラーノ Lee Delano) 声:嶋俊介、TOS カイル、ムベンガ、旧ST5 マッコイなど。DVD 補完では高瀬右光

もう一人の名前は Mirt (ジェイ・ジョーンズ Jay Jones TOS第30話 "Catspaw" 「惑星パイラスセブンの怪」のジャクソン (Jackson)、第38話 "The Apple" 「死のパラダイス」のマロリー少尉 (Ensign Mallory)、第60話 "And the Children Shall Lead" 「悪魔の弟子達」などの技師 (Technician)、第66話 "Day of the Dove" 「宇宙の怪! 怒りを喰う!?」のクリンゴン人 (Klingon)、第72話 "The Mark of Gideon" 「長寿惑星ギデオンの苦悩」のギデオン人護衛 (Gideon Guard) 役) ですが、言及されていません。「マート」としている日本語資料もあります。セリフなし、ノンクレジット

※14: カークたちを後ろから映したシーンでは、スポックの前にベンチがあります。ですが前から 3人のシーンでは存在しません (オープニング後にも同様の食い違いあり)

・本編
装備品を取られるカークたち。
フェイザーを手にする男。「何だこりゃ。」
カーク:「それは武器だ、注意してくれ。」
「ドンパチ※15か? ボスが見たら喜ぶぜ。」
「ああ、私達はここへ呼ばれたんだ。オクミックスと称する人物から連絡が。」
「それぐらい知ってらあ。誰か迎えに来ると言っただろ、俺たちがそうなんだ。」
マッコイ:「そんな物騒な物は必要ないだろう。」
「…何か文句あんのかよ。」
「私が?」
「この野郎、とぼけたツラしやがって。」
「何だって?」
「おめえみてえのは信用できねえんだい。」
スポック:「ここの人たちはみんな持っているんですか? 銃の類を。」
「この野郎もまたとぼけたこと聞きやがってよ。」
マッコイ:「ミスター・オクミックスに呼ばれたんだから早く会わせてくれたらどうなんだね?」
男:「よーし、さみんな向こうへ行きな。」
車が急スピードで近づいてきた。身構える男。
車から身を乗り出した者が、銃を撃ってきた。「歓迎委員」の一人が倒れる。
隠れるカークたち。騒ぐ人々。
もう一人は車を撃ち続けた。「クラコ※16の野郎、調子に乗りやがって!」
近づくカーク。「これが君たちの歓迎かね。」
男:「文句言うんじゃねえぞ。」
マッコイ:「君の仲間が死んだんだぞ…」
「遊びでやってんじゃねえよ。お前ら撃ち合いを見たことねえのかよ。」
スポック:「ぜひお聞きしたいことがいくつかあるんですがねえ。」
「ボスに聞きな、おりゃ知らねえ。行った行った。」
集まる野次馬。

道路を歩くマッコイ。「ホライズンの影響でこうなったんだ。」
カーク:「しかしホライズンの乗組員は冷酷な殺し屋じゃなかったから、こんなこと教えるはずがない。何が影響を与えたんだろう。」
女性※17が近づいた。「ちょいと、カロ。一体いつになったら街灯明るいのと取り替えてくれるんだい、あんたのボスは? 危なくて歩けないよ。」
もう一人の女性※18。「それに洗濯物も取りに来ないしさ。もう 3週間分も溜まってるんだよ…」
カロ:「ボスに言いなよ…」
「言ったさ、いつもその内で終わりだね?※19
女性1:「上がりを納めてるんだからね、その分はちゃんとサービスしてもらわなくちゃ困るよ?」
カロ:「うるせえ、とっとと消えな!」
さほど銃を気にした様子もなく、離れていく女性たち。
カロ:「ぶつくさ文句ばっかり言いやがってよ。」
カーク:「街の人たちはみんな君たちのボスに税金を納めてるわけか。」
「その代わりボスがいろんな面倒をみてやってんだい。」

白髪交じりの男は、ブザーに応えた。「ボタンを押せ。」
テーブルの上に座った女性が従う。
オクミックス:「ああ?」
カロ:『奴らを連れてきました。』
「よーし、入れろ。」 メガネをかけるオクミックスは、ビリヤード台に近づいた。
カークたちが入る。
オクミックス:「どいつが船長だ。」
カーク:「私だ。」
笑うオクミックス。「ま、いいから飲みなよ。美味いぜ、俺が作ったんだ。」
カーク:「やだね、それより君がオクミックスか?」
「そういうことだ。」
「副長のミスター・スポックに、ドクター・マッコイだ。」
「医者か?」 カロに命じるオクミックス。「そんな物は降ろせよ、カーク船長たちは御客だぜ。一緒にどうだ。やれよ。」
キューを手にするカーク。
オクミックス:「ああ、失礼は許してくれ。…最近は物騒で手ぶらじゃ歩けん。」
マッコイ:「そうらしいな、いま外で危うく巻き添えを食うところだったよ。」
カーク:「みんなあなたのことをボスと呼んでるようだが、何のボスなんだ。」
オクミックス:「ああ? 俺の縄張りのボスだ。世界一の縄張りだぞ? …いやしかしな、でけえのをもってると苦労も多いんだ。乞食※20どもがかすめ取りに来やがってよ。…ハハ、だから油断できねえんだ。」
「あなたが政府か。」
「政府だと? ただ俺は自分の縄張りを守ってるだけだ。」
スポックはそばに飾ってある、一冊の本に近づいた。
カーク:「ほかにも誰かの縄張りがあるのかね?」
オクミックス:「ハハハ、そうだ。10 (とお) ぐらいはある。雑魚は別にしてな。…ましかし俺さえその気になりゃみんなイチコロだ。」
スポック:「その中に、クラコとか呼ばれる紳士も入っているわけですか。」
「あ? 何でそれ知ってるんだ。」
カロ:「来やがったんです。」
「…よーし。じゃ思い切りお返しをしてやれ。」
「ま、見てて下せえ。」
本に手を触れるスポック。タイトルは「1920年代のシカゴ・ギャング※21」だ。
スポック:「船長。…ドクター。ギャングの本です。」
カーク:「シカゴの、ギャング。…発行、1992年。…どこで手に入れた。」
オクミックス:「おいおいおい、ちょ、ちょっと待った! その本※22だ。」
「この本がどうした。」
「前に来たホライズンという船が、置いていったもんだ。」
スポック:「船長、これが影響を与えたんですよ。驚異です。この一冊の本で文化が変わるとは。」
マッコイ:「彼らは真似るのが上手だと言ってたから…」
オクミックス:「いや本の話なんぞ聞きたかあねえな。」
カーク:「ほかにも本を置いていったのか?」
楊枝を投げ捨てるオクミックス。「もちろんだよ、ラジオの作り方を書いた本とか、そういったものの使い方とか…。おい、下らんことを聞くためじゃなくて力を貸してもらうために呼んだんだぞ。やることをやってくれたら何でも教えてやるぜ。」
カーク:「何をするんだ。」
「いやその、こうなんだ。」 カークの肩を抱き、2人で話すオクミックス。「おめえら政府の人間※23はいろんなすげえ機械をもってるからな。きっと新しいドンパチもうんともってるだろう。いやだからつまりだ、たかってくる乞食どもをいっぺんにぶっ潰すだけのドンパチを俺たちにちょいと貸してもらいてえんだなあ。俺が天下を取れば、何でも好きなことをさせてやるぜ…」
「つまりこういうことか、君たちに武器を提供して後押しをして欲しい。そうすればほかのボスたちを攻撃して世界を征服できるか。」
「何で攻撃だよ、ちょいと殴り込みをかけて痛い目に遭わせてやりてえだけだよ。」
スポック:「面白い※11。…しかし援助はできませんね?」
カーク:「ミスター・オクミックス、私達は厳しい命令を受けているんだ。いかなる…」
オクミックス:「どんな命令を受けてようと関係ねえ! …これからは俺の命令を聞くんだ。8時間待ってやるから、俺の欲しいものを揃えな。それが嫌だと言うならしょうがねえ、船を呼んでおめえらを送り返してやるぜ。棺桶に入れてな。」 指を鳴らす。「どうだい、わかったかい!」
カロたちが近づき、カークに銃を突きつけた。


※15: heater

※16: Krako

※17: 女性その1 First Girl
(ダイアン・ソーン Dyanne Thorne)

※18: 女性その2 Second Girl
(シャリン・ヒリヤー Sharyn Hillyer)

※19: 原語では、カロ「ボスに手紙を書きなよ」 女性2「書いたさ、郵便料不足で送り返してきたけどね」

※20: 旧オンエア版では全て音声が修正されていますが、中途半端な消し方になっています。なお旧吹き替え版自体から消滅しているわけではなく、DVD や LD ではそのままです

※21: Chicago Mobs of the Twenties
この本について字幕などでは「小説」と訳されている個所がありますがセリフでは言及されておらず、どちらかというと資料本のようなイメージが正しいかと思われます

※22: The Book
原語では単なる「その」というより、特別視した言い方

※23: 原語ではこの個所などで、カークたちを Federation (連邦) を略した Fed と呼んでいます

フェイザーを投げ渡すカロ。「ようボス、これがドンパチです。こいつはわかりませんね。」
オクミックス:「ああ。ちょいと試してみるか…」
カーク:「おい、やめろ! …人間も家も吹き飛んでしまうぞ。」
「ああ、すげえじゃないか。そんなにすげえならこいつが 100個もありゃあよ、もう片付いたようなもんだ…」
「話にならんな。」
「船長さん? おりゃ手に入れるぜ。こいつは何だ。」
答えないカーク。
オクミックス:「よーし、撃て!」
カーク:「いや、待ってくれ! …これは通信機だ。」
「どうやるんだ。」
「船の、通信装置と直通になっていて…」
「カロ、倉庫へ連れて行って見張ってな。逃がすんじゃねえぞ。」
カロ:「わかりやした、来な!」
連行される 3人。
オクミックスは天井を仰いだ。コミュニケーターを開き、適当にいじる。「聞こえるか? 上の船の野郎。」 椅子に座り、足を投げ出す。

ブリッジに届く通信。『おい、船の野郎!』
船長席のスコット。「スコットです。誰ですか?」

オクミックス:「あ? ベラ・オクミックスだ。おめえの船長と仲間を捕まえた。生きてるツラを見てえなら、おめえらのドンパチを 100個と使い方を教える野郎を何人かよこしな。」

スコット:「何? カーク船長と、ドクターたちが君の捕虜になったんだって?」 レズリーがブリッジを歩いていく。

オクミックス:「ま、そういうことだな。8時間以内に俺の欲しいものをよこしな。じゃねえと船長たちを殺すぜ。わかったか。」

スコット:「…ま、待ってくれ。」

コミュニケーターを閉じ、笑うオクミックス。

スコット:「ハドレイ大尉※24、コンピューターで言葉の意味を調べろ。…『ドンパチ』だ。」

※25金をテーブルの上に広げ、カードゲームで遊ぶカロたち。
倉庫の隅にいるマッコイ。「たった一冊のギャング小説がここまで影響するとはな。信じられん。」
スポック:「あの本を元にこの社会が作られたのは明らかですね。」
「言わば聖書か。」
カーク:「…昔シカゴでは、政府に代わってギャングが街を牛耳っていたらしい。」
「…あのオクミックスって男はギャングの元締めらしいな。」
スポック:「彼が執っている手段は確かに正しいとは言えませんが、その目標は決して間違っていません。この社会を統一できなければ、無政府状態になって収拾がつかなくなります。」
カーク:「…もし本当にホライズンの影響でこうなったのなら連邦の責任だ、その場合我々がこの事態を収拾せねばならん。スポック、コンピューターにアクセスして何か解決法を見つけられないか。」
「私としても是非試してみたいところではありますが、あの人たちが許してくれるとは思えませんので。」
「そうか、そういうことなら任せておけ!」 裾を伸ばして近づくカークは、一斉に銃を向けられた。「諸君、ちょっと。そんなゲームが楽しいかい、子供の遊びじゃないか。」
カロ:「何だと?」
「私に、言わせれば時間の無駄だ。」
「お前ら引っ込んでろ!」
「ゲームといえばベータ・アンタレス※26のゲームが一番だよ、あれこそ男のゲームだ。君たちには無理かな、頭も必要だから。」
「ふざけんなよ、てめえにできるなら俺にもできるさ!」 トランプをまとめるカロ。「そこまで言うんならやろうぜ! その男のゲームとやらをな。」
スポック:「船長、私の記憶ではベータ・アンタレスにはそのようなゲームは…」
スポックを止めるカーク。「いいや、スポック。スポック!」 席につく。「よーし、それではと。ベータ・アンタレスのカードは少し違うが、まあいいだろう。ゲームの名前は、ええ…フィズビン※27だ。」
カロ:「フィズビン。」
「そう、フィズビン。簡単だよ。」
「ああ。」
「一人 6枚持ちなんだが、親だけ特別に…いや親の右側の人だけ、7枚だ。」
「右側だな?」
「そう、2枚目からめくってと。火曜は 3枚目。」
「火曜だな?」
マッコイと顔を見合わせるスポック。
カーク:「うん。…あー! こりゃあすごいな、ジャックが 2枚だ。…これでもう半分できたようなもんだ。」
笑うカロ。「もう一枚で上がりか!」
カーク:「いや、もういらないんだよ。もう一枚来たら、シュラクだ。」
「シュラク。」
「そう、失格になる。」
「へえ…」
「だから欲しいのはだ、キングか 2 のどっちかで。しかしこれが夜のゲームの時はクイーンと 4 に変わるんだ。」
「夜のゲームだな?」
「そう。
ああ、こいつは驚いたな。…また君にジャックが行ったぞ。」
笑うカロ。
カーク:「君はツイてるねえ、この場合は 3枚の方がいいんだよ。もし今ジャックじゃなくてキングが来てたらだな、もう一枚もらわなきゃならなくなる。それが火曜の夜だと逆に一枚戻すことになるんだ!」
カロ:「火曜の夜だな?」
「…そう、一番強いのはロイヤル・フィズビンでね? こいつを作るのは最高に難しいんだなあ。スポック、ロイヤル・フィズビンを作れる確率は。」
スポック:「まだ計算したことがありません。」
「恐らく何億分の一だろうな?」
「ま、そうでしょうね。」
カロ:「ほう※28。」
カーク:「さて、最後のカードはクロンクと言うんだがね? じゃいいな。」
「何?」
配る途中、カークがカードを落とした。
カロ:「ああ、俺が拾う。」
その時、カークはテーブルをひっくり返した。カロにヴァルカン首つかみをするスポック。
残りの 2人もカークとマッコイによって意識を失う。
銃を手にするカーク。「スポック、放送局を探せ。ウフーラが放送をモニターしてるから呼び出して、船に転送してもらえ。」
スポック:「船長も一緒にですか。」
「私は後から、オクミックスを連れて戻る。」
マッコイ:「カーク、そんな…」
「この混乱は我々が収拾しなければならん、これは命令だ。」
それぞれ向かう 3人。

夜の街を走るカーク。犬の鳴き声が響く。
声が聞こえた。「止まれ!」 銃を持った男。「さあ俺と一緒にドライブしようぜ。」
カーク:「できたら歩きたいな。」
「ふざけるな! 車はそのまま霊柩車にもなるんだぜ。どっちがいい。」
「あまあ、ドライブも結構だな。」 銃を取られるカーク。
やってきた車に乗せられた。

レコードをかける女性。スポックたちが来たことには気づかない。
後ろを振り返ろうとした時、スポックがヴァルカン首つかみをした。
マッコイ:「いい特技があるな。さてと、原始的な無線装置の扱いを知ってるのか?」
スポック:「簡単ですよ、これは振幅変調装置ですからね。単に周波数を調整して、スイッチを入れるとエンタープライズが応答します。」
ラジオ※29が流れ出した。『ただいまのは、脱獄スターズ※30の新しいレコードでした。バン・バン※31のお送りするリクエスト・タイム。皆さん、毎週お聞きになってるでしょうね? この番組は、若者たちに絶大の人気!※32
スポックは切った。「素晴らしい※11。」
マッコイ:「簡単だな。」
「待って下さい?」 マイクを手にするスポック。「エンタープライズ、こちらはスポック。」
ウフーラ:『こちらエンタープライズ、ウフーラ大尉※33です。』

ウフーラ:「こんな周波数で何をなさってるんですか。」

スポック:「非常に、複雑で長い話だ。転送ルームに連絡。現在位置で直ちに転送、収容を頼む。」

止まる車。「ジョジョ・クラコ/ボス/南側縄張り」と書かれた建物の前だ。
カークを中に向かわせる男たち。

ダーツを持っている、髪の薄い男。それを投げたのは、オクミックスが銃を構えている写真だ。
いくつもの同心円が描いてある。近づいて顔にダーツを突き刺すジョジョ・クラコ※34
カークが部屋に入った。
クラコ:「おめえが船長か。おお、お初にお目にかかりますな。」
カーク:「君は。」
「かの有名なジョジョ・クラコだ。南側全部俺の縄張りだぜ。…おい、よく来たな。」 肩を叩くクラコ。
「君はなぜ私のことを知ってるんだ。」
クラコは笑う。「座れよ、カーク。…オクミックスの無線は全部盗聴してるんだ。」 テーブルのそばにはやはりシカゴ・ギャングの本があり、女性※35もいる。「奴が誰とデートするかまで俺にはわかってんだぜ。…何でおめえをここへ連れてきたか、そいつを知りてえだろ。」
カーク:「取引したいのか?」
「わかってんじゃねえか、いいオツムだ。こいつは話せるぜ、ザボ※36。」
カークを連れてきた男。「らしいですな。」
クラコ:「そう、取引してえんだ。俺に力を貸して欲しい。」 女性に向けて指を鳴らした。
カーク:「うーん、当てようか? そうだなあ。」
女性はカークに近づき、肩を揉み始めた。
カーク:「ドンパチをくれ。…それと一緒にそう、その使い方を教える兵隊も欲しい。で、ほかのボスたちを攻撃して世界を征服したら好きなことをさせてやるか。」
クラコ:「違う! 俺はオクミックスみてえな汚え真似はしねえ。俺はなあ、話のわかる男だ。俺の欲しいものをくれたら、おめえを兄弟分にしてやるぜ? 3番目だ! 組織の大幹部だ。さあどうする。」
「ああもっといいことがある。この惑星が一つに団結しなくてはならないことはわかってるはずだ。だから、話し合おう。君と私とオクミックスが全てのことを話し合い、ほかのボスたちに連絡しまた話し合ってみんなの了解をうるんだ。」
「何抜かしやがる! おめえあの本を読んだことがねえのか。」 クラコはまた指を鳴らし、女性は離れた。「力で勝つんだ。文句言う奴は片づける、貴様俺を舐めてやがんのか?」
「いやあ、とんでもない。…そうじゃなくて、君の方法では解決しないと言ってるだけだ。」
「うるせえ、俺に説教はさせねえぞ!※37 …俺は欲しいものは何でも手に入れてきたんだ。おめえ命は惜しくねえのか。…生意気してえだろ、でも俺に逆らいやがると後で泣いても手遅れになっちゃうんだぜ。この若造が。サール※38にナイフの※39刃をよく研げと言っとけ。仕事ができるかもしれんぞ? …おめえがドンパチを俺に渡さねえとだ。」
立ち上がるカーク。「取引はできん、断る。」
クラコ:「可哀想によ。ぶち込んどけ!」

部屋にいるカーク。机を探る。
目を留めた。ラジオが置いてある。
後ろのカバーを外すカーク。部品を取り外した。

エンタープライズ。
マッコイ:「どうだ。」
スポック:「残念ながら、答えはありませんね。あれほど倫理の逆転した文明の記録はどこにもありません。」
「だから放り出すのか。」
「違います。ただコンピューターではあの混乱をどう収拾するべきか、その具体的な方法を示す回答が見つからないということです。」
ウフーラ:「ミスター・
スポック、ミスター・オクミックスが地上から連絡をしてきました。」
「音声を出したまえ。…ミスター・オクミックス、こちらスポックです。」
オクミックス:『あ? どうやって上がったんだ。』
「問題なのは上がったという事実です。」

グラスを手にしているオクミックス。「まあ、そうだな。早く降りてきた方がいいぜ。船長がクラコにふんづかまった。」

スポック:「何です? 船長が、クラコに? 何をされました?※40

オクミックス:「バカヤロ、誘拐されたんだよ。殺されちまうぞ!」

スポック:「それが本当だとするとこれは重大な問題ですね。」

オクミックス:「な、おりゃ欲しいものがあるんだ。だから船長を取り返してやってもいいが、そうしたら欲しいものをくれるか。」

スポック:「残念ながら、あなたを素直に信用するわけにはいきません。」

オクミックス:「信用がどうしたい、これは仕事の話だよ。休戦しようじゃねえか、だから降りて来いよ。そして船長を取り返して、ゆっくりと話し合おうじゃねえか。」

スポック:「もう、敵対行為を示しませんか?」

笑うオクミックス。「俺は仕事第一の男だぜ? 早く来なよ。」

スポック:「…船長を取り返すためには仕方ないでしょう。10分後にあなたの部屋へ行きます、以上。」

オクミックスは微笑んでコミュニケーターを閉じた。

マッコイ:「あんな男を信用するのか。」
スポック:「強制手段を用いずに誰にも影響を与えることなく船長を取り返すためには、彼らの力を借りなければなりません。したがってミスター・オクミックスを、信用するよりないでしょう。」

机の脚にワイヤーを巻くカーク。床近くに這わせる。
ゴミ箱をベッドにぶつけ、大きな音を出した。※41「助けてくれ大変だ、誰か大変だー!」
駆け込んできた男が、ワイヤーにつまずいて倒れた。蹴るカーク。
もう一人にも毛布を被せ、殴る。銃を拾って出ていくカーク。

転送室に入るスポックは、フェイザーピストルを装備している。「ミスター・スコット、できる限り干渉はしたくないんだがフェイザー砲を一門麻痺にセットして待機していてくれたまえ。」
スコット:「はい。」
マッコイ:「よろしい、それで安心した。」
スポック:「使わずに済むと思いますが、万一に備えましょう。…転送。」
操作するスコット。

話すオクミックス。「わかってるな。」
カロ:「任して下せえ、あんな奴らに好きな真似はさせませんぜ。」
「とにかく気を抜くんじゃねえぞ。何を持ってるかわかりゃしない。」 女性に話すオクミックス。「さあ見てな。」
音が響き、スポックとマッコイが転送されてきた。
すぐに銃を突きつけるカロたち。


※24: ハドレー大尉 Lieutenant Hadley
(ウィリアム・ブラックバーン William Blackburn) 前話 "The Immunity Syndrome" 「単細胞物体との衝突」に引き続き登場。名前が言及されるのは、今回が最初で最後。吹き替えでは「ハドレイ尉」。セリフなし、ノンクレジット

※25: TOS の旧国内オンエア分では、カット部分が存在しています。DVD には吹き替えつきで完全収録されており、このエピソードガイドでは色を変えている個所にあたります (CS版との比較)。LD では基本的に、その部分だけ字幕収録です

※26: 正確には「ベータ・アンタレス4号星 (Beta Antares IV)」。ENT第47話 "The Breach" 「理由なき憎しみ」に登場する種族、アンタランの母星かもしれません

※27: fizzbin
初言及

※28: 旧吹き替えでは、この個所のスポックとカロのセリフは訳出されていません

※29: 声はジェイムズ・ドゥーアンが兼任

※30: Jailbreakers

※31: Bang-Bang

※32: 原語では「皆さん」以降、「世界最高のピストルメーカー!」。バン・バンはスポンサー名

※33: 吹き替えでは「尉」。TOS では基本的に中尉は存在しないと考えられます

※34: Jojo Krako
(ヴィクター・タイバック Victor Tayback ドラマ「サンフランシスコ捜査線」(1972〜73)、"The Super" (72)、 "Griff" (73)、 "Alice" (76〜85) に出演。1990年5月に死去) 声:雨森雅司、DVD 補完では飯塚昭三

※35: クラコの情婦 Krako's gun moll
(マーリス・バーデット Marlys Burdette TOS第36話 "Wolf in the Fold" 「惑星アルギリスの殺人鬼」の給仕する女性 (Serving girl) 役) セリフなし、ノンクレジット

※36: Zabo
(スティーヴ・マーロ Steve Marlo) 声:石森達幸

※37: 原語では、カーク「君の方法はやめる (=arrest) べきと言ってるだけだ」 クラコ「俺は生涯一度も逮捕 (=arrest) されたことはねえぞ!」。クラコが意味を取り違えており、カークの表情に注目

※38: ナイフのサール Cirl the Knife

※39: 旧吹き替えでは「サールとナイフに」と聞こえます

※40: 原語では、オクミックス「船長にクラコが袋を被せちまった (=捕まえた、の意)」 スポック「なぜクラコが船長に袋を被せるんですか?」。この "put the bag on" という表現は、後でも使われています

※41: 吹き替えでのセリフの直前、わずかに原語のセリフが入っているような…

スポック:『航星日誌、ミスター・スポック記録。ドクター・マッコイと私は、かつて地球に存在したギャング社会を真似たシグマ・イオタ文明のボスに再び囚われの身となった。』
フェイザーを取り上げるオクミックス。「今度ふざけたことをしやがったらただじゃおかねえぜ※42。」
スポック:「休戦協定を結ぶ約束ではなかったんですか? 今度は。」
「ハハ、バカがそれを信じて来たのか。」
マッコイ:「君を助けようと思って来たんだ。」
「お前らに助けてもらうことはねえ!」
スポック:「ミスター、あなたの理論は相反していますね?※43
「…何?」
「なぜ我々の態度が理解できないのですか。この惑星を一つに統合する必要があると言ったのはあなたでしょ。…それは賛成です。」
「そして俺がそのボスになるんだ。」
「その目的は人々が協力することによってのみ…」
「一番おとなしく協力してくれるのは死人だぜ。くだらねえことしゃべってるとそうなってもらうぞ。」
カークが部屋に入った。「銃を捨てろ、捨てろ!」
従うカロたち。スポックとマッコイはフェイザーを取り返す。
カーク:「向こう行け。」
女性も隠していた銃を放り捨てた。
オクミックス:「船長、あのクラコのとこからよく逃げてこられたな。」
カーク:「君たちは船へ戻ったはずじゃなかったのか…」
スポック:「戻りましたがまた、来ざるを得ない事態になりました。」
「ああ、仕方がない。…コンピューターにはかけてみたか。」
「効果ありません。…理論的、公式的情報はここには通用しないようです。」
マッコイ:「それを認めるのか?」
「事実を否定するのは非論理的です。」
カーク:「では私の勘で行動してもいいわけか?」
「勘はあまり信頼できませんが、ほかに頼るべきものがありません。」
マッコイ:「それでどうするつもりだ。」
カーク:「巨頭会談を開こう。そのためにはクラコを捕まえればいいんだ。」 オクミックスの部下に話しかける。「おい君、なかなかいい服だな。」
カロ:「当たりめえだ、流行のトップだぜ。」
「早く脱げ。」
「おい、ふざけるなよ…」
「早く脱げ、お前もだ! 早く服を脱げ。もう誰にも勝手な真似はさせないぞ。」

スーツ姿になったカークとスポックが、建物から出てきた。
そばの車※44に近づく。クラクションを鳴らしながら通る、別の自動車。
カークは乗り込んだ。「これは車だったな。」
スポック:「低俗な安物ですね?」
「まずキーを刺して、それを回す。ああおかしいなあ、スターターはどこだ。…ああ、これだな。よし。」 エンジンがかかった。
「面白い。」
「…ギアだな?」
「あ? ああ、そうそう。確か、もう一つありましたよ。えーっと、あれはほらクラッチです。クラッチをどうぞ、多分下のペダルのどれかでしょう。」
ギアを入れるカーク。「こりゃ面白いな、一つ造らせよう。」
だが車はバックした。ぶつかった音が響く。
今度は前に行くが、突っかかりながらだ。少しずつ進んでいく。

建物のドアを守る、銃を持った男たち。
カークの車が他の車にぶつかりそうになりながら、その前を通過した。止まる。
スポック:「船長。船長は宇宙船の優れた指揮官ですが、タクシーの運転手としては非常に未熟ですね?」
カーク:「そんなに下手かな。」
降りる 2人。
カーク:「どうやって入るか、ちょっと問題だな。家の中では、フェイザーを使えるがここは人目があってまずい。」
スポック:「彼らに近づければ、素早い行動で誰にも気づかれぬように処理できると思いますが。」
見張りは前を通りかかる乳母車の中までチェックしている。
カーク:「このままでは近づけそうもないな。」
そばで遊んでいた子供※45の一人が近づいた。「出入りがあるの?」
スポック:「どういう意味かな。」
「撃ち合いやるんだろ、見てていい?」
カーク:「よくないな、向こう行ってなさい。」
「その耳どうしたんだい?」
スポック:「どうしたとは?」
「クラコをやる気かい、こっから。…そんなことしたら周りから撃たれて蜂の巣にされちまうよ。…僕が手伝ってやるよ。」
「非常に危険な事態が起こる可能性があるんだ、早くここを…」
カーク:「まあ待て、赤子に教えられだ。」
子供:「誰が赤ん坊なんだい?」
「君のことだよ。」
「僕が赤ん坊だって?」 ナイフを向ける子供。
「そう、赤ん坊だ。しかしまあ、仲良くしようじゃないか? 座りたまえ。何とか彼らのそばへ行けそうか。」
「モチさ。」
「どうする?」
「言うこと聞いてくれる?」
「何が欲しい。」
「僕にもやらせてよ※46。」
スポック:「私達がなぜ、クラコを狙ってるかも知らないくせに。」
「きっとすごく儲かるからだよ、でなきゃクラコを狙ったりしないもん。」
「…なるほど。」
カーク:「よーし、わかった約束するぞ。手伝ってもらう。君は私達の仲間だ。」
子供:「手を握るんだね。」
「そうだ。」 握手するカーク。「…どうするんだ?」
「まあ見てなよ。」 近づいていく子供。「バーン、バーン! 野郎どうだ、参ったか! …野郎、俺に勝てると思ってんのか? この腰抜けが! どうしたかかってこい!」
微笑んで見ている見張りたち。
子供は更に接近する。「首を切って足で蹴飛ばしてやるぞ、さあ野郎来い! どうだ、もういっちょだ! この! …野郎!」
からかう見張り。
倒れる子供。「ああ!」
見張り1:「おい、どうした坊主…」
「パパ助けて、怪我しちゃったよ! パパー!」
カーク:「…行こう。」
見張り2※47:「どうした、どっか擦りむいたのか?」
子供:「早くパパ呼んで!」
「可愛い坊主だな…」
見張り1:「ほんとだ。」
子供:「パパ、パパ早く来てー!」
カーク:「おーい!」
「パパー、早く来てー!」
「ああボビー※48、どうした。何かされたのか、どこ怪我した。何をしたんだ。」 カークは見張りを殴った。
スポックももう一人にヴァルカン首つかみを使う。
ドアの中で揉み合い、殴り倒すカーク。スポックも見張りを中に運んだ。
カーク:「どうもありがとう。」
微笑む子供。

ドアを開けるカーク。「誰も見てない。フェイザーを使おう。」
前で後ろ向きに立っている見張りに、フェイザーを撃った。
クラコが階段を降りてきた。「おう、こりゃ嬉しいな。どうやって捕まえようかと思ってたらそっちから来てくれたねえ。…その変な耳してる野郎誰だ。」
カーク:「残念ながら事態は逆じゃないかな。」
「バカ言うんじゃねえよ、ドンパチ降ろしな。」
音が響いた。
スポック:「船長? ひょっとすると、彼の言うとおりにした方が賢明かもしれませんね。今のあの音は、確か…」
カーク:「確かそう、機関銃の安全弁を外した※49音らしいな。」
振り返る 2人。ザボたちが銃を向けていた。
微笑むクラコ。


※42: 原語ではフェイザーのことを指して、「こいつがたくさんあれば、お前らの助けは必要ねえぜ」

※43: 原語では、オクミックス "Nobody helps nobody but himself." スポック「ミスター、あなたは二重否定を用いていますね?」。本来言いたいはずの「誰も自分以外は助けねえ!(=自分を助けるのは自分だけだ)」に否定がもう一つ加わってしまっており (強いて訳すなら「自分以外を助けない者は誰もいねえ」)、間違った言い方であることを指摘しています

※44: キャデラック、V12エンジン、1931年式だそうです

※45: 生意気な子供 Tough Kid
(シェルダン・コリンズ Sheldon Collins)

※46: 原語では "A piece of the action." 「分け前だよ」。原題で、以降カークたちを含め何度も使っています

※47: チンピラ Hood (バディ・ギャリオン Buddy Garion) 資料によっては名前が Karf となっています

※48: 原語では「坊や (Sonny)」

※49: 原語では「ボルト (遊底) を引いた」

フェイザーを振っているクラコ。
カーク:「ミスター・クラコ、気をつけて?」

クラコ:「これが新しいドンパチか、どうやるんだい。」
「ああ注意しておくが、オクミックスや君たちが束になってかかってきてもこれ一つに敵わんぞ。」
「使い方だけ教えりゃそれでいいんだよ。」
「信用できる部下か。」
「…当たりめえだ。」
「誰かが裏切って新しいボスになるかもしれんぞ?」
「そんな野郎はぶち殺してやる。」 部下の顔を見るクラコ。「じゃ中で話し合うとするか。」

ザボたち 2人だけを連れ、部屋に入るクラコ。「さあもう邪魔者はいねえぞ、早くこの使い方を教えろ。」
カークはクラコの胸元をつかんだ。「よーしそろそろほんとのことを言ってやろうか、そいつはオモチャだよ。」
クラコ:「オモチャ?」
「何しに来たと思う。」 装備品を取り上げるカーク。「分けめえを取るためか? 下らん。そんなのは、クズだよ。俺たち連邦の者にとっちゃ、だな。」
スポック:「もちろんです。」
「おうだ。」
「そうだ!」
「そんなケチなもんじゃなくて俺たちは組織をそっくり頂きに来たんだ。だからおとなしく俺たちに手を貸したら分けめえをくれてやってもいいぜ?」
「ごく、少量…」 言い直すスポック。「ほんの、わずかだがね。」
クラコ:「どの程度だ。」
カーク:「そりゃあ、後で話し合おうじゃねえか。」
「おめえらのルールじゃ、人の邪魔はできねえはずだぞ…」
「誰が邪魔してる! そっくり、頂くんだ。だな?」
スポック:「おうだ!」
「おめえらの組織は俺たち連邦がそっくり頂くが、俺たちは自分たちが居座っておめえらを痛めつけるつもりはねえんだい。この意味わかるかい? そういうのは、利口なやり方じゃねえ。…だからだよ、誰か一人に任せてそいつに吸い上げさせそれを俺たちが吸い上げるんだよ。」 クラコの椅子に座り、笑うカーク。「おい、座りな。」
従うスポック。
カークは机に脚を投げ出した。スポックも真似する。
クラコ:「何パーセントだ。」
カーク:「そう焦るない、お前に任せようと思ってんのに。ヤならオクミックスに頼む。」
「わかった、やるぜ。…船に連絡して何でもいいからよ、欲しいもん取り寄せな。」
コミュニケーターを取り出すカーク。「カークからエンタープライズ。」
スコット:『エンタープライズ。スコットです。』
「おう、スコッティか。クラコと取引をしたぜ。」

スコット:「…取引を?」

カーク:「そうだい、準備でき次第殴り込みをかけて組織を全部頂く。」

スコット:「あ、そんなことして大丈夫ですか?」

カーク:「もちろんだ、クラコは信用できる。今もずっとクラコと話し合ってたんだがなあ、奴は今俺から4メートル※50ほど離れたところにいるんだ。もう俺たちの仲間だぜ。だから、彼に船を見せてやりてえんだがな。俺たちが、嘘をついてないことを証明するためにな。問題はそのチャンスなんだ。」

スコット:「ははあ。はい、わかりましたよ。」

カーク:「それにクラコの部下たちに全部ドンパチを持たせたいんで、まとめて送ってくれ。その使い方を教えるもんと、殴り込みをかける連中もついでに頼むぜ。どうだスコッティ、わかったかな?」
スコット:『わかりました。』

船長席に座るスコット。「船長、準備完了しました。合図があり次第始めます。」

カーク:「よーし、すぐに始めていいぞ。」
スコット:『了解、始めます。』
クラコ:「どうかして野郎どもをすぐにここへ送るのか。」
首を振るカーク。「まあ見てろよ。」
転送されるクラコ。呆然とするザボたち。
クラコがいた場所に近づいたところを、後ろからカークたちが襲った。
ヴァルカン首つかみをするスポック。
カーク:「行くぜ。」
スポック:「へい!」

エンタープライズ。
保安部員にフェイザーを向けられているクラコ。「ど、ど、どうやって来たんだ。どうなってんだこりゃ!」
スコットが転送室に入った。
クラコ:「おい、カークと話してたスコットとかいうのはてめえだな。どこでどうやったんだ!」
スコット:「君は我々に誘拐されたんじゃあないのかな。」
「野郎、ふざけるな!」
「大声を出すなよ。これ以上手をわずらわせると、コンクリートの箱の中にぶち込むぞ?」
「それで海へ沈めるのか?※51
「…ああ、そうだ。」

クラコの屋敷を出てくるカークたち。また轢かれそうになる。
自動車に近づくスポック。「また車。」
カーク:「歩くより速いぞ。」
「しかし危険です。」
「車が怖いのか。」
「車ではなく船長の運転が怖いんです。」
「ああ文句ばかり言ってないで※52早く乗れ!」
従うスポック。乗って向きを指差すカークだが、またバックした。

目を覚ますザボ。「あ…ちきしょう、またか。ああ。」 仲間を起こす。「…おい起きろよ、大丈夫かい。ああ。」
ドアを開けた。「おい、みんなこっちへえれ!」
部下:「へい!」「へい!」 「何です、兄貴。」 こちらも気を失っていたようだ。
「ああ、ボスが奴らにさらわれたい。こんなこと初めてだ。今の内に叩かねえとどえれえことになるぜ。」
「どこ行ったんだい。」
「これにはオクミックスが噛んでるにちげえねえ。俺の冴えた勘ではよ、奴らはオクミックスの縄張りへ逃げ込んだんだ。…こうなりゃやるぜ! 殴り込みをかけるんだ。」

オクミックスの屋敷のマッコイ。「遅いな。」 機関銃を手にしている。
笑うオクミックスの傍らでは、下着姿のカロたちが寒そうにしている。
オクミックス:「クラコのことだ、箱に詰めて送り返してくるぜ。」
カーク:「予想が外れたな。」 スポックと共に来る。
マッコイ:「カーク。」
「たまげることはねえ※53、こいつに話があるんだ。貴様みてえな乞食野郎どもとままごとするのはもう飽きたぜ。」 オクミックスを押しやるカーク。
オクミックス:「何! 乞食野郎とは、どういう意味だい!」
「乞食だからそう言ってんだい、座れ!」
「おい、こいつを見張ってな※54。」
銃を向けるスポック。
カーク:「俺たちはもう遠慮なく組織を頂くぜ、いい子になって力を貸しゃあ分けめえをくれてやる。…嫌なら終わりだ、もう面倒はみねえ。わかったかい。」
オクミックス:「いやいや、わかったよ。何で初めにそいつを言わねえんだよ。俺は物わかりのいい男だぜ。」
「カークからエンタープライズ?」

スコット:「エンタープライズ、スコットです。」

カーク:「クラコはどうしてる?」
スコット:『ここにいます。怒って石※55にでも噛みつきそうですが、心配いりません。』

カーク:『よーし、合図するまで可愛がってやれ。』
スコット:「か、可愛がる?」

小声で話すカーク。「合図するまで預かっててくれ。これから大昔の電話を使って何本かかけるからな、相手の野郎のショバを調べて構わねえからこっちへ片っ端から飛ばしてよこしな。」
スコット:『何です?』
「…電話の相手の位置を確認し、全員こちらへ転送するんだ。どうだ、できるな!」

スコット:「はい、もちろんできます。準備よし。」

カーク:「おい、ほかのボスどもに片っ端から電話をかけろ。」
オクミックス:「で何をするつもりなんだ、さっぱりわからん…」
「うるせえな、言われた通りにしろい!」
電話を使うオクミックス。「…よう、テポ※56か?」
カーク:「スコッティ。」
スコット:『スコットです。』
「位置を確認して転送しろ。」
転送されてくる男。
オクミックス:「おう、ふざけた真似して悪かったな。だからどうするってんだよう。」
テポの手は、電話を持っていたままの格好になっている。「調子乗ってやがると殴り込みかけてメッタメタの…」 状況に気づき、泣き出した。「トホホ…母ちゃん!」
布を取り出すテポ。スポックに銃を向けられ、自分のピストルを渡した。
笑うオクミックス。「おい船長、こいつはおもしれえや!」
カーク:「ああ。」
スポック:「手を休めずにさっさと次の番号を回しな?」
言われた通りにするオクミックス。

銃を準備するザボ。「さあ、もう頭へきたぜい。オクミックスの野郎どもを綺麗に皆殺しにしてやる。野郎どもついてこい!」

騒ぐボスたち※57。「一体…」「てめえら…」「勝手なこと言うからいけねえんだ…」「てめえらのツラ見てると吐き気がしてくらあ…「ちゃんと説明してもらいてえな…」
クラコもいる。「全くここで言い争っても意味ないのにな…」
カーク:「うるさい! みんな静かにしろ、うるせえ! …みんな黙れ!
おめえらがどう騒ごうと、組織は俺たちが頂くんだい。これまでのおめえらのやり方じゃダメだ。乞食の集まりだぜ※58。…今日から、一つの屋根にまとまる。商売としてやるんだ、商売として。…そしてだな、うんと儲けるんだい。」 ビリヤード台の上に立っている。
テポ:「それで※59、何パーセント取るんだ。」
「俺たちは全部の上がりの 40%を取る。…誰か文句あるか。」
「おう。…でっけえこと言うけどよ、ここにはおめえ入れて 3人しかいねえじゃないかい。手下どもの姿が見えねえぞ?」
クラコ:「…うるせえ、奴らは船もってるぜ。おりゃ乗ってきたんだ。」
オクミックス:「…ちょっと待った待った、静かにしろい! …テポの言うとおりだい、姿を見せたのはこいつらだけだ。」
テポ:「手下ども見るまでは信用できねえぞ…」
「そうだい、そこを俺は言ってるんだい。だからよう…」
また騒ぎ出す一同。「証拠を見せろ、証拠を…」「待てったらよ…」
カーク:「うるせえ奴らだな! 静かにしろ、うるせえ! 話をやめろ!」
クラコ:「そういやこいつはおかしいぞ。船に乗っても 3人しか現れなかったぜ。…あとはいねえんじゃねえのか?!」
クラコのネクタイをつかむカーク。「船にはな、400人以上も乗ってるんだぜ。」
クラコ:「そんな話はもう信用できねえ!」

猛スピードで来る車。逃げる人々。
撃ち合いが始まった。

音に気づくクラコ。「お? …おい、うちの若いもんが殴り込みかけてきやがった。」
窓に近づくオクミックス。「あんな奴ら皆殺しだい。」
クラコ:「賭けるか?」 隙を突いてマッコイから銃を奪う。「行った行った、下手な真似しやがったらぶち殺す。ほら、銃をよこしな。」
「おい、クラコよくやったぜ。これでまた俺たちの勝ちだ。上の船と取引できるぜ?」
「何抜かしやがる、ボスは俺だぜ。」
やまない撃ち合い。
クラコ:「もう誰にも勝手な真似はさせねえぞ。組織は全部俺が頂いて俺の好きなようにやる。」 笑う。
カーク:「ちょっと待った、ふざけるんじゃねえ。そんなもんは降ろしな。俺たちに逆らうとみんな命はねえぞ。」
「おめえらに何ができる、そんな脅しに乗るか。」
「だったら最期に船と連絡をさせろや、さよならぐらい言ってもいいだろ?」
「ああしようがねえや、やりな。変な気を起こすなよ?」
「ようスコッティ、カーク船長だ。」

船長席のスコット。「エンタープライズ、スコットです。」
カーク:『スコッティ、フェイザー砲を麻痺にセット。現在位置より半径 50メートル※60円周上に撃て。』
「わかりました、撃ちます!」

撃ち合いは続いている。
コミュニケーターを奪うクラコ。
すると、フェイザーの音と共に道路の一面が光に包まれた。倒れる男たち※61
オクミックスたちは無言になる。
クラコ:「おい、すげえことやりやがるな…」
オクミックス:「おい、今の見たかい。」
カーク:「死んだんじゃなく気を失っただけだ。でもその気になりゃ何百人だっていっぺんに殺すことができるんだぜ。」
オクミックス:「ちきしょう。わかったわかった、もう言うない。俺たちの負けだよ。で? さっきのシンジケートの話を聞こうじゃねえか。」
テポ:「…あの、確か分け前の話してたな。」
カーク:「両方の話をしてたんだ。」
オクミックス:「いやまずだい、シンジケートは俺も賛成だぜ。おりゃ揉め事は嫌いだよ、下らないケンカにも飽きたんだよ。俺がクラコをやる、クラコはテポをやる、テポは俺をやる! ボスが多すぎるんだ、まとまって何にもできやしねえ。まそこでだ、一人が指揮をするんだ。…おめえみてえのが大ボスになったらよう、何だってできるようになるぜ。」
笑うカーク。「俺が大ボス? いやあそいつはダメだな、俺たちはこんなケチな組織にそう構ってばかりはいられねえ。そこで考えたんだ、おめえはどうだ? 大ボスになってみろ。」
まんざらでもない様子のオクミックス。
カーク:「クラコ、お前は右腕だ。後の者はみんな 2人の言うことを聞け。逆らうと俺たちが黙っちゃいねえ。…俺たちは毎年分けめえを集めに来るぜ。」
テポ:「それじゃつまりどうなんだ、その 40%で文句はねえのか。」
カーク:「ああ、そうだな。40%でいいだろう。」
オクミックス:「まあ、いいとこじゃねえか? それなら文句はねえや。あ、どうだみんなそれでいいか?」
納得する一同。
カーク:「よーし、じゃ話はこれで決まりだ。となったらみんなで乾杯といくか。シンジケートの前祝いだ。」 グラスを配る。

シグマ・イオタ2号星を離れるエンタープライズ。
制服に戻ったカーク。「どうしたんだ、船に戻ってから 2人とも深刻な顔をして。」
スポック:「深刻な顔。」
「そう、深刻な顔だ。何か悩んでるらしいが、悩み続けるかそれとも打ち明けるかだ。」
「別に悩んでるわけじゃありませんが、イオタ星の問題を解決した方法について疑問を感じていることは確かです。」
「なるほど。…犯罪組織にリーダーシップを任せてきたのに、賛成できないんだな? どうだ。」
「非常に非論理的な解決ですね? 第一宇宙艦隊司令部にどう説明するつもりですか。彼らとの契約では、毎年我々は『分け前』を取りにイオタ星へ行かなくてはならないんですよ?」
「うんそれはなかなかいい質問だが受け取った分け前は惑星の財務省※62に納めて、それをイオタ文明のより正しい発展のために積極的に利用するというアイデアはどうだろうかねえ? 市民の義務を学ばせるんだ。どうだスポック、論理的だろう。」
無言のスポックを見て、カークの笑みは消えた。「ドクター、彼らの言葉を借りると何シケたツラしてるんだ。」
マッコイ:「大した問題じゃないのかもしれないんだがねえ、それに君には言いにくいことなんだが。」
「何だ。」
「周りが落ち着かなかったんで。」
「どうした。」
「下に忘れてきたらしいんだよ。」
「忘れた?」
「多分オクミックスのうちだ。」
「何を忘れたんだ。」
「私の通信機だよ。」
「オクミックスのうちに?」
スポック:「船長。イオタ人が利口で真似の上手な人種なら、多分通信機を分解して…」
「ああそれは間違いない、トランステイター※63の作用を学ぶだろうな?」
「トランステイターは、我々の装備の基本をなすものです。」
「その通り。」
「あの構造をもって兵器にでも…」
マッコイ:「そう心配することはないだろう…」
カーク:「ないだろう? 重大問題だ。地球の運命に影響するぞ。」
「どうしてだ。」
カークは、手を広げた。「今度は、彼らが分け前を要求するかもしれないぞ? 地球へやってきて。」※64


※50: 原語では「12フィート」

※51: 原語では、スコット「コンクリートの雨靴を履かせるぞ?」 クラコ「セメントのオーバーシューズのことか?」。「セメントのオーバーシューズ (または靴)」で溺死させるという意味の俗語があり、スコットが言い回しを間違えています

※52: 原語では「もうコツをつかんだから」

※53: 原語では「ボーンズ」の本来の由来である、"Sawbones" 「外科医」と呼びかけています

※54: 原語では「スポッコ (Spocko)」と呼びかけています

※55: 原語では「ニュートロニウム」

※56: Tepo
(ジョン・ハーモン John Harmon TOS第28話 "The City on the Edge of Forever" 「危険な過去への旅」のローデント (Rodent) 役。1985年8月に死去) 声:DVD 補完では後藤哲夫

※57: この辺りの補完では、「ガヤ」として以下の声優も担当しています。女=山川亜弥。口ひげの男=牛山茂、TNG ローア、新旧STG ソラン、旧ST5 スールーなど。その隣の男=石田圭祐。男1=千田光男。男2=樫井笙人、補完チェコフ、VOY ジョナスなど

※58: DVD 吹き替えでは「てんでバラバラにやりやがって」に修正

※59: 旧吹き替えでは「それで」の部分はありません

※60: 原語では「一ブロック」

※61: 船のフェイザーが対人の麻痺設定で使われたのは、今回が唯一

※62: 吹き替えでは「宇宙財務省」。イオタでのという意味

※63: transtator
初言及。トランジスタの未来版という意図だと思われます。吹き替えでは「通信機」(次のスポックのセリフでは「通信機の構造」)

※64: 画面が停止して終わる、唯一のエピソード

・感想など
パラマウント撮影用地を使った、コメディ色あふれる一品。「アンタッチャブル」のような世界を描くため、ホロデッキが存在しない TOS ならではのやや強引な設定ではありますが、私としてはかなり好きな方のエピソードです。大きな銃を堂々と持ち歩くイオタ人たちの姿は、現代にも通じる皮肉となってしまってますね。原語にある言葉遊びの類はなかなか訳すのが難しかったでしょうが、「ドンパチ」に代表される当時の勢いのある吹き替えが素晴らしいです。新旧マッド役の共演は、すなわち新旧バカボンのパパ役ということになります。
旧題には "President Capone" 「カポネ大統領」(当初のストーリー案の一つ)、"Mission into Chaos" 「混沌での任務」、"The Expatriates" 「祖国を離れた者たち」、"A is for Anarchy" 「アナーキーの A」といったものがあり、ロミュランも関係する予定でした。DS9 のスタートレック 30周年記念エピソードが「伝説の時空へ」に決まる前、この惑星を再訪して 23世紀の制服を着たイオタ人に出会うという案もあったとか。NES ゲーム (米国のファミコンに相当) でも取り上げられています。一冊の本に影響された世界といえば、TNG "The Royale" 「ホテル・ロイヤルの謎」もそうですね。


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